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番外編 パティシエと獣人のこと2
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覚悟していた雨期は思ったより鬱陶しいと思うことはなく、季節はあり得ないほど暑い夏へと進んだ。あまりの暑さに、獣人のパティシエ仲間からもらった半袖の制服を袖無しに作り替えたくらいだ。
「人ってのは本当に暑さに弱いんだな」
「とか言いながら触るな」
「いてっ」
俺に一晩つき合えと言った獣人の同僚が「叩くなよ」と言いながら笑っている。いきなり二の腕を撫でるほうが悪いとひと睨みするが、同僚は相変わらず笑ったままだ。ふと、厨房の入り口に立っているメリに気がついた。心なしか表情が硬いように見える。
「メリ」
俺の声に同僚がバッと振り返った。「あー……」と言って頬を掻きながら食材庫へと消える。チラッと見た耳を少し伏せていたということはメリに遠慮して姿を消したんだろう。
「おまえ王子様なんだから気安く厨房に入ってくるなよな。みんな気ぃ遣うだろ」
「シロウが色気振りまかないなら来ないよ」
「なに言ってんだ。俺と色気なんて真逆のもんだろうが」
「そんなことない。獣人ならシロウの色気に気づく。……だって、そんないい匂いさせてるんだから」
「え? なに?」
最後のほうが聞き取れず問いかけたが、メリから返ってきたのは「夏祭り、一緒に行かない?」という言葉だった。
「嫌だ」
「えぇー」
「こんなに暑くてただでさえ体力奪われてるってのに、祭りになんて行けるか」
「そんなぁ。だって初めての夏祭りだよ? 春の花祭りだって一緒に花籠、作ってくれなかったでしょ」
「それどころじゃなかったの、メリだって知ってるだろ」
春は人の王城に行っていたメリたちが帰国した祝いが続いたせいで厨房は大変だったのだ。祭りになんてかまっている暇は微塵もなかった。
「だから、夏祭りは行こうって誘ってるんだよ。それに獣人のお祭りは初めてでしょ? 初体験だよ? 初めてってとーっても大事だよ?」
「おまえが言うと卑猥にしか聞こえないのは何でだろうな」
「やだなぁ、ソウイウコトしたいなら呼んで……って、ちょっと待ってよシロウ」
「しねぇし呼ばねぇよ」
菓子作りの準備をしようとメリを無視して振り返ると、厨房の奥で人の国から来たシェフたちがニヤニヤ笑っているのが見えた。獣人のシェフたちは生温かい眼差しになっているが、半分はメリのほうを見ている。どうやら獣人たちの間では“人に求婚して振られ続けている情けない王子様”ということになっているらしい。
「じゃあ、涼しい夜ならどう? そうそう、今夜は花火が上がるんだ。シロウと一緒に見たいんだけどなぁ」
子どものようにキラキラした眼差しにため息が漏れた。これを断ればメリはますます情けない王子様になるんだろう。さすがにそれは可哀想な気がする。それに内心では祭りというものに興味があった。
(祭りなんて行ったことねぇからなぁ)
子どもの頃、師匠から何度か行ってこいと言われたことがあったが結局行かなかった。居候で弟子の自分に遊んでいる時間はないと思っていたからだ。そうやって死ぬほど努力して王城勤めのパティシエになったものの、師匠の引退が俺の引退になってしまった。
(まぁ、せっかくだしな)
師匠が言っていた「祭りの菓子も味わっておけ」という言葉を思い出す。
「夜ならいいぞ」
「ほんとに?」
「片付け終わってからな」
「わかった。じゃあ後で迎えにくるね。そうだ! この前あげた浴衣、着てほし……」
「甚兵衛」
「えぇ~、せっかくなら浴衣が……」
「甚兵衛」
「……甚兵衛でもうれしいです」
「じゃ、後でな」
「楽しみにしてる」
そう言ってメリが出て行った。その様子に人のシェフたちはコソコソと何かを囁き、獣人の料理人たちからは「がんばれよ」と言うように肩をポンと叩かれる。
この日、俺は星空に見立てたゼリーのような冷菓を作った。メリの花火という言葉にヒントを得たのだが、夏は食が細くなる王子様もいたく気に入ってくれたようで、感想を伝えに来たメリまでニコニコしていた。
「アカリちゃんが『うわぁ、かわいい!』って褒めてたよ」
「王子様にちゃん付けはどうなんだよ。それに王様のお妃だろ?」
「だってアカリちゃんはアカリちゃんって感じだからなぁ。あ、それでさ、あんまり褒めてくれるから『これを作ったのは俺の未来のお嫁さんだよ』って自慢しておいた」
「馬鹿だろおまえ」
「えぇー。俺にそんなこと言うシロウだって大概だよ」
そんなことを言いながら二人並んで王城の中庭へと向かう。そのまま門に行き城下街に行く予定だったのだが、その途中でドン! という音が鳴り響いた。空を見上げるとパンパンと弾ける音とともに大輪の花火が咲いている。
「始まったな」
「せっかくなら屋台で何か買おうかと思ってたんだけど、ここで見るのもいいね」
メリの提案に頷き、綺麗に手入れされた芝の上に座った。ここが王城の中庭だからか周りには誰もいない。城勤めの人たちも城下にくり出しているらしく、とくに厨房や俺が寝泊まりしている宿舎は静まりかえっていた。そんな中でメリと並んで芝に座り夜空を見上げる。
(つーか、王子様なのに芝に座ったりしていいのか?)
気になってチラッと見ると、メリも俺を見ていた。
「見ないのかよ」
「何を?」
「花火」
「花火もいいけど、俺はシロウのほうがいいかな」
「なに言ってんだ」
「だって花火よりシロウのほうが好きだからね」
メリの顔が近づいて来る。それがどういうことか予想できたのに、俺は顔を逸らさなかった。
最初に感じたのは蜂蜜みたいな甘い匂いだった。それから肩に触れる手と体温、最後に唇に柔らかいものが触れる。
チュ、ペロッ、チュッ。
吸いつかれて舐められて、また吸いつかれた。「あぁ、キスしてんだな」と思っている間にメリの舌が入り込んでくる。口内のあちこちを舐められる感触に「やっぱり獣みたいだな」なんて思い、そういうキスも気持ちいいんだと初めて知った。
ドンという音やパンパンと弾ける音がひっきりなしに聞こえてくる。それなのに俺たちは夜空を見上げることなくキスを続けていた。そのうち体の奥がジンジンし始めた。頭のてっぺんまでジワジワ熱くなる。まるで炎天下にいるときのような熱と、それより気になるのは蜂蜜みたいな匂いだ。あまりにも匂うからか、蜂蜜酒を呑んでいるような気持ちになってくる。
「シロウからいい匂いがする」
「……え?」
「甘くていい匂いがしてる」
唇が触れるか触れないかの距離でメリがそんなことを囁いた。
「これってやっぱり発情なんじゃないかな」
「はつ、じょう?」
「そう。獣人とは違うけど、この甘い匂いは発情だよ。アカリちゃんにも発情っぽいのがあったって聞いたし、人も獣人と一緒にいると発情するのかもね」
こいつは何を言っているんだ。そう思っているのに言葉が出てこない。まるで酩酊しているような感じで頭も体もフワフワしてきた。
「……うん、間違いない。これは発情だ」
首のあたりに顔を埋めたメリがクンクンと鼻を鳴らしている。そのときこめかみに触れたメリの耳がピクピクと動いた。その感触がくすぐったくて「ははっ」と笑ってしまった。
「あぁ~、シロウ、その笑顔はまずいよ」
「なんだよ」
「だって、そんなかわいい顔で笑われたら我慢できなくなっちゃう」
「我慢?」
「そう。これでも俺、必死に我慢してるんだからね?」
王族だからか獣人だからか、メリは自由気ままだ。少なくとも俺にはそう見えた。そんなメリが何を我慢しているというんだろう。
「おまえが我慢とか、なに言ってんだ」
「もう、そんなこと言うと我慢やめるからね? そうなって困るのはシロウだよ?」
「俺が? 何に困るって?」
「だってシロウ、俺のお嫁さんにはなりたくないんでしょ?」
緑色の目がじっと俺を見ている。それは初めて見る真剣な眼差しだった。その目を見た途端に体がカッと熱くなった。体の内側がカッカと熱くなり、まるで果実酒を染みこませたスポンジからジュワッと酒が染み出してくるような感覚だ。
「俺はシロウをお嫁さんにしたいけど、無理やりは嫌だからね。互いに心から願ってつがいになりたい。シロウのこと大事にしたいんだ」
そっか、メリは俺を大事にしたいのか。その言葉に何かがストンと落ちてきた。
きっとこいつなら大事にしてくれる。俺もこいつを大事にできる。獣人だとか男だとか関係ない。そういう相手だと最初からわかっていたような気がする。そんなことを思うなんておかしいはずなのに、そう思うのが当然のような不思議な感覚だった。
「奇遇だな。俺もおまえのこと、大事にしたいと思ってたところだ」
緑色の目がパチッと大きくなった。そのままパチパチと何度も瞬きをする。
「それって……」
「こういうの、相思相愛っていうのかもな」
普段なら絶対に口にしないような言葉が出てくる。きっとメリから漂う甘い匂いに酔っているせいだ。
「そんなこと言ったら、もう止められないよ?」
「大事にしてくれるんだろ?」
俺の言葉にメリがふわっと笑った。その顔ははにかんでいるような、それでいて男の色気を十分に感じさせる顔だった。
「人ってのは本当に暑さに弱いんだな」
「とか言いながら触るな」
「いてっ」
俺に一晩つき合えと言った獣人の同僚が「叩くなよ」と言いながら笑っている。いきなり二の腕を撫でるほうが悪いとひと睨みするが、同僚は相変わらず笑ったままだ。ふと、厨房の入り口に立っているメリに気がついた。心なしか表情が硬いように見える。
「メリ」
