11 / 30
11.食堂で盗み聞き
しおりを挟む
朝の食堂。
既にシルヴィアは座っているようだ。僕と時間をずらそうとしている印象もあって、朝と夜は共に食べたことがない。一応、様子を見たくて柱の向こう側に隠れて食べながら会話だけは拾っていた。今日はいつもより近くに座って様子を見よう。
シルヴィアも来たばかりのようだな。今、ナイフとフォークを手にとって……。
「バロン様、A定食がお好みかと思いますが、それでいいですか」
「ああ、頼む」
こっちはロダンに任せよう。
……早速、他の令嬢に話しかけられているな。あの女性たちと食事をしたことはなかったと思ったが。シルヴィア周辺の会話が聞こえるように魔法を調整して……と。
『シルヴィア様、少しお時間をいただいてもよろしいかしら』
『え、ええ。よろしくてよ』
やはりシルヴィアも戸惑っている。
『昨日はご活躍だったそうね』
『あ、いえ。私は何もしていませんわ』
『ずいぶんと、卑猥な格好をなさっていたとか』
『……え、えっと……』
まずいな。
助けに行くべきか……。
『見向きもなされなかったはずのバロン様と恋人になれたのはもしかして……と、もっぱらの噂になっていますわよ。もう少しご自分の立場を弁えた行動をされた方がよろしいのでは?』
噂か。昨日の今日で早すぎるな。
『確かにそうですわね……。これからは気を付けますわ』
『それで、やはりその体で誘惑されたということかしら』
聞くに耐えない。
やはり助けに行ったほうがいいか。
『い、いえ。あの……えっと、あの格好は、もう少しバロン様と仲が進展するといいな、なんて考えてしまった結果ですわ』
なにー!
シルヴィアがオドオドし始めて顔まで赤く……っ! 分かっている、誤魔化そうとしているんだよな、分かっている!
『し、進展……?』
シルヴィアの反応に相手も戸惑っているな。
『ええ。こ、恋人なのになかなか、その……お、女の子として見てもらえていない気がして、少しくらいはと、勇気を出したのです』
可愛い!
お前、本当に元オトコか!?
やばいぞ。シルヴィア周辺の男女共に色めきたっているぞ!
『そ、そうでしたの』
『ごめんなさい。その……バロン様以外の方は目に入らなくて、他の方からどう見られるかには考えが及ばず……』
あ、ああ。手が震えているのか水を飲もうとカップを手に持とうとして諦めたようだ。声まで震えている。
わ、分かっている! 自分の言った内容に恥ずかしくなっているだけだよな! 分かっている!
「ロ、ロダン……どうする。シルヴィアが可愛いんだが。どうしたらいいんだ」
「……早く召し上がったらどうですか」
「シルヴィアをか!? いや、まだ駄目だろう!」
「頭が湧いてますね」
「あれは本音だと思うか」
「思いません」
分かっている!
くそ……やっぱりシルヴィアは可愛い。なぜなんだ。もっと男らしくしてくれれば……って、それは駄目だ。ああ、くそ!
『そ、そう。それで、何か進展したのかしら』
うわ。なんてことを聞くんだ。
『な、何も……』
どうしてそんなに、ショボンとしているんだ!
『ごめんなさいね、事情も知らずに。バロン様ともっと仲が進展するといいですわね。こちら、使います?』
『いえ。自分のがあるので結構ですわ』
ハンカチで涙をぬぐって!
泣いているのか!?
「ロダン、僕は彼女に手を出した方がいいのか!?」
「……あの水着を選んだ後悔と、あとは恥ずかしくなっているだけだと思いますよ」
分かっている! でも、もう少し希望を持たせることを言ってくれてもいいじゃないか!
