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二章 鬼の王に会いて

其の捌

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 ぶちゅぶちゅと尻を押し潰すように逸物を深く突き入れる。大きく尻を震わせた金花は腕の力が抜けたのか、肘がかくりと折れて四つん這いから尻だけを高く突き上げる姿になった。
 御帳の中では、互いが着ていた単や寝るときに掛ける袿などを下敷きにしているが、こんなに激しくしては金花の膝を痛めてしまうかもしれない。そう思っているのに、俺は突き上げる腰を止めることができなかった。それどころか、ますます激しく打ちつけてしまう。

「は、は……っ、三度も、出したというのに、はっ、収まりが、つかない、とは……っ、は、」

 そうだ、俺はもう三度も金花の、キツラの中に子種をぶちまけていた。それなのに股間はますます滾っている。
 一度目は、逸物を突き入れてすぐだった。耐えようと力むこともできず、あっという間の出来事に情けなくなり、思わずぐぅと唸り声を上げてしまった。びゅうびゅうと吹き出したはずの逸物はそれでも衰えることがなく、俺は抜くことなくすぐさまキツラの奥に目がけて先端をねじ込んだ。
 そうして床にキツラを押さえつけるようにしながら二度目の子種を吐き出したあと、今度は獣のように交わらんと四つん這いにさせ、滑った尻になおも天を向く逸物を突き込んだ。三度目もたっぷり吐き出したはずなのに、どうしたことかキツラの中ですぐさまムクムクと逸物が大きくなってしまう。

「これでは、まるで……っ」

 まるで、先ほど見た鬼の王のようではないか。

 思わずよぎった考えに、何を馬鹿なと頭を振る。
 いずれは鬼になるとしても、まだ俺はキツラの血を食らってはいない。精は、まぁ、何度か飲んだりもしたが、それでは鬼になるには弱いのだと聞いたばかりだ。
 それなのに体はこんなにも滾って、これではまるで鬼のようではないか。

「あぁ、駄目だ。まだ、はっ、落ち着きそう、にも、は……っ、ない、」

 まったく衰えを見せない逸物で、ゆっくりとぬかるんだ中を擦る。すると「あ、ぁ――」と甘い声を上げてキツラが背中を反らせた。

「あ、ぁ……、は、ふ……、ふふ、なんて、は……ぁ、強い、ふ、精だ、こと……」
「おまえの中が、よすぎ、る、はっ、のだ、は……っ」
「……あぁ、うれし、ぃ……」

 泣くようにそうつぶやいた声に、またもや逸物がぐぅんと力を増した。これでは四度目が済んでも収まらないかもしれない。そんなことを考えながら、ふと先ほど目にした敦皇あつおう様のことを思い出した。
 鬼の王の腰に跨がった姿は心地よさそうに見え、鬼の王も十分に感じ入っていたようだった。さすがに鬼の王のように腰を掴んで上下にとはいかないだろうが、キツラをあのように跨がらせてみたいという欲が湧いてくる。

 キツラと俺は同じくらいの背丈だが、細身のキツラは俺でも抱えられるほどの重さしかない。それなら胡座あぐらの上に抱きかかえることもできるだろうし、寝そべる俺の上に乗せるのと同じくらいには奥まで入れられそうだ。
 そこまで考えた俺の逸物が、そうしたいのだと言わんばかりに膨れ上がった。

「ふぁ……!」

 急に大きくなったことに驚いたのか太くなったことに感じ入るのか、キツラが白い背を震わせている。うっすら浮かぶ背骨を指でなぞりながら、「両手をついて四つん這いになれるか?」と訊ねた。

「四つ……?」
「先ほどの格好だ。……あぁ、そう、手をついて、……そうだ。今度はそのまま俺に腰掛けるようにするんだ……。そう、俺が支えるから、……ぐ、ぅ……っ!」
「ふぅ、ふ、んぅ……!」

 キツラの尻が俺の上に座った瞬間、逸物がぐぐぅと奥深くを貫いた。あまりの気持ちよさに、慌てて奥歯を噛んで子種が吹き出すのを堪える。
 あまりにも深い場所を抉られたからか、キツラが頭をのけ反らせながらも嫌々と首を振っていた。そのせいで汗に湿ったキツラの髪が首や肩をくすぐるが、それがなんともいえず心地いい。

