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傷つけたい
傷つけたい・・・その3
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あっ・・・まただ・・・。
今、私が考えてしまった内容が、また、夏樹さんには分かってしまったみたい。
「それなら、どうして、あたしが京子と結婚したのかなんて、そんな感じの事でも考えたんでしょ?」
「夏樹さんって、まるで超能力者みたいですね?」
「どうして・・・?」
「どうしてって、だって、私が思った事なんか、すぐに分かっちゃうんですもの」
「別に超能力でもなんでもないわよ。んなもん、話の流れから簡単に想像出来ちゃうわよ」
「そうなんですか・・・?」
膝の上にちょこんと座ってるウサギのぬいぐるみのお耳をむにゅむにゅしながら夏樹は少し微笑んだ。
「あたしはね、ただ、守ってあげたかっただけなの」
「守る・・・雪子さんをですか?」
「そうよ。雪子の無邪気な一面を守ってあげたかった・・・。ただ、それだけなの」
「何となく分かる気がします」
「あら?あたしの事を嫌いになったんじゃないの?」
「嫌いに・・・ですか?・・・きっと、その反対だと思いますよ」
「その反対・・・?」
「ええ・・・。だから、どうして京子が夏樹さんの事を好きになったのか分かる気がします」
「そういう問題なの?」
「ええ・・・そういう問題です・・・」
「ふふっ・・・あんた、変わってるわね?」
「いえいえ、夏樹さん程じゃないと思いますよ。でも、この先、雪子さんとはどうするんですか?」
「どうするって・・・?」
「今の電話もそうですけど、この先、雪子さんと会ったりとかするんじゃないかなって?」
「そうね・・・雪子が会いたいって言うなら会うと思うけど、あたしの方からからは会おうとするような事はしないと思うわね」
「どうしてですか・・・?」
「どうして・・・?あんたも変な事を訊くのね?」
「えっ・・・?だって、今の電話でもそうですけど、なんか、すごく親しい感じに思いましたよ?」
「あはは、それを言うなら、今のあたしと、あんたも、知らない人が見たらすごく親しげに話をしているように映るんじゃないかしら?」
「あっ・・・言われてみれば、確かに・・・」
「あたしはね、雪子に誰かを傷つけて欲しくなんてないのよ。だから、あたしの方が受け身でいれば、雪子は自分の都合であたしに会う事も決めれるわけだし。雪子自身も、自分の周りに気を配る事も出来るでしょ?ほら、あたしって、ちょっと見は女だしね」
「ふふっ・・・確かに、それは言えてるかも」
「だから、雪子とのメールのやり取りも、あたしは女やってるから、万が一、誰に見られても疑われる事もないし」
「ずいぶん気を使ってるんですね」
「そうよ・・・あたしってズルい女でしょ?」
「えっ・・・?」
「自分では決めない、自分からは行動はしないで、危ない橋を渡るかどうかを雪子に決めさせるって。あたしってホントにズルい女よね」
ズルい女?・・・いや~、それを言うなら、ズルい男ではないでしょうか?
でも、夏樹さんに会うにしても、電話をするにしても、それを雪子さんが決めるという事は、
それは、夏樹さんに誘われるという事がないのだから、雪子さんが自分で思いとどまる事も出来るって事よね?
雪子さんは独身じゃないわけだから、夏樹さんの方から誘わない限りは、
雪子さん自身が道を踏み外す事はないって事だし。
さっき、夏樹さんが言っていた、雪子さんには誰も傷つけさせたくないって事にも繋がっているのかもしれない。
でも、それって言い換えれば、夏樹さんが誘ったら雪子さんは夏樹さんの誘いを断らない?
・・・って事?
という事は、それは同時に、夏樹さんが雪子さんの気持ちを知っているって事になるんじゃないの?
そして、それは、今の夏樹さんの心の中には、もう、京子は存在していないって事になるのかもしれない。
きっと、夏樹さんは、その事を、私に伝えたいんじゃないかしら?
京子が、夏樹さんに対して、どんなに恨み事を言っても、夏樹さんは、それに対して何の反応もしないのだから。
この先、京子が夏樹さんの事をどんなに恨んでも、それは、ただの恨み損にしかならないのだと。
「人がね、一番、辛い事ってさ、あんたは何だと思う?」
「人が、一番、辛い事ですか・・・?辛い事はたくさんあると思いますけど、その中で、一番、辛い事となると、ちょっと」
「それはね、人に、無視され続ける事なのよ」
無視され続ける事?・・・それって、もしかして、京子の事を言ってるの?
