愛して欲しいと言えたなら

zonbitan

文字の大きさ
上 下
11 / 386
メル友

メル友・・・その11

しおりを挟む
しかし、ま~、よくメールが止まる子だわね!
それじゃ~、その間に、あたしは洋服でも見て回ろうかしらん。
あたしは洋服とか下着とかは、ほとんどネットでしか購入しないんだけど。

街の洋服屋さんはあるにはあるけど、なかなか、これだっていうのがなくてね。
今流行りっていうわけじゃないけど、せっかくなら気に入った洋服を着たいじゃない?
なので、あたしは、いつもオークションとかで見つけるようにしてるんだけど。
などと、ブツブツ言いながらオークションを徘徊していると、あの子からメールが届いた。
でも、ここからは「あの子」じゃなくて「裕子」って言った方がいいかも。

「ねぇ~マジで?」

「ん?何が?」

「何がって・・・だから、その・・・」

「それよりさ、あんた、離婚したわけじゃないんでしょ?」

「えっ?どうしたの、いきなり?」

「あんたさ~、旦那がいるのに、メル友なんか作ったりして大丈夫なの?」

「メル友っていっても、ホントはね、別にメル友を作る気なんてなかったんだけど」

「作る気がなかったって、んじゃ、どうしてメル友サイトなんかにいたのよ?」

「それは、その・・・ちょっと覗いて見てただけだし・・・」

「んで、いい男はいなかったの?」

「全然ダメ・・・」

「な~んだ、やっぱり男を物色してたんじゃないのよ?」

「そういうわけじゃないんだけど・・・」

「あんたね、旦那がいるのに他の男とメールをしてたってことよ?しかも、見ず知らずの男とよ!」

「でも、別に会ってたわけじゃないし、メル友の手前だったし・・・」

「いい?旦那からしてみれば、一回でも見ず知らずの男とメールをしてたな~んて知ったら、それなりにショックだと思うわよ」

「そんなこと言ったって、旦那だって会社の帰りに飲み屋みたいなところに寄ってるみたいだし」

「ふ~ん・・・な~に、旦那とうまくいってないの?」

「別に、そういうわけじゃないけど・・・」

「相変わらずモジモジしてるわね?」

「そうお?」

「はは~ん・・・今でも、あたしのことが好きなの?」

「そんなことはないと思うけど・・・」

「あれ?あたしのことが嫌いなの?」

「いや、あの・・・だって、今はオカマでしょ?」

「オカマじゃないって言ってるでしょ?」

「そうは言われても、正直、あの人と同一人物とは思えないし・・・」

「ねえ、あたしに裕子って呼ばれると、今でも、ドキッとする?」

あらら~。またまた、メールが止まっちゃったわん!

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

М女と三人の少年

浅野浩二
恋愛
SМ的恋愛小説。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...