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あなたが見えない
あなたが見えない・・・その10
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ひと言も、悪口を言ってくれない・・・か・・・。
そんな事なんて、考えた事もなかったわ。
どっちがどうであれ、大体の人たちなんて、多かれ少なかれ同じような感じじゃないのかな?
別れた後に、別れた相手の悪口の一つや二つ、いや、もっとかも・・・?
でも、そうやって、相手の悪口を言うのが、普通だと思ってたけど。
でも、夏樹さんって、やっぱり、言わなかったのね・・・。京子の悪口。
悪口を言われたい・・・。何となく、分かるような気がする。
私だって、離婚した元旦那にしても、他に付き合った事がある男性にしても。
それなりにって、言い方が正しいかどうかは別として、やっぱり、私の悪口を言ってたのもね。
もし、私が、別れた男性にひと言も悪口を言われなかったり、
噂の一つも聞こえて来なかったとしたら、やっぱり、京子と同じように思ってしまうのかな?
悪口の一つも言われないって事は、別れた相手の事など何とも思っていないって事になるのかな?
そう言えば、夏樹さんが言ってたのよね。
京子と離婚する時期を間違えたって・・・。
でも、それって、京子が言ってるのと、どこか、繋がってるんじゃないかしら?
ううん、違うわね・・・。夏樹さんは、そんな人じゃなかった・・・だとしたら。
う~ん・・・分かんないわ。やっぱり、私って、おバカなのね。きっと・・・。
「でも、京子・・・?」
「な~に・・・?」
「夏樹さんが、京子の悪口を言わないっていうのは、京子の事が嫌いじゃないって事なんじゃないのかな?」
「そんなの、初めから知ってたわよ」
はい・・・?
それって、どういう事・・・?
夏樹さんが京子の事を嫌いでないって、京子が初めから知ってたって、どういう事なの?
う~ん・・・頭の悪い私には理解不能なんですけど。
でも、それじゃ、どうして離婚なんてしたわけ?
「それを知ってて、どうして、離婚なんてしたのよ?」
「仕方ないでしょ。あの時は、どうにもならない成り行きだったんだから」
どうにもならない成り行きって、どんな、成り行き・・・?
「それじゃ~、なに?京子は、夏樹さんと離婚した事を後悔してるって事なの?」
「そうは言ってないでしょ?」
「だって今、どうにもならない成り行きって・・・」
「それと後悔とは、別でしょ?」
あの・・・いったい、どの辺が、別なのでしょうか・・・?
私には、どっちも同じように思えるんですけど。という事は、夏樹さんの借金ってわけね?
「それじゃ、夏樹さんが嫌いになったからじゃなくて、夏樹さんの借金が離婚の原因ってわけなの?」
「そんなの当たり前でしょ?私に隠れて、あんなに借金してたなんて。今でも、信じられないわよ」
「京子は、夏樹さんが京子に隠れて借金をしていたから離婚したって事なの?」
「当り前よ。ただ借金してただけならまだしも、私のカードローンまで勝手に使ってたのよ」
「それだけ・・・?」
「それだけって、ずいぶんと簡単に言うのね?」
「別に、そういうわけじゃないけど・・・」
「でもね、それだけじゃないのよ・・・」
「もしかして、自分の家を勝手に抵当に入れて借金してたって事?」
「なんで直美が、そんな事を知ってるのよ?」
「知ってるのよ?って、だって、京子が教えてくれたのよ?」
「あら・・・そうだったかしら?」
「そうよ。夏樹さんが家族に内緒で家を勝手に抵当に入れてお金を借りまくってたのが発覚した事が、離婚をする引き金になったって。前に、京子から聞かされたわよ」
「まあね。だって、それって、誰だって頭にくるでしょ?」
なるほど・・・ここが、京子と、私の違うところなのね・・・・。
そんな大事な事を家族に言わなかったって事は、家族にも奥さんにも言えなかったって事なんだから。
私はすぐに、自分のどこが悪かったんだろうって考えちゃうけど・・・う~ん。
「だったら、もう、夏樹さんの事なんて、忘れちゃってもいいんじゃないの?」
「そうじゃないのよ・・・」
「そうじゃない・・・?どういう事なの?」
「さっき、言ったでしょ?私の耳に噂が聞こえてきたって」
「うん、さっき、言ってたわよね?」
「その噂がね・・・」
「そういえば、その噂って、いったい、どんな噂なの?」
今まで、感情のままに言葉を次から次へと並べていた京子が、急に黙り込んで何か考え始めた。
「どうしたの・・・?急に黙り込んじゃって」
「実はね、その噂っていうのが、私と結婚したから、あの人は、事業に失敗したんだって・・・」
これって、確か、夏樹さんが言ってた事だわ・・・。
夏樹さんも、この事が、今でも、京子を苦しめている一番の原因だって言ってたけど・・・。
もし、そうだとしたら・・・。
そんな事なんて、考えた事もなかったわ。
どっちがどうであれ、大体の人たちなんて、多かれ少なかれ同じような感じじゃないのかな?