俺の声に同僚がバッと振り返った。「あー……」と言って頬を掻きながら食材庫へと消える。チラッと見た耳を少し伏せていたということはメリに遠慮して姿を消したんだろう。
「おまえ王子様なんだから気安く厨房に入ってくるなよな。みんな気ぃ遣うだろ」
「シロウが色気振りまかないなら来ないよ」
「なに言ってんだ。俺と色気なんて真逆のもんだろうが」
「そんなことない。獣人ならシロウの色気に気づく。……だって、そんないい匂いさせてるんだから」
「え? なに?」
最後のほうが聞き取れず問いかけたが、メリから返ってきたのは「夏祭り、一緒に行かない?」という言葉だった。
「嫌だ」
「えぇー」
「こんなに暑くてただでさえ体力奪われてるってのに、祭りになんて行けるか」
「そんなぁ。だって初めての夏祭りだよ? 春の花祭りだって一緒に花籠、作ってくれなかったでしょ」
「それどころじゃなかったの、メリだって知ってるだろ」
春は人の王城に行っていたメリたちが帰国した祝いが続いたせいで厨房は大変だったのだ。祭りになんてかまっている暇は微塵もなかった。
「だから、夏祭りは行こうって誘ってるんだよ。それに獣人のお祭りは初めてでしょ? 初体験だよ? 初めてってとーっても大事だよ?」
「おまえが言うと卑猥にしか聞こえないのは何でだろうな」
「やだなぁ、ソウイウコトしたいなら呼んで……って、ちょっと待ってよシロウ」
「しねぇし呼ばねぇよ」
菓子作りの準備をしようとメリを無視して振り返ると、厨房の奥で人の国から来たシェフたちがニヤニヤ笑っているのが見えた。獣人のシェフたちは生温かい眼差しになっているが、半分はメリのほうを見ている。どうやら獣人たちの間では“人に求婚して振られ続けている情けない王子様”ということになっているらしい。
「じゃあ、涼しい夜ならどう? そうそう、今夜は花火が上がるんだ。シロウと一緒に見たいんだけどなぁ」
子どものようにキラキラした眼差しにため息が漏れた。これを断ればメリはますます情けない王子様になるんだろう。さすがにそれは可哀想な気がする。それに内心では祭りというものに興味があった。
(祭りなんて行ったことねぇからなぁ)
子どもの頃、師匠から何度か行ってこいと言われたことがあったが結局行かなかった。居候で弟子の自分に遊んでいる時間はないと思っていたからだ。そうやって死ぬほど努力して王城勤めのパティシエになったものの、師匠の引退が俺の引退になってしまった。
(まぁ、せっかくだしな)
師匠が言っていた「祭りの菓子も味わっておけ」という言葉を思い出す。
「夜ならいいぞ」
「ほんとに?」
「片付け終わってからな」
「わかった。じゃあ後で迎えにくるね。そうだ! この前あげた浴衣、着てほし……」
「甚兵衛」
「えぇ~、せっかくなら浴衣が……」
「甚兵衛」
「……甚兵衛でもうれしいです」
「じゃ、後でな」
「楽しみにしてる」
そう言ってメリが出て行った。その様子に人のシェフたちはコソコソと何かを囁き、獣人の料理人たちからは「がんばれよ」と言うように肩をポンと叩かれる。
この日、俺は星空に見立てたゼリーのような冷菓を作った。メリの花火という言葉にヒントを得たのだが、夏は食が細くなる王子様もいたく気に入ってくれたようで、感想を伝えに来たメリまでニコニコしていた。
「アカリちゃんが『うわぁ、かわいい!』って褒めてたよ」
「王子様にちゃん付けはどうなんだよ。それに王様のお妃だろ?」
「だってアカリちゃんはアカリちゃんって感じだからなぁ。あ、それでさ、あんまり褒めてくれるから『これを作ったのは俺の未来のお嫁さんだよ』って自慢しておいた」
「馬鹿だろおまえ」
「えぇー。俺にそんなこと言うシロウだって大概だよ」
そんなことを言いながら二人並んで王城の中庭へと向かう。そのまま門に行き城下街に行く予定だったのだが、その途中でドン! という音が鳴り響いた。空を見上げるとパンパンと弾ける音とともに大輪の花火が咲いている。
「始まったな」
「せっかくなら屋台で何か買おうかと思ってたんだけど、ここで見るのもいいね」
メリの提案に頷き、綺麗に手入れされた芝の上に座った。ここが王城の中庭だからか周りには誰もいない。城勤めの人たちも城下にくり出しているらしく、とくに厨房や俺が寝泊まりしている宿舎は静まりかえっていた。そんな中でメリと並んで芝に座り夜空を見上げる。
(つーか、王子様なのに芝に座ったりしていいのか?)
