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さりげなく恥辱まみれ

さりげなく恥辱まみれ・・・その5

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「う~ん・・・。強そうには見えないんだけどな~」

「にゃ・・・?」

「ふふっ。可愛い騎士さん。可愛い騎士さんは、あやねさんのどこが好きなの?」

「おバカなところ!」

「おバカなところ?私にはしっかりしているように見えるけど、違うの?」

「しっかりしている人はすっぽんぽんでお外に出たりしないでしっ!」

「あははっ!確かにそうかも・・・」

「そうなのでしっ!」

「でしっ?ふふっ。それじゃ、あやねさんがおバカだから一緒に着いてきたの?」

「違うでしよ!おかみさんとおんなじ香りがしたからでしよ!」

「同じ香りがしたから?」

「はいでしっ!でも、冴子さんはおじ様って呼んでたでしっ!」

あっ、また冴子さんの名前が出てきた。
確か、沢山のぬいぐるみさんたちと一緒に暮らしているって言ってたけど。

「おじ様・・・?」

「でも、僕たちはおかみさん!おかみさん!って呼んでたでしっ!」

呼んでた・・・?
そういえば、さっきも同じ香りがしたからって・・・。なぜか過去形に聞こえるんだけど。
というか、おじ様がどうしておかみさんになるのかしら?

「それで、おかみさんも冴子さんと一緒に暮らしてるの?」

「死んじゃったでしよ!」

「死んじゃった・・・?」

「はいでしっ!」

「おかみさんがおじ様で、でも、死んじゃったの?」

う~ん・・・お話がよく見えないんだけど・・・。

美奈子がくまのぬいぐるみとお話をしていると奥の部屋からあやねが洋服を持って戻って来た。

「あら?ふふっ、くまさんには分かるのね」

「あっ、あやねさん。あの、くまさんには分かるって?」

「くまさんが、あの人の事をお話したのって美奈子さんが初めてなんですよ」

「あの人・・・そういえば、先程も、確か・・・」

「はい。とっても素敵で愛らしく優しいおじ様ですよ」

「えっ、あの、くまさんは、おかみさんって?」

「ふふっ。おじ様って女装家なんですよ」

「えっ?えええ===っ?」

「ついでに変態で、そんでもって、あたしの新しいお父さんでもあるんです」

「はい?はい?はい?」

「ちょっと飛び過ぎましたね?」

「ははは・・・。ちょっとどころでは。あっ、新しいお父さんというのは?」

「はい。あたしの両親は15年前に事故で亡くなったんです。それで、おじ様が新しいお父さんになってくれたんですよ」

突然の急転換な話に、美奈子は驚いてしまっていた。
何よりも、そんな大事な事を普通に話すあやねに、それが本当にあった出来事なのか?
それとも、何かしらの勧誘で自分を騙そうとしているかもしれない、そんな考えまで頭の中をよぎってしまう。

「ふふっ。別に美奈子さんを騙してなんていませんよ」

「えっ?どうして分かっちゃうんですか?」

「ん・・・?」

「さっきもそうでしたけど、まるで、あやねさんには私の考えている事が分かってしまうような気がするのですが?」

「ふふっ・・・」

ふふっって・・・あの、それでは答えになってないような気がするのですが・・・。

「そんな事よりも、どうです?このミニのワンピ?」

あやねの見せるミニのワンピは、ホワイトカラーをスカートの裾からカーネーションたちが包み込んでいるような、ワンピの柔らかい生地を優しさが不思議な香りを漂わせている。

わぁ~、こんな感じのワンピって初めて見るわ。
それに、白地にカーネーションの茎の緑と花のピンク色がシンクロしているみたいで
特に、花びらの薄いピンクと濃いピンクがこれほど白地を鮮やかに演出しているのね。

普通なら、白地が薄いピンクと濃いピンクの花びらを惹き立たせるんだと思うんだけど
あやねさんが見せてくれているワンピはその逆で花びらが白地という名前をホワイトカラーという柔らかい言葉に変換しているようにさえ感じられてしまうわ。

じゃなくて、どうして、私の考えている事が分かっちゃうの?と、言いたい私は正しいと思う。

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