「ふ、ふは、これは、……っ、すごい、な……。おまえが上に、乗るのと同じくらいか……?」
「ぁぅ、ぅ……、だめ、うごか、ないで……」
「く……っ! いや、これは上に乗る、よりも、はっ、奥に、くっ、入る、な……」
「ひっ、だめ、動いては、だめ、だめ……」
「なぜ、だ? ……っ、ほら、こうして、わずかに動くだけで、ぅっ、いつもより、うねっている、ぞ……?」
「ふぅっ! ……ねがい、だめ……、そこ、は……、あぁ、いけ、ない……、おく、はいって、あぁ、だめ、だめ、もぅ、おくは、だめ、ぇ……」

 ぬっぽぬっぽと小刻みに突いていた逸物の先端が、ぐにゅりと曲がった気がした。その感触には俺も驚いた。とっくに狭い路を抜けて熱い壁に当たっていたから、それ以上奥深くへ入るはずがないと思い込んでいた。

(いや、前にも、これに近いことが、あったか……)

 以前にも狭い路の先に先端が入り込むような感覚になったことはある。しかし、いまはその感覚の比ではなかった。
 ぐにゃりと曲がり入り込んだそこは、口の中とも腹の中とも言い難い、しかし間違いなく法悦を感じる場所だった。ぐにゅうとカリ首を締められながら先端をちゅうちゅうと吸われているような錯覚さえ覚える。さらに根本からカリ首のすぐ下までは熱く濡れたもので揉まれ、一気に二つの玉が迫り上がった。

 どぴゅう、びゅるびゅる、びゅう!

 四度目とは思えない勢いで子種が吹き出したのがわかった。
 あまりの心地よさから思わずキツラの腰を掴んでいた手に力がはいり、薄い腹を指先でぐぐぅと押してしまう。するとその腹が指を押し返すように、いや、押されることに反応するようにビクビクと震え出した。

「ぁ、ぁ……! ぁ、だめ、……くぅ、だめ、きて、……きて、しまう……っ」
「キツ、ラ……?」
「ひ、んっ! だめ、だめ、ぁあ! く、る、くる、いっ、ぃく、ぃって、しま……っ、ぅ――……!!」

 心配になるくらい全身をガクガクと震わせたキツラは、俺の太ももをぎゅうぅと力任せに掴みながら盛大に逐情した。つられるように逸物の包む肉もうねりを増し、ますます子種を食らおうと蠢く。
 あまりにも心地よい状態に、一瞬気が遠くなった。頭の芯がぼうっと痺れるような心地よさに浸っていると、聞き慣れない水音がしていることに気がついた。
 一体何の音だと肩越しにキツラの股を覗き込めば、ピンと天を向いたままの逸物からしょろしょろと何かがこぼれている。それは匂いもなく、指先で触れても子種のような粘り気や色もなかった。

(…………もしや)

 覗き見のときに初めて目にしたものを思い出した。あれが何かはわからないが、あのときの敦皇あつおう様は法悦の極みといった様子だった。

(それと同じ状態に、キツラがなっているということか……?)

 ずるりと音を立てながら逸物を引き抜いた。そうして腰を掴んでいた手を離すと、キツラの体がぐらりと前に倒れる。
 もうどこにも力が入らないのか、キツラは膝を曲げたままうつ伏せになりヒクヒクと体を震わせていた。震えるせいか、それとも膝を曲げているせいか、体が揺れるたびに尻の間からぼたぼたと俺の吐き出したものがこぼれ落ちるのが見える。
 それは見る間に小さな水溜りを作り、さらに尻から糸を引くように子種がぽたりぽたりと滴り始めた。それを見ただけで、またもや俺の逸物はギンギンに滾ってしまう。

「……ぐぅ、駄目だとわかっていても、止まらないんだ……」

 鬼の王が敦皇あつおう様に与えるほどの心地よさを、俺はキツラに与えることができた。キツラが食らい尽くせないほどの子種を、注ぎ込むことができた。そう思うだけでカッとした熱が頭をぐるりと巡り、体の中をぐるりと駆け抜ける。

「キツラ、キツラ……俺の、俺だけの……」

 囁きながら仰向けにすると、すぅと瞼が開き、艶々とした黒目が俺を見た。

「あぁ、キツラ、もっと、もっと……、おまえを……」

 まるで泣くようにつぶやいた俺の頬を、俺よりも熱いキツラの手が包み込んだ。

「ふふ……、まるで、童子のよう……、かわいぃ、方……」
「キツラ、」
「……よいの、ですよ……。さぁ、もっと……、わたしを、貪って……」


 気がつけば仰向けのキツラの両足を掴み上げ、さらに床に押さえつけるようにのし掛かっていた。そうして子種があふれ出す熱い中を逸物で貫いていた。
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