よし。あいつらはいなくなったな。いつもの令嬢たちがシルヴィアの側に集まってきた。
『大丈夫?』
『え、ええ……。ありがとう』
『そうよね。好きな人には女の子として見てほしいわよね! でも、確かに噂は広がっているわ。具体的にどんな水着だったのかしら』
『うう……もう思い出さないことにするわ。忘れる。忘れさせて……』
『そんな格好をしても何もしないなんて、バロン様ったら何を考えているのかしら』
『し、紳士なのよ、きっと』
『でも、こっちは傷ついちゃうわよね!』
僕が悪者になっているな。
「やっぱり少しは手を出した方が……」
「バロン様、早くお召し上がりください。私はもう食べ終わりましたよ」
「……早いな」
そして、まずいな。
僕を責めるような目が、シルヴィア周辺の生徒たちから飛んできている。シルヴィアにも見つかってしまったようだ。バツの悪い顔をしてから、大急ぎで残りの朝食を食べている。
いや、好都合か。知り合いの貴族の男が数人こちらへやってきた。
「バロン様。お食事中、失礼します」
「ああ。学園で話したことはなかったな。久しぶりだな」
「ご無沙汰しております。あの……バロン様の恋人であらせられるシルヴィア様ですが」
「ああ」
「先ほど泣かれていました」
「……っ、そうか」
はっきり言われるとキツイな。
「理由は」
聞くしかないよな。魔法を使わなければ、この距離では会話の内容までは聞こえない。
「……バロン様と仲が進展しないと悩まれているようでした」
「そうか」
「わざわざ部外者である僕たちが何か言うのは差し出がましいかとは思ったのですが……」
「分かった。少し慎重になりすぎていたかもしれないな。教えくれてありがとう。感謝するよ」
「はい。よろしくお願いします」
完全にシルヴィア見守り隊のような顔になっているじゃないか。
いや、分かるよ。強気で高飛車な雰囲気を持っているシルヴィアが、弱気で恋する少女みたいになっていたら守りたくなる。
分かるんだけどさ……。
「ロダン、少しここで僕の食事を守っていてくれよ」
「……食事ではなく、あなたをお守りするのが私の役目なんですが」
「大丈夫、僕は強い」
「はー……、早めに戻ってきてくださいね」
「分かった」
素早く食事を終わらせて食堂を出ようとするシルヴィアに声をかける。
「待ってくれ、シルヴィア」
「あ、あら、おはようございます、バロン様」
視線がどうしようかとさまよっている。
可愛いな……。
「さっき、知り合いに教えられたんだ。君が僕とのことで悩んでいると」
「あ……」
そんな泣きそうになるなよ。
「すまなかったな、気付かないでいた」
「い、いえ。えっと、ごめんなさい。私が勝手に悩んでしまって」
周囲からの視線の集中豪雨に顔だけでなく耳まで赤くなってまた涙がにじんでいる。このままではシルヴィア見守り隊の規模が拡大しそうだ。
拒否されないだろうことをいいことに、ガバッと彼女を抱きしめる。
……胸が柔らかいな。これからたまに抱きしめてもいいかな。
「バ、バロン様……っ!?」
「君を抱きしめたのも初めてだな。あまりに君が魅力的で今までは躊躇してしまったんだ。これからは君を不安にさせないと誓うよ」
「あ、あ、ありがとうございます」
なんでお礼を言いながら、僕を両手で突っぱねるんだ。
「待ち合わせ場所で待っていてください! 部屋へ戻って支度したら私も行きますから!」
「ああ。僕はまだ食事をとっていないんだ。食べたら急いで行くよ」
「……中断させてしまったんですね。すみません」
「気にしなくていい。それからシルヴィア、もっと楽に話していいと言ってるじゃないか」
どう答えるかな。
「~~~! あなたの食事が終わった頃にゆっくりと行くわよ。首を長くして待っているといいわ!」
「ああ、そうしよう」
はー……可愛い。もう男だろーが女だろーが、どっちでもいいな。どのシルヴィアも可愛いな。
早足で立ち去るシルヴィアを見守ってから食堂へと戻る。
うーん……この生暖かい視線……魔法でほとんどの生徒が会話を聞いていたな。
ま、想定通りだがな!
