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13 晩冬から初春にかけてのこと1
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「ひーまーだーなー」
思わずそう言ってしまってから、「あれ? 暇だったっけ?」と少し考えた。
ぼくが部屋でできることは前と同じだ。しかも今度は王様にはっきりと「部屋から出ないでほしい」と言われてしまった。だから部屋の外には出られない。部屋の中でできることはパンやお菓子を作ることくらいで、あとは王様が持って来てくれた本を読んだりして過ごしている。
(うん、やっぱり暇だ)
それが悪いとは思わない。すごく贅沢をさせてもらっている。ただ、お妃様になったら何か変わるんじゃないかと勝手に思っていた。
(それにこのままでいいのかなぁって、やっぱり気になるし)
王様のお妃様なら、もっとこう、ピシッとしないといけない気がする。それなのにぼくは一日のほとんどを暖炉の前で王様のマントを被りながら過ごしている。王様もアルギュロスさんも、そんなぼくに駄目だとは言わない。だから、ますますだらしない過ごし方をしてしまう。
(……いや、これじゃ駄目だ)
「せめて学がないのをどうにかしよう」と思ったぼくは、暖炉の前で本を読むことにした。本は王様が持って来てくれた子ども用のものだ。大人用の本より一ページの文字が少ないから早く読める。早くたくさん読めると頭がよくなった気がしてもっと読みたくなる。
(それに怖いことも変なことも書いてないし)
それが一番よかった。
(そうだ、今日はイチゴのゼリーを作るんだった)
でもぼくがよく知っているゼリーとは少し違う。獣人の国でよく食べる寒天というものを使ったゼリーだ。完成したゼリーは夜ご飯の後に王様と一緒に食べる。それから王様に味の感想を聞く。
(よく考えたらあんまり暇でもないかな)
前の部屋で作るのをやめてしまった芋と栗のお菓子もまた作り始めた。獣人の国には“きんとん”というお菓子がある。芋を蒸かしたあと練って甘くしたものに栗を混ぜたお菓子だ。それを見たぼくは、何度か食べたことがあるスイートポテトを思い出した。それに屋台でよく売られていた焼き栗も頭に浮かんだ。
(あれを一緒にしたらおいしいんじゃないかな)
ということで、いまは芋に混ぜるバターの量を調整しているところだ。味見をして生クリームを追加したりもしている。でもあまり甘くしすぎると王様の口には合わないかもしれない。お菓子をあまり食べないという王様でも食べやすいように気をつけながら調整している。
(あとは栗もこんがり焼いて、こっちには塩を少し振りかけるんだ)
焼き栗はアルギュロスさんたちもおいしいと言って食べてくれた。あれなら甘く煮た栗より食べやすいに違いない。どちらも少し時間がかかるから、作るのはまた今度にしよう。
そんなことを考えながらイチゴゼリーを作り、夜ご飯の後に王様と一緒に食べた。実は隠し味にこの国の出汁というものを少しだけ使ったんだけれど、甘い物が本当は得意でないらしい王様も喜んで食べてくれた。
ぼくはホクホク顔でお風呂に入った。それから歯磨きをして暖炉の前に座る。
(雪、もう降らなくなったなぁ)
窓の外を見ると星がよく見えた。ついこの前までは毎日雪が降っていたのに、いつの間にか降らなくなっていた。「年が明けると雪は格段に減る」と教えてくれたのは王様で、本当にそうなった。
(こんなに寒い年越しは初めてだった)
寒いだけじゃない。昼間は暖炉の前から離れられないくらい寒いのに、夜はとても熱い。
(だって、夜になると王様が体、撫で回すからさ)
そしてぼくをギュッと抱きしめて眠る。年越しのときもそうだった。おかげで大雪の日もホカホカで眠ることができた。
(しかも、もう二本入ったとか言うし)
王様の指は太い。その指が二本も入るようになったらしい。
(ぼくのお尻って、実はすごいんじゃないかな)
そんなことを考えながら頬をポリポリと掻く。ぼくは王様のお妃様になった。平民でいうところの夫婦だ。つまり、そういうことをする仲ということでもある。王様は子ども生んでほしいようだから間違いなくその先もするはず。
本当に男のぼくが子どもを生めるのかはわからない。いまでもほんのちょっと疑っている。でも、子どものことは関係なく王様とそういうことをしたい気持ちはぼくにもあった。
(ぼくも男だからね)
問題はぼくの体が小さすぎることだ。それに王様も獣人の中では体が大きい。体の大きさがあまりにも違うせいで、王様のアレは簡単にはぼくの中に入らない。
(聞いたときは絶対無理だと思ってたけど、指が二本も入ったなら大丈夫な気がしてきた)
きっと三本目もすぐに入るに違いない。三本入れば王様のアレだって……。そこまで考えて顔が熱くなった。「ぼくって実はエッチだったんだ」なんて思いながら手でパタパタ扇いでいると王様がやって来た。お風呂上がりの王様も相変わらずかっこいい。
「そろそろ寝よう」
「はい」
寝室に行く前に風呂場に向かった。寝る前にトイレを済ませるためだけれど、その後残り湯で下半身をもう一度綺麗にする。王様にお尻を触られるようになってから、寝る前にこうして洗うようになった。そうしないと落ち着かないからだ。でも、洗っているとまるで触られるのを期待しているような気がして恥ずかしくなる。
(やっぱりぼくってエッチなのかもしれない)
そう思うと王様の顔を見るのが恥ずかしい。俯いたまま寝室に入り、王様を見ないようにしながらベッドに寝転がる。ぼくが恥ずかしがるのはいつものことだからか、王様は気にすることなくぼくの服と下着を優しく剥ぎ取った。
「随分と柔らかくなったな」
ぼくをうつ伏せにした王様は、ヌルヌルしたものをつけてからお尻に指を入れた。そうして何か探すように指を動かす。
「それに……ここもよくわかるようになった」
「ひっ」
王様の指がお尻の中の何かをグッと押した。そこを押されるとお腹がビリビリして変な声が出てしまう。しかも押されるだけでアレがピンと勃つようにもなってしまった。
「お、さま、そこ、だめ、っ」
枕に顔を押しつけながら必死に声を出す。
「我慢しなくていい。気持ちがいいなら素直に感じていろ」
「そ、じゃなく、てっ。そこ、されると、ひぃっ!」
ビリビリするところをトントンと叩かれて腰から力が抜けた。それなのに引きつるくらい両足には力が入って、お腹の奥のビリビリもどんどんひどくなっていく。
「ここで感じられるのはいいことだ」
「んぅっ」
「中で感じられれば繋がったときも快感を得やすい」
「ぁうっ」
「そうすれば、それだけ気持ちよくしてもやれる」
「んんん……っ!」
お腹がゾワゾワした。触っていないのにアレがビリビリして出そうになる。それなのにあと一歩が足りなくて出すに出せない。
(出したい、出したい、出したい!)
気がつけばそんなことばかり考えていた。お腹が熱くてたまらない。気持ちがいいけれどその先にいけなくて苦しい。ぼくは半泣きになりながら「出したい」と訴えた。
「このまま出せばいい」
「むりっ。さわって、前、さわってっ」
「おまえならここだけで出せる」
“ここ”と言いながらビリビリするところをトントンと叩かれた。これ以上は耐えられないと、ぼくは何回も頭を振った。腰をヘコヘコ動かしてシーツにアレを擦りつけたけれど刺激が足りなくて出せない。それでも出したくて「さわってよぅ!」と声を上げた。
叫んだ瞬間、お尻の中がゾクゾクゾクッと震えた。ものすごい痺れを感じてパッと目が開く。背中までゾクゾクして目の前がチカチカした。
腰がブルッと震えた。まるでトイレに行ったときみたいな感覚がする。アレから何かが出ているのはわかるのに、何が出ているかわからない。それでも気持ちがよくて体がブルブル震えた。
「出せたな」
「……っ」
「あとはもう一本指が入れば十分だろう」
「ぁぅ……っ」
王様の声に耳が痺れる。首がゾワゾワして、またアレから何かがピュウッと出てしまった。そこでぼくの限界が来てしまった。気持ちがよくて、それなのにヘトヘトで、ぼくはそのまま気を失うように眠った。
次の日も王様はぼくのお尻の中を触った。ビリビリするところを何度もトントンと叩く。それだけで腰から力が抜けてしまった。うつ伏せになったぼくは「ハフッ、ハフッ」と牧羊犬みたいな息を吐きながら必死に枕を抱きしめた。
「そろそろよさそうだな」
王様の声が聞こえたあと、お尻の孔がググーッと広がるのがわかった。
(こ、壊れる……!)
