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その手を離さないで
その手を離さないで・・・その17
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裕子は、愛奈との会話をしながら、夏樹は、愛奈をどう思ってるのだろうと考えていた。
夏樹と愛奈、まだ、お互い会ってはいないとはいえ、夏樹は愛奈の名前を知ってしまったのだから。
しかも、愛奈は雪子の娘であり、雪子が愛奈の名前をつけたことくらい夏樹にはすぐに分かったはず。
夏樹がそれを知らなければ、いや、もし雪子と再会していなければ、
それはそれで大した問題でもなかったはず・・・でも、夏樹はそれを知ってしまった。
そして、なぜか、愛奈は、自分の名前の由来に関心を持ってしまっているのである。
う~ん・・・違うわね。問題はそこじゃないわ。
などと、普段、あまり使わない思考回路を使っている裕子が、愛奈と会話をしている頃。
直美は、京子に呼び出されて街はずれのレストランに来ていた。
とりあえず、コーヒーを注文しながら、京子が来るのを待っていた。
ちょっと早く来すぎちゃったかしら?
でも、何だろう?
京子から呼び出すなんて珍しい・・・事も、なかったりして。
でも、どうして、家じゃなくてレストランなのかしら?
いつもなら、家にいるから来てみない。なんて感じでのお誘いなのに。
そういえば、夏樹さん、どこへ行くんだろう?
さっき見かけたんだけど、ちょっと街までお買い物っていう感じじゃなかったみたいだったし。
ちょっと素敵なお帽子なんて被っちゃって、もう、完全に女性やっちゃってるし。
あ~あ、私も夏樹さんくらい、いや、その半分くらいでもいいから美人さんだったらな~。
まさか、雪子さんとデートだったりして・・・
などと、ひとり言を呟いていると、スマホの呼び出し音がなった。
直美は、バッグからスマホを取り出してみると、呼び出しの相手は夏樹だった。
うっそ・・・?マジで・・・?
直美は、慌てて通話ボタンを押して、スマホを耳に近づけてみる。
「雪子と、デートじゃないわよ!」
おおお===っ!
あんたは、超能力者なんですか===?
「違うわよ。途中で、あんたを見かけたから、伝えておこうと思ってね」
「はい・・・?」
「ほら、前に言ってたでしょ?引っ越し先を探しているって」
「あっ、はい。それで、もしかして、見つかったのですか?」
「何カ所かね。良さそうな物件があるっていうから、ちょっと見に行ってみようかなって思ってね」
「遠いんですか?」
「近かったら、京子が、困るでしょ?」
「えっ・・・?いや・・・まあ・・・なんとも」
「おそらく、その中で、一件は、決まると思うのよ」
「決まるって、まだ、見ていないのにですか?」
「大体の場所が分かるし。それに、その場所っていうか、そういう環境の場所の物件もお願いしていたからね」
「物件って、もしかして、新築とかじゃないんですか?」
「違うわよ。中古物件よ。あの物件に新築はちょっと見かけた事がないし。もし、京子に会う機会があったら伝えてあげるといいわ。あたしは、もうすぐ、いなくなるからって。それじゃね!」
「はい・・・?ってか、あの・・・」・・・と。
追いかけてはみたものの、スマホは、すでに通話が終わってしまっていた。
あ~ビックリしたな~。もう~。
でも、なぜだろう?なんか、ドキドキしてきちゃうわ。
とりあえず、スマホはバッグの中に早々に入れちゃいましょう。
などと、呟きながらレストランの玄関の方を見ると、ちょうど、京子が入ってくるところだった。
おおお===っ!
セーフ!というか、ギリのニアミスだったわ!
夏樹と愛奈、まだ、お互い会ってはいないとはいえ、夏樹は愛奈の名前を知ってしまったのだから。
しかも、愛奈は雪子の娘であり、雪子が愛奈の名前をつけたことくらい夏樹にはすぐに分かったはず。
夏樹がそれを知らなければ、いや、もし雪子と再会していなければ、
それはそれで大した問題でもなかったはず・・・でも、夏樹はそれを知ってしまった。
そして、なぜか、愛奈は、自分の名前の由来に関心を持ってしまっているのである。
う~ん・・・違うわね。問題はそこじゃないわ。
などと、普段、あまり使わない思考回路を使っている裕子が、愛奈と会話をしている頃。
直美は、京子に呼び出されて街はずれのレストランに来ていた。
とりあえず、コーヒーを注文しながら、京子が来るのを待っていた。
ちょっと早く来すぎちゃったかしら?
でも、何だろう?
京子から呼び出すなんて珍しい・・・事も、なかったりして。
でも、どうして、家じゃなくてレストランなのかしら?
いつもなら、家にいるから来てみない。なんて感じでのお誘いなのに。
そういえば、夏樹さん、どこへ行くんだろう?
さっき見かけたんだけど、ちょっと街までお買い物っていう感じじゃなかったみたいだったし。
ちょっと素敵なお帽子なんて被っちゃって、もう、完全に女性やっちゃってるし。
あ~あ、私も夏樹さんくらい、いや、その半分くらいでもいいから美人さんだったらな~。
まさか、雪子さんとデートだったりして・・・
などと、ひとり言を呟いていると、スマホの呼び出し音がなった。
直美は、バッグからスマホを取り出してみると、呼び出しの相手は夏樹だった。
うっそ・・・?マジで・・・?
直美は、慌てて通話ボタンを押して、スマホを耳に近づけてみる。
「雪子と、デートじゃないわよ!」
おおお===っ!
あんたは、超能力者なんですか===?
「違うわよ。途中で、あんたを見かけたから、伝えておこうと思ってね」
「はい・・・?」
「ほら、前に言ってたでしょ?引っ越し先を探しているって」
「あっ、はい。それで、もしかして、見つかったのですか?」
「何カ所かね。良さそうな物件があるっていうから、ちょっと見に行ってみようかなって思ってね」
「遠いんですか?」
「近かったら、京子が、困るでしょ?」
「えっ・・・?いや・・・まあ・・・なんとも」
「おそらく、その中で、一件は、決まると思うのよ」
「決まるって、まだ、見ていないのにですか?」
「大体の場所が分かるし。それに、その場所っていうか、そういう環境の場所の物件もお願いしていたからね」
「物件って、もしかして、新築とかじゃないんですか?」
「違うわよ。中古物件よ。あの物件に新築はちょっと見かけた事がないし。もし、京子に会う機会があったら伝えてあげるといいわ。あたしは、もうすぐ、いなくなるからって。それじゃね!」
「はい・・・?ってか、あの・・・」・・・と。
追いかけてはみたものの、スマホは、すでに通話が終わってしまっていた。
あ~ビックリしたな~。もう~。
でも、なぜだろう?なんか、ドキドキしてきちゃうわ。
とりあえず、スマホはバッグの中に早々に入れちゃいましょう。
などと、呟きながらレストランの玄関の方を見ると、ちょうど、京子が入ってくるところだった。
おおお===っ!
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