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心の時間
心の時間・・・その19
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「ねぇ~、雪子・・・」
「な~に?」
「今年のお正月は実家に帰るの?」
「私は、帰らないよ」
「帰らない?って。雪子、去年も帰ってないんじゃないの?」
「だって、もう、そんな子供じゃないし」
「子供じゃないって、それじゃ、まるで私が子供みたいじゃないのよ」
「裕子は帰るの?今年のお正月は?」
「そのつもりよ。というよりも、今年に限らず毎年帰ってるわよ」
「ふ~ん・・・。そっか~」
「そっか~って。雪子も、たまには両親に顔見せとかしといた方がいいわよ」
「どうして・・・?」
「どうしてって。だって、親っていつまでも元気なわけじゃないしさ」
「うちの親は元気だよ」
「なに言ってるのよ。それとも、もしかして親とケンカでもしてるの?」
「してないよ・・・」
「そうよね。雪子は、親に限らず誰にでも優しいものね」
「そんなことないよ」
「あっ、間違えた。雪子は、誰にでも猫を被ぶってるんだったわね」
「ちょっと、裕子ったら」
「でもさ、何も、自分の親にまで猫を被ぶらなくてもいいんじゃないの?」
「だから、そんなんじゃないってば!」
「雪子って、ホント、昔っから影猫なんだから」
「そんな事ないってば!一応、これでも普通に生きてますってば!」
「でも、雪子の旦那さんって、よく言わないわね?お正月くらい実家に帰ったらとかって?」
「う~ん、一応は言われるけど・・・」
「旦那さんの実家には毎年帰ってるんでしょ?」
「うん、お盆とお正月には帰るようにしてるみたいだよ」
「みたいだよって、雪子も一緒について行ってるんでしょ?旦那さんの実家に?」
「うん。旦那さんが、一緒に顔を出した方が両親が安心するからって」
「安心するって?なんか、まるで夫婦仲が上手くいってないみたいな言い方ね?」
「そうじゃないけど。裕子も知ってると思うけど、旦那さんのお父さんって一度離婚してるでしょ?」
「ふ~ん。それで、お父さんを安心させるために、旦那さんが、毎年、雪子を連れて帰ってるってわけ?」
「たぶん。でも、なんか疲れちゃうけどね」
「なに?ホントは行きたくないってこと?」
「そういうわけじゃないけど、挨拶とか気遣いとかってやっぱり緊張とかしちゃうし」
「私からすれば、毎日、猫を被ぶって生活してる方がよけい疲れちゃうと思うけど?」
「だから、猫なんて被ぶってないってば!」
「でもね~。私としては、優しいだけじゃ、ちょっとって思っちゃうけど」
「うちの旦那さんのこと?」
「そうよ。雪子の旦那ってさ、優しいことは確かに優しい人だとは思うけど・・・」
「思うけど・・・?」
「どこか、事なかれ主義みたいなところがあるじゃない?」
「争い事が嫌いみたい」
「そうかしら?」
「そうかしら?って・・・」
「私から見たら、あの人の方が優しいと思うけどな」
「ふーちゃんのこと?」
「優しさってさ、色んな優しさがあると思うのよね」
「そうなのかな?」
「私ね、雪子にとっての優しさってさ、何なのかな?って、時々、考える時があるのよ」
「私が優しいかどうかってこと?」
「違うわよ、雪子が求めている優しさってことよ」
「私は、別にそんなの考えたことないけどな~」
「だから、時々、思うのよ。もし、雪子があの人と結婚してたら?って」
「ふーちゃんとってこと?」
「そうよ。雪子の場合って、あの人以外にはいないでしょ?」
「え===っ!そんなことを言っていいの?」
「どうしてよ?そしたら、私だって、あの人に毎日会えるじゃない?」
「ふふっ。だってさ、そうなると、裕子の好きなふーちゃんと私が毎日やっちゃてるってことなんだよ」
おいおい・・・。
あんた、旦那さんとは十年以上もご無沙汰だって言ってたんじゃなかったっけ?
