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21 Ωの自覚3
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後宮から出て、ノアール殿下の執務室へと向かう。本来、妃候補の一人にしかすぎない僕が執務室に出入りするのはよくないことだ。しかし、殿下に「ここなら安心して絵が描けるだろう」と提案されて断ることはできなかった。執務室から見える景色の美しさに魅せられて描きたくなったという気持ちもある。
ヴィオレッティ殿下の一件の後も、僕が後宮を出ることを禁じられることはなかった。殿下いわく「自由に絵を描くのが貴殿のよさだ」ということらしいが、もしかして気を遣ってくれている、ということだろうか。
「到着したときは、僕にまったく興味を持っていなかったようなのにな」
初対面のとき以外、まったく部屋に来なかったのが何よりの証拠だ。
「……なるほど。だから後宮から出る許可が下りたのかもしれないのか」
僕に興味がなかったから許可を出したと考えればおかしくはない。そう考えるくらい、当初はいまのような関係を築けるとは思っていなかった。
そんな殿下が絵画に興味を抱いてくれたおかげで、こうして物事がよい方向に進み始めた。僕は願ったとおりΩとして発情できたし、一度だけとは言え閨を共にすることもできた。絵を描き続けることもできている。
「あとは子ができるかだが……もしかして、Ωの懐妊は普通の女性とは違うんだろうか」
画材を持っていない左手を、そっと自分のお腹に当てた。いまのところ子ができているような様子はない。殿下に聞いた話だと、発情したΩはほぼ確実に子ができるということらしいが、もしかして男のΩは別なのだろうか。
「となると、僕はいつまで後宮にいられるのだろうな……」
ふと、初日に言われた「貴殿がいつまでの滞在になるかはわからないが」という言葉を思い出した。どういう意味だったのか確認できずにいるが、もし子ができなければお払い箱という意味だったとしたら残された時間はあまりないように思える。
「……考えたところで仕方がない。取りあえず体調を崩さないためにもスケッチだけは続けよう」
右手に持つスケッチブックと木炭箱をしっかりと抱え直す。それにしても……と、首に吸いつくような首飾りを左手で撫でた。これは僕がデザインする首飾りが完成するまでの臨時ということで、殿下に頂戴したΩ用の首飾りだ。
なんでも柔らかい感触とは裏腹に、ナイフで切ろうとしても切れないほど頑丈な素材で作られているのだという。そのくらい丈夫でなければ、本気を出したαの歯からは首を守れないのだと聞いた。
「男のΩである僕よりも、そんな獣じみたαのほうがよほど珍獣のような気がする」
しかし、それがαという生き物なのだ。それならΩの僕は首飾りをつけて身を守るしかない。
「それにしても、黒一色というのはいかがなものかな。せめて色だけでももう少し増やしたいところだけど、なにより飾りっ気がないのも残念なんだよなぁ」
僕は、ただの護身用でしかない現状のデザインを憂いていた。これでは“首飾り”なんて呼べたものじゃない。
好きにデザインしてもよいと殿下に許可をいただいた僕は、まず黒色以外が作れないか職人に尋ねることから始めた。昨日の報告では、何とかほかの色にも染められそうだということだった。それに、ビーズやカラーストーンを付ける方法も見つかりそうだという話も聞いている。
見た目はそれで十分改善できるだろう。いずれは宝石を付けられるようにもしたいところだ。あとは留め具にも装飾を施したいが、ここが一番難しい部分でもあった。
「簡単に外れる留め具では問題があるし、かといってただ留めるだけというのも味気ないし……」
いくら首飾りを頑丈にしても、留め具が簡単に外れるようでは意味がない。しっかり留められる状態で、かつデザイン性に富んだものを作りたい。そうすれば妃候補の姫君たちも、護身用としてだけでなく装飾品として楽しむことができるはずだ。
いや、姫君だけじゃない。こうした首飾りが必要なΩ全員に楽しめるものを作りたいと思っている。
「……そうか。留め具を一律で決めてしまっているから同じデザインになるんじゃないか?」
いまビジュオール王国で使われているΩの首飾りは、すべて同じ形の留め具が使われている。だから幅もデザインも同じものばかりになってしまうに違いない。
