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見える世界と見えない世界
見える世界と見えない世界・・・その19
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「そういえば、あやねさんってお仕事って?」
「あっ!お話を変えちゃいましたね?」
屈託のない笑顔で美奈子の心の奥のその先へは行って来たかと思えば
会話の尾を簡単に放してしまうあやねに惹き込まれていく美奈子である。
「へへっ。そういうわけではないんですけど、ちょっと気になったというか」
「聞いていた話とちょっと違うな~みたいな?」
「ええ、確か、心霊関係の探偵というか、そんな感じに聞いていたんですけど」
「探偵らしくない?・・・かな?」
「まあ、何といいますか。てっきり、映像に映っていた幽霊から私の素性とかこれまでとかって、色々と訊かれるのかな?って、思っていたんですけど・・・」
「いきなり、とんでもない方向に攻めてくるみたいな?」
「ええ、普通なら話さないようなところまで、私がまだ何も話していないのに分かっちゃうみたいでしたので」
「まあ、探偵って、事件現場から消えそうな糸を手繰り寄せていくような感じですもんね」
「ええ、でも、あやねさんの場合って、なんて言うか、結論からというか、まるで犯人から逆算していくみたいなというか」
「う~ん・・・どうなか?自分ではよく分からないんですけどね。あっ、どうかな?でしっ!」
「もしかして、犯人とかも、すぐに分かっちゃうんですか?」
「そんなばかな?でしっ!う~ん・・・ただ・・・」
「ただ・・・?」
「犯人が分かるというより、結果、いわゆる事実、起きた出来事の終点って言った方が分かりやすかな?」
「起きた出来事の終点・・・ですか?」
「う~ん、殺人事件とかでしたら殺害現場になるのかな?」
「あっ、確かに、起きた出来事の終点になりますね?」
「ええ、なので、全ての答えはそこにあるんじゃないかな?って感じかな?」
「それじゃ、その現場を見ると犯人が分かっちゃうんですか?」
「いえいえ、そういうんじゃなくてですね。なんて言ったら・・・う~ん。あっ、うんとですね、糸が見えちゃうっていうか。そんな感じかな?」
「糸・・・ですか?」
「ええ、その原因を作った張本人までの糸っていうのかな?」
「それじゃ、どんな事件も解決出来ちゃうんじゃないんですか?」
「かもしれないけど、でも、解決しないんです」
「えっ?どうしてですか?」
「見たくないものや知りたくないことが沢山見えちゃうから。ってか、その前に、実はあたしって探偵じゃないんですよ」
「えっ?」
「あの、おバカな刑事さんが、勝手に事件の捜査の依頼を頼みに来ちゃうだけで。ってか、大体にして持ってくる事件って決まって変態がらみ、というか、もろに変態事案だし。なので、あたしとしては、あんで?って感じなんですよ」
「あんで?ふふっ。でも、それじゃ、あやねさんのお仕事って?」
「これっ!」
あやねは、そう言って、自分の着ているワンピを指さしてみる。
「えっ?あの・・・もしかして、洋服販売とかですか?」
「そそっ。手製のオリジナル洋服の販売!」
「え===っ!そうだったんですか?全然、知りませんでした」
「ふふっ。大丈夫です!誰も知りませんから」
「誰も知らないって、それじゃどうやって販売とかってしているんですか?」
「ほとんどがネット販売かな?」
「ネット販売・・・なるほど。確かに今はネットでの販売をしている人が多いですもんね」
「そうなんです。特にちょっとエッチな感じのとかって、お好きな人が多いみたいなんですよ」
「ちょっとエッチな感じ?」
「ええ、もろにエッチな洋服って、ベビードールとかコスプレ衣装とかって沢山あるんですけど、ちょっとエッチなって感じのお洋服、特にスカート関係とかは、意外と少ないんですよね」
「それって、どんな感じの洋服になるんですか?」
「うんと、基本的に普段の生活の中でも着れちゃうって感じかな?」
「普段でも着れちゃう・・・?」
「ふふっ。もし、興味がおありでしたら、あとでお見せしますよ」
「なんか、すごく興味があるかも!」
「なんか、お話が脱線しちゃいましたね!」
「いえいえ、それで、先ほど言ってました厄介な悪意というのは?」
