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戻らない想い
戻らない想い・・・その17
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「それだけじゃないの・・・。あの子たちは知ってるのよ、京子がついた嘘を・・・。ようは、共犯者ってことなのよ」
「共犯者・・・?」
「そうよ。だって、京子も嘘をついたからね」
「そっか・・・。それを子供たちが見ているんですものね」
「それだけじゃないわよ・・・」
「他にも何かあるんですか?」
「あんたさ、離婚した時のあたしの置かれていた状況って知ってる?」
「確か、京子が言ってたのは、自分が知らないうちにあっちこっちから借金をしてて、気がついたら自宅まで勝手に抵当に入れてたみたいなことは聞きましたけど」
「まあ・・・大体は合ってるわね」
「それだけじゃないんですか?」
「まあね。でもね、問題はそういうことじゃないのよ。大体にして、会社をやってて借金だらけになってさ、その上に自宅まで抵当に入れてお金を借りてたってことはさ、その時のあたしの状況って八方ふさがりってことでしょ?」
「ええ・・まあ・・・」
「簡単な話さ、もう、どうにもならないほどに追い詰められいたっていう状況よね?」
「確かに、そう思いますけど・・・」
「そんなあたしに京子は何て言ったと思う?」
「もしかして慰謝料とか・・・ですか?」
「そういうところは京子って頭が良いのよね。そんなあたしから慰謝料なんて取れないってことぐらいは簡単に分かったみたい・・・」
「それじゃ京子は何て言ったんですか?」
「慰謝料はいらないから、その代わりに毎月の生活費と、京子のカードを勝手に使ったその毎月の返済と、それから自宅の住宅ローンを払ってもらいたいって言ってきたのよ」
「それって、無理なんじゃないんですか?」
「無理って・・・どっちが?」
「だって、毎月の生活費っていっても、子供たちはもう自立が出来る歳だと思うし、京子の生活の面倒を見る必要だって離婚したらなくなるわけだし。それに住宅ローンって、だって、夏樹さんはその自宅を追い出されたんですよね?」
「あはは・・・」
「それに、京子たちは、今は引っ越して違う住宅に住んでいるわけでしょ?」
「そうよ。んでもって、何年かは、あたしの代わりに京子が住宅ローンを払っていたのよね」
「ええ・・・それも聞きましたけど。でも、それって何かおかしいんじゃないかな?って思ってたんですけど」
「あんただけじゃなわよ。銀行の人もおかしいって思ってたみたいよ」
「やっぱり・・・。だって、いくら保証人になってたからっていっても、もう支払えませんので事故物件にでもして持っていって下さいとでも言えば、それで京子は支払わなくてもよかったと思うんですけど。それに、もし、それが難しいようなら別の方法だってあったと思いますし」
「それなのに、どうして、毎月、毎月、ブツブツ言いながら支払っていたのかってことでしょ?」
「ええ・・・。それが不思議だったっていうか・・・」
「銀行の方も、事故物件にしたがってたし、それで、あたしも銀行の方とはその線で話を進めていたしね」
「やっぱり・・・」
「そうよ。住宅ローンの残高と住宅の所在地を考えれば、事故物件にしちゃった方が銀行側としても儲かるからね。んでね、5年くらいしたら銀行の人があたしの所に来て、奥さんはもう住宅ローンは支払いたくないのでって言い出したみたいなことを言ってたけどね」
「そうなんですか・・・?」
「んでね。銀行の人が奥さんがそう言ってますので権利書とかってあたしに訊いてきたのよ。それであたしが、家の権利書は離婚した妻が離さないで持ってるはずよって言ったらね、奥さんの方は権利書がどこにあるのか分からないって言ってましたって。だから、権利書は金庫に入ってるじゃないの?って言ったら、今度は、金庫の鍵がどこにあるのか分からないって言ってましたって」
「それって、どういうことなんですか?」
「確か、京子は、家の権利書はあたしが保証人を変えたら返すけど、それまでは絶対に渡せませんって言ってたはずだし、金庫の鍵だって京子が持ってたはずなのにさ。だから、銀行の人にそれを訊かれた時にはあたしがびっくりしたわよ」
「どうして、京子がそんなことを?」
