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後悔
後悔・・・その3
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「でも、さっき言ってた政治家のことだけど、やっぱり政治家以外にもいると思うわ」
「な~に?貧困や人の弱みに付け込んで勝ち組になろうとする人たちってこと?」
「うん、よくニュースとかで言ってる先物取引の詐欺とか、この間ニュースでやってたボランティア団体とかって」
「そうね、そういう人たちもいるわね。でも、基本的なことが政治家たちとは違うのよ」
「どうして違うの?」
「ニュースで言ってる詐欺行為や人助けを利用してお金儲けをする人たちって、この国の人たちを先導する立場にいる人たちじゃないでしょ?」
「う~ん・・・よく分かんないけど・・・」
「民間の場合は、騙す人と騙される人との間の出来事でしょ?」
「うん・・・」
「でも、政治家は、その気になれは戒厳令だって発動出来るし、極端な話、戦争だって始める気になれば始めることが出来る立場にいるし、それだけの権力や影響力がある立場にいる人たちなのよ」
「う~ん・・・」
「あはは!まあいいわ、この話ってキリがないから。それより、あんた、いつ帰るの?」
「帰るって、旦那のところってこと?」
「な~に?愛人のところにでも帰るつもりなの?」
「もう~、そんな人はいないわよ」
「ホントかしら?あんたって綺麗だから愛人の一人や二人いたって不思議じゃないと思うけど」
「だから、そんな人なんていないってば!」
「ふ~ん、そうなの?それじゃ、あたしの愛人にでもなってみる?」
「そんなことをしたら雪子が可哀そうでしょ?」
「あら?怒られるとかじゃなくて、可哀そうになるのね?」
「えっ・・・?」
夏樹は目を細めて少し微笑みながらコーヒーを口にする。
「でも、やっぱりコーヒーには煙草よね~。あんた、そう思わない?」
いや・・・あの・・・。突然、意味深な表情したと思ったら、
いきなり、そっちに話をそらさないで欲しいんですけど・・・。
「あんたの雪子への想いと同じなのよ。あたしが元妻に対しての想いは・・・」
「雪子への想いって言われても・・・」
「可哀そう・・・。あたしも同じだったの。元妻が可哀そう・・・その想いが決断を狂わせたのよ」
「でも、それは・・・」
「そう、それが、あんたのように親友としての想いなら。でもね、それが夫婦となるとそうもいかないのよ」
悲しいことなのに、それを悲しいとは言わない。
寂しいはずなのに、決して寂しいとは言葉にしない。
言葉を交わさなければ分かり合えるはずはないのに、夏樹さんはそれを拒んでしまうから。
私も雪子も、ううん、きっと、離婚した奥さんも、たとへ、夏樹さんに心を開いていても・・・
その想いは、あなたには届かない。
夏樹さん・・・?あなたは、相手に何を求めるの?
いったい、どんな愛し方をしたら雪子や私の想い、それに離婚した奥さんの想いがあなたに届いたの?
「そんなことより、あんた今夜帰るの?それとも明日帰るの?」
「明日かな?いつもなら、もっとゆっくりしてるんだけど、今年は早く帰ろうと思って」
「雪子のこと・・・?」
「うん・・・。やっぱり、気になるし・・・」
「確かに、気になるわね・・・」
「えっ・・・?私が気になるのは分かるけど、どうして夏樹さんまで・・・?」
「なんとなくね、そんな気がしたからかしら?」
「そんな気って・・・?」
「あやつわね、あたしに、どちらかの別れを言うために会いに来たのよ」
「えっ・・・?」・・・裕子は、夏樹の言葉に少なからず驚いた。
「だから、こっちにいる何日かは、あたしにいっぱい甘えようとしてたような、そんな気がしてね」
「そんな・・・」
「あやつなりに、自分の気持ちに終止符を打とうとしてたんじゃないかしら?」
夏樹さんの言葉は確かに意外な言葉だけど・・・。でも、もしかしたら、そうなのかもしれない。
そう考えれば、雪子の突然の行動も、夏樹さんに会いに来た理由も納得出来る気がするわ。
でも、どちらかのって?今、夏樹さんはそう言ったわよね?どういう意味なのかしら?
まあ、とりあえず難しい話は置いといて。
今の夏樹さんは、そんな雪子のことをどう思っているんだろう?
