ちょっとエッチな心霊探偵 あやね

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潜む殺意

潜む殺意・・・その4

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倉根はそれなりにという表現が正しいのかどうかは分からないが
とりあえずはそういう気持ちを大切にしながら階段を上っていく。

と、ここで倉根はあやねの言ったもう一つの言葉を思い出していた。
「確認するのは天井裏だけでいいわよ!」・・・きっと、あやねさんは知ってたんだ。
殺された被害者の女性が、まだ、この家に住んているのを知っていたんだ。
だから、確認するのは天井裏だけと僕にアドバイスをしてくれたんだと思う。
やっぱり、あやねさんは優しい人なんだな~。・・・違うと思います。

という事は、あやねさんは僕に天井裏を確認したらすぐに退避してね!・・・ね?
なぜに倉根の頭の中のあやねが語尾に、ね!、を付けているのかは分からないが
倉根の中では(あやねさんはやっぱり優しい女性)なのだという妄想が語尾に、ね!、を必要としているのかもしれない。

とにかく、ここで引き返したのでは後輩の手前として格好がつかないので
天井裏だけを素早く確認して、そのまま捜査完了の上手い言い訳を後輩にごり押ししてででも
出来るだけ早くこの家から撤退しようと心に強く誓うのである。
別に心に強く誓う程でもないと思うのだが、今の倉根にとって、天井裏への進軍は決死の覚悟が必要なのだろう。

「せんぱ~い!1階のリビングとかからじゃなくて2階から再捜査するんですか?」

「ああ、リビングとか1階はもう捜査済みだからな」

「でも、2階も捜査したんじゃないんですか?」

「まあな。ただ、ちょっと気になるところがあるんだよ」

「気になるところですか?」

「ん、まあ、すぐ終わるから」

「はあ・・・」

倉根は後ろから階段を上がって来る後輩にそう言い聞かせながら2階へ上がった。
2階に上がると中央に真っ直ぐに廊下が伸びていて左右に2部屋ずつ部屋が並んでいる。

「先輩、殺害があった部屋っていうのはどの部屋なんですか?」

殺害と言うな!殺害と!・・・とは言えない倉根は少し素っ気なく言葉を返す。

「一番奥の右側、南に面している部屋だな」

「でも、部屋が4部屋って多くないですか?確かお子さんはいないんでしたよね?」

「まあな、おそらく結婚当初は何人か子供を作る予定だったんだろうな」

「そっか、それで部屋数の多い住宅にしたんですね

「まあな、1階にも寝室らしい部屋が一部屋あったから、おそらく2階を子供部屋と書斎にと思っていたんじゃないのかな?」

「えっ?どうして2階じゃないんですか?」

「どうしてって?何がどうしてなんだ?」

「いえね、書斎は1階にあった方が何かと便利なんじゃないかなって?」

「夫婦の寝室は2階にっていうことか?」

「ええ、その方が合理的だと思いますよ」

「確かにそうかもしれないな」

ってか、お前は馬鹿なのか?
それじゃ、どこでやるんだよ?
もし、子供が生まれていたとして、まだ赤ちゃんくらいならまだしも
子供が小学生とか中学生とかになったらある意味カオスが生まれるだろうが?

「さて、さっさと調べて引き上げるぞ」

倉根はそう言いながら、奥の南側に面している部屋のドアを開けて中に入った。
部屋のドアは手前に引くタイプのドアになっているので倉根が開いたドアを後ろから来た後輩は
部屋の中に入る時に開いたドアの内側のノブに手をかけてドアを閉めようとした。
その瞬間、倉根が「ドアは閉めなくていいから」と、間髪入れずに後輩に言った。

「えっ?ドアを閉めなくていいんですか?」

「うん。捜査中はドアは開けておくのがセオリーなんだ」・・・んな、馬鹿な。

「そうなんですか」

「うん。あっ、ドアは開くだけ開いておくんだぞ!」

「開くだけ・・・ですか?」

「うん、じゃないと捜査中に突然ドアが閉まったりしたら困るだろ?」

「はい?」

「いいから、いいから。ほら、もっと大きく開いて!」・・・あっ、あやねさんの太ももが・・・

倉根は自分が言った言葉に、先日、今回の殺人事件の捜査で疑問に思っていることの相談に
あやねの家に行った時に見た、ギリギリまで切れ込んでいるショートパンツ姿で
ソファーの上に体育座りのような格好で座る、あやねの太ももを思い出してしまった。

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