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消えていくトリック

消えていくトリック・・・その6

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「そういえば、あやねさん、さっきから気になっていたんですけど・・・」

「どこが?」

どこが?って、それはもちろん!あやねさんの太ももとあそこの境界線・・・じゃなくて
でも、さっきのか花壇のところであやねさんの可愛いお尻が見えた時も、あれって?
んでもって、今も、考えてみれば、ここまで見えているのに見えないってもしかしてって?
もしかして、ショートパンツの下に何も履いていない?
違う!違う!そうじゃなくて!そうだけど・・・

「えっとですね、どうして、あやねさんはメールの事とか訊かないのかな?って」

「だって、ないでしょ?メール?違った?」

「当たりです!でも、どうして、そう思ったんですか?今どきですので何らかの連絡を取るのならメールとかを利用するのが普通って考えると思うんですけど?」

「それって逆でしょ?」

「へっ・・・?」

「今どきメールなんて、んなもん使うのって証拠を残すようなもんじゃない?」

「それを言うなら着信だって立派な証拠になりますよ?それに、電話の内容とかを録音とかしてたりしたらアウトなんじゃないんですか?」

「電話で会いたいって言ったらアウトになるの?」

「いえ、それは、ちょっとですけど、でも、大麻とかって言葉が出てきたらアウトでしょ?」

「ねえ~?」

「はい?」

「性懲りもなく、また、あたしを試してるでしょ?」

「えっ?いえ、そんなわけないじゃないですか?」

「ふーん・・・まあ、奴隷ごっこでもしてたんじゃないの?」

「あああ===っ!」

「なに?」

「だ~か~ら~!どうして、あやねさんには分かっちゃうんですか?」

「あたしからしたら、分からない方が不思議なんだけど」

不思議なんだけど・・・じゃなくて、
さりげなく、自分は頭が良いんだけど?って、聞こえるんですけど?

「空耳じゃない?」

「へっ?」

「きゃははっ!」

「まったく、もう!でも、確かにあやねさんの言った通りでした。一応、男の方はゆすりのネタか保身のために会話を録音していたらしいんですよ」

「でも、なかなか見せようとはしなかったんでしょ?」

「そうなんです。おそらく、男も取り調べの途中に気が付いたんじゃないかな?って思うんです」

「でしょうね。んなもん出て来た日にゃ、自分が相当不利な状況になっちゃうもんね!」

「で、出てきちゃったもんだから、完全に犯人決定を自分で証明しちゃったみたいになってしまってるんです。だから同僚たちは意気揚々になるし、男の方は泣きそうになるし、僕は見てて何だか可哀想になってくるし」

「でもさ、そこまで出てきちゃったら、逆に無実を証明するのが難しくなってきちゃうんじゃないの?」

「あっ、確かに、言われてみれば・・・」

「奴隷ごっこしてました!な~んて言ったって誰も信じないしね!」

「ええ、なので、普段から男が被害者の女性を脅していたってなってしまうし、被害者の女性は何かの弱みを握られていて男に逆らえなくなってしまって男の言う事に従わざる得ない状況にいたのではないか?って推測が成り立ってしまうんです」

でも、確かに、あやねさんの言う通りかもしれない。
今になって、ではあるが。考えてみれば男の無実を証明する方法ってないのではないだろうか?

普通なら、アリバイとか目撃者の証言とか、何かしらの無実を証明出来るものがあるのだが
この、今、捕まっている男には、それがないのである。しかも、何一つ。である。
という事は、このままいけば、間違いなく犯人ということで一件落着!になってしまうの?

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