既にシルヴィアは座っているようだ。僕と時間をずらそうとしている印象もあって、朝と夜は共に食べたことがない。一応、様子を見たくて柱の向こう側に隠れて食べながら会話だけは拾っていた。今日はいつもより近くに座って様子を見よう。
シルヴィアも来たばかりのようだな。今、ナイフとフォークを手にとって……。
「バロン様、A定食がお好みかと思いますが、それでいいですか」
「ああ、頼む」
こっちはロダンに任せよう。
……早速、他の令嬢に話しかけられているな。あの女性たちと食事をしたことはなかったと思ったが。シルヴィア周辺の会話が聞こえるように魔法を調整して……と。
『シルヴィア様、少しお時間をいただいてもよろしいかしら』
『え、ええ。よろしくてよ』
やはりシルヴィアも戸惑っている。
『昨日はご活躍だったそうね』
『あ、いえ。私は何もしていませんわ』
『ずいぶんと、卑猥な格好をなさっていたとか』
『……え、えっと……』
まずいな。
助けに行くべきか……。
『見向きもなされなかったはずのバロン様と恋人になれたのはもしかして……と、もっぱらの噂になっていますわよ。もう少しご自分の立場を弁えた行動をされた方がよろしいのでは?』
噂か。昨日の今日で早すぎるな。
『確かにそうですわね……。これからは気を付けますわ』
『それで、やはりその体で誘惑されたということかしら』
聞くに耐えない。
やはり助けに行ったほうがいいか。
『い、いえ。あの……えっと、あの格好は、もう少しバロン様と仲が進展するといいな、なんて考えてしまった結果ですわ』
なにー!
シルヴィアがオドオドし始めて顔まで赤く……っ! 分かっている、誤魔化そうとしているんだよな、分かっている!
『し、進展……?』
シルヴィアの反応に相手も戸惑っているな。
『ええ。こ、恋人なのになかなか、その……お、女の子として見てもらえていない気がして、少しくらいはと、勇気を出したのです』
可愛い!
お前、本当に元オトコか!?
やばいぞ。シルヴィア周辺の男女共に色めきたっているぞ!
『そ、そうでしたの』
『ごめんなさい。その……バロン様以外の方は目に入らなくて、他の方からどう見られるかには考えが及ばず……』
あ、ああ。手が震えているのか水を飲もうとカップを手に持とうとして諦めたようだ。声まで震えている。
わ、分かっている! 自分の言った内容に恥ずかしくなっているだけだよな! 分かっている!
「ロ、ロダン……どうする。シルヴィアが可愛いんだが。どうしたらいいんだ」
「……早く召し上がったらどうですか」
「シルヴィアをか!? いや、まだ駄目だろう!」
「頭が湧いてますね」
「あれは本音だと思うか」
「思いません」
分かっている!
くそ……やっぱりシルヴィアは可愛い。なぜなんだ。もっと男らしくしてくれれば……って、それは駄目だ。ああ、くそ!
『そ、そう。それで、何か進展したのかしら』
うわ。なんてことを聞くんだ。
『な、何も……』
どうしてそんなに、ショボンとしているんだ!
『ごめんなさいね、事情も知らずに。バロン様ともっと仲が進展するといいですわね。こちら、使います?』
『いえ。自分のがあるので結構ですわ』
ハンカチで涙をぬぐって!
泣いているのか!?
「ロダン、僕は彼女に手を出した方がいいのか!?」
「……あの水着を選んだ後悔と、あとは恥ずかしくなっているだけだと思いますよ」
分かっている! でも、もう少し希望を持たせることを言ってくれてもいいじゃないか!
