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46.特別な夜
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光と闇が同居するクリスマスの夜。私たちは、さっきまでいたヴィンスの部屋のバルコニーへ戻ってきた。
「悪いわね、魔女。これからも毎年お願いするわ。聖女が必要な世界をつくってしまったのが運の尽きよ」
「んふふ~。楽しんでいるからいいわよぉ。それではねぇ」
毎年、私たちが訪れた国全てのどこかの真上でさっきのアレを行おうと思っている。五十四ヵ国だから五十四年かかる。……それまで生きていられるかは分からないけど。
先ほどのワインは王冠を模したワインキャップをはめ、ワインクーラーに入れてまだ机の上にある。
「じゃ、飲もうかしらね」
「……もうやめておけと言ったはずなんだが……」
「だって、初めてなのにそんなに酔っていないもの。つまらないじゃない」
「少しずつ慣らしていった方がいい。そもそもなぜ、さっきのアレの前に飲む気になるんだ……」
これで、つまらない男なんて言ったらものすごく傷つくのだろうなと思う。逆につまらない女なんて言われたら、立ち直れないくらいに私も傷つく。
怖いわね。たった一言の影響があまりに大きい相手がいるというのは。私の魔法もだ。この世界の住人とは違う桁違いの魔法を扱える。私が魔王のようなものになって壊すこともできてしまう。生きるって、こんなにも怖いものなのね。
「セ……セイカ? どうしてもと言うなら、あと一口にしておけ」
あら。結局本当に一口分だけ注いでいるし。甘いわね。私にだけ甘い人。魔法でスッと中のワインのみ浮かせて小さな珠にする。
「どうした?」
「赤いわね、血のように赤い。口を開けて?」
「はあ?」
自分に飲ませるのかと呆れ顔のヴィンスの口の中にワインの珠を入れると、すぐに私の唇で塞ぐ。口当たりのいい甘い味が喉を通った。
「美味しいわね、このワイン。好きよ」
「どうしてお前はその歳でそうなったんだ……」
「失礼ね。もっと可愛らしい女の子がご所望?」
「お前より可愛い女なんていない。お前しか目に入らない。どうしたらいいんだ……」
ヴィンスが私を抱きしめた。彼の背後で満月が白く輝いている。……今日の月の影はあまり兎に見えないわね。
「もう部屋に戻れ。ここは危険だ」
ぎゅうぎゅうと抱きしめているくせに、そんなことを言う。
「あなたがいるのに、危険なわけがないじゃない」
「私がいるからだろう」
どうしてこの人はこんなに自信がないのかしら。まだ私が他の人を好きになる可能性を考えてしまっているようだ。他の男性と二人きりにさせないようにしながらも、違う国で違う名前で私が他の誰かと暮らしていける余地を残している。
「冬は厚着になるから嫌ね。抱きしめてもらっても体温を感じられない。ねぇ、私は今あなたにどうしてほしいと思っているか分かる?」
彼の喉がゴクリと鳴る。
「……そこまで言われて帰したら、お前は傷つくだろう」
「そうね。あなたはそれを分かっている。追い返せるわけがないわよね?」
彼の熱い吐息が耳にかかる。
「まだ若い。まだ早い。他の者がよくなる時が、もしかしたら……」
「クリスだって同い年よ。アドルフ様以外の人を好きになりそうに見える?」
「兄は特別だ。兄よりいい男なんていないだろう」
やっぱりお兄さんへのコンプレックスが大きいのかしらね。
「私、あなたのお兄様って好みじゃないのよ。あのタイプ、男としては正直苦手よ」
「な!?」
……もしかして、私があっちのがいいと思っているなんて勘違いしていないでしょうね。
「あの人、博愛精神を持っていると人に思わせるのが得意よね。親身になってくれてるって思わせる」
「そうだな。国王になるために生まれたような男だ。お前ほどではないだろうが……都市を一度に焼け野原にできるほどの魔法も扱える。記憶力もいいし人当たりもいい。勉学も剣技も何もかも優れている。誰もが認める――」
「そうね、誰もが認める綺麗な王子様。私の苦手なタイプよ」
私に合わせた色合いの、彼の濃い紫のスーツのボタンを一つ外す。
「私があなたを好きになったのは、世界を滅ぼす提案をしてくれたからよ。一緒に世界の終わりを夢見てくれる人が好き。好きすぎてどうでもよかったはずの世界を救ってしまうくらいに。あなたは? 聖女らしくない特別な聖女だから私が好きなの?」
