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48 新しい風2
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「……え?」
「ご懐妊です。おめでとうございます」
「ええと……それは、僕に子ができた、と?」
「はい」
王家専属の医者だという長い黒髪の女性が、もう一度「おめでとうございます」と微笑みながら口にした。慌ててノアール殿下に目を向けると、静かにこくりと頷いている。
「僕に、子ができた」
「Ωの妊娠の兆候が見られますから、まず間違いないでしょう。と言いましてもまだ初期の段階ですから、体を十分に労ってください。くれぐれもご無理はなさらないように」
「そうか……子ができたのか……」
「ランシュ殿下、聞こえていらっしゃいますか?」
腕に触れた手の感触にハッとした。ふかふかの枕を背にベッドで上半身を起こしている僕を、女医の黒目が優しく見つめている。
「あぁ、いや、少し驚いただけで、大丈夫だ」
「わたくしも男性のΩの妊娠を確認したのは初めてです。出産までしっかり見守らせていただきますので、よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしく頼む」
「アフェクシィは代々王家に仕える専属医の家柄で、Ωの体や出産に詳しい。三十三歳ながら、すでに十三件のΩの出産に立ち会っている。我が国でもΩの出産数が減ってきているなかでは経験豊富な医者だと言えるだろう」
「医者の世界ではまだまだ若輩ですが、精一杯務めさせていただきます」
小柄な女性だが、声や雰囲気から見た目よりも大きく感じた。殿下が選んだ医者がそばにいてくれるならきっと大丈夫だ。そう思いながら、ふかふかの掛け布団の中でお腹にそっと手を当てる。
(そうか、ここに殿下との子が……)
改めて考えるととても不思議だった。ついこの間までは妃を迎える側だった僕のお腹に、αの子が宿っているのだ。そして、その子はビジュオール王国の未来の国王ということになる。
(……そういえば、男の僕はどうやって子を生むんだ……?)
閨で僕のどこにナニを入れるのかは十分すぎるほどわかった。しかし、どうやって子を生むのかはわからないままだ。「殿下の子を生みます」と宣言したのに、調べるのをすっかり後回しにしていた。
(通常なら、殿下のナニが入るところから生まれるはずだが……)
そこまで考えて、体がブルッと震えた。
「少し冷えるか?」
「あ、いえ、大丈夫です。その、武者震いと言いますか、気合いと言いますか」
「そんなに気負わなくていい。いまは心身ともに穏やかに過ごすことだ」
「ノアール殿下のおっしゃるとおりですよ。子を身ごもったΩが流産することはまずありませんが、男性のΩはわからないことが多いのも事実です。どうぞ心安らかにお過ごしください」
僕の体を労ってくれている二人を見ると、「どこから子が出てくるか不安で震えただけです」とは言いづらい。もし尻からだったとして、ノットくらいの大きさなら耐えられるとわかったが子はそれよりずっと大きいはずだ。そんな大きなものがあそこを通り抜けられるのか……。
(いや、いまは考えないでおこう)
そのうち、さりげなくアフェクシィ殿に尋ねてみよう。医者である彼女なら笑うことなく教えてくれるはずだ。
(それに、生むときにはどうせわかることだろうし)
……そうか、そのとおりだ。時が来れば否が応でも生むことになるのだから、僕があれこれ心配する必要はない。事前に知ることで不安になるくらいなら、土壇場で知るほうがいい気がする。
(よし、この件は終わりだ)
それよりも、無事に生むことのほうに注力しよう。むしろ、これからが本当の正念場に違いない。
「まずは食事を見直しましょう。しっかりと食べていただくことが大事ですが、これから食べられなくなるものも出てくるでしょうし、その都度わたくしが調理長と調整いたします」
アフェクシィ殿の言葉に「ありがとう」と答えてから、ゆっくり目を閉じた。
殿下と話をしていたとき、目眩のようなものを感じた僕はそのまま倒れてしまったらしい。すぐに寝室に運ばれ、医者であるアフェクシィ殿が呼ばれたそうだ。そうして慎重に診察した結果が「おめでとうございます」だった。
(願っていたことだが、うれしさより驚きのほうが強いな)
気分を落ち着かせようと目を瞑ったはずだったが、気がついたら夕食の時間を少し過ぎる時間まで眠ってしまっていた。
