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中編 愛の深まりと婚約
99.心から願えば
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「うわぁ、いいねー!」
備え付けだったのか、古びた木の家具が既に置いてある。隅っこにはピアノも置いてあるから、ここでも練習できそうだ。柱の上部が枝分かれする幹のような形になっていたりと装飾性が高い。窓ガラスの上部に円形のステンドグラスが小さく嵌め込んであったり……やっぱりデザインが素敵すぎる。
借家代も高そうなのは、気にしないでおこう。
あちこち見物したあとに、三階へと上がる。
「ここも一階みたいだね。キッチンまである」
「二世帯向けか、もしくは三階だけを人に貸すことを想定して建てたのかもね。三階手前の扉にも鍵がついているし」
「なるほど……」
ダイニングテーブルがあって……ソファがあって……ローテーブルがあって……。
「なんか……前の世界のリビングみたい。落ち着くね」
「うん、そう思って君の家の家具の配置を参考にしたんだ」
え……レイモンドが家具の配置まで……?
うん、大丈夫かも。私、まだ普通にものすごく愛されているかも。そうだよね、婚約まであんな申し込み方をされたもんね。
ここまでされることに安心するなんて……もしかしてこれ、共依存ってヤツじゃない? いいのかな。ここでは「共依存」と「デメリット」で検索とかできないからな……。
「家具の配置ってことは、魔女さんと往復したの?」
「いや……ダニエルとの雑談会の時に少しね。中を見せてもらったり図面を元にざっと家具を決めたり。実際に配置するのはダニエルの手配に任せたよ」
かなり前から動いていたってことか……。
寝室には大きいベッドが一つ。違う部屋に行こう。どうせ寮で寝るわけだし、泊まることなんてないよね。
一通り探索して、二人でソファに座る。
以前だったら、くつろげるしとベッドでゴロゴロするか聞かれるくらいはしたかもしれないと、また少し寂しくなる。空飛ぶベッドですやすや寝た時もあったのになぁ。
「いい場所だね、ここも。外れの方だし隠れ家って感じ」
「いいね、それならこの家のことはそう呼ぼっか」
レイモンドの方へコロンともたれる。体が大きくなって……そうしやすくなった。
――不自然な沈黙。
「それで……さ」
絞り出すような苦しそうな声。
まったく。どうしようもない奴。
「お……怒ってる……?」
「どう思う?」
「学園で泣いたのって……怒ったからじゃないよね……」
そんな心配していたの!?
まぁ……ね。泣いたのは自分でも驚きだ。レイモンドが私を好きなのも婚約をいつか申し込まれるのも分かってはいたし……正直、その時がきたら「あーハイハイ、とうとうですね」って思うくらいだとばかり。
どうして分かりきっていることに泣くのか……今でもサッパリ分からない。でもきっと、あの光景は一生頭に残ると思う。
「悲しいわけでも怒ったわけでもない。でも、嬉しいわけでもない気がする」
「そんなハッキリ言わないでよ……」
「だって卑怯くさいし。違うシチュエーションだったら分かんないけど」
「う……まぁ、そうなんだけど……」
「なんで、あそこでしたの」
「断りにくいかなって……」
やっぱりそうだったんだ。
この表情……好きだなぁ。それはずっと変わらない。
「その顔好き。苦しそうな顔。許してあげるから、いつ決めたのか教えて」
「アリスの趣味が悪すぎて辛いんだけど」
「だって気になる。前は考えておいてって言っただけじゃん。在学中でもいいって」
「どんどんアリスがさ……魅力的になるから。もちろん最初から魅力的だけどね。でも、親善試合の時までは、ここまでする気はなかったんだよ」
あの時から、レイモンドの中の何かが変わったのかな。
ほんっと忘れてほしいんだけど……特にシャワーを全身に浴びていたのは……。
「でも、やっぱりだんだんと大人になっていく。誰かを見ているだけの顔さえ、すごく色っぽくなってさ。これからもそうだよね。もっとそうなっていくんだよね」
レイモンドだけでしょ、そう思うの。
特に胸が……戻りはしたけど、ここで止まってしまうのかと。それなりに普通かとは思うけど、ジェニファー様くらいほしかった……。
「顔つきもだんだんと大人びて……たまらなくなるんだ。誰かに恋愛対象として一瞬でも見てほしくない。指輪、つけておいてよ。お願いだから」
私と同じ不安をレイモンドも抱いていたんだ。レイモンドこそ、すごく格好よくなっちゃってるのに。
指輪……つけておいてよって言われても、一体化してるじゃん。あ、そういえば外せるって言ってたっけ。
「つけてはいるつもりだけど……これ、外せるんだっけ? どうやって外すの?」
「う……んと、心の底から外したいって願いながら引っ張れば、まぁ……」
なんか煮えきらないな……。そういえば、前にも心から願えば外せるって言ってたっけ?
