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潜む殺意
潜む殺意・・・その3
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「お・おい!聞こえたか?」
「はい?」
「はい?じゃなくて、今、聞こえたよな?」
「聞こえたって?何がです?」
こいつには聞こえなかったのかな?
いや、こいつに聞こえていないって事は空耳か何かだったのかな?
う~ん、先日、あやねさんの家であんな事があったから、ちょっと神経質になってるのかもしれないな。
倉根は自分にそう言い聞かせながら階段を一段、二段と上がり始めた時、玄関の方から鍵がかかる音が聞こえたような気がした。
また、きっと気のせいだろうと思いながら、さり気なく後輩に確かめさせてみる。
「なあ、おい。ちょっと玄関の鍵を確認して来てくれないか?」
「鍵ですか?」
「うん、玄関の鍵をかけたかな?って、ちょっと思ったもんだからさ」
「鍵はかけてないですよ?」
「そうだったかな?それじゃ、玄関の鍵をかけてきてくれないか?」
「鍵をですか?」
「うん、捜査中だから、誰か来ても困るだろ?」
「誰か?それもそうですね。じゃないと、空き巣と間違えられちゃって警察に通報なんてされたら恥ずかしいですもんね!」
そう言いながら後輩が玄関の方へ歩いていく。
倉根はそれを見ながら幽霊を信じていないというのはある意味、無敵状態なのでは?
それと、別のある意味において、こいつを同伴させたのは間違っていなかったと妙な納得感を感じていた。
確かに、それについては倉根の思う通りなのだろう。
これで、心霊や幽霊を信じているのは同伴だったら二人で変に怯えながらの捜査になってしまう。
それはそれで、コメディのようになってしまうのではないだろうか?
まあ確かに鍵をかけた覚えはないわけだし、
いくら捜査とはいえ、捜査に入った家に鍵をかけての捜査というのも聞いたこともないし。
きっと、あやねさんの家に行った時のポルターガイスト現象で、どこか神経質になっていたのだろうと倉根は階段を上り始めた。
「せんぱ~い!」・・・後輩が玄関の鍵を確認出来たらしい。
「どうだった?やっぱり鍵はかかってなかったのか?」
「いえ、それが鍵がかかってるんですけど?もしかして、先輩、鍵をかけました?」
「そうか、やっぱり鍵はかかってなかっ・・・なに?」
「またまた先輩ったら、そんな驚いたふりしちゃって!ほんとは鍵かけていたんじゃないんですか?」
「いや・・・僕はかけた覚えはないぞ!お前がかけたんじゃないのか?」
「だめですよ!もう、先輩ったら!僕を驚かせようとしたって、この程度じゃ僕は驚いたりしませんよ!」
いや・・・後輩君!・・・ちみは間違っているぞ!
その玄関は僕が最初に開けて、それから、ちみが後から入って来たんだぞ?
という事は、必然的に鍵をかけれるのは、ちみをおいては他に誰もいないという事になるんだぞ?
後輩の前なので、出来るだけ動揺をさとされないように冷静さを保っている倉根なのだが、
頭の中で語り掛ける言語が、君から・ちみ・へと変換されてしまっている。
そのため、後輩君はどうかは知らないが、倉根としては尋常な事態ではなくなってしまっている。
玄関の鍵がかかっているのが問題なのではなくて、音なのだ!玄関の鍵が閉まる音なのである。
玄関の鍵だけなら、もしかしたら、知らないうちに僕なり後輩が鍵をかけたのかもしれない。
なので、問題は鍵ではなく、音・・・「ガチャ」っと聞こえてきた音が恐怖なのである。
さっきの女性の笑い声・・・そして、誰もいないはずなのに玄関の鍵が・・・。
あの・・・これって、もしかして、僕たちを逃がさないとか・・・なの?
いや、いや、いや、逃がさないとかって、それって、あの、どゆどゆどゆこと?
いや、待て!待て!待て!きっと考え過ぎだ!
げんに後輩は何も感じていないようだし、きっと、僕の方が過敏になり過ぎているんだ!
そうだ!そうに違いない!怖い怖いと思うから何でも心霊現象と結びつけてしまうに違いない。
倉根は後輩に「上に行くぞ!」と声をかけて、気持ちを切り替え階段を上がり始めると、
またしても、あの悪魔の囁きが耳に息を吹きかけるように(もち!ひとりで行くんでしょ?)。
「はい?」
「はい?じゃなくて、今、聞こえたよな?」
「聞こえたって?何がです?」
こいつには聞こえなかったのかな?
いや、こいつに聞こえていないって事は空耳か何かだったのかな?
う~ん、先日、あやねさんの家であんな事があったから、ちょっと神経質になってるのかもしれないな。
倉根は自分にそう言い聞かせながら階段を一段、二段と上がり始めた時、玄関の方から鍵がかかる音が聞こえたような気がした。
また、きっと気のせいだろうと思いながら、さり気なく後輩に確かめさせてみる。
「なあ、おい。ちょっと玄関の鍵を確認して来てくれないか?」
「鍵ですか?」
「うん、玄関の鍵をかけたかな?って、ちょっと思ったもんだからさ」
「鍵はかけてないですよ?」
「そうだったかな?それじゃ、玄関の鍵をかけてきてくれないか?」
「鍵をですか?」
「うん、捜査中だから、誰か来ても困るだろ?」
「誰か?それもそうですね。じゃないと、空き巣と間違えられちゃって警察に通報なんてされたら恥ずかしいですもんね!」
そう言いながら後輩が玄関の方へ歩いていく。
倉根はそれを見ながら幽霊を信じていないというのはある意味、無敵状態なのでは?
それと、別のある意味において、こいつを同伴させたのは間違っていなかったと妙な納得感を感じていた。
確かに、それについては倉根の思う通りなのだろう。
これで、心霊や幽霊を信じているのは同伴だったら二人で変に怯えながらの捜査になってしまう。
それはそれで、コメディのようになってしまうのではないだろうか?
まあ確かに鍵をかけた覚えはないわけだし、
いくら捜査とはいえ、捜査に入った家に鍵をかけての捜査というのも聞いたこともないし。
きっと、あやねさんの家に行った時のポルターガイスト現象で、どこか神経質になっていたのだろうと倉根は階段を上り始めた。
「せんぱ~い!」・・・後輩が玄関の鍵を確認出来たらしい。
「どうだった?やっぱり鍵はかかってなかったのか?」
「いえ、それが鍵がかかってるんですけど?もしかして、先輩、鍵をかけました?」
「そうか、やっぱり鍵はかかってなかっ・・・なに?」
「またまた先輩ったら、そんな驚いたふりしちゃって!ほんとは鍵かけていたんじゃないんですか?」
「いや・・・僕はかけた覚えはないぞ!お前がかけたんじゃないのか?」
「だめですよ!もう、先輩ったら!僕を驚かせようとしたって、この程度じゃ僕は驚いたりしませんよ!」
いや・・・後輩君!・・・ちみは間違っているぞ!
その玄関は僕が最初に開けて、それから、ちみが後から入って来たんだぞ?
という事は、必然的に鍵をかけれるのは、ちみをおいては他に誰もいないという事になるんだぞ?
後輩の前なので、出来るだけ動揺をさとされないように冷静さを保っている倉根なのだが、
頭の中で語り掛ける言語が、君から・ちみ・へと変換されてしまっている。
そのため、後輩君はどうかは知らないが、倉根としては尋常な事態ではなくなってしまっている。
玄関の鍵がかかっているのが問題なのではなくて、音なのだ!玄関の鍵が閉まる音なのである。
玄関の鍵だけなら、もしかしたら、知らないうちに僕なり後輩が鍵をかけたのかもしれない。
なので、問題は鍵ではなく、音・・・「ガチャ」っと聞こえてきた音が恐怖なのである。
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