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見える世界と見えない世界
見える世界と見えない世界・・・その12
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「でも・・・あの・・・あやねさんは幽霊って怖くないんですか?」
「どして?」
「どして?って、だって幽霊ですよ?」
「ふふっ。よく聞く心霊動画とかホラー映画とかのことですね?」
「あ、はい。それに最近ですと、心霊スポットとかってもよく聞きますし」
「確かに、幽霊の中には悪い幽霊や危険な幽霊もいますからね」
「ですよね?」
「でも、それって、幽霊と話が出来ないからじゃないですかね?」
「えっ・・・?」
「まあ、それに、幽霊の方も人間とお話が出来ない場合が多いですしね」
「お話・・・ですか?」
「それと、幽霊は怖いものだ?とか、呪われるんじゃないか?とかって事にしないとお金儲けが出来ないですしね」
美奈子は、幽霊という存在は怖い存在なのだと、小さい頃から信じてきたので
幽霊が怖いのは当たり前で、幽霊は人に取り憑いたり、呪われたり、危害を加えられたり
憑りつかれた人の中には、あの世に連れ去られてしまうかもしれないという感じに思っていたのだが。
あやねの話を聞いていると、どうも違うらしいように聞こえてきてしまうのである。
「あの・・・あやねさんは幽霊とお話とかって出来ちゃうんですか?」
「お話・・・?だって、ほら、ここに。ふふっ・・・」
そう言いながら、隣で美味しそうにジュースを飲んでいるくまのぬいぐるみの方へ視線を移してみせる。
「ですよね!・・・確かに・・・ですよね。それは分かるんですけど、というか、まだ、半信半疑でもあるんですけど」
「幽霊も人間と同じで、良い幽霊もいれば悪い幽霊もいるって考えればいいんじゃないかな?」
「幽霊も人間と同じ・・・なるほど、確かにそうですね」
「それに、実際には、悪い幽霊ってけっこう少ないんですよ」
「でも、突然、出て来たりとか、それに、とても怖い姿で現れたりっていう幽霊とかってよく聞きますよ」
「ふふっ。それって、ちゃんと意味があるんですよ」
「意味・・・ですか?」
「まあ、一度に理解しようとしなくても、そのうち少しずつ分かってくると思いますから大丈夫ですよ」
「と、いいますのは?」
「きっと、美奈子さんがここに訪ねて来られたのは偶然ではないと思うし」
「えっ・・・?あの・・・それは?」
「さあ、それはよく分かりませんが、でも、何となくそんな風に思えるんですよね」
「はあ・・・」
「それに、この子たちとお話が出来るんですから、きっと、そのうち幽霊ともお話が出来るようになると思いますよ」
「私が・・・ですか?」
「ええ、なので、今、幽霊の存在を詳しく知らなくても心配いらないと思いますし」
「はあ・・・」
「それに、幽霊の存在をそれなりに詳しく話そうとすると3日くらいかかっちゃいますし」
そう言いながら、くまのぬいぐるみの頭をむぎゅむぎゅしているあやね。
「そうそう、くま、いつものねこさんの番組が始まる時間じゃないの?」
「あっ!そうであります!ワニさん、ねこさんたちを見に行くですよ!」
「台所のいつもの戸棚にお菓子があるから、食べながら見るといいわね」
「はいです!」
あやねの言葉に、くまのぬいぐるみとワニのぬいぐるみは嬉しそうにしながら返事をすると
上手に座っていたソファから降りてジュースの入っているグラスを持って台所へと歩いて行った。
歩いているわよね?
やっぱり、歩いているわよね?
確かに頭の中では理解しているはずなのだが、それでも美奈子には不思議な世界に思えてしまうのである。
「そうそう、それから、これは覚えておいた方が良いかもしれませんね!」
「何か、覚えておかないといけないのとかってあるんですか?」
「ええ、きっと、これから幽霊とお付き合いをする上で基本になると思うので覚えておいて損はないと思いますし、それに、覚えておいた方が理解しやすいとも思いますしね」
「それっていうのは?」
「えっと、幽霊には基本的に2つのタイプあるんです」
「2つのタイプ・・・?」
「ええ、ひとつは、さっきの子たちのように生きている人間と同じ性格を持っているタイプ」
「それで、もうひとつの方は?」
「こっちがちょっとややこしいんですけどね。もうひとつの方は人間の持つ善悪とは違う善悪を持っているタイプなんです」
善悪・・・?
美奈子は、なぜか、あやねの言葉に、もしかして?の言葉が脳裏に浮かんでいた。
「どして?」
「どして?って、だって幽霊ですよ?」
「ふふっ。よく聞く心霊動画とかホラー映画とかのことですね?」
「あ、はい。それに最近ですと、心霊スポットとかってもよく聞きますし」
「確かに、幽霊の中には悪い幽霊や危険な幽霊もいますからね」
「ですよね?」
「でも、それって、幽霊と話が出来ないからじゃないですかね?」
「えっ・・・?」
「まあ、それに、幽霊の方も人間とお話が出来ない場合が多いですしね」
「お話・・・ですか?」
「それと、幽霊は怖いものだ?とか、呪われるんじゃないか?とかって事にしないとお金儲けが出来ないですしね」
美奈子は、幽霊という存在は怖い存在なのだと、小さい頃から信じてきたので
幽霊が怖いのは当たり前で、幽霊は人に取り憑いたり、呪われたり、危害を加えられたり
憑りつかれた人の中には、あの世に連れ去られてしまうかもしれないという感じに思っていたのだが。
あやねの話を聞いていると、どうも違うらしいように聞こえてきてしまうのである。
「あの・・・あやねさんは幽霊とお話とかって出来ちゃうんですか?」
「お話・・・?だって、ほら、ここに。ふふっ・・・」
そう言いながら、隣で美味しそうにジュースを飲んでいるくまのぬいぐるみの方へ視線を移してみせる。
「ですよね!・・・確かに・・・ですよね。それは分かるんですけど、というか、まだ、半信半疑でもあるんですけど」
「幽霊も人間と同じで、良い幽霊もいれば悪い幽霊もいるって考えればいいんじゃないかな?」
「幽霊も人間と同じ・・・なるほど、確かにそうですね」
「それに、実際には、悪い幽霊ってけっこう少ないんですよ」
「でも、突然、出て来たりとか、それに、とても怖い姿で現れたりっていう幽霊とかってよく聞きますよ」
「ふふっ。それって、ちゃんと意味があるんですよ」
「意味・・・ですか?」
「まあ、一度に理解しようとしなくても、そのうち少しずつ分かってくると思いますから大丈夫ですよ」
「と、いいますのは?」
「きっと、美奈子さんがここに訪ねて来られたのは偶然ではないと思うし」
「えっ・・・?あの・・・それは?」
「さあ、それはよく分かりませんが、でも、何となくそんな風に思えるんですよね」
「はあ・・・」
「それに、この子たちとお話が出来るんですから、きっと、そのうち幽霊ともお話が出来るようになると思いますよ」
「私が・・・ですか?」
「ええ、なので、今、幽霊の存在を詳しく知らなくても心配いらないと思いますし」
「はあ・・・」
「それに、幽霊の存在をそれなりに詳しく話そうとすると3日くらいかかっちゃいますし」
そう言いながら、くまのぬいぐるみの頭をむぎゅむぎゅしているあやね。
「そうそう、くま、いつものねこさんの番組が始まる時間じゃないの?」
「あっ!そうであります!ワニさん、ねこさんたちを見に行くですよ!」
「台所のいつもの戸棚にお菓子があるから、食べながら見るといいわね」
「はいです!」
あやねの言葉に、くまのぬいぐるみとワニのぬいぐるみは嬉しそうにしながら返事をすると
上手に座っていたソファから降りてジュースの入っているグラスを持って台所へと歩いて行った。
歩いているわよね?
やっぱり、歩いているわよね?
確かに頭の中では理解しているはずなのだが、それでも美奈子には不思議な世界に思えてしまうのである。
「そうそう、それから、これは覚えておいた方が良いかもしれませんね!」
「何か、覚えておかないといけないのとかってあるんですか?」
「ええ、きっと、これから幽霊とお付き合いをする上で基本になると思うので覚えておいて損はないと思いますし、それに、覚えておいた方が理解しやすいとも思いますしね」
「それっていうのは?」
「えっと、幽霊には基本的に2つのタイプあるんです」
「2つのタイプ・・・?」
「ええ、ひとつは、さっきの子たちのように生きている人間と同じ性格を持っているタイプ」
「それで、もうひとつの方は?」
「こっちがちょっとややこしいんですけどね。もうひとつの方は人間の持つ善悪とは違う善悪を持っているタイプなんです」
善悪・・・?
美奈子は、なぜか、あやねの言葉に、もしかして?の言葉が脳裏に浮かんでいた。
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