いっそ留め具の種類自体を増やせば、それに合わせてデザインの幅も広がるのではないだろうか。それに、留め具部分にもこだわりを持たせることができれば、さらにデザイン性が上がる。
「よし、留め具職人に話してみるか」
いい考えに頬を緩ませながら角を曲がりかけたところで、後ろから「ランシュ殿」と声をかけられた。
「ルジャン殿下」
振り返ると、華やかな格好をしたルジャン殿下が微笑みながら近づいて来るところだった。頬の近くがキラキラ光っているのは、銀細工の耳飾りが陽の光を反射しているからだろう。
「絵の道具を持っているということは、あの池へ行くのですか? しかし、最近は見かけなくなっていたような……」
「いえ、庭ではなくノアール殿下の執務室へ行くところです」
「殿下の執務室に?」
ルジャン殿下が眉をひそめたが、それもそうだろう。僕は妃候補であって官僚でも侍従でもない。おそらく「どういうことだ?」と思ったに違いない。
「いろいろありまして、いまは殿下の執務室の窓から見える景色を描いているのです」
「そうでしたか」
「描くといっても、こうして小さなスケッチブックに木炭で描くだけですが」
「それでも絵を描くことには変わりないでしょう」
僕の言葉にニコッと笑ったルジャン殿下は、不快そうな表情を浮かべることなく手に持っている画材を見ている。
(やっぱりルジャン殿下も芸術に興味があるんじゃないかな)
鑑賞以外で芸術に興味を持つ従兄弟たちはいないはずだとノアール殿下は話していたけれど、知らないだけなのかもしれない。
(ま、僕も従兄弟たちの趣味なんて詳しくは知らないしな)
同じ国にいて小さい頃から頻繁に顔を合わせていたとしても、全員のことを詳しく知っているわけではないということだ。
「……それにしても執務室にまで招くとは、よほどのお気に入りなんですね」
不意に聞こえてきた言葉に顔を上げると、ルジャン殿下の黒目がわずかに細くなっていた。そういえば、初対面のときにも似たような表情を見たような気がする。
(あのときは、何の話をしていたんだったか……)
思い出そうとしていたら、「ランシュ殿は銀細工はお好きですか?」と問いかけられた。
「銀細工、ですか?」
「はい。わたしは大好きでいつも身につけているんですが、身を飾るものだけでなく……こういった筆を飾るものもあるのですよ」
そういって目の前に差し出されたのは、銀色の柄をした絵筆だった。よくよく見れば、細かな模様の入った銀色の筒のようなものが柄に取りつけられている。
「これはまた……なんという贅沢な……」
このような装飾具をつけた絵筆は初めて見た。これでは持ちにくいかもしれないが、見て楽しむ絵筆としてはおもしろい。
(そういえば、どこかの島国には銀で装飾された……何だったか……。そうだ、煙管というものがあると聞いたことがある)
もしかすると、それと同じような細工なのかもしれない。筆は絵を描く道具だと思い込んでいた僕は、目から鱗が落ちるような新鮮さを感じた。
「なんとも興味深い筆です」
「差し上げますよ」
「え? いや、このような珍しいものをいただくわけには……」
「わたしが好きな銀細工を褒めていただいたお礼です。それに、ランシュ殿が喜んでくれるのであれば、わたしもうれしいですから」
にこりと微笑みながらそう言われてしまっては断りづらい。僕は「では、ありがたく頂戴します」と謝意を述べ、銀細工で飾られた筆を手にした。
装飾具のぶんだけ少し重く感じられる。銀の筒に触れると冷たさが心地よかった。指で触れるといかに細かく模様が描かれているかがわかり、ますます興味を引かれる。
「これは……指で触れると、細工がすばらしいことがさらによくわかります」
「それはよかった。では、つぎも珍しい銀細工をお持ちしましょう」
「え……?」
「では、また今度」
「あの、ありがとうございました」
頭を下げたあと、微笑み返してくれたルジャン殿下の背中をぼんやりと見送った。
「……いま、『つぎも』と言わなかったか……?」
それでは、また会う約束をしたことになりはしないだろうか。偶然の出会いなら仕方がないにしても、約束したとなると少し困ったことになる。
「ルジャン殿下もαだから、本当はあまり近づきたくないんだが……」
ヴィオレッティ殿下と違い穏やかな雰囲気だからか、そこまで危険な人物には感じられない。それでも気をつけるに越したことはないが、どうしたものだろう。
「……まぁ、絶対に会うという約束ではないしな。社交辞令の一環だったのかもしれないし」
