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後悔
後悔・・・その2
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「でもね、それだけで、なんでも割り切れるわけでもないのよね」
「えっ・・・?」
「世の中には、それすら決めることが許されない人たちもいるの」
「どういうこと・・・?」
「生まれた時から病気だったり、幼い時に重い病気になってしまったり。だから、あたしなんかは、ただの甘ったれた人間よね」
「えっ・・・?」
「そのくせ、そんな人たちの不幸を、自分の生きる糧にしてる自分がいることが許せなくなる時があるの」
何を、言ってるの・・・?
「でもね、世の中って矛盾してることが多いけど、その中でも納得が出来ない矛盾もあるわ」
「世の中の矛盾・・・?」
「この国の中でも貧困とか溢れてるでしょ?そして、その貧困から親が幼い子供の命を奪ってしまったり」
「うん。この間もニュースで言ってたわ」
「そして勝ち組と言われる偽善者たちがいる。いわいる事業や仕事で成功した人たちね」
「うん・・・」
「でもね、その人たちは貧困に対して、それを利用して自分を正義とは決して言わないのよね」
「うん・・・」
「でもね、政治家たちはどうかしら?」
「政治家・・・?」
「そう、世界中で貧困にあえいでいる人たちやお金がなくて病気を治せなくて死んでいく子供たち、それは、この国の中でも同じようなことが言われてるわね」
「うん、それなら分かる。でも、それと政治家と、どう関係があるの?」
「政治家ってね、貧困にあえいでいる人たちに手を差し伸べるようなことを言ってるでしょ?」
「うん、格差社会とか待機児童とか賃金とかってこと?」
「それもあるわね。ようするに、困ってる人に対して自分は良い人なんだよと言いながら、高級レストランで高級料理を食べながら、それを口にするのよね」
「でも、それは政治家に限ったことじゃないんじゃないの?」
「違うわね。貧困ということを利用して勝ち組になろうとするのは政治家だけなのよ」
「それじゃ、大企業の社長とか芸能人とかはどうなの?」
「大企業の社長にしろ、芸能人にしろ、貧困問題をマニフェストにして今のお仕事をしてないでしょ?」
「よく分かんないけど・・・」
「ってか、ずいぶんと話が脱線しちゃったわね」
「ふふっ・・・夏樹さんは昔からそうよ」
「ん?もう夏樹さんに戻っちゃったの?」
「あっ・・・ごめんなさい・・・」
そんな人たちの不幸を自分の生きる糧にしてる自分がいることが許せなくなる・・・。
夏樹さんは、今日まで、いったい、どんな人生を送ってきたの?
いったい、どんな人生を送ってきたら、そんな考え方が出来るようになるの?
「夏樹・・・さん・・・あっ、まただ・・・」
「あはは・・・」
「それじゃ・・・夏樹。うん、言えたわ!さっき言ってた人の不幸を自分の生きる糧にしてるって?」
「そのこと・・・。別に、そんなに深い意味があるわけじゃないのよ」
「すぐ、そうやって話をはぐらかすんだから・・・」
「あんた、昔よりも、あたしの考えてることが分かるようになったみたいね?」
「昔みたいに抱かれることを求めようとしないからかも・・・」
「それはそれで、ずいぶんと意味深な感じがするけど?」
「別にそんなわけじゃないけど。でも、その分、客観的に考えることが出来るようになったのかも」
「ふふっ・・・確かにあんたの言う通り、今のあたしにとってはそのことが何よりも辛いのかもしれないわ」
「でも、どうして、そんな風に考えるようになったの?」
「そうね、意味は全然違うけど感情的には同じことがあるのよ」
「感情的に同じこと・・・?」
「そう思ってしまうことから逃れることが出来ない悲しさって言ったらいいかしら?」
「どんなことなの・・・?」
「自分勝手な感情なのかもしれないけど、自分が別れたくないからじゃなくて、相手のことを考えてしまうと別れることが出来なくなってしまう。すると、もう1人の自分がね、お前はいったい何様のつもりだ!って言ってくるんだけど。それでも、相手が悲しむ姿を見たくないって思ってしまう・・・。それが、あたしが離婚をする時期を間違えてしまった理由なのよ」
夏樹は、そう言って、少し寂しそうな表情を浮かべると、ポケットから取り出して煙草に火をつけようとした。
「ちょっと、夏樹さん・・・。ここ禁煙よ!」
「あっ・・・」
「えっ・・・?」
「世の中には、それすら決めることが許されない人たちもいるの」
「どういうこと・・・?」
「生まれた時から病気だったり、幼い時に重い病気になってしまったり。だから、あたしなんかは、ただの甘ったれた人間よね」
「えっ・・・?」
「そのくせ、そんな人たちの不幸を、自分の生きる糧にしてる自分がいることが許せなくなる時があるの」
何を、言ってるの・・・?
