麗しの魔術師は養い子の弟子を花嫁に迎える

朏猫(ミカヅキネコ)

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14 愛でる

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 今夜もジルネフィの銀髪をいつもどおりスティアニーが手入れする。それが終わると次はスティアニーの番だ。ジルネフィが自ら調合した専用の香油を手で塗り込め、櫛で丁寧に梳く。そうしながらプレイオブカラーの瞳はじっくりと愛らしい後ろ姿を見つめていた。

「髪の毛がとても艶やかになった」
「お師さまの香油のおかげです」
「ありがとう。でもスティの髪はその前から綺麗だったよ」

 そう言いながら一房手に取り口づける。途端にスティアニーの顔が真っ赤になった。「これぐらいで恥ずかしがられては困るな」と思いながら、意図してチュッと音を立てる。

「お、お師さまの髪のほうが綺麗です」
「スティがいつも手入れをしてくれるからね」

「ありがとう」と言いながらもう一度髪に口づけると、口を閉じ菫色の瞳を左右にうろうろさせる。膝に乗せた手をギュッと握り締めているのは恥ずかしいのを我慢しているからだろう。「こんな状態で今夜のことに耐えられるかな」と思いながらもジルネフィの唇が三日月の形に変わる。

「さて、寝ようか」

 櫛を置いてそう声をかけた。小さく頷いたスティアニーがおずおずとベッドに入り、大きな灯りを消したジルネフィが隣に腰をかける。

「お師さま、こっちも消しま……」

 枕元の灯りを消そうとしたスティアニーの声が止まった。菫色の瞳が見ているのは灯りの隣に置かれたガラス瓶で、ジルネフィが弟に送るために用意した瓶と同じ形で中身も同じ蜂蜜色をしている。
 手に取ったジルネフィが灯りの近くで瓶を左右に揺らした。粘度が高い液体はゆっくりと揺れ、蜂蜜色の中に銀色が広がり紅色の粒が現れる。それを映すプレイオブカラーの瞳も幻想的に輝いていた。

「これはスティのために作ったものだよ。弟にはそのお裾分けを送ったんだ」
「僕のため、ですか?」
「そう。きみは人間で滅多なものは使えないからね」
「使う……?」

 疑問符を浮かべる菫色の瞳に微笑みかけながら白い耳に唇を寄せる。

「これはスティを気持ちよくするために使う香油だよ」

 そのまま耳たぶを柔らかくむと、スティアニーが小さく息を呑んだ。

「今夜はスティの内側をたくさん撫でてあげようと思ってね」

 ジルネフィの艶やかな声にスティアニーは体を小さく震わせるが、嫌だとは口にしなかった。


 揺れる菫色の瞳からはいまにも涙があふれそうになっている。口づけをくり返した唇からはひっきりなしに濡れた吐息が漏れていた。

「お、師さ、……っ」

 ベッドの上で膝立ちをするスティアニーが腰を揺らし、向かい合わせに座っているジルネフィの肩を掴む細い指に力が入る。それに小さく笑いながら胸に口づけたジルネフィがさらに指を動かした。

「スティはいい子だね。ここもこんなに早くわたしの指を覚えて」

 美しい指が動くたびにクチュリと濡れた音がする。その音がスティアニーの白肌をさらに赤くした。
 抱きしめるように後ろに回った手は、初めてだからと優しく蕾の中を掻き混ぜていた。するとスティアニーの腰が逃げるように前に突き出るが、そうすると勃ち上がった屹立がジルネフィの服に触れてしまう。慌てて腰を引けば指を奥に招いてしまい甘い声が漏れる。そのままクチュクチュと指で中を掻き混ぜられ、快感を逃すことができなくなったスティアニーは「ぁ、ぁ」と声を漏らした。

「上手に飲み込んでいるね」

 そう言って褒めれば、額を銀髪に擦りつけながらスティアニーがフルフルと頭を振る。

「ほら、中もこんなに柔らかくなった」

 二本目の指を入れても初心な蕾は抵抗することなく飲み込んでいった。ヌチュヌチュと音を立てながら出入りする指に白い太ももが震え、指が縁を広げる感覚に屹立から雫がこぼれる。

「お、師さ、まっ……も、だめ……っ」
「気持ちがいいだろう? そうだ、こっちも一緒に気持ちよくしてあげよう」
「ひ……!」

 健気に勃ち上がる屹立を左手で包み込んだ。そのまま優しく上下に擦ると、指を咥えた蕾の縁がきゅうっと締まり中がぐねぐねと蠢く。まるでもっとと訴えるような動きにプレイオブカラーの瞳がクルクルと色を変えた。