「やはり少し忙しくしすぎではないか? それに、毎日執務室まで来なくてもよいのだぞ?」
「アフェクシィ殿に許可をもらっていますから大丈夫です」
「しかし、」
「殿下は少し心配しすぎです。もっとドーンと構えてください。殿下は父上になられるんですから」
「父上……」
「そして僕は母上ですね」
そう言って微笑みかければ、殿下がわずかに頬を染めながら「そうだな」と視線を逸らした。
父上母上という言葉だけで照れくさそうにする様子は微笑ましいと思う。しかし、僕に対しては心配のしすぎだ。Ωの体に詳しいアフェクシィ殿に確認してもらっているのだから、そんなに心配する必要はないのにと苦笑が漏れそうになる。
懐妊がわかってから、食事のこと以外にもアフェクシィ殿にはいろいろ相談にのってもらっている。もともと後宮付きの専属医だったそうだが、いまではすっかり僕の専属医のような状態だ。
アフェクシィ殿は優秀な医者で、僕の体調管理や食事管理だけでなく内面的な部分にも気を配ってくれる。おかげでアールエッティ王国にいたときよりも健やかに過ごせているくらいだ。
そんな至れり尽くせり状態でも殿下は心配でしょうがないらしい。執務が忙しいはずなのに、一日に何度も後宮にやって来るようになった。
「それでは執務が滞るし、なにより忙しくしている殿下の体のほうが心配だ」
そう考えた僕は、一日に一度殿下の執務室に行くことにした。そうすればお互いに様子を見ることができるし、僕も首飾りや画材工房の状況を細かく確認をすることができる。もちろん執務の邪魔をしないように気をつけ、時間に余裕があるときはスケッチや依頼された絵の下書きを描き進めることもできる。
以前は執務室に入るだけで官僚たちから冷たい視線を向けられることがあったが、最近はそれも感じなくなった。おそらく僕が殿下の最初の子を身ごもったからだろう。「本当にΩだったのか」と納得してくれたのかもしれない。もしくは、ヴィオレッティ殿下の「王太子妃も正式に誕生することだし、これで我が国は安泰だな」という言葉のおかげだろうか。
(そういえば、陛下は「子ができれば、正式な王太子妃として挙式するがいい」とおっしゃっていたけど、そのあたりはどうなっているんだろうか)
殿下からは何も聞いていない。アフェクシィ殿が「少し血が薄くなっているようですから、ひと月は血を濃くする食事にしましょう」と言っていたから、僕が落ち着くのを待ってからという話になったのかもしれない。
(まぁ、そのときになればわかるか)
結婚式となれば僕は当事者中の当事者だ。何かあれば知らせてもらえるだろう。それまでは、いま自分ができることをやるだけだ。
そう思いながら工房の設計図を見ていたとき、トントンと扉を叩く音がした。殿下が「入れ」と告げると、初めて見る顔の男性が入ってきた。
「どうかしたのか?」
殿下の声が少し固い。気のせいでなければ表情も固く、……いや、無表情に近いように見える。
「陛下が、式についてお話があるとのことでございます」
僕をチラッと見ながら男性がそう口にした。なるほど、この男性は国王付きの侍従といったところか。
「後ほど陛下の執務室へ行く」
「その際は、ランシュ殿下もご一緒においで下さいますように」
「ランシュも?」
「そうお伝えするようにと承っております」
男性の言葉に殿下の眉が寄った。おそらく結婚式についての話なのだろうが、僕も一緒にというのが少し引っかかる。
「ランシュはいま大事な時期だ」
「大事なお話ゆえ、お二人揃っておいでになるようにとのことでございます」
ますます殿下の顔が険しくなった。僕の体を心配してくれているのだろうが、結婚式の話なら僕も当事者だ。それに僕も呼ぶということは何かあるということに違いない。
「わかりました」
「ランシュ」
「断る理由はありませんし、体調に問題はありません」
「しかし、」
「では、陛下にはそのようにお伝えいたします」
殿下が返事をする前に男性がそう告げたことで、僕も国王に会うことが決まった。殿下が「わかった」と言うと、侍従らしき男性は頭を下げすぐに部屋を出て行く。
男性が去ったあとも殿下は不満そうな表情を浮かべていたが、小さくため息をついてから「お茶を用意させよう」と席を立った。そんな殿下の後ろ姿を見ながら、「何も起きないといいけれど」と思った。前回のことを思い出すと、国王の言葉次第ではまた殿下とぶつかりかねない。国王と王太子の衝突は避けたいところだが、親子としてもできればぶつかってほしくないと思っている。
