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SMと快楽と事件
SMと快楽と事件・・・その14
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「あの・・・その、初めから存在しないトリックっていうのはいったい?」
「ああ、あのね、トリックってね、いくつか種類があるんだけどね。その中で最も難しいのがね、種が存在していないトリックなのよ」
「種が存在していない?」
「そうそう、普通、トリックってマジックと同じで、ちゃんと種が存在しているのよね。ただ、それが見えないように隠しているだけ」
「確かに・・・でも、それじゃ種が存在していないっていうのは、いったいどういう事なんですか?」
「う~ん・・・たぶん理解出来ないと思う」
「えっ?いや、あの・・・そう言われましても」
「だから言ってるじゃない?初めから種がどこにも存在していないって」
「いや、あの・・・出来ましたら僕にも分かるように・・・と、言いますか」
「あんたさ、迷路って知ってる?」
「迷路ですか?はい、一応は知ってますけど」
「よくさ、トリックとかの本とか雑誌の後ろの方とかに載ってるのあるでしょ?」
「ペンとかでなぞっていくみたいなのですか?」
「そうそう、子供向けの本とかによくあるわよね?」
「ええ、ありますね」
「あれって、迷路を作る時ってどうやって作っていくと思う?」
「どうって、う~ん・・・ペンとかで書いていくんじゃ・・・」
「どこから?」
「はい?どこからって・・・スタートの所からですか?」
「あははっ!違うわよ!逆よ!逆!あれってね、ゴールから書いていくのよ」
「ゴールから?スタート地点からじゃないんですか?」
「ふふっ。あんたも今度書いてみるといいわよ?ゴール地点から逆に書いていくと簡単に書けちゃうから。しかも、どんなに複雑な迷路も簡単に書けちゃうわよ?」
「そうなんですか?」
「だから、迷路ってね、ゴールから進むとスタート地点がゴール地点になっちゃうのよね」
「確かに、言われてみれば・・・ですね」
「で、ゴールから始めると簡単に解けちゃうでしょ?」
「まあ・・・でも、それじゃ迷路じゃなくなってしまうんじゃないですか?」
「だから、名探偵なんかが、推理しながらトリックを見破れるの。これが、名探偵の謎解きの秘密みたいなもんなんだけどね」
「う~ん・・・そんなものなんですか?僕はてっきり頭の出来の違いかなって?思っていたんですけど」
「謎を解くのは謎。トリックを見破るのはトリック。どちらも、ちゃんと種はあるのよ」
「う~ん・・・分かるような分からないような・・・」
「あははっ!」
「でも、それじゃ、今回の事件というのは?」
「うんとね、分かりやすく言うとね、迷路が描かれていない迷路。何も書かれていない真っ白な一枚の紙っていう事!」
「いや・・・あの・・・全然分からないんですけど?それじゃ、初めから迷路が書かれていないって事になるんじゃないんですか?」
「あははっ!だから言ってるじゃないのよ?最も難しいトリックだって!」
「すみなせん・・・まるっきり分からなくなってしまいました。あっ、すみませんの方でした!」
「大丈夫、初めから期待してないから」
「いや・・・あの・・・僕にも分かるようにお願いしたいな~なんて」
「そうね、ミイラ取りがミイラになっちゃったみたいな!そんな感じね!」
「はあ・・・」
「でもね、普通は迷路のスタート地点があってゴール地点がないっていうのが難解なトリックになるんだけどね」
「ゴール地点がない?ですか?」
「そう、その迷路を見つけた人がこの辺かな?って、勝手にゴール地点を作っちゃうみたいな。これがいわゆる冤罪ってやつね!」
「あっ!なるほど!」
「分かりやすいでしょ?」
「でも、それじゃ、今回の場合はどうなるんですか?」
「どうなるって?」
「だって、初めから何も書かれていないんですよ?これじゃ、どうしたってゴール地点を作りたくても作れないですよ?だって、どこにもスタート地点が書かれていないんですから」
「何言ってるのよ?スタート地点もゴール地点もあんたたちが勝手に作っちゃったじゃないのよ?」
「えっ?」
倉根は、もはや何が何だか分からなくなってしまった。