「随分と具合がよさそうだ」
「んっ、ん……!」
「ほら、声を我慢しないで。声を出したほうがもっと気持ちよくなれると教えただろう?」
「お、師さ、んぅ……っ」

 太ももを震わせながらスティアニーがフルフルと頭を振る。揺れる金髪が徐々に下がっていき、ジルネフィの肩に額を擦りつける状態になった。指が動くたびに体を震わせ、背中が反れるからか腰がグッと後ろに突き出る。

「ほら、愛らしい声を聞かせて」

 ジルネフィがぬぷんと指を引き抜いた。小さく上がった悲鳴は甘く、左手の中の屹立がピュルッと白濁を吐き出した。その白濁を指に絡めたまま、今度は腹側から左手中指を蕾の中に差し入れる。

「ん……っ」
「さぁて、いつまで我慢できるかな」

 笑みを浮かべたジルネフィが中指をクイッと曲げた。柔らかく蠢く臓腑の感触を楽しみながら「このあたりか」と目的の場所を指の腹で押し込む。

「あ!」

 スティアニーの背中がびくんと跳ね顔が上がった。続けざまに指でクイクイと肉壁を揉むと、すぐに「ぁ、ぁ、ぁ」と連続で声が上がり尻たぶが小刻みに揺れる。

「気持ちいいね? ほら、もっと声を出してみて」
「ぁ、駄目、ぁ、ぁあ、駄目、だめ……っ」
「もっと気持ちよくなっていいんだよ」
「ちが、そこ、へんに、ぁ、ぁ、ぁ」
「変じゃない。最初からここで快感を得られるスティは本当にいい子だ」

 人差し指を追加したジルネフィが、三本の指で肉壁をぐぅっと押し込んだ。

「ひあっ、ぁっ、あぁっ!」

 縋りつくようにジルネフィの首に両腕を回す。そのまま全身をブルブルと震わせながらスティアニーが絶頂した。崩れ落ちそうになる腰を右手で支え、ジルネフィはなおも蕾に差し込んだ指を動かし続ける。

「ぁ……ぁ……」

 ブルブル震えていた細い体からストンと力が抜けた。崩れ落ちないように抱き留めたジルネフィがますます笑みを深くする。

(こんなに初心な相手は初めてだ)

 そのまま胸や腹に口づけ、気を失った体を優しく仰向けに寝かせた。

「早く外も中もわたしのものにしたくて堪らなくなるよ」

 囁きながら白濁をこぼした屹立を指先でするりと撫でた。そのままもう一度蕾に指を差し込もうとし、今夜はここまでだと自らに言い聞かせ手を引く。
 先日、スティアニーの成人の儀式を行うのに相応しい銀月の月齢を計算した。精霊たちの祝福を得られる太陽の位置も計算し、晩春か初夏あたりに儀式を行うのがいいと結論づけた。最上の幸いを贈る日に、最高の悦楽を体と心に刻み込むための準備もこうして滞りなく進んでいる。

(わたしを受け入れられるようにしっかり準備をしなくてはね)

 肌を赤くしたまま閉じている目元を指で撫でる。それだけで感じるのか、スティアニーが「んっ」とむずかるような声を出した。

(まぁ、中に注がなければ大丈夫かな)

 己の屹立を取り出したジルネフィは、膝立ちになるとスティアニーの白濁がついたままの左手で慰め始めた。自分のものに塗りつけるように擦り、一際大きく膨らんだ瞬間にスティアニーの下肢目がけて白濁を吐き出す。すっかり柔らかくなったスティアニーの屹立をトロトロと濃い白濁がこぼれ落ちていく様にジルネフィの喉が小さく鳴った。

「待ち遠しいね」

 吐き出したばかりの白濁を初心な色の屹立に塗り広げる。種を作る袋にも、初心な色の蕾にも塗りつけた。

(さて、魔力を帯びたわたしのものを注ぎ込まれた体がどうなるかだけど……想像するだけで興奮しそうだ)

 何もかもが自分のものになる瞬間を想像するだけで魔力がざわめいた。性欲や所有欲が膨らむのを感じながら、ジルネフィはくたりと横たわるスティアニーの唇に優しい口づけを落とした。
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