愛して欲しいと言えたなら

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メル友

メル友・・・その11

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しかし、ま~、よくメールが止まる子だわね!
それじゃ~、その間に、あたしは洋服でも見て回ろうかしらん。
あたしは洋服とか下着とかは、ほとんどネットでしか購入しないんだけど。

街の洋服屋さんはあるにはあるけど、なかなか、これだっていうのがなくてね。
今流行りっていうわけじゃないけど、せっかくなら気に入った洋服を着たいじゃない?
なので、あたしは、いつもオークションとかで見つけるようにしてるんだけど。
などと、ブツブツ言いながらオークションを徘徊していると、あの子からメールが届いた。
でも、ここからは「あの子」じゃなくて「裕子」って言った方がいいかも。

「ねぇ~マジで?」

「ん?何が?」

「何がって・・・だから、その・・・」

「それよりさ、あんた、離婚したわけじゃないんでしょ?」

「えっ?どうしたの、いきなり?」

「あんたさ~、旦那がいるのに、メル友なんか作ったりして大丈夫なの?」

「メル友っていっても、ホントはね、別にメル友を作る気なんてなかったんだけど」

「作る気がなかったって、んじゃ、どうしてメル友サイトなんかにいたのよ?」

「それは、その・・・ちょっと覗いて見てただけだし・・・」

「んで、いい男はいなかったの?」

「全然ダメ・・・」

「な~んだ、やっぱり男を物色してたんじゃないのよ?」

「そういうわけじゃないんだけど・・・」

「あんたね、旦那がいるのに他の男とメールをしてたってことよ?しかも、見ず知らずの男とよ!」

「でも、別に会ってたわけじゃないし、メル友の手前だったし・・・」

「いい?旦那からしてみれば、一回でも見ず知らずの男とメールをしてたな~んて知ったら、それなりにショックだと思うわよ」

「そんなこと言ったって、旦那だって会社の帰りに飲み屋みたいなところに寄ってるみたいだし」

「ふ~ん・・・な~に、旦那とうまくいってないの?」

「別に、そういうわけじゃないけど・・・」

「相変わらずモジモジしてるわね?」

「そうお?」

「はは~ん・・・今でも、あたしのことが好きなの?」

「そんなことはないと思うけど・・・」

「あれ?あたしのことが嫌いなの?」

「いや、あの・・・だって、今はオカマでしょ?」

「オカマじゃないって言ってるでしょ?」

「そうは言われても、正直、あの人と同一人物とは思えないし・・・」

「ねえ、あたしに裕子って呼ばれると、今でも、ドキッとする?」

あらら~。またまた、メールが止まっちゃったわん!

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