別れた後に、別れた相手の悪口の一つや二つ、いや、もっとかも・・・?
でも、そうやって、相手の悪口を言うのが、普通だと思ってたけど。
でも、夏樹さんって、やっぱり、言わなかったのね・・・。京子の悪口。
悪口を言われたい・・・。何となく、分かるような気がする。
私だって、離婚した元旦那にしても、他に付き合った事がある男性にしても。
それなりにって、言い方が正しいかどうかは別として、やっぱり、私の悪口を言ってたのもね。
もし、私が、別れた男性にひと言も悪口を言われなかったり、
噂の一つも聞こえて来なかったとしたら、やっぱり、京子と同じように思ってしまうのかな?
悪口の一つも言われないって事は、別れた相手の事など何とも思っていないって事になるのかな?
そう言えば、夏樹さんが言ってたのよね。
京子と離婚する時期を間違えたって・・・。
でも、それって、京子が言ってるのと、どこか、繋がってるんじゃないかしら?
ううん、違うわね・・・。夏樹さんは、そんな人じゃなかった・・・だとしたら。
う~ん・・・分かんないわ。やっぱり、私って、おバカなのね。きっと・・・。
「でも、京子・・・?」
「な~に・・・?」
「夏樹さんが、京子の悪口を言わないっていうのは、京子の事が嫌いじゃないって事なんじゃないのかな?」
「そんなの、初めから知ってたわよ」
はい・・・?
それって、どういう事・・・?
夏樹さんが京子の事を嫌いでないって、京子が初めから知ってたって、どういう事なの?
う~ん・・・頭の悪い私には理解不能なんですけど。
でも、それじゃ、どうして離婚なんてしたわけ?
「それを知ってて、どうして、離婚なんてしたのよ?」
「仕方ないでしょ。あの時は、どうにもならない成り行きだったんだから」
どうにもならない成り行きって、どんな、成り行き・・・?
「それじゃ~、なに?京子は、夏樹さんと離婚した事を後悔してるって事なの?」
「そうは言ってないでしょ?」
「だって今、どうにもならない成り行きって・・・」
「それと後悔とは、別でしょ?」
あの・・・いったい、どの辺が、別なのでしょうか・・・?
私には、どっちも同じように思えるんですけど。という事は、夏樹さんの借金ってわけね?
「それじゃ、夏樹さんが嫌いになったからじゃなくて、夏樹さんの借金が離婚の原因ってわけなの?」
「そんなの当たり前でしょ?私に隠れて、あんなに借金してたなんて。今でも、信じられないわよ」
「京子は、夏樹さんが京子に隠れて借金をしていたから離婚したって事なの?」
「当り前よ。ただ借金してただけならまだしも、私のカードローンまで勝手に使ってたのよ」
「それだけ・・・?」
「それだけって、ずいぶんと簡単に言うのね?」
「別に、そういうわけじゃないけど・・・」
「でもね、それだけじゃないのよ・・・」
「もしかして、自分の家を勝手に抵当に入れて借金してたって事?」
「なんで直美が、そんな事を知ってるのよ?」
「知ってるのよ?って、だって、京子が教えてくれたのよ?」
「あら・・・そうだったかしら?」
「そうよ。夏樹さんが家族に内緒で家を勝手に抵当に入れてお金を借りまくってたのが発覚した事が、離婚をする引き金になったって。前に、京子から聞かされたわよ」
「まあね。だって、それって、誰だって頭にくるでしょ?」
なるほど・・・ここが、京子と、私の違うところなのね・・・・。
そんな大事な事を家族に言わなかったって事は、家族にも奥さんにも言えなかったって事なんだから。
私はすぐに、自分のどこが悪かったんだろうって考えちゃうけど・・・う~ん。
「だったら、もう、夏樹さんの事なんて、忘れちゃってもいいんじゃないの?」
「そうじゃないのよ・・・」
「そうじゃない・・・?どういう事なの?」
「さっき、言ったでしょ?私の耳に噂が聞こえてきたって」
「うん、さっき、言ってたわよね?」
「その噂がね・・・」
「そういえば、その噂って、いったい、どんな噂なの?」
今まで、感情のままに言葉を次から次へと並べていた京子が、急に黙り込んで何か考え始めた。
「どうしたの・・・?急に黙り込んじゃって」
「実はね、その噂っていうのが、私と結婚したから、あの人は、事業に失敗したんだって・・・」
これって、確か、夏樹さんが言ってた事だわ・・・。
夏樹さんも、この事が、今でも、京子を苦しめている一番の原因だって言ってたけど・・・。
もし、そうだとしたら・・・。
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