58 / 386
再会
再会・・・その18
しおりを挟む
やっと正月が来たかと思えば、早いもので、もう1月も2日である。
雪子の旦那が、彼女の実家に来たのが、元旦のお昼ちょっと前だった。
ところが、来た早々に、まだ、自分の実家には正月のあいさつには行っていないという事で
雪子の実家には30分くらい居ただけで、すぐに雪子を連れて帰ってしまったのである。
確かに、雪子が自分の旦那のことを、ウザいって言いたくなるのもなんとなく分かるわね。
でも、あんな旦那さんだったとは、ちょっと意外っていうか・・・。
待ち合わせには、まだ30分ほど早いので、裕子は待ち合わせのすぐ近くのスーパーの中にある
ファミレス風の店でコーヒーを飲みながら雪子の言葉を思い出していた。
しかしさ~、まぁ~、自分の奥さんの実家にお正月のご挨拶に来たまではいいとしてもさ
いくらなんでも、30分やそこら居ただけですぐに帰っちゃうってのもどうなのかしら?
それにさ~、まだ、自分の実家にはご挨拶には行ってませんなんて、普通、言うかしら?
しかもよ、あの旦那が雪子の実家に来たのだって10年ぶりくらいなわけだし。
雪子の実家になんか、ろくすっぽ顔も出さないくせに自分の実家、実家ってさ。
よっぽど自分の親には自分のことを良く思われたいみたいよね?
それとも、いい歳してまだ親離れが出来ていないとかって・・・ありえるかも。
雪子は、お正月は夏樹さんに毎日会えるって、あんなに喜んでいたのに・・・。
ってか、これって、もしかして不倫ってこと?
いや、まだ何も肉体関係とかまでは進んでいないわけだから違うわよね?
という事は、これが不倫の入り口ってことになるわけね。
いや・・・違うわ・・・。だって、雪子の相手は女よ・・・えっ・・・?
ちょっと!待って!待って!この場合はどっちになるのかしら?
いくら女性として暮らしているとはいえ、性転換していないわけだから基本は男ってことでしょ?
夏樹さんは男でありながら女装をしているわけだから・・・。う~ん・・・
これは、もしかして不倫の入り口ではなくて変態の入り口なんじゃないかしら?
とうとう雪子も変態の世界に入っていくんだわ!
でも、いくら女装しているとはいえ、だからって変態とは限らないわよね?
という事は・・・やっぱり不倫・・・?
「あんた、なに1人でブツブツ言ってんの?」
「えっ・・・?」
ビックリして振り向くと、夏樹が、面白そうな顔をして裕子を見つめていた。
「相変わらず可愛いわね、唇の上のホ・ク・ロ・・・ふふっ」
裕子は無意識に唇を両手で隠した。
「キスしちゃお~かな~?その・ホ・ク・ロ・ちゃんに?」
裕子は、まだ、今、起きている事態が理解出来ないでいるようである。
「あら?もしかして、あたし以外にも誰かと待ち合わせとかしてたりして?」
「えっ・・・あ・・・」
「あんたも隅におけないわね~」
「あ・・・えっ・・・?」
「あんた、もしかして日本語忘れたの?」
そう言うと、夏樹は、静かな笑いを浮かべながら向かい合わせの席に座った。
「そういえば、あんたさ、まだ、煙草とか吸ってるの?」
「えっ・・・?」
「最近はどこもかしこも禁煙禁煙って、やになっちゃうわよね~」
「そうなの・・・?」
「そうなのって?あんた、どこの原子時代からやってきたのよ?」
「あっ・・・そうじゃなくて、あのね・・・」
「で・・・あたしは、おじゃま虫かしら?」
「そうじゃなくて・・・えっと・・・あの・・・」
「ほら、コーヒーでも飲んで少しは落ち着きなさい」
夏樹にそう言われるがままに、テーブルの上にあるコーヒーカップを手にして、
コーヒーを飲もうとしたらコーヒーカップにはコーヒーが入ってなかった。
「あはは!おもしろ~い!」
「んもう~・・・」
そう言いながら睨んでも、目の前に夏樹がいることがよほど嬉しいのか。
それとも、カップにコーヒーが入ってなかったのに飲もうとしたことが恥ずかしかったのか。
裕子は、無邪気に甘えるような瞳で夏樹を見つめ返していた。
雪子の旦那が、彼女の実家に来たのが、元旦のお昼ちょっと前だった。
ところが、来た早々に、まだ、自分の実家には正月のあいさつには行っていないという事で
雪子の実家には30分くらい居ただけで、すぐに雪子を連れて帰ってしまったのである。
確かに、雪子が自分の旦那のことを、ウザいって言いたくなるのもなんとなく分かるわね。
でも、あんな旦那さんだったとは、ちょっと意外っていうか・・・。
待ち合わせには、まだ30分ほど早いので、裕子は待ち合わせのすぐ近くのスーパーの中にある
ファミレス風の店でコーヒーを飲みながら雪子の言葉を思い出していた。
しかしさ~、まぁ~、自分の奥さんの実家にお正月のご挨拶に来たまではいいとしてもさ
いくらなんでも、30分やそこら居ただけですぐに帰っちゃうってのもどうなのかしら?