心からって何……。
「外してみる」
「えっ……う、うん……どうぞ……」
なんでそんな緊張した面持ちで……。
「外したい外したい外したい……っ、んー! ……無理だけど」
「え! ま、待って」
慌てたようにレイモンドが鞄から生徒手帳を取り出してペラペラとめくると、とあるページを私に見せた。
『高価なアクセサリーの持込を禁ず』
え……駄目じゃん。
売れば屋敷一つ分とか言ってなかった?
「外せないとマズイって思いながら、外してみて!」
レイモンドがなぜか興奮状態だ。
「外す外す外す……外れない。どうするの、困るじゃん!」
「大丈夫」
レイモンドが文字を隠していた左手をどける。
『※ただし婚約指輪と結婚指輪は例外とする。他は応相談』
ああ……やっぱり婚約指輪なんだ。
そうだよね。これをはめていると婚約同然とみなされるとか婉曲的に言ってたけど、やっぱり婚約指輪そのものだよね。そういう小さいところでも姑息だよね。そうか、結婚している人まで入学することがあるのか。年齢がそうだもんね。
で、結局外れないことへの解決方法は……って、ええ!?
レイモンドが、ご、号泣し始めた!?
「レ、レイモンド……?」
「ご、ごめ……っ、う……」
どうして!?
どうした!?
え、まさか指輪の欠陥……!?
「い、いいよ、レイモンド。外れなくていい。学園で怒られないなら、ずっと外れないままでいいよ」
どうしようどうしよう!
ハンカチ……あ! レイモンドのハンカチ、私の涙とか拭って汚いままじゃん! あんなものを出される前に私のを早く出さないと!
ワタワタしながらハンカチをせっかく出したのに、ぎゅーっと抱きしめられる。
「どうしたの、レイモンド」
強く抱かれるのは嬉しいけど、こんなに泣かれるのは……。
「アリス……っ、アリス、好きだ、ずっと好きだよ……っ」
なんで、そんなに盛り上がっているんだろう。本当にどうしたんだろう。
「私も好きだよ。ごめんね、こんな時まで変なこと言って。ちゃんと嬉しかったよ。びっくりしたけど、レイモンドらしくて安心もしたよ。いつか結婚したいくらいに、私も大好き」
背中まで震わせているから、優しくなでる。
「ごめん、アリス……。言ってなかったことがあるんだけど……」
またそれなの。
「この指輪……お互いが結婚したい、もしくは結婚を継続し続けたいと思うほどに好き合っていると、どうやっても外せないんだよね……」
「――――な!?」
コイツは、コイツはコイツはコイツは……!
「早く言えー!!!」
隠れ家に、私の怒号が響き渡る。
――こうして、私たちは晴れて完全なる両思いとなった。
備え付けだったのか、古びた木の家具が既に置いてある。隅っこにはピアノも置いてあるから、ここでも練習できそうだ。柱の上部が枝分かれする幹のような形になっていたりと装飾性が高い。窓ガラスの上部に円形のステンドグラスが小さく嵌め込んであったり……やっぱりデザインが素敵すぎる。
借家代も高そうなのは、気にしないでおこう。
あちこち見物したあとに、三階へと上がる。
「ここも一階みたいだね。キッチンまである」
「二世帯向けか、もしくは三階だけを人に貸すことを想定して建てたのかもね。三階手前の扉にも鍵がついているし」
「なるほど……」
ダイニングテーブルがあって……ソファがあって……ローテーブルがあって……。
「なんか……前の世界のリビングみたい。落ち着くね」
「うん、そう思って君の家の家具の配置を参考にしたんだ」
え……レイモンドが家具の配置まで……?
うん、大丈夫かも。私、まだ普通にものすごく愛されているかも。そうだよね、婚約まであんな申し込み方をされたもんね。
ここまでされることに安心するなんて……もしかしてこれ、共依存ってヤツじゃない? いいのかな。ここでは「共依存」と「デメリット」で検索とかできないからな……。
「家具の配置ってことは、魔女さんと往復したの?」
「いや……ダニエルとの雑談会の時に少しね。中を見せてもらったり図面を元にざっと家具を決めたり。実際に配置するのはダニエルの手配に任せたよ」
かなり前から動いていたってことか……。
寝室には大きいベッドが一つ。違う部屋に行こう。どうせ寮で寝るわけだし、泊まることなんてないよね。
一通り探索して、二人でソファに座る。
以前だったら、くつろげるしとベッドでゴロゴロするか聞かれるくらいはしたかもしれないと、また少し寂しくなる。空飛ぶベッドですやすや寝た時もあったのになぁ。
「いい場所だね、ここも。外れの方だし隠れ家って感じ」
「いいね、それならこの家のことはそう呼ぼっか」
レイモンドの方へコロンともたれる。体が大きくなって……そうしやすくなった。
――不自然な沈黙。
「それで……さ」
絞り出すような苦しそうな声。
まったく。どうしようもない奴。
「お……怒ってる……?」
「どう思う?」
「学園で泣いたのって……怒ったからじゃないよね……」
そんな心配していたの!?
