愛して欲しいと言えたなら

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心の時間

心の時間・・・その15

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裕子は、窓の外を見ても、降り続ける雪に、何も感じない自分が少し悔しいな~と感じていた。

「雪子はいいわよね~」

「な~に、急に?」

「だ~ってさ、雪子は雪の思い出とかあるじゃない?私なんかないのよ」

「ないって・・・ふーちゃんの?」

「そうよ。私の場合って2度もあの人と付き合っていながら、なぜか、冬になると別れてたのよね」

「あれ?そうだっけ?」

「とぼけなくてもいいわよ!でもさ~、雪子は違うのよね~」

「そんなことないよ」

「ねぇ~、雪子・・・」

「な~に・・・?」

「正直に言って、どうなの?」

「どうって・・・?」

「もしよ、もし、あの人が雪子を求めたら、雪子はどうする?」

「な~に、急に変なこと言い出したりして。変な裕子なんだ」

「だって、さっき、変なことを言うから、ちょっと気になってしまうわよ!」

「変なこと・・・?」

「そうよ。雪子ったら、ならないかも・・・。なんて、言うから気になるわよ!」

「もう、終わったことだよ。遠い昔に終わったこと・・・。でしょ?」

「確かにね。そう言われれば、そうなんだけど・・・」

「そうよ。遠い昔に終わったこと・・・」

「雪子、私ね、どうしても分からないことがあるのよ」

「分からないこと・・・?」

「うん。もう、30年前の私たちじゃないから、雪子には隠したくないし、何でも話したいの」

「う~ん・・・。やっぱり、裕子、少し変だよ?」

「大丈夫、雪子ほどじゃないから・・・。ただ、あの人からのメールの中の言葉が気になるの」

「メールの中の言葉・・・?」

「メールでも書いたでしょ?雪子に訊きたいことがあるって」

「うん、書いてたよ」

「で、雪子は、どう思うの?」

「裕子・・・。まだ、何も言ってないよ?」

「あっ・・・。そうだった。ごめん、ごめん・・・」

「それで、私に訊きたいことってどんなことなの?」

「あの人がね、相手のことを想っての好きと、自分の感情に素直なままの好きとは違うって言ったのよ」

「相手のことを想ってのと、自分の感情に素直なまま・・・?」

「そうなの、雪子はどう思う?」

「どう思うって言われても・・・。う~ん・・・」

「そんでもって、語尾に、のよ!って、つけてるし」

「のよ・・・?」

「そう。のよ!のよ!なのよ・・・」

「のよ・・・?」

「雪子の時はどうだったの?」

「どうって・・・?」

「だから、あの人のメールの言葉よ。やっぱり、女言葉だったの?」

「そうそう。だから、女の人とメールしてるみたいだった」

「やっぱり、そうよね。私なんか、何カ月も気がつかなかったんだから」

「裕子じゃなくても、絶対に気がつかないと思うよ」

「やっぱり?」

「でも、どうして、ふーちゃんはメル友の相手が裕子だって分かったの?」

「それがね、500円玉なの」

「500円玉・・・?」
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