「あたしね、銀行の人が帰ってから思ったんだけど、もしかして京子は銀行の人に上手く手玉に取られてたんじゃないかってね」
「銀行の人にですか?」
「まあね。銀行なんて、そんなもんだからさ。おそらく、京子があたしのことを憎んで悪口を言って、その上、家の権利書を手放そうとしないようなことを言ってたわけでしょ?だったら、とりあえず保証人やってるんだから、事故物件にするのは取れるだけ取ってからでも遅くないしってことで、京子に毎月支払わせてたんじゃない?かってね。そうじゃなくても、銀行の担当の人も、色々と言われてたみたいだし。しかも、毎月、毎月、必ず連絡しないと支払わないし、それで連絡をするとお腹一杯の嫌味を言われていたみたいだったしね。支払いの連絡をしてもしなくても、どっちでも嫌味を言われてたみたいよ。銀行の人だって人間だからさ、んなことを、毎回!毎回!言われてたら面白くないじゃない?」
「だから、銀行では問題の解決よりも京子に支払わせる方を・・・。でも、それじゃ京子は、どうして、そうまでして権利書を手放さなかったり、住宅ローンを毎月支払っていたりしたんですか?」
「簡単なことよ。子供たちが、あたしのことを憎むように仕向けるためよ」
「どうして、そのことで、子供たちが夏樹さんを憎むことになるんですか?」
「いい?子供たちって、いくら身体ばかり大きくなったって、まだまだ世の中とか知らないわけでしょ?」
「ええ・・・確かに・・・」
「で、京子が、自分は保証人になってるから、父親が支払わなければ保証人である自分が支払わないといけないのよ、とでも言えば、どう?ついでに、あたしのことを、事あるごとに、あんな無責任な人だったなんて思ってなかったとか、あの人のせいで、私も、あななたたち子供たちも、こんなに苦労させられてるのよ・・・とでも、言っていたとしたら?」
「はあ・・・でも、それは少し飛躍し過ぎじゃないんですか?」
「あんた、本当にそう思う?」
「でも・・・」
「まあ・・・普通は、あんたと同じように、あたしが被害者意識が強すぎるとか、話が飛躍し過ぎてるとかって思うんでしょうね」
「と・・・思いますけど・・・違うんですか?」
「違うわね・・・。なぜって?京子が、今、子供たちにしてることは、あたしが、20年もの長い年月、京子にされてきたことと同じだからなのよ」
「共犯者・・・?」
「そうよ。だって、京子も嘘をついたからね」
「そっか・・・。それを子供たちが見ているんですものね」
「それだけじゃないわよ・・・」
「他にも何かあるんですか?」
「あんたさ、離婚した時のあたしの置かれていた状況って知ってる?」
「確か、京子が言ってたのは、自分が知らないうちにあっちこっちから借金をしてて、気がついたら自宅まで勝手に抵当に入れてたみたいなことは聞きましたけど」
「まあ・・・大体は合ってるわね」
「それだけじゃないんですか?」
「まあね。でもね、問題はそういうことじゃないのよ。大体にして、会社をやってて借金だらけになってさ、その上に自宅まで抵当に入れてお金を借りてたってことはさ、その時のあたしの状況って八方ふさがりってことでしょ?」
「ええ・・まあ・・・」
「簡単な話さ、もう、どうにもならないほどに追い詰められいたっていう状況よね?」
「確かに、そう思いますけど・・・」
「そんなあたしに京子は何て言ったと思う?」
「もしかして慰謝料とか・・・ですか?」
「そういうところは京子って頭が良いのよね。そんなあたしから慰謝料なんて取れないってことぐらいは簡単に分かったみたい・・・」
「それじゃ京子は何て言ったんですか?」
「慰謝料はいらないから、その代わりに毎月の生活費と、京子のカードを勝手に使ったその毎月の返済と、それから自宅の住宅ローンを払ってもらいたいって言ってきたのよ」
「それって、無理なんじゃないんですか?」
「無理って・・・どっちが?」
「だって、毎月の生活費っていっても、子供たちはもう自立が出来る歳だと思うし、京子の生活の面倒を見る必要だって離婚したらなくなるわけだし。それに住宅ローンって、だって、夏樹さんはその自宅を追い出されたんですよね?」
「あはは・・・」
「それに、京子たちは、今は引っ越して違う住宅に住んでいるわけでしょ?」
「そうよ。んでもって、何年かは、あたしの代わりに京子が住宅ローンを払っていたのよね」