聞いておいてドキドキする。私は彼の前でどんな自分でいなければいけないのだろう。
「……分からないな」
「ガッカリするわね、その返答」
「守りたいと思った。私と似て不器用な少女なのだろうと思った。少しの間でいいから聖女とされる特別な存在の近くにいたいとも思った。全て実際に会う前の話だ」
「そう」
アリスの日記を読んでいたのだから、そうなるのも仕方がないかしらね。
「実際に会って夢中になった。強いのに弱くて、それなのに強い。危うくて支えたくなるのに、気付けば自分の力で乗り越えている。守りたくて仕方がないのに私にはお前を守れるほどの力がない。お前の全てが好きだ、セイカ。誰よりも幸せになってほしいんだ」
「そう。それなら、あなたが今すべきことは一つよね」
「…………っ」
もう一つ、彼のボタンを外す。
「私が幸せのどん底まで突き落としてあげたいのは、あなただけよ」
そうして祈る。この人だけへの特別な光魔法だ。
「いなくなったら禁断症状が出るほどに私を求めてちょうだい?」
「いいのか……一線を越えてしまえば私は、お前の知るお前ではなくなる。逃げ道をなくすように動くだろう。私以外に選べなくなる」
「ねぇ、人はいつまで生きられるか分からないのよ。聖女として短いながらも生活して、それをひしひしと感じたわ。いいの? 何かのひょうしに突然命なんて落とすのよ。一年後にはあなたも私もここにいるとは限らない」
「今だけを見ろということか」
「ええ、今の私を幸せにして。それをずっと続けてちょうだい」
彼の目が変わる。私を気遣う目から……傲慢で不遜な王子らしい目に。
「悪いな、セイカ」
やっと心を決めてくれたらしい。
「お前にはもう逃げ道はない。死ぬまで私の腕の中で飼われるしかない。私の持てる全権力を使ってでも、もう逃さない。そうなるんだ」
最後通告ね。
本当に優しい人。不器用で無愛想で私にだけ特別甘い。
「私があなたを飼うのよ。他に目が眩んだら世界が危ないわよ? 聖女の権威を使ってでも私だって逃がすつもりはないわ。あなたの全ては私のもので――」
「お前の全ても私のものだ」
さぁ、夜を始めましょう。
互いを縛り合うための夜を。
全てを隠す夜のとばりの中で、貪欲に飢えを満たしましょう。
「悪いわね、魔女。これからも毎年お願いするわ。聖女が必要な世界をつくってしまったのが運の尽きよ」
「んふふ~。楽しんでいるからいいわよぉ。それではねぇ」
毎年、私たちが訪れた国全てのどこかの真上でさっきのアレを行おうと思っている。五十四ヵ国だから五十四年かかる。……それまで生きていられるかは分からないけど。
先ほどのワインは王冠を模したワインキャップをはめ、ワインクーラーに入れてまだ机の上にある。
「じゃ、飲もうかしらね」
「……もうやめておけと言ったはずなんだが……」
「だって、初めてなのにそんなに酔っていないもの。つまらないじゃない」
「少しずつ慣らしていった方がいい。そもそもなぜ、さっきのアレの前に飲む気になるんだ……」
これで、つまらない男なんて言ったらものすごく傷つくのだろうなと思う。逆につまらない女なんて言われたら、立ち直れないくらいに私も傷つく。
怖いわね。たった一言の影響があまりに大きい相手がいるというのは。私の魔法もだ。この世界の住人とは違う桁違いの魔法を扱える。私が魔王のようなものになって壊すこともできてしまう。生きるって、こんなにも怖いものなのね。
「セ……セイカ? どうしてもと言うなら、あと一口にしておけ」
あら。結局本当に一口分だけ注いでいるし。甘いわね。私にだけ甘い人。魔法でスッと中のワインのみ浮かせて小さな珠にする。
「どうした?」
「赤いわね、血のように赤い。口を開けて?」
「はあ?」
自分に飲ませるのかと呆れ顔のヴィンスの口の中にワインの珠を入れると、すぐに私の唇で塞ぐ。口当たりのいい甘い味が喉を通った。
「美味しいわね、このワイン。好きよ」
「どうしてお前はその歳でそうなったんだ……」
「失礼ね。もっと可愛らしい女の子がご所望?」
「お前より可愛い女なんていない。お前しか目に入らない。どうしたらいいんだ……」
ヴィンスが私を抱きしめた。彼の背後で満月が白く輝いている。……今日の月の影はあまり兎に見えないわね。