(この世でたった一人の父と子なのだしな)
そう思いながら、そっと自分のお腹を撫でた。
「ご懐妊です。おめでとうございます」
「ええと……それは、僕に子ができた、と?」
「はい」
王家専属の医者だという長い黒髪の女性が、もう一度「おめでとうございます」と微笑みながら口にした。慌ててノアール殿下に目を向けると、静かにこくりと頷いている。
「僕に、子ができた」
「Ωの妊娠の兆候が見られますから、まず間違いないでしょう。と言いましてもまだ初期の段階ですから、体を十分に労ってください。くれぐれもご無理はなさらないように」
「そうか……子ができたのか……」
「ランシュ殿下、聞こえていらっしゃいますか?」
腕に触れた手の感触にハッとした。ふかふかの枕を背にベッドで上半身を起こしている僕を、女医の黒目が優しく見つめている。
「あぁ、いや、少し驚いただけで、大丈夫だ」
「わたくしも男性のΩの妊娠を確認したのは初めてです。出産までしっかり見守らせていただきますので、よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしく頼む」
「アフェクシィは代々王家に仕える専属医の家柄で、Ωの体や出産に詳しい。三十三歳ながら、すでに十三件のΩの出産に立ち会っている。我が国でもΩの出産数が減ってきているなかでは経験豊富な医者だと言えるだろう」
「医者の世界ではまだまだ若輩ですが、精一杯務めさせていただきます」
小柄な女性だが、声や雰囲気から見た目よりも大きく感じた。殿下が選んだ医者がそばにいてくれるならきっと大丈夫だ。そう思いながら、ふかふかの掛け布団の中でお腹にそっと手を当てる。
(そうか、ここに殿下との子が……)
改めて考えるととても不思議だった。ついこの間までは妃を迎える側だった僕のお腹に、αの子が宿っているのだ。そして、その子はビジュオール王国の未来の国王ということになる。
(……そういえば、男の僕はどうやって子を生むんだ……?)
閨で僕のどこにナニを入れるのかは十分すぎるほどわかった。しかし、どうやって子を生むのかはわからないままだ。「殿下の子を生みます」と宣言したのに、調べるのをすっかり後回しにしていた。
(通常なら、殿下のナニが入るところから生まれるはずだが……)
そこまで考えて、体がブルッと震えた。
「少し冷えるか?」
「あ、いえ、大丈夫です。その、武者震いと言いますか、気合いと言いますか」
「そんなに気負わなくていい。いまは心身ともに穏やかに過ごすことだ」
「ノアール殿下のおっしゃるとおりですよ。子を身ごもったΩが流産することはまずありませんが、男性のΩはわからないことが多いのも事実です。どうぞ心安らかにお過ごしください」
僕の体を労ってくれている二人を見ると、「どこから子が出てくるか不安で震えただけです」とは言いづらい。もし尻からだったとして、ノットくらいの大きさなら耐えられるとわかったが子はそれよりずっと大きいはずだ。そんな大きなものがあそこを通り抜けられるのか……。
(いや、いまは考えないでおこう)
そのうち、さりげなくアフェクシィ殿に尋ねてみよう。医者である彼女なら笑うことなく教えてくれるはずだ。
(それに、生むときにはどうせわかることだろうし)
……そうか、そのとおりだ。時が来れば否が応でも生むことになるのだから、僕があれこれ心配する必要はない。事前に知ることで不安になるくらいなら、土壇場で知るほうがいい気がする。
(よし、この件は終わりだ)
それよりも、無事に生むことのほうに注力しよう。むしろ、これからが本当の正念場に違いない。
「まずは食事を見直しましょう。しっかりと食べていただくことが大事ですが、これから食べられなくなるものも出てくるでしょうし、その都度わたくしが調理長と調整いたします」
アフェクシィ殿の言葉に「ありがとう」と答えてから、ゆっくり目を閉じた。
殿下と話をしていたとき、目眩のようなものを感じた僕はそのまま倒れてしまったらしい。すぐに寝室に運ばれ、医者であるアフェクシィ殿が呼ばれたそうだ。そうして慎重に診察した結果が「おめでとうございます」だった。
(願っていたことだが、うれしさより驚きのほうが強いな)
気分を落ち着かせようと目を瞑ったはずだったが、気がついたら夕食の時間を少し過ぎる時間まで眠ってしまっていた。
「やはり少し忙しくしすぎではないか? それに、毎日執務室まで来なくてもよいのだぞ?」
「アフェクシィ殿に許可をもらっていますから大丈夫です」
「しかし、」
