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再会
再会・・・その18
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やっと正月が来たかと思えば、早いもので、もう1月も2日である。
雪子の旦那が、彼女の実家に来たのが、元旦のお昼ちょっと前だった。
ところが、来た早々に、まだ、自分の実家には正月のあいさつには行っていないという事で
雪子の実家には30分くらい居ただけで、すぐに雪子を連れて帰ってしまったのである。
確かに、雪子が自分の旦那のことを、ウザいって言いたくなるのもなんとなく分かるわね。
でも、あんな旦那さんだったとは、ちょっと意外っていうか・・・。
待ち合わせには、まだ30分ほど早いので、裕子は待ち合わせのすぐ近くのスーパーの中にある
ファミレス風の店でコーヒーを飲みながら雪子の言葉を思い出していた。
しかしさ~、まぁ~、自分の奥さんの実家にお正月のご挨拶に来たまではいいとしてもさ
いくらなんでも、30分やそこら居ただけですぐに帰っちゃうってのもどうなのかしら?
それにさ~、まだ、自分の実家にはご挨拶には行ってませんなんて、普通、言うかしら?
しかもよ、あの旦那が雪子の実家に来たのだって10年ぶりくらいなわけだし。
雪子の実家になんか、ろくすっぽ顔も出さないくせに自分の実家、実家ってさ。
よっぽど自分の親には自分のことを良く思われたいみたいよね?
それとも、いい歳してまだ親離れが出来ていないとかって・・・ありえるかも。
雪子は、お正月は夏樹さんに毎日会えるって、あんなに喜んでいたのに・・・。
ってか、これって、もしかして不倫ってこと?
いや、まだ何も肉体関係とかまでは進んでいないわけだから違うわよね?
という事は、これが不倫の入り口ってことになるわけね。
いや・・・違うわ・・・。だって、雪子の相手は女よ・・・えっ・・・?
ちょっと!待って!待って!この場合はどっちになるのかしら?
いくら女性として暮らしているとはいえ、性転換していないわけだから基本は男ってことでしょ?
夏樹さんは男でありながら女装をしているわけだから・・・。う~ん・・・
これは、もしかして不倫の入り口ではなくて変態の入り口なんじゃないかしら?
とうとう雪子も変態の世界に入っていくんだわ!
でも、いくら女装しているとはいえ、だからって変態とは限らないわよね?
という事は・・・やっぱり不倫・・・?
「あんた、なに1人でブツブツ言ってんの?」
「えっ・・・?」
ビックリして振り向くと、夏樹が、面白そうな顔をして裕子を見つめていた。
「相変わらず可愛いわね、唇の上のホ・ク・ロ・・・ふふっ」
裕子は無意識に唇を両手で隠した。
「キスしちゃお~かな~?その・ホ・ク・ロ・ちゃんに?」
裕子は、まだ、今、起きている事態が理解出来ないでいるようである。
「あら?もしかして、あたし以外にも誰かと待ち合わせとかしてたりして?」
「えっ・・・あ・・・」
「あんたも隅におけないわね~」
「あ・・・えっ・・・?」
「あんた、もしかして日本語忘れたの?」
そう言うと、夏樹は、静かな笑いを浮かべながら向かい合わせの席に座った。
「そういえば、あんたさ、まだ、煙草とか吸ってるの?」
「えっ・・・?」
「最近はどこもかしこも禁煙禁煙って、やになっちゃうわよね~」
「そうなの・・・?」
「そうなのって?あんた、どこの原子時代からやってきたのよ?」
「あっ・・・そうじゃなくて、あのね・・・」
「で・・・あたしは、おじゃま虫かしら?」
「そうじゃなくて・・・えっと・・・あの・・・」
「ほら、コーヒーでも飲んで少しは落ち着きなさい」
夏樹にそう言われるがままに、テーブルの上にあるコーヒーカップを手にして、
コーヒーを飲もうとしたらコーヒーカップにはコーヒーが入ってなかった。
「あはは!おもしろ~い!」
「んもう~・・・」
そう言いながら睨んでも、目の前に夏樹がいることがよほど嬉しいのか。
それとも、カップにコーヒーが入ってなかったのに飲もうとしたことが恥ずかしかったのか。
裕子は、無邪気に甘えるような瞳で夏樹を見つめ返していた。
雪子の旦那が、彼女の実家に来たのが、元旦のお昼ちょっと前だった。
ところが、来た早々に、まだ、自分の実家には正月のあいさつには行っていないという事で
雪子の実家には30分くらい居ただけで、すぐに雪子を連れて帰ってしまったのである。
確かに、雪子が自分の旦那のことを、ウザいって言いたくなるのもなんとなく分かるわね。
でも、あんな旦那さんだったとは、ちょっと意外っていうか・・・。
待ち合わせには、まだ30分ほど早いので、裕子は待ち合わせのすぐ近くのスーパーの中にある
ファミレス風の店でコーヒーを飲みながら雪子の言葉を思い出していた。
しかしさ~、まぁ~、自分の奥さんの実家にお正月のご挨拶に来たまではいいとしてもさ
いくらなんでも、30分やそこら居ただけですぐに帰っちゃうってのもどうなのかしら?
