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消えていくトリック
消えていくトリック・・・その11
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「あの、さっき旦那さんは事件には関係ないって?」
「そうだよ」
「あの、それじゃ旦那さんが近いうちに戻って来るっていうのは?」
「だから、別行動を取ってみる?って訊いたんじゃない」
「あの・・・あっ、それと、確かさっき彼女とかって?それって、いったい、どういう意味なんですか?」
「ん?聞いてたの?」
「ええ、なんかさっきその辺の方に向かって言っていたような・・・」
そう言いながら、倉根が鉢植えの置いてある方を見ながら訊いてみる。
「うん、そうそう」
「そうそうって、っていうか、居たんですか?やっぱり、本当に居たんですか?」
「だから、居たって言ったじゃない?」
「あの・・・それで、そこに居たっていうのは、やっぱり・・・」
「うん、被害者の女性」
「うっそ?やっぱり?んじゃんじゃ、さっきの皿が飛んで来たのって、それって、もしかしてポルターガイストとかっていうやつなんですか?」
「まあ、そんな感じ」
「あの、それって危なくないですか?というか、危なかったんじゃないですか?しかも陶器製ですよ?プラスチックじゃないんですよ?」
「ふふっ、大丈夫よ!うちには頼りになるボディーガードが居るから」
「ボディーガードって、さっきのくまのぬいぐるみですか?って、あれ?くまのぬいぐるみはどこに行ったんですか?さっきまで、っていうか、いままでそこに居たはずだった・・・あれ?」
「コマちゃんなら隣の部屋でアニメを見てるよ」
「あれ?・・・えっと・・・あの・・・えっ?」
「何言ってるのよ、今、隣の部屋に連れて行ったじゃない?」
「あれ?そうでしたっけ?」
「あんた、なんか、そっちの方をぼーっと見てたからじゃない?」
「そうかな?ですよね?う~ん・・・ってか、ここに居たんですよね?被害者の女性が、今、ここに居たんですよね?」
「だから、そう言ってるじゃない」
「いや、そう言われましても、いや、それよりも危なかったんじゃないんですか?さっきの皿の飛び方って、確実にあやねさんを狙って飛んで来ましたよね?」
「まあね、危ないって言えば危ないかもね」
「ですよね!でも、なんか、心霊の動画とかで見るのとはちょっと違うような。普通は勝手に引き出しが開くとか水道の水が出るとか、お皿が動くとかって感じで、飛ぶとしても人をめがけてっていうのはちょっと見ないですけど、っていうか、初めて見たんですけど?」
「ああ、それね。まあ、ちょっとした霊能者とか、幽霊が見えるとかって程度なら幽霊も攻撃はして来ないんだけどね。でも、たまに頭にくると攻撃することもあるけど、余程の事がないと人に直接攻撃して来るのっていうのは滅多にないしね」
ちょっとした時間差攻撃みたいに、背筋が凍るを通り越して一人興奮している倉根である。
しかも、倉根の目の前で鉢植えの皿が物凄い勢いであやねに向かって飛んで行ったのだから
幽霊を見たことがない倉根にとってみれば、いきなりのトップギアの経験なのだろう。
「あの・・・それでって言いますか、どうして被害者の女性が出てきたんですか?」
「の、幽霊」
「あっ、はい。そうでした。でも、どうして被害者の女性の幽霊が出てきたんですか?」
「警告かな?」
「警告?それって、あの・・・」
「関わるなっていう警告だと思うわよ」
「関わるなって、今回の事件にですか?」
「そっそっ!なので、今、捕まってる人に犯人になってもらいましょう!」
「えええ===っ?」
「なに?」
「いえ、あの、それは、ちょっとといいますか、やっぱり無理ですってば!」
「大丈夫よ!状況証拠はたんまりあるし、警察もやる気満々だしさ。ねっ!」
「ねっ?と、言われましても・・・」
「だから、あんたが黙っていれば真実は誰も知らないんだよ?簡単な事じゃない?」
僕が黙っていれば・・・う~ん・・・確かに、それは言えるかも・・・。
いや、違う!違う!そういう問題ではないと思います。
でも、言われみれば、確かにこの事はあやねさんと僕しか知らないわけだから
このまま、僕が何も聞かなかったことにすれば真実は誰も知らないって構図になってしまうのかもしれない。
「ただね~・・・ちょっと、気になることもあるのよね~。どうしたもんだかな~」
「気になることっていうのは?他にも、何かあるんですか?」