「殿下は少し心配しすぎです。もっとドーンと構えてください。殿下は父上になられるんですから」
「父上……」
「そして僕は母上ですね」
そう言って微笑みかければ、殿下がわずかに頬を染めながら「そうだな」と視線を逸らした。
父上母上という言葉だけで照れくさそうにする様子は微笑ましいと思う。しかし、僕に対しては心配のしすぎだ。Ωの体に詳しいアフェクシィ殿に確認してもらっているのだから、そんなに心配する必要はないのにと苦笑が漏れそうになる。
懐妊がわかってから、食事のこと以外にもアフェクシィ殿にはいろいろ相談にのってもらっている。もともと後宮付きの専属医だったそうだが、いまではすっかり僕の専属医のような状態だ。
アフェクシィ殿は優秀な医者で、僕の体調管理や食事管理だけでなく内面的な部分にも気を配ってくれる。おかげでアールエッティ王国にいたときよりも健やかに過ごせているくらいだ。
そんな至れり尽くせり状態でも殿下は心配でしょうがないらしい。執務が忙しいはずなのに、一日に何度も後宮にやって来るようになった。
「それでは執務が滞るし、なにより忙しくしている殿下の体のほうが心配だ」
そう考えた僕は、一日に一度殿下の執務室に行くことにした。そうすればお互いに様子を見ることができるし、僕も首飾りや画材工房の状況を細かく確認をすることができる。もちろん執務の邪魔をしないように気をつけ、時間に余裕があるときはスケッチや依頼された絵の下書きを描き進めることもできる。
以前は執務室に入るだけで官僚たちから冷たい視線を向けられることがあったが、最近はそれも感じなくなった。おそらく僕が殿下の最初の子を身ごもったからだろう。「本当にΩだったのか」と納得してくれたのかもしれない。もしくは、ヴィオレッティ殿下の「王太子妃も正式に誕生することだし、これで我が国は安泰だな」という言葉のおかげだろうか。
(そういえば、陛下は「子ができれば、正式な王太子妃として挙式するがいい」とおっしゃっていたけど、そのあたりはどうなっているんだろうか)
殿下からは何も聞いていない。アフェクシィ殿が「少し血が薄くなっているようですから、ひと月は血を濃くする食事にしましょう」と言っていたから、僕が落ち着くのを待ってからという話になったのかもしれない。
(まぁ、そのときになればわかるか)
結婚式となれば僕は当事者中の当事者だ。何かあれば知らせてもらえるだろう。それまでは、いま自分ができることをやるだけだ。
そう思いながら工房の設計図を見ていたとき、トントンと扉を叩く音がした。殿下が「入れ」と告げると、初めて見る顔の男性が入ってきた。
「どうかしたのか?」
殿下の声が少し固い。気のせいでなければ表情も固く、……いや、無表情に近いように見える。
「陛下が、式についてお話があるとのことでございます」
僕をチラッと見ながら男性がそう口にした。なるほど、この男性は国王付きの侍従といったところか。
「後ほど陛下の執務室へ行く」
「その際は、ランシュ殿下もご一緒においで下さいますように」
「ランシュも?」
「そうお伝えするようにと承っております」
男性の言葉に殿下の眉が寄った。おそらく結婚式についての話なのだろうが、僕も一緒にというのが少し引っかかる。
「ランシュはいま大事な時期だ」
「大事なお話ゆえ、お二人揃っておいでになるようにとのことでございます」
ますます殿下の顔が険しくなった。僕の体を心配してくれているのだろうが、結婚式の話なら僕も当事者だ。それに僕も呼ぶということは何かあるということに違いない。
「わかりました」
「ランシュ」
「断る理由はありませんし、体調に問題はありません」
「しかし、」
「では、陛下にはそのようにお伝えいたします」
殿下が返事をする前に男性がそう告げたことで、僕も国王に会うことが決まった。殿下が「わかった」と言うと、侍従らしき男性は頭を下げすぐに部屋を出て行く。
男性が去ったあとも殿下は不満そうな表情を浮かべていたが、小さくため息をついてから「お茶を用意させよう」と席を立った。そんな殿下の後ろ姿を見ながら、「何も起きないといいけれど」と思った。前回のことを思い出すと、国王の言葉次第ではまた殿下とぶつかりかねない。国王と王太子の衝突は避けたいところだが、親子としてもできればぶつかってほしくないと思っている。
(この世でたった一人の父と子なのだしな)
そう思いながら、そっと自分のお腹を撫でた。
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