上 下
28 / 119
見える世界と見えない世界

見える世界と見えない世界・・・その8

しおりを挟む
「えっ・・・?」

あやねの急な提案に、ちょっとびっくりというか恥ずかしどっきり!っというべきか
いえいえ、その前に、その心は・・・?と、思考をめぐらすべきか・・・
返す言葉を探している美奈子に、ちょっと微笑みながらコーヒーを口にするあやねである。

「そうそう、さっきのぬいぐるみの数の呼び方を個というふうに呼ぶのには意味があるんですよ」

「あっ、そうなんですか?私も何となく変かな?って思っていたんですけど」

「ほんとなら、何匹というふうに呼ぶのが正解なのかもしれないですもんね」

「ええ・・・私もそう思いました。それで、何個というふうに呼ぶのっていうのは?」

「この子たちの中に入っているのが人の幽霊みたいなものだからなんですよ」

「人の幽霊みたいなもの・・・というのは?人の幽霊ではないのですか?」

「う~ん・・・ちょっと違うみたいな、そうなそうな~みたいな・・・」

「ちょっと違う・・・んですか?」

「う~ん・・・そうですね、この子たちの中に入っているのは幽霊というより魂なのかな?」

「幽霊ではなくて魂・・・ですか?」

「ええ、ちなみに幽霊と魂ってね、同じじゃないみたいなんですよ」

「同じではない?ということは、幽霊と魂って違うんですか?」

「まあ、違うと言えば違うような、同じと言えば同じような・・・かな?」

「う~ん・・・」

「あははっ!あんまり難しく考えなくてもいいんですよ」

「そうは言われても・・・」

「この子たちを理解しようとするよりも、こういう生き物もいるんだな~みたいな感じで」

「はあ・・・そういえば、さっきこのくまさんとワニさんのことは2匹って呼んでいたような気がしたんですけど、他のぬいぐるみさんたちとは何か違うんですか?」

「いえいえ、別にそれほどの意味があるわけではないんです。ただ、特定と不特定の違いみたいな感じなんですよ」

「特定と不特定・・・?」

「ええ。ここにいるこの子たちは目に見えているでしょ?だから特定。冴えちゃんのところにいるぬいぐるみたちはここにいないので不特定。でも、冴ちゃんの家に行った時は100匹とかって匹で呼ぶんですよ」

「なるほど。確かにその方が分かりやすいですね」

美奈子は、あやねと会話をしながら、この世界には不思議な世界があるんだな~と
自分の隣とその向かい側で美味しそうにジュースを飲んでいるぬいぐるみたちを眺めていた。

「それで・・・あの・・・さっきの・・・」

「ふふっ。犯されてみるってこと?」

「あっ、はい」

「むふふっ。やっぱり、みたいですね!」

「えっ・・・?」

美奈子としては、こういう会話というものをすることは恥ずかしいと思いながらも
そんな恥ずかしい言葉を普通に会話に乗せてくるあやねにやっぱり驚いてしまうのである。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...