それにさ~、まだ、自分の実家にはご挨拶には行ってませんなんて、普通、言うかしら?
しかもよ、あの旦那が雪子の実家に来たのだって10年ぶりくらいなわけだし。
雪子の実家になんか、ろくすっぽ顔も出さないくせに自分の実家、実家ってさ。
よっぽど自分の親には自分のことを良く思われたいみたいよね?
それとも、いい歳してまだ親離れが出来ていないとかって・・・ありえるかも。
雪子は、お正月は夏樹さんに毎日会えるって、あんなに喜んでいたのに・・・。
ってか、これって、もしかして不倫ってこと?
いや、まだ何も肉体関係とかまでは進んでいないわけだから違うわよね?
という事は、これが不倫の入り口ってことになるわけね。
いや・・・違うわ・・・。だって、雪子の相手は女よ・・・えっ・・・?
ちょっと!待って!待って!この場合はどっちになるのかしら?
いくら女性として暮らしているとはいえ、性転換していないわけだから基本は男ってことでしょ?
夏樹さんは男でありながら女装をしているわけだから・・・。う~ん・・・
これは、もしかして不倫の入り口ではなくて変態の入り口なんじゃないかしら?
とうとう雪子も変態の世界に入っていくんだわ!
でも、いくら女装しているとはいえ、だからって変態とは限らないわよね?
という事は・・・やっぱり不倫・・・?
「あんた、なに1人でブツブツ言ってんの?」
「えっ・・・?」
ビックリして振り向くと、夏樹が、面白そうな顔をして裕子を見つめていた。
「相変わらず可愛いわね、唇の上のホ・ク・ロ・・・ふふっ」
裕子は無意識に唇を両手で隠した。
「キスしちゃお~かな~?その・ホ・ク・ロ・ちゃんに?」
裕子は、まだ、今、起きている事態が理解出来ないでいるようである。
「あら?もしかして、あたし以外にも誰かと待ち合わせとかしてたりして?」
「えっ・・・あ・・・」
「あんたも隅におけないわね~」
「あ・・・えっ・・・?」
「あんた、もしかして日本語忘れたの?」
そう言うと、夏樹は、静かな笑いを浮かべながら向かい合わせの席に座った。
「そういえば、あんたさ、まだ、煙草とか吸ってるの?」
「えっ・・・?」
「最近はどこもかしこも禁煙禁煙って、やになっちゃうわよね~」
「そうなの・・・?」
「そうなのって?あんた、どこの原子時代からやってきたのよ?」
「あっ・・・そうじゃなくて、あのね・・・」
「で・・・あたしは、おじゃま虫かしら?」
「そうじゃなくて・・・えっと・・・あの・・・」
「ほら、コーヒーでも飲んで少しは落ち着きなさい」
夏樹にそう言われるがままに、テーブルの上にあるコーヒーカップを手にして、
コーヒーを飲もうとしたらコーヒーカップにはコーヒーが入ってなかった。
「あはは!おもしろ~い!」
「んもう~・・・」
そう言いながら睨んでも、目の前に夏樹がいることがよほど嬉しいのか。
それとも、カップにコーヒーが入ってなかったのに飲もうとしたことが恥ずかしかったのか。
裕子は、無邪気に甘えるような瞳で夏樹を見つめ返していた。
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