よし。あいつらはいなくなったな。いつもの令嬢たちがシルヴィアの側に集まってきた。
『大丈夫?』
『え、ええ……。ありがとう』
『そうよね。好きな人には女の子として見てほしいわよね! でも、確かに噂は広がっているわ。具体的にどんな水着だったのかしら』
『うう……もう思い出さないことにするわ。忘れる。忘れさせて……』
『そんな格好をしても何もしないなんて、バロン様ったら何を考えているのかしら』
『し、紳士なのよ、きっと』
『でも、こっちは傷ついちゃうわよね!』
僕が悪者になっているな。
「やっぱり少しは手を出した方が……」
「バロン様、早くお召し上がりください。私はもう食べ終わりましたよ」
「……早いな」
そして、まずいな。
僕を責めるような目が、シルヴィア周辺の生徒たちから飛んできている。シルヴィアにも見つかってしまったようだ。バツの悪い顔をしてから、大急ぎで残りの朝食を食べている。
いや、好都合か。知り合いの貴族の男が数人こちらへやってきた。
「バロン様。お食事中、失礼します」
「ああ。学園で話したことはなかったな。久しぶりだな」
「ご無沙汰しております。あの……バロン様の恋人であらせられるシルヴィア様ですが」
「ああ」
「先ほど泣かれていました」
「……っ、そうか」
はっきり言われるとキツイな。
「理由は」
聞くしかないよな。魔法を使わなければ、この距離では会話の内容までは聞こえない。
「……バロン様と仲が進展しないと悩まれているようでした」
「そうか」
「わざわざ部外者である僕たちが何か言うのは差し出がましいかとは思ったのですが……」
「分かった。少し慎重になりすぎていたかもしれないな。教えくれてありがとう。感謝するよ」
「はい。よろしくお願いします」
完全にシルヴィア見守り隊のような顔になっているじゃないか。
いや、分かるよ。強気で高飛車な雰囲気を持っているシルヴィアが、弱気で恋する少女みたいになっていたら守りたくなる。
分かるんだけどさ……。
「ロダン、少しここで僕の食事を守っていてくれよ」
「……食事ではなく、あなたをお守りするのが私の役目なんですが」
「大丈夫、僕は強い」
「はー……、早めに戻ってきてくださいね」
「分かった」
素早く食事を終わらせて食堂を出ようとするシルヴィアに声をかける。
「待ってくれ、シルヴィア」
「あ、あら、おはようございます、バロン様」
視線がどうしようかとさまよっている。
可愛いな……。
「さっき、知り合いに教えられたんだ。君が僕とのことで悩んでいると」
「あ……」
そんな泣きそうになるなよ。
「すまなかったな、気付かないでいた」
「い、いえ。えっと、ごめんなさい。私が勝手に悩んでしまって」
周囲からの視線の集中豪雨に顔だけでなく耳まで赤くなってまた涙がにじんでいる。このままではシルヴィア見守り隊の規模が拡大しそうだ。
拒否されないだろうことをいいことに、ガバッと彼女を抱きしめる。
……胸が柔らかいな。これからたまに抱きしめてもいいかな。
「バ、バロン様……っ!?」
「君を抱きしめたのも初めてだな。あまりに君が魅力的で今までは躊躇してしまったんだ。これからは君を不安にさせないと誓うよ」
「あ、あ、ありがとうございます」
なんでお礼を言いながら、僕を両手で突っぱねるんだ。
「待ち合わせ場所で待っていてください! 部屋へ戻って支度したら私も行きますから!」
「ああ。僕はまだ食事をとっていないんだ。食べたら急いで行くよ」
「……中断させてしまったんですね。すみません」
「気にしなくていい。それからシルヴィア、もっと楽に話していいと言ってるじゃないか」
どう答えるかな。
「~~~! あなたの食事が終わった頃にゆっくりと行くわよ。首を長くして待っているといいわ!」
「ああ、そうしよう」
はー……可愛い。もう男だろーが女だろーが、どっちでもいいな。どのシルヴィアも可愛いな。
早足で立ち去るシルヴィアを見守ってから食堂へと戻る。
うーん……この生暖かい視線……魔法でほとんどの生徒が会話を聞いていたな。
ま、想定通りだがな!
22
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
悪役令嬢は婚約破棄したいのに王子から溺愛されています。
白雪みなと
恋愛
この世界は乙女ゲームであると気づいた悪役令嬢ポジションのクリスタル・フェアリィ。
筋書き通りにやらないとどうなるか分かったもんじゃない。それに、貴族社会で生きていける気もしない。
ということで、悪役令嬢として候補に嫌われ、国外追放されるよう頑張るのだったが……。
王子さま、なぜ私を溺愛してらっしゃるのですか?
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる