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消えていくトリック

消えていくトリック・・・その5

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違う!違う!そうじゃない!
いや、間違ってはいないけど、でも、違う!そうじゃない!そういう問題ではないんです!

「はあ、危ない!危ない!もうちょっとであやねさんの魔術にかかるところでした!」

「きゃははっ!」

「きゃははっ!じゃありませんってば!」

「な~に?無事に事件が解決したじゃない?」

おおお===っ!
見えそう!見えそう!見えちゃうそう===っ!
あやねさん!その格好で体育座りみたいなポーズをしちゃったらダメですってば!

その、ギリギリまで切り込んでいるショートパンツのままでの体育座りしちゃったら
太ももとあそこの境界線が紙一重状態になってしまっていますよ===っ!
いやいや、そうじゃない!そういう問題では・・・そういう問題だけど・・・。

「でも、あやねさん?それじゃ、捕まってる男が本当に犯人になってしまいますよ?」

「だから、それでいいんじゃないの?」

「いや、やっぱり、そういうわけにはいかないですよ!」

「だから言ってるでしょ?いったい、あんたは誰のために事件を解決したいのって?」

「確かにそれはそうですけど。でも、だからといって無実の人を犯人にしちゃうのは間違ってると思うんです」

「間違ってたらダメなの?」

「へっ?」

「被害者の女性の想いはどうでもいいの?」

「いや、それを言われると何とも返す言葉が見つからないんですけど・・・」

「まあ、いいわ!それは、真犯人にも決める権利があるんだろうから、それはそっちに決めさせてみる?」

「真犯人に・・・ですか?」

「いやなの?」

「いや、あの・・・そういうわけでは・・・でも、確かに言われてみれば、それも一理あるかもしれないですよね?」

「でしょ?」

「う~ん・・・でも、いいのかな?なんか違うような気がしないでもないような・・・」

「いいの!いいの!」

「でも、それじゃ、あやねさんはどう思ってるんですか?」

「どうって?何が?」

「何が?って、今、捕まってる男のことですよ?」

「別に・・・」

「別にって、いいですか?無実なんですよ?」

「でも、大麻やってたんでしょ?なら、いいんじゃない?」

「いや、それはそうですけど、でも、大麻と殺人では罪が全然違うんですよ?」

「何言ってんのよ?この国の法律では別に死刑になるわけじゃないんだし、いいんじゃないの?」

「かもしれないですけど・・・」

「まあ、どっちにしても、それも真犯人が決める事だし。いい?もし、真犯人が自分は罪を認めないって決めたらそれに従うのよ?」

「いや・・・それは・・・っていうか、そこは罪を償わないの方ではないんですか?」

「罪と罰は違うのよ!」

「はい・・・?」

「まあ、いいわ!それで、どうすんの?」

「確かに、まあ・・・。どっちにしても、我々警察では、この事件の解明は出来ないような気がするのも確かですし。それに、もし、真犯人が見つかったとしても、あやねさんの言うようにこの事件が完全犯罪なのだとしたら、それを証明する証拠も見つからないかもしれないですし」

「まあね。それに、もし、見つかっても、あたしが消しちゃうしね!」

「えええ===っ?そんな無茶苦茶な!」

「大丈夫!あんたとあたしのひみちゅ基地だから!」

「それはダメですってば!あれ?でも、もしかして証拠があったりするんですか?ってか、それって、もしかして、あやねさん、もう、証拠を見つけちゃったとか?」

「んなわけないでしょ!」

と言いますか、ショートパンツの切れ込みの境界線が紙一重まで迫っているですけど?
そのまま体育座りの状態でちょっとでも左右に動いたりしたらどうなってしまうのでしょうか?
どうやら、倉根の頭の中では、もう一つの事件が発生しているようである。

「でもさ、もし、真犯人が見つかったとしてさ、んでもって、それを証明する証拠が見つかってさ、それで真犯人が捕まったからっていっても、だからって、この世界の何が変わるってわけでもないし。だから、あんたも、そんなに片意地張らなくてもいいんじゃないの?」

いえいえ、あやねさんがそのままの体育座りの状態で左右に動いたら僕の世の中が変わってしまうと思われます。

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