それに、いまはこうして首飾りも付けている。僕はツルツルとした手触りの首飾りを撫で、その指でもらったばかりの銀細工に触れた。それはやっぱり心地よい冷たさだったが、硬質な感触がなぜか異質な違和感を感じさせて少しだけ気になった。
ヴィオレッティ殿下の一件の後も、僕が後宮を出ることを禁じられることはなかった。殿下いわく「自由に絵を描くのが貴殿のよさだ」ということらしいが、もしかして気を遣ってくれている、ということだろうか。
「到着したときは、僕にまったく興味を持っていなかったようなのにな」
初対面のとき以外、まったく部屋に来なかったのが何よりの証拠だ。
「……なるほど。だから後宮から出る許可が下りたのかもしれないのか」
僕に興味がなかったから許可を出したと考えればおかしくはない。そう考えるくらい、当初はいまのような関係を築けるとは思っていなかった。
そんな殿下が絵画に興味を抱いてくれたおかげで、こうして物事がよい方向に進み始めた。僕は願ったとおりΩとして発情できたし、一度だけとは言え閨を共にすることもできた。絵を描き続けることもできている。
「あとは子ができるかだが……もしかして、Ωの懐妊は普通の女性とは違うんだろうか」
画材を持っていない左手を、そっと自分のお腹に当てた。いまのところ子ができているような様子はない。殿下に聞いた話だと、発情したΩはほぼ確実に子ができるということらしいが、もしかして男のΩは別なのだろうか。
「となると、僕はいつまで後宮にいられるのだろうな……」
ふと、初日に言われた「貴殿がいつまでの滞在になるかはわからないが」という言葉を思い出した。どういう意味だったのか確認できずにいるが、もし子ができなければお払い箱という意味だったとしたら残された時間はあまりないように思える。
「……考えたところで仕方がない。取りあえず体調を崩さないためにもスケッチだけは続けよう」
右手に持つスケッチブックと木炭箱をしっかりと抱え直す。それにしても……と、首に吸いつくような首飾りを左手で撫でた。これは僕がデザインする首飾りが完成するまでの臨時ということで、殿下に頂戴したΩ用の首飾りだ。
なんでも柔らかい感触とは裏腹に、ナイフで切ろうとしても切れないほど頑丈な素材で作られているのだという。そのくらい丈夫でなければ、本気を出したαの歯からは首を守れないのだと聞いた。
「男のΩである僕よりも、そんな獣じみたαのほうがよほど珍獣のような気がする」
しかし、それがαという生き物なのだ。それならΩの僕は首飾りをつけて身を守るしかない。
「それにしても、黒一色というのはいかがなものかな。せめて色だけでももう少し増やしたいところだけど、なにより飾りっ気がないのも残念なんだよなぁ」
僕は、ただの護身用でしかない現状のデザインを憂いていた。これでは“首飾り”なんて呼べたものじゃない。
好きにデザインしてもよいと殿下に許可をいただいた僕は、まず黒色以外が作れないか職人に尋ねることから始めた。昨日の報告では、何とかほかの色にも染められそうだということだった。それに、ビーズやカラーストーンを付ける方法も見つかりそうだという話も聞いている。
見た目はそれで十分改善できるだろう。いずれは宝石を付けられるようにもしたいところだ。あとは留め具にも装飾を施したいが、ここが一番難しい部分でもあった。
「簡単に外れる留め具では問題があるし、かといってただ留めるだけというのも味気ないし……」
いくら首飾りを頑丈にしても、留め具が簡単に外れるようでは意味がない。しっかり留められる状態で、かつデザイン性に富んだものを作りたい。そうすれば妃候補の姫君たちも、護身用としてだけでなく装飾品として楽しむことができるはずだ。
いや、姫君だけじゃない。こうした首飾りが必要なΩ全員に楽しめるものを作りたいと思っている。
「……そうか。留め具を一律で決めてしまっているから同じデザインになるんじゃないか?」
いまビジュオール王国で使われているΩの首飾りは、すべて同じ形の留め具が使われている。だから幅もデザインも同じものばかりになってしまうに違いない。
いっそ留め具の種類自体を増やせば、それに合わせてデザインの幅も広がるのではないだろうか。それに、留め具部分にもこだわりを持たせることができれば、さらにデザイン性が上がる。
「よし、留め具職人に話してみるか」
いい考えに頬を緩ませながら角を曲がりかけたところで、後ろから「ランシュ殿」と声をかけられた。
「ルジャン殿下」