「もう部屋に戻れ。ここは危険だ」
ぎゅうぎゅうと抱きしめているくせに、そんなことを言う。
「あなたがいるのに、危険なわけがないじゃない」
「私がいるからだろう」
どうしてこの人はこんなに自信がないのかしら。まだ私が他の人を好きになる可能性を考えてしまっているようだ。他の男性と二人きりにさせないようにしながらも、違う国で違う名前で私が他の誰かと暮らしていける余地を残している。
「冬は厚着になるから嫌ね。抱きしめてもらっても体温を感じられない。ねぇ、私は今あなたにどうしてほしいと思っているか分かる?」
彼の喉がゴクリと鳴る。
「……そこまで言われて帰したら、お前は傷つくだろう」
「そうね。あなたはそれを分かっている。追い返せるわけがないわよね?」
彼の熱い吐息が耳にかかる。
「まだ若い。まだ早い。他の者がよくなる時が、もしかしたら……」
「クリスだって同い年よ。アドルフ様以外の人を好きになりそうに見える?」
「兄は特別だ。兄よりいい男なんていないだろう」
やっぱりお兄さんへのコンプレックスが大きいのかしらね。
「私、あなたのお兄様って好みじゃないのよ。あのタイプ、男としては正直苦手よ」
「な!?」
……もしかして、私があっちのがいいと思っているなんて勘違いしていないでしょうね。
「あの人、博愛精神を持っていると人に思わせるのが得意よね。親身になってくれてるって思わせる」
「そうだな。国王になるために生まれたような男だ。お前ほどではないだろうが……都市を一度に焼け野原にできるほどの魔法も扱える。記憶力もいいし人当たりもいい。勉学も剣技も何もかも優れている。誰もが認める――」
「そうね、誰もが認める綺麗な王子様。私の苦手なタイプよ」
私に合わせた色合いの、彼の濃い紫のスーツのボタンを一つ外す。
「私があなたを好きになったのは、世界を滅ぼす提案をしてくれたからよ。一緒に世界の終わりを夢見てくれる人が好き。好きすぎてどうでもよかったはずの世界を救ってしまうくらいに。あなたは? 聖女らしくない特別な聖女だから私が好きなの?」
聞いておいてドキドキする。私は彼の前でどんな自分でいなければいけないのだろう。
「……分からないな」
「ガッカリするわね、その返答」
「守りたいと思った。私と似て不器用な少女なのだろうと思った。少しの間でいいから聖女とされる特別な存在の近くにいたいとも思った。全て実際に会う前の話だ」
「そう」
アリスの日記を読んでいたのだから、そうなるのも仕方がないかしらね。
「実際に会って夢中になった。強いのに弱くて、それなのに強い。危うくて支えたくなるのに、気付けば自分の力で乗り越えている。守りたくて仕方がないのに私にはお前を守れるほどの力がない。お前の全てが好きだ、セイカ。誰よりも幸せになってほしいんだ」
「そう。それなら、あなたが今すべきことは一つよね」
「…………っ」
もう一つ、彼のボタンを外す。
「私が幸せのどん底まで突き落としてあげたいのは、あなただけよ」
そうして祈る。この人だけへの特別な光魔法だ。
「いなくなったら禁断症状が出るほどに私を求めてちょうだい?」
「いいのか……一線を越えてしまえば私は、お前の知るお前ではなくなる。逃げ道をなくすように動くだろう。私以外に選べなくなる」
「ねぇ、人はいつまで生きられるか分からないのよ。聖女として短いながらも生活して、それをひしひしと感じたわ。いいの? 何かのひょうしに突然命なんて落とすのよ。一年後にはあなたも私もここにいるとは限らない」
「今だけを見ろということか」
「ええ、今の私を幸せにして。それをずっと続けてちょうだい」
彼の目が変わる。私を気遣う目から……傲慢で不遜な王子らしい目に。
「悪いな、セイカ」
やっと心を決めてくれたらしい。
「お前にはもう逃げ道はない。死ぬまで私の腕の中で飼われるしかない。私の持てる全権力を使ってでも、もう逃さない。そうなるんだ」
最後通告ね。
本当に優しい人。不器用で無愛想で私にだけ特別甘い。
「私があなたを飼うのよ。他に目が眩んだら世界が危ないわよ? 聖女の権威を使ってでも私だって逃がすつもりはないわ。あなたの全ては私のもので――」
「お前の全ても私のものだ」
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