今、私が考えてしまった内容が、また、夏樹さんには分かってしまったみたい。
「それなら、どうして、あたしが京子と結婚したのかなんて、そんな感じの事でも考えたんでしょ?」
「夏樹さんって、まるで超能力者みたいですね?」
「どうして・・・?」
「どうしてって、だって、私が思った事なんか、すぐに分かっちゃうんですもの」
「別に超能力でもなんでもないわよ。んなもん、話の流れから簡単に想像出来ちゃうわよ」
「そうなんですか・・・?」
膝の上にちょこんと座ってるウサギのぬいぐるみのお耳をむにゅむにゅしながら夏樹は少し微笑んだ。
「あたしはね、ただ、守ってあげたかっただけなの」
「守る・・・雪子さんをですか?」
「そうよ。雪子の無邪気な一面を守ってあげたかった・・・。ただ、それだけなの」
「何となく分かる気がします」
「あら?あたしの事を嫌いになったんじゃないの?」
「嫌いに・・・ですか?・・・きっと、その反対だと思いますよ」
「その反対・・・?」
「ええ・・・。だから、どうして京子が夏樹さんの事を好きになったのか分かる気がします」
「そういう問題なの?」
「ええ・・・そういう問題です・・・」
「ふふっ・・・あんた、変わってるわね?」
「いえいえ、夏樹さん程じゃないと思いますよ。でも、この先、雪子さんとはどうするんですか?」
「どうするって・・・?」
「今の電話もそうですけど、この先、雪子さんと会ったりとかするんじゃないかなって?」
「そうね・・・雪子が会いたいって言うなら会うと思うけど、あたしの方からからは会おうとするような事はしないと思うわね」
「どうしてですか・・・?」
「どうして・・・?あんたも変な事を訊くのね?」
「えっ・・・?だって、今の電話でもそうですけど、なんか、すごく親しい感じに思いましたよ?」
「あはは、それを言うなら、今のあたしと、あんたも、知らない人が見たらすごく親しげに話をしているように映るんじゃないかしら?」
「あっ・・・言われてみれば、確かに・・・」
「あたしはね、雪子に誰かを傷つけて欲しくなんてないのよ。だから、あたしの方が受け身でいれば、雪子は自分の都合であたしに会う事も決めれるわけだし。雪子自身も、自分の周りに気を配る事も出来るでしょ?ほら、あたしって、ちょっと見は女だしね」
「ふふっ・・・確かに、それは言えてるかも」
「だから、雪子とのメールのやり取りも、あたしは女やってるから、万が一、誰に見られても疑われる事もないし」
「ずいぶん気を使ってるんですね」
「そうよ・・・あたしってズルい女でしょ?」
「えっ・・・?」
「自分では決めない、自分からは行動はしないで、危ない橋を渡るかどうかを雪子に決めさせるって。あたしってホントにズルい女よね」
ズルい女?・・・いや~、それを言うなら、ズルい男ではないでしょうか?
でも、夏樹さんに会うにしても、電話をするにしても、それを雪子さんが決めるという事は、
それは、夏樹さんに誘われるという事がないのだから、雪子さんが自分で思いとどまる事も出来るって事よね?
雪子さんは独身じゃないわけだから、夏樹さんの方から誘わない限りは、
雪子さん自身が道を踏み外す事はないって事だし。
さっき、夏樹さんが言っていた、雪子さんには誰も傷つけさせたくないって事にも繋がっているのかもしれない。
でも、それって言い換えれば、夏樹さんが誘ったら雪子さんは夏樹さんの誘いを断らない?
・・・って事?
という事は、それは同時に、夏樹さんが雪子さんの気持ちを知っているって事になるんじゃないの?
そして、それは、今の夏樹さんの心の中には、もう、京子は存在していないって事になるのかもしれない。
きっと、夏樹さんは、その事を、私に伝えたいんじゃないかしら?
京子が、夏樹さんに対して、どんなに恨み事を言っても、夏樹さんは、それに対して何の反応もしないのだから。
この先、京子が夏樹さんの事をどんなに恨んでも、それは、ただの恨み損にしかならないのだと。
「人がね、一番、辛い事ってさ、あんたは何だと思う?」
「人が、一番、辛い事ですか・・・?辛い事はたくさんあると思いますけど、その中で、一番、辛い事となると、ちょっと」
「それはね、人に、無視され続ける事なのよ」
無視され続ける事?・・・それって、もしかして、京子の事を言ってるの?
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