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見える世界と見えない世界

見える世界と見えない世界・・・その9

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「あははっ!大丈夫ですよ!こう見えてもあたしも変態の一人ですから」

「あやねさんも・・・?」

美奈子の言葉にあやねの隣でジュースを飲んでいたくまのぬいぐるみが面白そうに笑う。

「あやねさんって、今はお洋服を着ているけど、いつもは裸のままなんですよ!」

「裸って・・・?」

「うんと、全裸!素っ裸!んでもって、すっぽんぽんのぽんなのです!」

「すっぽんぽんの・・・ぽん?」

「そそ!んでもって、そのまんまお庭でお花さんのお世話をしてたりしちゃうですよ!」

「えええ===っ!?それじゃ誰か来たら大変なんじゃないんですか?」

「そなのです!なので、柵なのです!」

「柵・・・?あっ!なるほど!」

「はいです!」

なるほど!そういうことだったのね!
美奈子は、ここ(あやねのアトリエ)を訪ねてきた時にちょっと変わってる感じのアトリエだな?と、思ったのだが。

というのは、お店って道路沿いに駐車場があって、その駐車場に隣接する感じにというか
見方を変えると駐車場の中にお店が建っているという感じが普通だと思ったのだが、
ここ(あやねのアトリエ)の場合は少し変わっているみたいで、柵が張り巡らされているというか、駐車場とお店が独立しているというか、駐車場があって、柵があって、その柵の中にドア付きの門が設置してあるのである。

それで、その柵も1m50㎝くらいの高さで木の板が並べられている感じになっているので
お店が、道路から丸見えという感じではなく、道路を走る車からはアトリエの窓から上の辺りしか見えない感じになっている。

そして、ドア付きの門がある柵のすぐ近くにアトリエが建っているのではなくて
張り巡らされている柵から10mくらい奥にアトリエの建物が建っている感じなのである。

なので、柵のすぐに庭木が柵に沿うように植えてあるのでアトリエを見ようとしても
駐車場側からは庭木の枝の隙間から覗くような感じになるので見えにくいと言えば見えにくい感じである。

その上、柵からアトリエまでの10m程の距離には、所々に庭木が植えてあってその先に、アトリエの建物の長さに沿うように二か所に花壇が作られている。
その二か所の花壇の間の先にアトリエの玄関があるので、何となく、おとぎの国っぽい感じの雰囲気を漂わせている。

確かに、くまさんのぬいぐるみが言うように、これなら、あやねさんが全裸でお花のお世話をしていても道路からは見えないかもしれないわね。

とはいっても、石垣や木の壁のような感じの完全に見えないという感じではなくて
見る気になればチラ見えが出来てしまう、なんとも微妙な空間といえないこともない。
というか、見る気なればチラ見えが出来ちゃうって、ちょっと、いやらしいような・・・。

だって、お庭の花壇から駐車場の柵までは約10mくらいの距離なわけでしょ?
んでもって、見る気になれば見えちゃうかもしれない、というか、見えちゃうというか
そこに、あやねさんが何も着ないままの素っ裸のままでお花の手入れとかって・・・
う~ん・・・くまさんの言う通り、あやねさんって変態?だったりして。

「だめですよ!美奈子さん。そんなありえないような妄想してては・・・ふふっ」

「えっ?・・・あっ・・・」・・・の前に、その、ふふっ・・・が、怖いです。

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