それにさ~、まだ、自分の実家にはご挨拶には行ってませんなんて、普通、言うかしら?
しかもよ、あの旦那が雪子の実家に来たのだって10年ぶりくらいなわけだし。
雪子の実家になんか、ろくすっぽ顔も出さないくせに自分の実家、実家ってさ。
よっぽど自分の親には自分のことを良く思われたいみたいよね?
それとも、いい歳してまだ親離れが出来ていないとかって・・・ありえるかも。
雪子は、お正月は夏樹さんに毎日会えるって、あんなに喜んでいたのに・・・。
ってか、これって、もしかして不倫ってこと?
いや、まだ何も肉体関係とかまでは進んでいないわけだから違うわよね?
という事は、これが不倫の入り口ってことになるわけね。
いや・・・違うわ・・・。だって、雪子の相手は女よ・・・えっ・・・?
ちょっと!待って!待って!この場合はどっちになるのかしら?
いくら女性として暮らしているとはいえ、性転換していないわけだから基本は男ってことでしょ?
夏樹さんは男でありながら女装をしているわけだから・・・。う~ん・・・
これは、もしかして不倫の入り口ではなくて変態の入り口なんじゃないかしら?
とうとう雪子も変態の世界に入っていくんだわ!
でも、いくら女装しているとはいえ、だからって変態とは限らないわよね?
という事は・・・やっぱり不倫・・・?
「あんた、なに1人でブツブツ言ってんの?」
「えっ・・・?」
ビックリして振り向くと、夏樹が、面白そうな顔をして裕子を見つめていた。
「相変わらず可愛いわね、唇の上のホ・ク・ロ・・・ふふっ」
裕子は無意識に唇を両手で隠した。
「キスしちゃお~かな~?その・ホ・ク・ロ・ちゃんに?」
裕子は、まだ、今、起きている事態が理解出来ないでいるようである。
「あら?もしかして、あたし以外にも誰かと待ち合わせとかしてたりして?」
「えっ・・・あ・・・」
「あんたも隅におけないわね~」
「あ・・・えっ・・・?」
「あんた、もしかして日本語忘れたの?」
そう言うと、夏樹は、静かな笑いを浮かべながら向かい合わせの席に座った。
「そういえば、あんたさ、まだ、煙草とか吸ってるの?」
「えっ・・・?」
「最近はどこもかしこも禁煙禁煙って、やになっちゃうわよね~」
「そうなの・・・?」
「そうなのって?あんた、どこの原子時代からやってきたのよ?」
「あっ・・・そうじゃなくて、あのね・・・」
「で・・・あたしは、おじゃま虫かしら?」
「そうじゃなくて・・・えっと・・・あの・・・」
「ほら、コーヒーでも飲んで少しは落ち着きなさい」
夏樹にそう言われるがままに、テーブルの上にあるコーヒーカップを手にして、
コーヒーを飲もうとしたらコーヒーカップにはコーヒーが入ってなかった。
「あはは!おもしろ~い!」
「んもう~・・・」
そう言いながら睨んでも、目の前に夏樹がいることがよほど嬉しいのか。
それとも、カップにコーヒーが入ってなかったのに飲もうとしたことが恥ずかしかったのか。
裕子は、無邪気に甘えるような瞳で夏樹を見つめ返していた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説


白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。



【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる