ちょっとエッチな心霊探偵 あやね

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消えていくトリック

消えていくトリック・・・その13

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「あの~・・・僕、何か変な事を言いました?」

「どうして?」

「だって、今、僕の言葉でって?」

「あのね、そもそもね、この動画に映っている被害者の姿で、その捕まってる男が犯人じゃないって証明しているようなもんなんじゃないの?」

「はい?はい?はい?」

「あのね、犯行時刻を考える前にね、その男が被害者の女性に会いに来た時刻を考えてみたら?」

「会いに来た時刻ですか?」

「ああ、もとい!被害者の女性に会いに来て、その後に一緒に居たと思われる時間」

「おそらく、30分前後ではないかと」

「で、男がこんにちはって訪ねてきて被害者の女性がこの格好になるまでの時間は?」

この格好になるまでの時間・・・う~ん。
まあ、普通・・・か、どうかは分からないけど、でも、普通であれば訪ねて来てすぐにこの格好になるっていうのはあり得るんだろうか?

それに、もし、女性の方が初めからこの格好で待っていたとして、とすれば
男性が訪ねて来る前に玄関のドアの鍵を開けておいたとすれば、いや、その前に
この被害者の女性の格好って女性が一人で出来る格好じゃないんじゃないだろうか?

なにせ、被害者の女性は両手を左右別々にベッドの上の方にベルトで縛られているのだし
両足はМ字開脚の状態で両足をベルトで固定されているわけだし、どう考えても一人でこの格好になるのは無理があるのではないだろうか?

とはいえ、男性が訪ねてきて、すぐに被害者の女性を両手両足をベルトで縛ったとすれば
もちろん、それには最初から被害者の女性の承諾が必要にはなるのだが・・・
でも、それならば出来ない事もないのでは?30分も時間があるわけだし。

「あの、普通に考えれば、男が訪ねて来てすぐにこの格好っていうのはちょっととは思うんですけど、でも、女性の方が初めからそのつもりだったとしたら時間的には可能なのではないでしょうか?」

「お庭の宝探しは?」

「あっ・・・そっか!すいません、忘れていました」

「それにね、初めから殺害が目的なら、いちいちこんな格好をさせなくてもいいんじゃないの?こういう殺害方法が趣味の犯罪者なら別だけど、捕まってる男って小心者でしょ?」

「ええ、まあ。どちらかというと、出来ても口喧嘩が精一杯って感じはしますね」

「それに、やってないんでしょ?」

「やってないというのは?」

「突っ込んでないっていう意味よ!」

「突っ込んで・・・あっ、はい!そうです!そうです!検死では性行為はなかったみたいです」

「この格好にこの美貌よ?普通なら入れちゃうんじゃないのかしら?」

いや~それよりも、「突っ込んで!」なんて、とてもとても可愛い女の人の口から出る言葉とは思えないんですけど・・・。

「でも、どうして分かったんですか?性行為がなかったって?」

「あんた、言わなかったじゃない?レイプされたとも、精液や体液が検出されたともさ」

いやいや、レイプはまずとしても、精液だなんて、そんな露骨に言わなくても。
でも、確かに言われみればそうかもしれない。
性行為も無しにいきなり殺害するためにこの格好にさせるっていうのはちょっと無理があるかもしれない。

「それに、肌も綺麗だし、全然、乱暴された形跡もないしね」

「まあ、言われてみれば確かに」ってか、どこ見ながら言ってるんですか?

「ついでに部屋もね!」

「部屋・・・ですか?」

「うん、そう。たぶん、その捕まってる男ってさ、この部屋には入った事がないんじゃないかしら?というより、入れてもらえなかったが正解かも」

「ええ、確かに。男は、この部屋にだけは入れてもらえなかったと言ってました。ってか、どうして、そこまで分かっちゃうんですか?もしかして、さっきの幽霊さんに教えてもらったとかって?」

「んなわけないでしょ!」

んなわけないでしょ!って、んなこといったって、どう考えても幽霊さんに教えてもらったとしか思えないんですけど・・・。

「でも、どうして分かったんですか?」

「綺麗過ぎるのよ、部屋がね。それに、余計な物がないし整理整頓も完璧だし」

「はあ・・・」

「きっと、その彼女さんの性格なのね」

「その女性って、もしかして真犯人の?」

「ええ、そうよ。清楚でお淑やかで大人しくて。それでいてよく気が付くし周りに気配りが出来て控えめな女性。一昔前で言えば、ご主人様に可愛がられる仕事が出来る召使いって感じかしら?」

「召使い・・・ですか?」

「んでもって、誰かにそばに居て欲しくて、一生懸命にその人のために・・・分かりやすく言うとね、影猫みたいな秘書って感じ」

いや・・・余計に分かりません。

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