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あなたが見えない
あなたが見えない・・・その18
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雪子が、同性愛者・・・?
ふふっ・・・確かに、言われてみれば、そう見えてもおかしくないわね。
そうよ・・・。何も、慌てる事はなかったのよ。だって、夏樹さんは女装してるんだし。
それに、女装とはいえ、夏樹さんの場合、どこから見ても女性にしか見えないくらいなんだから。
「あの・・・裕子さんは、驚かないんですか?」
「えっ・・・?あっ・・・ふふっ、ちょっと、意外だったから・・・」
「意外って・・・裕子さんも、知らなかったんですか?」
知らなかったんですか?って、訊かれても。う~ん、なんて答えるのよ・・・まったく、もう。
かといって、まさか雪子が抱きついた人は、実は、男の人なのよっても言えるわけないし。
「たぶん、ちょっと違うと思うわよ」
「違うっていうのは・・・?」
「雪子って、ほんとに親しい友達といる時って、いつも、そんな感じだから」
「それじゃ、裕子さんといる時も・・・ですか?」
「まあ~、似たような感じかもしれないわね」
「はあ・・・そうだったんですか・・・。でも、なんか安心しました」
「ふふっ・・・でも、愛奈ちゃんも驚いたでしょ?」
「はい・・・。ホントにビックリしました」
「そうよね~・・・。雪子って、普段は、とっても物静かで大人しいものね」
「あと、それに無口も入れて下さい」
「無口・・・?な~に、雪子って、家では、そんなに無口なの?」
「はい・・・。ほとんど、会話らしい会話とかってした事がないんですよ」
「ふ~ん・・・。しかし、そんなに無口で、よく母親やってられるわね?」
「でも、その分、お父さんがよく動きますから」
「愛奈ちゃんから見て、雪子と旦那さんって、どんな感じなの?」
「どんな感じって、別に、普通だと思いますけど」
「ケンカとかってしないの?」
「はい。だって、お母さんは、ほとんど話さないので。たぶん、ケンカにならないと思います」
「そうなの・・・」
「はい。それに、お母さんが大人しい代わりに、お父さんがコマメに動いていますから」
「そっか~・・・。でも、ケンカしないって事は、二人は、きっと、仲が良いのね」
「裕子さん・・・そう思います?」
愛奈がまだ小さい時から知っている裕子は、雪子に連れられてくる愛奈とはよく遊んでいたので、
今でも、裕子は、愛奈とは、とても仲がいい関係なのだが、それでも、時々、不思議に思う事がある。
愛奈の性格は、どちらかというと、父親よりも、母親である雪子に似ている。
物静かで、大人しくて、頭が良くて。
何よりも、若い頃の雪子と同じように小柄で、とても可愛いくて愛らしいのである。
ただ、雪子との違いがあるとすれば、なかなか自分の事を話そうとしない雪子とは対照的に、
自分が疑問に思ったり分からない事があると、自分から進んで話をしてくるタイプである。
愛奈ちゃんって、いったい、誰に似たのかしら?
でもね、もし、愛奈ちゃんが、夏樹さんの子供だったら、夏樹さんはどんなに喜んだかしらね?
それに、もし、愛奈ちゃんが、自分の名前の名付け親が、昨日、雪子と抱き合っていたっていうお相手の女性だと知ったら、愛奈ちゃんはどう思うのかしら・・・。
きっと、もう、愛奈ちゃんの事は、雪子から聞いていると思うけど、夏樹さんはどう思ったんだろう?
夏樹さんとしては、それなりに複雑な心境なのかしら?・・・それとも・・・。
「愛奈ちゃん?そう思います?って、雪子と旦那さんって、もしかして、仲が悪いの?」
「そういうわけではないんですが。ケンカをしないから仲が良いとか、お母さんが大人しい代わりにお父さんが色々と家の事とかをするから仲が良いとかって、どこか違うような気がするんです」
「らしくないわね・・・?そんな、回りくどいような言い方って?」
「ごめんなさい・・・。でも、どう表現したらいいのか分からなくて」
「ふふっ・・・別に謝らなくてもいいわよ。でも、愛奈ちゃんがそんな風に思うって事は、そんな雪子に、何か、気になるような事でもあったの?」
「裕子さん・・・?」
「ん・・・?な~に?」
「今、お母さんの名前の方を言いましたよね?」
愛奈の切り返しの言葉に、裕子は、少しドキッとした。
「あら?そうだったかしら?」
「もしかして、裕子さんは、お母さんの事で、何か、知ってるんじゃないんですか?」
知ってるんじゃないんですか?と、言われて、「はい!そうです。」なんて、言えるわけないじゃないのよ。
それに、私だって、去年の秋に、雪子と一緒に温泉に行くまでは知らなかったんだから。
「そういわれても・・・愛奈ちゃんは、何か、気になってるような事でもあるの?」
「何となくなんですけど・・・。もしかして、お母さんには、誰か、好きな人がいるんじゃないかなって?」
う~ん、鋭いわ・・・。
あっ、そうか?そうよね?なんで、今まで、気がつかなかったのかしら?
真面目に、とんでもない勘違いで悩む性格、そして、突然、確信を言い当てる想像力と洞察力。
もしかして、これって、夏樹さんの性格なんじゃないかしら?