振り返ると、華やかな格好をしたルジャン殿下が微笑みながら近づいて来るところだった。頬の近くがキラキラ光っているのは、銀細工の耳飾りが陽の光を反射しているからだろう。
「絵の道具を持っているということは、あの池へ行くのですか? しかし、最近は見かけなくなっていたような……」
「いえ、庭ではなくノアール殿下の執務室へ行くところです」
「殿下の執務室に?」
ルジャン殿下が眉をひそめたが、それもそうだろう。僕は妃候補であって官僚でも侍従でもない。おそらく「どういうことだ?」と思ったに違いない。
「いろいろありまして、いまは殿下の執務室の窓から見える景色を描いているのです」
「そうでしたか」
「描くといっても、こうして小さなスケッチブックに木炭で描くだけですが」
「それでも絵を描くことには変わりないでしょう」
僕の言葉にニコッと笑ったルジャン殿下は、不快そうな表情を浮かべることなく手に持っている画材を見ている。
(やっぱりルジャン殿下も芸術に興味があるんじゃないかな)
鑑賞以外で芸術に興味を持つ従兄弟たちはいないはずだとノアール殿下は話していたけれど、知らないだけなのかもしれない。
(ま、僕も従兄弟たちの趣味なんて詳しくは知らないしな)
同じ国にいて小さい頃から頻繁に顔を合わせていたとしても、全員のことを詳しく知っているわけではないということだ。
「……それにしても執務室にまで招くとは、よほどのお気に入りなんですね」
不意に聞こえてきた言葉に顔を上げると、ルジャン殿下の黒目がわずかに細くなっていた。そういえば、初対面のときにも似たような表情を見たような気がする。
(あのときは、何の話をしていたんだったか……)
思い出そうとしていたら、「ランシュ殿は銀細工はお好きですか?」と問いかけられた。
「銀細工、ですか?」
「はい。わたしは大好きでいつも身につけているんですが、身を飾るものだけでなく……こういった筆を飾るものもあるのですよ」
そういって目の前に差し出されたのは、銀色の柄をした絵筆だった。よくよく見れば、細かな模様の入った銀色の筒のようなものが柄に取りつけられている。
「これはまた……なんという贅沢な……」
このような装飾具をつけた絵筆は初めて見た。これでは持ちにくいかもしれないが、見て楽しむ絵筆としてはおもしろい。
(そういえば、どこかの島国には銀で装飾された……何だったか……。そうだ、煙管というものがあると聞いたことがある)
もしかすると、それと同じような細工なのかもしれない。筆は絵を描く道具だと思い込んでいた僕は、目から鱗が落ちるような新鮮さを感じた。
「なんとも興味深い筆です」
「差し上げますよ」
「え? いや、このような珍しいものをいただくわけには……」
「わたしが好きな銀細工を褒めていただいたお礼です。それに、ランシュ殿が喜んでくれるのであれば、わたしもうれしいですから」
にこりと微笑みながらそう言われてしまっては断りづらい。僕は「では、ありがたく頂戴します」と謝意を述べ、銀細工で飾られた筆を手にした。
装飾具のぶんだけ少し重く感じられる。銀の筒に触れると冷たさが心地よかった。指で触れるといかに細かく模様が描かれているかがわかり、ますます興味を引かれる。
「これは……指で触れると、細工がすばらしいことがさらによくわかります」
「それはよかった。では、つぎも珍しい銀細工をお持ちしましょう」
「え……?」
「では、また今度」
「あの、ありがとうございました」
頭を下げたあと、微笑み返してくれたルジャン殿下の背中をぼんやりと見送った。
「……いま、『つぎも』と言わなかったか……?」
それでは、また会う約束をしたことになりはしないだろうか。偶然の出会いなら仕方がないにしても、約束したとなると少し困ったことになる。
「ルジャン殿下もαだから、本当はあまり近づきたくないんだが……」
ヴィオレッティ殿下と違い穏やかな雰囲気だからか、そこまで危険な人物には感じられない。それでも気をつけるに越したことはないが、どうしたものだろう。
「……まぁ、絶対に会うという約束ではないしな。社交辞令の一環だったのかもしれないし」
それに、いまはこうして首飾りも付けている。僕はツルツルとした手触りの首飾りを撫で、その指でもらったばかりの銀細工に触れた。それはやっぱり心地よい冷たさだったが、硬質な感触がなぜか異質な違和感を感じさせて少しだけ気になった。
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