とはいえ、美奈子は、あやねが言っていたちょっとエッチな洋服の他に
もうひとつ、妙に興味を惹かれるものがあった。
それは、刑事が持ってくるという、もろに変態な事件である。
「あっ!お話を変えちゃいましたね?」
屈託のない笑顔で美奈子の心の奥のその先へは行って来たかと思えば
会話の尾を簡単に放してしまうあやねに惹き込まれていく美奈子である。
「へへっ。そういうわけではないんですけど、ちょっと気になったというか」
「聞いていた話とちょっと違うな~みたいな?」
「ええ、確か、心霊関係の探偵というか、そんな感じに聞いていたんですけど」
「探偵らしくない?・・・かな?」
「まあ、何といいますか。てっきり、映像に映っていた幽霊から私の素性とかこれまでとかって、色々と訊かれるのかな?って、思っていたんですけど・・・」
「いきなり、とんでもない方向に攻めてくるみたいな?」
「ええ、普通なら話さないようなところまで、私がまだ何も話していないのに分かっちゃうみたいでしたので」
「まあ、探偵って、事件現場から消えそうな糸を手繰り寄せていくような感じですもんね」
「ええ、でも、あやねさんの場合って、なんて言うか、結論からというか、まるで犯人から逆算していくみたいなというか」
「う~ん・・・どうなか?自分ではよく分からないんですけどね。あっ、どうかな?でしっ!」
「もしかして、犯人とかも、すぐに分かっちゃうんですか?」
「そんなばかな?でしっ!う~ん・・・ただ・・・」
「ただ・・・?」
「犯人が分かるというより、結果、いわゆる事実、起きた出来事の終点って言った方が分かりやすかな?」
「起きた出来事の終点・・・ですか?」
「う~ん、殺人事件とかでしたら殺害現場になるのかな?」
「あっ、確かに、起きた出来事の終点になりますね?」
「ええ、なので、全ての答えはそこにあるんじゃないかな?って感じかな?」
「それじゃ、その現場を見ると犯人が分かっちゃうんですか?」
「いえいえ、そういうんじゃなくてですね。なんて言ったら・・・う~ん。あっ、うんとですね、糸が見えちゃうっていうか。そんな感じかな?」
「糸・・・ですか?」
「ええ、その原因を作った張本人までの糸っていうのかな?」
「それじゃ、どんな事件も解決出来ちゃうんじゃないんですか?」
「かもしれないけど、でも、解決しないんです」
「えっ?どうしてですか?」
「見たくないものや知りたくないことが沢山見えちゃうから。ってか、その前に、実はあたしって探偵じゃないんですよ」
「えっ?」
「あの、おバカな刑事さんが、勝手に事件の捜査の依頼を頼みに来ちゃうだけで。ってか、大体にして持ってくる事件って決まって変態がらみ、というか、もろに変態事案だし。なので、あたしとしては、あんで?って感じなんですよ」
「あんで?ふふっ。でも、それじゃ、あやねさんのお仕事って?」
「これっ!」
あやねは、そう言って、自分の着ているワンピを指さしてみる。
「えっ?あの・・・もしかして、洋服販売とかですか?」
「そそっ。手製のオリジナル洋服の販売!」
「え===っ!そうだったんですか?全然、知りませんでした」
「ふふっ。大丈夫です!誰も知りませんから」
「誰も知らないって、それじゃどうやって販売とかってしているんですか?」
「ほとんどがネット販売かな?」
「ネット販売・・・なるほど。確かに今はネットでの販売をしている人が多いですもんね」
「そうなんです。特にちょっとエッチな感じのとかって、お好きな人が多いみたいなんですよ」
「ちょっとエッチな感じ?」
「ええ、もろにエッチな洋服って、ベビードールとかコスプレ衣装とかって沢山あるんですけど、ちょっとエッチなって感じのお洋服、特にスカート関係とかは、意外と少ないんですよね」
「それって、どんな感じの洋服になるんですか?」
「うんと、基本的に普段の生活の中でも着れちゃうって感じかな?」
「普段でも着れちゃう・・・?」
「ふふっ。もし、興味がおありでしたら、あとでお見せしますよ」
「なんか、すごく興味があるかも!」
「なんか、お話が脱線しちゃいましたね!」
「いえいえ、それで、先ほど言ってました厄介な悪意というのは?」
とはいえ、美奈子は、あやねが言っていたちょっとエッチな洋服の他に
もうひとつ、妙に興味を惹かれるものがあった。
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