「という事で、根暗さん、いっぺん死んでみる?」
「倉根です!あやねさん?意図的に間違えてません?」
「そうだよ」
「あの、それじゃ旦那さんが近いうちに戻って来るっていうのは?」
「だから、別行動を取ってみる?って訊いたんじゃない」
「あの・・・あっ、それと、確かさっき彼女とかって?それって、いったい、どういう意味なんですか?」
「ん?聞いてたの?」
「ええ、なんかさっきその辺の方に向かって言っていたような・・・」
そう言いながら、倉根が鉢植えの置いてある方を見ながら訊いてみる。
「うん、そうそう」
「そうそうって、っていうか、居たんですか?やっぱり、本当に居たんですか?」
「だから、居たって言ったじゃない?」
「あの・・・それで、そこに居たっていうのは、やっぱり・・・」
「うん、被害者の女性」
「うっそ?やっぱり?んじゃんじゃ、さっきの皿が飛んで来たのって、それって、もしかしてポルターガイストとかっていうやつなんですか?」
「まあ、そんな感じ」
「あの、それって危なくないですか?というか、危なかったんじゃないですか?しかも陶器製ですよ?プラスチックじゃないんですよ?」
「ふふっ、大丈夫よ!うちには頼りになるボディーガードが居るから」
「ボディーガードって、さっきのくまのぬいぐるみですか?って、あれ?くまのぬいぐるみはどこに行ったんですか?さっきまで、っていうか、いままでそこに居たはずだった・・・あれ?」
「コマちゃんなら隣の部屋でアニメを見てるよ」
「あれ?・・・えっと・・・あの・・・えっ?」
「何言ってるのよ、今、隣の部屋に連れて行ったじゃない?」
「あれ?そうでしたっけ?」
「あんた、なんか、そっちの方をぼーっと見てたからじゃない?」
「そうかな?ですよね?う~ん・・・ってか、ここに居たんですよね?被害者の女性が、今、ここに居たんですよね?」
「だから、そう言ってるじゃない」
「いや、そう言われましても、いや、それよりも危なかったんじゃないんですか?さっきの皿の飛び方って、確実にあやねさんを狙って飛んで来ましたよね?」
「まあね、危ないって言えば危ないかもね」
「ですよね!でも、なんか、心霊の動画とかで見るのとはちょっと違うような。普通は勝手に引き出しが開くとか水道の水が出るとか、お皿が動くとかって感じで、飛ぶとしても人をめがけてっていうのはちょっと見ないですけど、っていうか、初めて見たんですけど?」
「ああ、それね。まあ、ちょっとした霊能者とか、幽霊が見えるとかって程度なら幽霊も攻撃はして来ないんだけどね。でも、たまに頭にくると攻撃することもあるけど、余程の事がないと人に直接攻撃して来るのっていうのは滅多にないしね」
ちょっとした時間差攻撃みたいに、背筋が凍るを通り越して一人興奮している倉根である。
しかも、倉根の目の前で鉢植えの皿が物凄い勢いであやねに向かって飛んで行ったのだから
幽霊を見たことがない倉根にとってみれば、いきなりのトップギアの経験なのだろう。
「あの・・・それでって言いますか、どうして被害者の女性が出てきたんですか?」
「の、幽霊」
「あっ、はい。そうでした。でも、どうして被害者の女性の幽霊が出てきたんですか?」
「警告かな?」
「警告?それって、あの・・・」
「関わるなっていう警告だと思うわよ」
「関わるなって、今回の事件にですか?」
「そっそっ!なので、今、捕まってる人に犯人になってもらいましょう!」
「えええ===っ?」
「なに?」
「いえ、あの、それは、ちょっとといいますか、やっぱり無理ですってば!」
「大丈夫よ!状況証拠はたんまりあるし、警察もやる気満々だしさ。ねっ!」
「ねっ?と、言われましても・・・」
「だから、あんたが黙っていれば真実は誰も知らないんだよ?簡単な事じゃない?」
僕が黙っていれば・・・う~ん・・・確かに、それは言えるかも・・・。
いや、違う!違う!そういう問題ではないと思います。
でも、言われみれば、確かにこの事はあやねさんと僕しか知らないわけだから
このまま、僕が何も聞かなかったことにすれば真実は誰も知らないって構図になってしまうのかもしれない。
「ただね~・・・ちょっと、気になることもあるのよね~。どうしたもんだかな~」
「気になることっていうのは?他にも、何かあるんですか?」
「という事で、根暗さん、いっぺん死んでみる?」
「倉根です!あやねさん?意図的に間違えてません?」
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