「でもさ、今の旦那さんとはご無沙汰なのに、どうして、あの人だと毎日になるの?」
「何となく、そんな気がする・・・」
「きっと、それが雪子が求めている優しさなのかもしれないわね」
いえ、雪子は自分では気がついていないかもしれないけど。
それは、求めている優しさというより、あの人が雪子が生きる居場所・・・なのかも。
「な~に?」
「今年のお正月は実家に帰るの?」
「私は、帰らないよ」
「帰らない?って。雪子、去年も帰ってないんじゃないの?」
「だって、もう、そんな子供じゃないし」
「子供じゃないって、それじゃ、まるで私が子供みたいじゃないのよ」
「裕子は帰るの?今年のお正月は?」
「そのつもりよ。というよりも、今年に限らず毎年帰ってるわよ」
「ふ~ん・・・。そっか~」
「そっか~って。雪子も、たまには両親に顔見せとかしといた方がいいわよ」
「どうして・・・?」
「どうしてって。だって、親っていつまでも元気なわけじゃないしさ」
「うちの親は元気だよ」
「なに言ってるのよ。それとも、もしかして親とケンカでもしてるの?」
「してないよ・・・」
「そうよね。雪子は、親に限らず誰にでも優しいものね」
「そんなことないよ」
「あっ、間違えた。雪子は、誰にでも猫を被ぶってるんだったわね」
「ちょっと、裕子ったら」
「でもさ、何も、自分の親にまで猫を被ぶらなくてもいいんじゃないの?」
「だから、そんなんじゃないってば!」
「雪子って、ホント、昔っから影猫なんだから」
「そんな事ないってば!一応、これでも普通に生きてますってば!」
「でも、雪子の旦那さんって、よく言わないわね?お正月くらい実家に帰ったらとかって?」
「う~ん、一応は言われるけど・・・」
「旦那さんの実家には毎年帰ってるんでしょ?」
「うん、お盆とお正月には帰るようにしてるみたいだよ」
「みたいだよって、雪子も一緒について行ってるんでしょ?旦那さんの実家に?」
「うん。旦那さんが、一緒に顔を出した方が両親が安心するからって」
「安心するって?なんか、まるで夫婦仲が上手くいってないみたいな言い方ね?」
「そうじゃないけど。裕子も知ってると思うけど、旦那さんのお父さんって一度離婚してるでしょ?」
「ふ~ん。それで、お父さんを安心させるために、旦那さんが、毎年、雪子を連れて帰ってるってわけ?」
「たぶん。でも、なんか疲れちゃうけどね」
「なに?ホントは行きたくないってこと?」
「そういうわけじゃないけど、挨拶とか気遣いとかってやっぱり緊張とかしちゃうし」
「私からすれば、毎日、猫を被ぶって生活してる方がよけい疲れちゃうと思うけど?」
「だから、猫なんて被ぶってないってば!」
「でもね~。私としては、優しいだけじゃ、ちょっとって思っちゃうけど」
「うちの旦那さんのこと?」
「そうよ。雪子の旦那ってさ、優しいことは確かに優しい人だとは思うけど・・・」
「思うけど・・・?」
「どこか、事なかれ主義みたいなところがあるじゃない?」
「争い事が嫌いみたい」
「そうかしら?」
「そうかしら?って・・・」
「私から見たら、あの人の方が優しいと思うけどな」
「ふーちゃんのこと?」
「優しさってさ、色んな優しさがあると思うのよね」
「そうなのかな?」
「私ね、雪子にとっての優しさってさ、何なのかな?って、時々、考える時があるのよ」
「私が優しいかどうかってこと?」
「違うわよ、雪子が求めている優しさってことよ」
「私は、別にそんなの考えたことないけどな~」
「だから、時々、思うのよ。もし、雪子があの人と結婚してたら?って」
「ふーちゃんとってこと?」
「そうよ。雪子の場合って、あの人以外にはいないでしょ?」
「え===っ!そんなことを言っていいの?」
「どうしてよ?そしたら、私だって、あの人に毎日会えるじゃない?」
「ふふっ。だってさ、そうなると、裕子の好きなふーちゃんと私が毎日やっちゃてるってことなんだよ」
おいおい・・・。
あんた、旦那さんとは十年以上もご無沙汰だって言ってたんじゃなかったっけ?
「でもさ、今の旦那さんとはご無沙汰なのに、どうして、あの人だと毎日になるの?」
「何となく、そんな気がする・・・」
「きっと、それが雪子が求めている優しさなのかもしれないわね」
いえ、雪子は自分では気がついていないかもしれないけど。
それは、求めている優しさというより、あの人が雪子が生きる居場所・・・なのかも。
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