「ええ・・・それも聞きましたけど。でも、それって何かおかしいんじゃないかな?って思ってたんですけど」
「あんただけじゃなわよ。銀行の人もおかしいって思ってたみたいよ」
「やっぱり・・・。だって、いくら保証人になってたからっていっても、もう支払えませんので事故物件にでもして持っていって下さいとでも言えば、それで京子は支払わなくてもよかったと思うんですけど。それに、もし、それが難しいようなら別の方法だってあったと思いますし」
「それなのに、どうして、毎月、毎月、ブツブツ言いながら支払っていたのかってことでしょ?」
「ええ・・・。それが不思議だったっていうか・・・」
「銀行の方も、事故物件にしたがってたし、それで、あたしも銀行の方とはその線で話を進めていたしね」
「やっぱり・・・」
「そうよ。住宅ローンの残高と住宅の所在地を考えれば、事故物件にしちゃった方が銀行側としても儲かるからね。んでね、5年くらいしたら銀行の人があたしの所に来て、奥さんはもう住宅ローンは支払いたくないのでって言い出したみたいなことを言ってたけどね」
「そうなんですか・・・?」
「んでね。銀行の人が奥さんがそう言ってますので権利書とかってあたしに訊いてきたのよ。それであたしが、家の権利書は離婚した妻が離さないで持ってるはずよって言ったらね、奥さんの方は権利書がどこにあるのか分からないって言ってましたって。だから、権利書は金庫に入ってるじゃないの?って言ったら、今度は、金庫の鍵がどこにあるのか分からないって言ってましたって」
「それって、どういうことなんですか?」
「確か、京子は、家の権利書はあたしが保証人を変えたら返すけど、それまでは絶対に渡せませんって言ってたはずだし、金庫の鍵だって京子が持ってたはずなのにさ。だから、銀行の人にそれを訊かれた時にはあたしがびっくりしたわよ」
「どうして、京子がそんなことを?」
「あたしね、銀行の人が帰ってから思ったんだけど、もしかして京子は銀行の人に上手く手玉に取られてたんじゃないかってね」
「銀行の人にですか?」
「まあね。銀行なんて、そんなもんだからさ。おそらく、京子があたしのことを憎んで悪口を言って、その上、家の権利書を手放そうとしないようなことを言ってたわけでしょ?だったら、とりあえず保証人やってるんだから、事故物件にするのは取れるだけ取ってからでも遅くないしってことで、京子に毎月支払わせてたんじゃない?かってね。そうじゃなくても、銀行の担当の人も、色々と言われてたみたいだし。しかも、毎月、毎月、必ず連絡しないと支払わないし、それで連絡をするとお腹一杯の嫌味を言われていたみたいだったしね。支払いの連絡をしてもしなくても、どっちでも嫌味を言われてたみたいよ。銀行の人だって人間だからさ、んなことを、毎回!毎回!言われてたら面白くないじゃない?」
「だから、銀行では問題の解決よりも京子に支払わせる方を・・・。でも、それじゃ京子は、どうして、そうまでして権利書を手放さなかったり、住宅ローンを毎月支払っていたりしたんですか?」
「簡単なことよ。子供たちが、あたしのことを憎むように仕向けるためよ」
「どうして、そのことで、子供たちが夏樹さんを憎むことになるんですか?」
「いい?子供たちって、いくら身体ばかり大きくなったって、まだまだ世の中とか知らないわけでしょ?」
「ええ・・・確かに・・・」
「で、京子が、自分は保証人になってるから、父親が支払わなければ保証人である自分が支払わないといけないのよ、とでも言えば、どう?ついでに、あたしのことを、事あるごとに、あんな無責任な人だったなんて思ってなかったとか、あの人のせいで、私も、あななたたち子供たちも、こんなに苦労させられてるのよ・・・とでも、言っていたとしたら?」
「はあ・・・でも、それは少し飛躍し過ぎじゃないんですか?」
「あんた、本当にそう思う?」
「でも・・・」
「まあ・・・普通は、あんたと同じように、あたしが被害者意識が強すぎるとか、話が飛躍し過ぎてるとかって思うんでしょうね」
「と・・・思いますけど・・・違うんですか?」
「違うわね・・・。なぜって?京子が、今、子供たちにしてることは、あたしが、20年もの長い年月、京子にされてきたことと同じだからなのよ」
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