「でもね、世の中って矛盾してることが多いけど、その中でも納得が出来ない矛盾もあるわ」
「世の中の矛盾・・・?」
「この国の中でも貧困とか溢れてるでしょ?そして、その貧困から親が幼い子供の命を奪ってしまったり」
「うん。この間もニュースで言ってたわ」
「そして勝ち組と言われる偽善者たちがいる。いわいる事業や仕事で成功した人たちね」
「うん・・・」
「でもね、その人たちは貧困に対して、それを利用して自分を正義とは決して言わないのよね」
「うん・・・」
「でもね、政治家たちはどうかしら?」
「政治家・・・?」
「そう、世界中で貧困にあえいでいる人たちやお金がなくて病気を治せなくて死んでいく子供たち、それは、この国の中でも同じようなことが言われてるわね」
「うん、それなら分かる。でも、それと政治家と、どう関係があるの?」
「政治家ってね、貧困にあえいでいる人たちに手を差し伸べるようなことを言ってるでしょ?」
「うん、格差社会とか待機児童とか賃金とかってこと?」
「それもあるわね。ようするに、困ってる人に対して自分は良い人なんだよと言いながら、高級レストランで高級料理を食べながら、それを口にするのよね」
「でも、それは政治家に限ったことじゃないんじゃないの?」
「違うわね。貧困ということを利用して勝ち組になろうとするのは政治家だけなのよ」
「それじゃ、大企業の社長とか芸能人とかはどうなの?」
「大企業の社長にしろ、芸能人にしろ、貧困問題をマニフェストにして今のお仕事をしてないでしょ?」
「よく分かんないけど・・・」
「ってか、ずいぶんと話が脱線しちゃったわね」
「ふふっ・・・夏樹さんは昔からそうよ」
「ん?もう夏樹さんに戻っちゃったの?」
「あっ・・・ごめんなさい・・・」
そんな人たちの不幸を自分の生きる糧にしてる自分がいることが許せなくなる・・・。
夏樹さんは、今日まで、いったい、どんな人生を送ってきたの?
いったい、どんな人生を送ってきたら、そんな考え方が出来るようになるの?
「夏樹・・・さん・・・あっ、まただ・・・」
「あはは・・・」
「それじゃ・・・夏樹。うん、言えたわ!さっき言ってた人の不幸を自分の生きる糧にしてるって?」
「そのこと・・・。別に、そんなに深い意味があるわけじゃないのよ」
「すぐ、そうやって話をはぐらかすんだから・・・」
「あんた、昔よりも、あたしの考えてることが分かるようになったみたいね?」
「昔みたいに抱かれることを求めようとしないからかも・・・」
「それはそれで、ずいぶんと意味深な感じがするけど?」
「別にそんなわけじゃないけど。でも、その分、客観的に考えることが出来るようになったのかも」
「ふふっ・・・確かにあんたの言う通り、今のあたしにとってはそのことが何よりも辛いのかもしれないわ」
「でも、どうして、そんな風に考えるようになったの?」
「そうね、意味は全然違うけど感情的には同じことがあるのよ」
「感情的に同じこと・・・?」
「そう思ってしまうことから逃れることが出来ない悲しさって言ったらいいかしら?」
「どんなことなの・・・?」
「自分勝手な感情なのかもしれないけど、自分が別れたくないからじゃなくて、相手のことを考えてしまうと別れることが出来なくなってしまう。すると、もう1人の自分がね、お前はいったい何様のつもりだ!って言ってくるんだけど。それでも、相手が悲しむ姿を見たくないって思ってしまう・・・。それが、あたしが離婚をする時期を間違えてしまった理由なのよ」
夏樹は、そう言って、少し寂しそうな表情を浮かべると、ポケットから取り出して煙草に火をつけようとした。
「ちょっと、夏樹さん・・・。ここ禁煙よ!」
「あっ・・・」
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