そんな、まるでそこだけ時間が止まってしまったかのような倉根の顔をあやねは面白そうに眺めている。
「ああ、あのね、トリックってね、いくつか種類があるんだけどね。その中で最も難しいのがね、種が存在していないトリックなのよ」
「種が存在していない?」
「そうそう、普通、トリックってマジックと同じで、ちゃんと種が存在しているのよね。ただ、それが見えないように隠しているだけ」
「確かに・・・でも、それじゃ種が存在していないっていうのは、いったいどういう事なんですか?」
「う~ん・・・たぶん理解出来ないと思う」
「えっ?いや、あの・・・そう言われましても」
「だから言ってるじゃない?初めから種がどこにも存在していないって」
「いや、あの・・・出来ましたら僕にも分かるように・・・と、言いますか」
「あんたさ、迷路って知ってる?」
「迷路ですか?はい、一応は知ってますけど」
「よくさ、トリックとかの本とか雑誌の後ろの方とかに載ってるのあるでしょ?」
「ペンとかでなぞっていくみたいなのですか?」
「そうそう、子供向けの本とかによくあるわよね?」
「ええ、ありますね」
「あれって、迷路を作る時ってどうやって作っていくと思う?」
「どうって、う~ん・・・ペンとかで書いていくんじゃ・・・」
「どこから?」
「はい?どこからって・・・スタートの所からですか?」
「あははっ!違うわよ!逆よ!逆!あれってね、ゴールから書いていくのよ」
「ゴールから?スタート地点からじゃないんですか?」
「ふふっ。あんたも今度書いてみるといいわよ?ゴール地点から逆に書いていくと簡単に書けちゃうから。しかも、どんなに複雑な迷路も簡単に書けちゃうわよ?」
「そうなんですか?」
「だから、迷路ってね、ゴールから進むとスタート地点がゴール地点になっちゃうのよね」
「確かに、言われてみれば・・・ですね」
「で、ゴールから始めると簡単に解けちゃうでしょ?」
「まあ・・・でも、それじゃ迷路じゃなくなってしまうんじゃないですか?」
「だから、名探偵なんかが、推理しながらトリックを見破れるの。これが、名探偵の謎解きの秘密みたいなもんなんだけどね」
「う~ん・・・そんなものなんですか?僕はてっきり頭の出来の違いかなって?思っていたんですけど」
「謎を解くのは謎。トリックを見破るのはトリック。どちらも、ちゃんと種はあるのよ」
「う~ん・・・分かるような分からないような・・・」
「あははっ!」
「でも、それじゃ、今回の事件というのは?」
「うんとね、分かりやすく言うとね、迷路が描かれていない迷路。何も書かれていない真っ白な一枚の紙っていう事!」
「いや・・・あの・・・全然分からないんですけど?それじゃ、初めから迷路が書かれていないって事になるんじゃないんですか?」
「あははっ!だから言ってるじゃないのよ?最も難しいトリックだって!」
「すみなせん・・・まるっきり分からなくなってしまいました。あっ、すみませんの方でした!」
「大丈夫、初めから期待してないから」
「いや・・・あの・・・僕にも分かるようにお願いしたいな~なんて」
「そうね、ミイラ取りがミイラになっちゃったみたいな!そんな感じね!」
「はあ・・・」
「でもね、普通は迷路のスタート地点があってゴール地点がないっていうのが難解なトリックになるんだけどね」
「ゴール地点がない?ですか?」
「そう、その迷路を見つけた人がこの辺かな?って、勝手にゴール地点を作っちゃうみたいな。これがいわゆる冤罪ってやつね!」
「あっ!なるほど!」
「分かりやすいでしょ?」
「でも、それじゃ、今回の場合はどうなるんですか?」
「どうなるって?」
「だって、初めから何も書かれていないんですよ?これじゃ、どうしたってゴール地点を作りたくても作れないですよ?だって、どこにもスタート地点が書かれていないんですから」
「何言ってるのよ?スタート地点もゴール地点もあんたたちが勝手に作っちゃったじゃないのよ?」
「えっ?」
倉根は、もはや何が何だか分からなくなってしまった。
そんな、まるでそこだけ時間が止まってしまったかのような倉根の顔をあやねは面白そうに眺めている。
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