まぁ……ね。泣いたのは自分でも驚きだ。レイモンドが私を好きなのも婚約をいつか申し込まれるのも分かってはいたし……正直、その時がきたら「あーハイハイ、とうとうですね」って思うくらいだとばかり。
どうして分かりきっていることに泣くのか……今でもサッパリ分からない。でもきっと、あの光景は一生頭に残ると思う。
「悲しいわけでも怒ったわけでもない。でも、嬉しいわけでもない気がする」
「そんなハッキリ言わないでよ……」
「だって卑怯くさいし。違うシチュエーションだったら分かんないけど」
「う……まぁ、そうなんだけど……」
「なんで、あそこでしたの」
「断りにくいかなって……」
やっぱりそうだったんだ。
この表情……好きだなぁ。それはずっと変わらない。
「その顔好き。苦しそうな顔。許してあげるから、いつ決めたのか教えて」
「アリスの趣味が悪すぎて辛いんだけど」
「だって気になる。前は考えておいてって言っただけじゃん。在学中でもいいって」
「どんどんアリスがさ……魅力的になるから。もちろん最初から魅力的だけどね。でも、親善試合の時までは、ここまでする気はなかったんだよ」
あの時から、レイモンドの中の何かが変わったのかな。
ほんっと忘れてほしいんだけど……特にシャワーを全身に浴びていたのは……。
「でも、やっぱりだんだんと大人になっていく。誰かを見ているだけの顔さえ、すごく色っぽくなってさ。これからもそうだよね。もっとそうなっていくんだよね」
レイモンドだけでしょ、そう思うの。
特に胸が……戻りはしたけど、ここで止まってしまうのかと。それなりに普通かとは思うけど、ジェニファー様くらいほしかった……。
「顔つきもだんだんと大人びて……たまらなくなるんだ。誰かに恋愛対象として一瞬でも見てほしくない。指輪、つけておいてよ。お願いだから」
私と同じ不安をレイモンドも抱いていたんだ。レイモンドこそ、すごく格好よくなっちゃってるのに。
指輪……つけておいてよって言われても、一体化してるじゃん。あ、そういえば外せるって言ってたっけ。
「つけてはいるつもりだけど……これ、外せるんだっけ? どうやって外すの?」
「う……んと、心の底から外したいって願いながら引っ張れば、まぁ……」
なんか煮えきらないな……。そういえば、前にも心から願えば外せるって言ってたっけ?
心からって何……。
「外してみる」
「えっ……う、うん……どうぞ……」
なんでそんな緊張した面持ちで……。
「外したい外したい外したい……っ、んー! ……無理だけど」
「え! ま、待って」
慌てたようにレイモンドが鞄から生徒手帳を取り出してペラペラとめくると、とあるページを私に見せた。
『高価なアクセサリーの持込を禁ず』
え……駄目じゃん。
売れば屋敷一つ分とか言ってなかった?
「外せないとマズイって思いながら、外してみて!」
レイモンドがなぜか興奮状態だ。
「外す外す外す……外れない。どうするの、困るじゃん!」
「大丈夫」
レイモンドが文字を隠していた左手をどける。
『※ただし婚約指輪と結婚指輪は例外とする。他は応相談』
ああ……やっぱり婚約指輪なんだ。
そうだよね。これをはめていると婚約同然とみなされるとか婉曲的に言ってたけど、やっぱり婚約指輪そのものだよね。そういう小さいところでも姑息だよね。そうか、結婚している人まで入学することがあるのか。年齢がそうだもんね。
で、結局外れないことへの解決方法は……って、ええ!?
レイモンドが、ご、号泣し始めた!?
「レ、レイモンド……?」
「ご、ごめ……っ、う……」
どうして!?
どうした!?
え、まさか指輪の欠陥……!?
「い、いいよ、レイモンド。外れなくていい。学園で怒られないなら、ずっと外れないままでいいよ」
どうしようどうしよう!
ハンカチ……あ! レイモンドのハンカチ、私の涙とか拭って汚いままじゃん! あんなものを出される前に私のを早く出さないと!
ワタワタしながらハンカチをせっかく出したのに、ぎゅーっと抱きしめられる。
「どうしたの、レイモンド」
強く抱かれるのは嬉しいけど、こんなに泣かれるのは……。
「アリス……っ、アリス、好きだ、ずっと好きだよ……っ」
なんで、そんなに盛り上がっているんだろう。本当にどうしたんだろう。
「私も好きだよ。ごめんね、こんな時まで変なこと言って。ちゃんと嬉しかったよ。びっくりしたけど、レイモンドらしくて安心もしたよ。いつか結婚したいくらいに、私も大好き」
背中まで震わせているから、優しくなでる。
「ごめん、アリス……。言ってなかったことがあるんだけど……」
またそれなの。
「この指輪……お互いが結婚したい、もしくは結婚を継続し続けたいと思うほどに好き合っていると、どうやっても外せないんだよね……」
「――――な!?」
コイツは、コイツはコイツはコイツは……!
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