ふふっ・・・確かに、言われてみれば、そう見えてもおかしくないわね。
そうよ・・・。何も、慌てる事はなかったのよ。だって、夏樹さんは女装してるんだし。
それに、女装とはいえ、夏樹さんの場合、どこから見ても女性にしか見えないくらいなんだから。
「あの・・・裕子さんは、驚かないんですか?」
「えっ・・・?あっ・・・ふふっ、ちょっと、意外だったから・・・」
「意外って・・・裕子さんも、知らなかったんですか?」
知らなかったんですか?って、訊かれても。う~ん、なんて答えるのよ・・・まったく、もう。
かといって、まさか雪子が抱きついた人は、実は、男の人なのよっても言えるわけないし。
「たぶん、ちょっと違うと思うわよ」
「違うっていうのは・・・?」
「雪子って、ほんとに親しい友達といる時って、いつも、そんな感じだから」
「それじゃ、裕子さんといる時も・・・ですか?」
「まあ~、似たような感じかもしれないわね」
「はあ・・・そうだったんですか・・・。でも、なんか安心しました」
「ふふっ・・・でも、愛奈ちゃんも驚いたでしょ?」
「はい・・・。ホントにビックリしました」
「そうよね~・・・。雪子って、普段は、とっても物静かで大人しいものね」
「あと、それに無口も入れて下さい」
「無口・・・?な~に、雪子って、家では、そんなに無口なの?」
「はい・・・。ほとんど、会話らしい会話とかってした事がないんですよ」
「ふ~ん・・・。しかし、そんなに無口で、よく母親やってられるわね?」
「でも、その分、お父さんがよく動きますから」
「愛奈ちゃんから見て、雪子と旦那さんって、どんな感じなの?」
「どんな感じって、別に、普通だと思いますけど」
「ケンカとかってしないの?」
「はい。だって、お母さんは、ほとんど話さないので。たぶん、ケンカにならないと思います」
「そうなの・・・」
「はい。それに、お母さんが大人しい代わりに、お父さんがコマメに動いていますから」
「そっか~・・・。でも、ケンカしないって事は、二人は、きっと、仲が良いのね」
「裕子さん・・・そう思います?」
愛奈がまだ小さい時から知っている裕子は、雪子に連れられてくる愛奈とはよく遊んでいたので、
今でも、裕子は、愛奈とは、とても仲がいい関係なのだが、それでも、時々、不思議に思う事がある。
愛奈の性格は、どちらかというと、父親よりも、母親である雪子に似ている。
物静かで、大人しくて、頭が良くて。
何よりも、若い頃の雪子と同じように小柄で、とても可愛いくて愛らしいのである。
ただ、雪子との違いがあるとすれば、なかなか自分の事を話そうとしない雪子とは対照的に、
自分が疑問に思ったり分からない事があると、自分から進んで話をしてくるタイプである。
愛奈ちゃんって、いったい、誰に似たのかしら?
でもね、もし、愛奈ちゃんが、夏樹さんの子供だったら、夏樹さんはどんなに喜んだかしらね?
それに、もし、愛奈ちゃんが、自分の名前の名付け親が、昨日、雪子と抱き合っていたっていうお相手の女性だと知ったら、愛奈ちゃんはどう思うのかしら・・・。
きっと、もう、愛奈ちゃんの事は、雪子から聞いていると思うけど、夏樹さんはどう思ったんだろう?
夏樹さんとしては、それなりに複雑な心境なのかしら?・・・それとも・・・。
「愛奈ちゃん?そう思います?って、雪子と旦那さんって、もしかして、仲が悪いの?」
「そういうわけではないんですが。ケンカをしないから仲が良いとか、お母さんが大人しい代わりにお父さんが色々と家の事とかをするから仲が良いとかって、どこか違うような気がするんです」
「らしくないわね・・・?そんな、回りくどいような言い方って?」
「ごめんなさい・・・。でも、どう表現したらいいのか分からなくて」
「ふふっ・・・別に謝らなくてもいいわよ。でも、愛奈ちゃんがそんな風に思うって事は、そんな雪子に、何か、気になるような事でもあったの?」
「裕子さん・・・?」
「ん・・・?な~に?」
「今、お母さんの名前の方を言いましたよね?」
愛奈の切り返しの言葉に、裕子は、少しドキッとした。
「あら?そうだったかしら?」
「もしかして、裕子さんは、お母さんの事で、何か、知ってるんじゃないんですか?」
知ってるんじゃないんですか?と、言われて、「はい!そうです。」なんて、言えるわけないじゃないのよ。
それに、私だって、去年の秋に、雪子と一緒に温泉に行くまでは知らなかったんだから。
「そういわれても・・・愛奈ちゃんは、何か、気になってるような事でもあるの?」
「何となくなんですけど・・・。もしかして、お母さんには、誰か、好きな人がいるんじゃないかなって?」
う~ん、鋭いわ・・・。
あっ、そうか?そうよね?なんで、今まで、気がつかなかったのかしら?
真面目に、とんでもない勘違いで悩む性格、そして、突然、確信を言い当てる想像力と洞察力。
もしかして、これって、夏樹さんの性格なんじゃないかしら?
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