気になってチラッと見ると、メリも俺を見ていた。
「見ないのかよ」
「何を?」
「花火」
「花火もいいけど、俺はシロウのほうがいいかな」
「なに言ってんだ」
「だって花火よりシロウのほうが好きだからね」
メリの顔が近づいて来る。それがどういうことか予想できたのに、俺は顔を逸らさなかった。
最初に感じたのは蜂蜜みたいな甘い匂いだった。それから肩に触れる手と体温、最後に唇に柔らかいものが触れる。
チュ、ペロッ、チュッ。
吸いつかれて舐められて、また吸いつかれた。「あぁ、キスしてんだな」と思っている間にメリの舌が入り込んでくる。口内のあちこちを舐められる感触に「やっぱり獣みたいだな」なんて思い、そういうキスも気持ちいいんだと初めて知った。
ドンという音やパンパンと弾ける音がひっきりなしに聞こえてくる。それなのに俺たちは夜空を見上げることなくキスを続けていた。そのうち体の奥がジンジンし始めた。頭のてっぺんまでジワジワ熱くなる。まるで炎天下にいるときのような熱と、それより気になるのは蜂蜜みたいな匂いだ。あまりにも匂うからか、蜂蜜酒を呑んでいるような気持ちになってくる。
「シロウからいい匂いがする」
「……え?」
「甘くていい匂いがしてる」
唇が触れるか触れないかの距離でメリがそんなことを囁いた。
「これってやっぱり発情なんじゃないかな」
「はつ、じょう?」
「そう。獣人とは違うけど、この甘い匂いは発情だよ。アカリちゃんにも発情っぽいのがあったって聞いたし、人も獣人と一緒にいると発情するのかもね」
こいつは何を言っているんだ。そう思っているのに言葉が出てこない。まるで酩酊しているような感じで頭も体もフワフワしてきた。
「……うん、間違いない。これは発情だ」
首のあたりに顔を埋めたメリがクンクンと鼻を鳴らしている。そのときこめかみに触れたメリの耳がピクピクと動いた。その感触がくすぐったくて「ははっ」と笑ってしまった。
「あぁ~、シロウ、その笑顔はまずいよ」
「なんだよ」
「だって、そんなかわいい顔で笑われたら我慢できなくなっちゃう」
「我慢?」
「そう。これでも俺、必死に我慢してるんだからね?」
王族だからか獣人だからか、メリは自由気ままだ。少なくとも俺にはそう見えた。そんなメリが何を我慢しているというんだろう。
「おまえが我慢とか、なに言ってんだ」
「もう、そんなこと言うと我慢やめるからね? そうなって困るのはシロウだよ?」
「俺が? 何に困るって?」
「だってシロウ、俺のお嫁さんにはなりたくないんでしょ?」
緑色の目がじっと俺を見ている。それは初めて見る真剣な眼差しだった。その目を見た途端に体がカッと熱くなった。体の内側がカッカと熱くなり、まるで果実酒を染みこませたスポンジからジュワッと酒が染み出してくるような感覚だ。
「俺はシロウをお嫁さんにしたいけど、無理やりは嫌だからね。互いに心から願ってつがいになりたい。シロウのこと大事にしたいんだ」
そっか、メリは俺を大事にしたいのか。その言葉に何かがストンと落ちてきた。
きっとこいつなら大事にしてくれる。俺もこいつを大事にできる。獣人だとか男だとか関係ない。そういう相手だと最初からわかっていたような気がする。そんなことを思うなんておかしいはずなのに、そう思うのが当然のような不思議な感覚だった。
「奇遇だな。俺もおまえのこと、大事にしたいと思ってたところだ」
緑色の目がパチッと大きくなった。そのままパチパチと何度も瞬きをする。
「それって……」
「こういうの、相思相愛っていうのかもな」
普段なら絶対に口にしないような言葉が出てくる。きっとメリから漂う甘い匂いに酔っているせいだ。
「そんなこと言ったら、もう止められないよ?」
「大事にしてくれるんだろ?」
俺の言葉にメリがふわっと笑った。その顔ははにかんでいるような、それでいて男の色気を十分に感じさせる顔だった。
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