「ねえ~夏樹さん・・・?」
「な~に・・・?」
「あのね、怒らないで聞いて欲しいんだけど・・・」
「あたしが怒るようなことでも言うつもり?」
「そうじゃないけど。でも、もしかしたら思いっきり怒られるような気もするし・・・」
「あはは!いいわよ、怒らないから」
「ホントに?ホントに怒らない?」
「なに?あんた、怒られたいの?」
「違うわよ。そうじゃなくて・・・」
「大丈夫よ、何を訊かれても怒らないから言ってみなさい」
裕子は、カップに残ってるコーヒーを全部飲み干すと、意を決した表情で言葉を口にした。
「夏樹さんは、雪子と、離婚した奥さんと、どっちかを選ばなければいけないとしたら、どっちを選ぶの?」
「雪子よ・・・」
・・・即答だった・・・。
夏樹は、即答で答えた。それは、あまりに簡単に、そして、あまりにも、あっさりと・・・。
裕子は、自分の問いに、「雪子よ・・・」と、即答で答えた夏樹の言葉に驚いていた。
「な~に?貧困や人の弱みに付け込んで勝ち組になろうとする人たちってこと?」
「うん、よくニュースとかで言ってる先物取引の詐欺とか、この間ニュースでやってたボランティア団体とかって」
「そうね、そういう人たちもいるわね。でも、基本的なことが政治家たちとは違うのよ」
「どうして違うの?」
「ニュースで言ってる詐欺行為や人助けを利用してお金儲けをする人たちって、この国の人たちを先導する立場にいる人たちじゃないでしょ?」
「う~ん・・・よく分かんないけど・・・」
「民間の場合は、騙す人と騙される人との間の出来事でしょ?」
「うん・・・」
「でも、政治家は、その気になれは戒厳令だって発動出来るし、極端な話、戦争だって始める気になれば始めることが出来る立場にいるし、それだけの権力や影響力がある立場にいる人たちなのよ」
「う~ん・・・」
「あはは!まあいいわ、この話ってキリがないから。それより、あんた、いつ帰るの?」
「帰るって、旦那のところってこと?」
「な~に?愛人のところにでも帰るつもりなの?」
「もう~、そんな人はいないわよ」
「ホントかしら?あんたって綺麗だから愛人の一人や二人いたって不思議じゃないと思うけど」
「だから、そんな人なんていないってば!」
「ふ~ん、そうなの?それじゃ、あたしの愛人にでもなってみる?」
「そんなことをしたら雪子が可哀そうでしょ?」
「あら?怒られるとかじゃなくて、可哀そうになるのね?」
「えっ・・・?」
夏樹は目を細めて少し微笑みながらコーヒーを口にする。
「でも、やっぱりコーヒーには煙草よね~。あんた、そう思わない?」
いや・・・あの・・・。突然、意味深な表情したと思ったら、
いきなり、そっちに話をそらさないで欲しいんですけど・・・。
「あんたの雪子への想いと同じなのよ。あたしが元妻に対しての想いは・・・」
「雪子への想いって言われても・・・」
「可哀そう・・・。あたしも同じだったの。元妻が可哀そう・・・その想いが決断を狂わせたのよ」
「でも、それは・・・」
「そう、それが、あんたのように親友としての想いなら。でもね、それが夫婦となるとそうもいかないのよ」
悲しいことなのに、それを悲しいとは言わない。
寂しいはずなのに、決して寂しいとは言葉にしない。
言葉を交わさなければ分かり合えるはずはないのに、夏樹さんはそれを拒んでしまうから。
私も雪子も、ううん、きっと、離婚した奥さんも、たとへ、夏樹さんに心を開いていても・・・
その想いは、あなたには届かない。
夏樹さん・・・?あなたは、相手に何を求めるの?
いったい、どんな愛し方をしたら雪子や私の想い、それに離婚した奥さんの想いがあなたに届いたの?
「そんなことより、あんた今夜帰るの?それとも明日帰るの?」
「明日かな?いつもなら、もっとゆっくりしてるんだけど、今年は早く帰ろうと思って」
「雪子のこと・・・?」
「うん・・・。やっぱり、気になるし・・・」
「確かに、気になるわね・・・」
「えっ・・・?私が気になるのは分かるけど、どうして夏樹さんまで・・・?」
「なんとなくね、そんな気がしたからかしら?」
「そんな気って・・・?」
「あやつわね、あたしに、どちらかの別れを言うために会いに来たのよ」
「えっ・・・?」・・・裕子は、夏樹の言葉に少なからず驚いた。
「だから、こっちにいる何日かは、あたしにいっぱい甘えようとしてたような、そんな気がしてね」
「そんな・・・」
「あやつなりに、自分の気持ちに終止符を打とうとしてたんじゃないかしら?」
夏樹さんの言葉は確かに意外な言葉だけど・・・。でも、もしかしたら、そうなのかもしれない。
そう考えれば、雪子の突然の行動も、夏樹さんに会いに来た理由も納得出来る気がするわ。
でも、どちらかのって?今、夏樹さんはそう言ったわよね?どういう意味なのかしら?
まあ、とりあえず難しい話は置いといて。
今の夏樹さんは、そんな雪子のことをどう思っているんだろう?
「ねえ~夏樹さん・・・?」
「な~に・・・?」
「あのね、怒らないで聞いて欲しいんだけど・・・」
「あたしが怒るようなことでも言うつもり?」
「そうじゃないけど。でも、もしかしたら思いっきり怒られるような気もするし・・・」
「あはは!いいわよ、怒らないから」
「ホントに?ホントに怒らない?」
「なに?あんた、怒られたいの?」
「違うわよ。そうじゃなくて・・・」
「大丈夫よ、何を訊かれても怒らないから言ってみなさい」
裕子は、カップに残ってるコーヒーを全部飲み干すと、意を決した表情で言葉を口にした。
「夏樹さんは、雪子と、離婚した奥さんと、どっちかを選ばなければいけないとしたら、どっちを選ぶの?」
「雪子よ・・・」
・・・即答だった・・・。
夏樹は、即答で答えた。それは、あまりに簡単に、そして、あまりにも、あっさりと・・・。
裕子は、自分の問いに、「雪子よ・・・」と、即答で答えた夏樹の言葉に驚いていた。
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