そう思ったのは一瞬だった。お尻の孔がこれでもかと拡がっているはずなのに痛くない。苦しかったけれど我慢できる。ぼくは王様の手に支えられながらお尻をグッと上げた。
(これ、たぶん三本目、入れようとしてる)
指が三本入れば準備完了だ。王様もそう言っていた。三本目まで入れば、ぼくはいよいよ王様とそういうことができるようになる。
ヌグッ、グッ、ググッ。
三本の指がゆっくりと奥に入ってくる。いつもトントンされるところを過ぎて、もっと奥に入ってきた。腰が抜けていたはずなのに足やお尻にグーッと力が入る。
「そう力むな」
「ハフッ、フッ、んっ、ふぅっ、はふっ」
「そうだ、そのまま力を抜いていろ」
「ふぅっ、ふっ、んぅ、フッ、ハフッ、ふっ」
王様の指がぼくの中で動いている。ぼくの中を王様が触っている。今度はここに王様のアレが入ってくるんだ。そう思った途端にお腹の中がブルブル震えた。王様の指が動くたびにお腹が熱くなってキュンキュンする。
「あっ、あ、アッ、あぁっ、アァッ」
何かが体の奥からせり上がってくる。腰がカクカク動いて止まらなくなった。痛いくらい膨らんだアレの先がシーツやぼくのお腹にペチペチと当たっている。王様の指が動くたびに体の内側がゾワゾワした。
「やだっ、なにか、でるっ。でる、からっ。だめ、もぅっ、でちゃ、う……っ!」
ペチペチ動いていたアレから勢いよく何かが噴き出した。つられてお尻にぎゅううっと力が入る。グリグリ動いていた王様の指が少しだけ止まり、そのまま奥のほうをググッと押した。
「んんん~~……っ!」
ゾクゾクした何かが頭のてっぺんまで走り抜けた。瞼をギュッと閉じているのに目の前がチカチカ光っている。あまりの衝撃に、ぼくは感じたものが快感だとわからなかった。全身を鋭いものに貫かれたぼくは、訳がわからないまま意識を失った。
思わずそう言ってしまってから、「あれ? 暇だったっけ?」と少し考えた。
ぼくが部屋でできることは前と同じだ。しかも今度は王様にはっきりと「部屋から出ないでほしい」と言われてしまった。だから部屋の外には出られない。部屋の中でできることはパンやお菓子を作ることくらいで、あとは王様が持って来てくれた本を読んだりして過ごしている。
(うん、やっぱり暇だ)
それが悪いとは思わない。すごく贅沢をさせてもらっている。ただ、お妃様になったら何か変わるんじゃないかと勝手に思っていた。
(それにこのままでいいのかなぁって、やっぱり気になるし)
王様のお妃様なら、もっとこう、ピシッとしないといけない気がする。それなのにぼくは一日のほとんどを暖炉の前で王様のマントを被りながら過ごしている。王様もアルギュロスさんも、そんなぼくに駄目だとは言わない。だから、ますますだらしない過ごし方をしてしまう。
(……いや、これじゃ駄目だ)
「せめて学がないのをどうにかしよう」と思ったぼくは、暖炉の前で本を読むことにした。本は王様が持って来てくれた子ども用のものだ。大人用の本より一ページの文字が少ないから早く読める。早くたくさん読めると頭がよくなった気がしてもっと読みたくなる。
(それに怖いことも変なことも書いてないし)
それが一番よかった。
(そうだ、今日はイチゴのゼリーを作るんだった)
でもぼくがよく知っているゼリーとは少し違う。獣人の国でよく食べる寒天というものを使ったゼリーだ。完成したゼリーは夜ご飯の後に王様と一緒に食べる。それから王様に味の感想を聞く。
(よく考えたらあんまり暇でもないかな)
前の部屋で作るのをやめてしまった芋と栗のお菓子もまた作り始めた。獣人の国には“きんとん”というお菓子がある。芋を蒸かしたあと練って甘くしたものに栗を混ぜたお菓子だ。それを見たぼくは、何度か食べたことがあるスイートポテトを思い出した。それに屋台でよく売られていた焼き栗も頭に浮かんだ。
(あれを一緒にしたらおいしいんじゃないかな)
ということで、いまは芋に混ぜるバターの量を調整しているところだ。味見をして生クリームを追加したりもしている。でもあまり甘くしすぎると王様の口には合わないかもしれない。お菓子をあまり食べないという王様でも食べやすいように気をつけながら調整している。
(あとは栗もこんがり焼いて、こっちには塩を少し振りかけるんだ)
焼き栗はアルギュロスさんたちもおいしいと言って食べてくれた。あれなら甘く煮た栗より食べやすいに違いない。どちらも少し時間がかかるから、作るのはまた今度にしよう。
そんなことを考えながらイチゴゼリーを作り、夜ご飯の後に王様と一緒に食べた。実は隠し味にこの国の出汁というものを少しだけ使ったんだけれど、甘い物が本当は得意でないらしい王様も喜んで食べてくれた。
ぼくはホクホク顔でお風呂に入った。それから歯磨きをして暖炉の前に座る。
(雪、もう降らなくなったなぁ)
窓の外を見ると星がよく見えた。ついこの前までは毎日雪が降っていたのに、いつの間にか降らなくなっていた。「年が明けると雪は格段に減る」と教えてくれたのは王様で、本当にそうなった。
(こんなに寒い年越しは初めてだった)
寒いだけじゃない。昼間は暖炉の前から離れられないくらい寒いのに、夜はとても熱い。
(だって、夜になると王様が体、撫で回すからさ)
そしてぼくをギュッと抱きしめて眠る。年越しのときもそうだった。おかげで大雪の日もホカホカで眠ることができた。
(しかも、もう二本入ったとか言うし)
王様の指は太い。その指が二本も入るようになったらしい。
(ぼくのお尻って、実はすごいんじゃないかな)
そんなことを考えながら頬をポリポリと掻く。ぼくは王様のお妃様になった。平民でいうところの夫婦だ。つまり、そういうことをする仲ということでもある。王様は子ども生んでほしいようだから間違いなくその先もするはず。
本当に男のぼくが子どもを生めるのかはわからない。いまでもほんのちょっと疑っている。でも、子どものことは関係なく王様とそういうことをしたい気持ちはぼくにもあった。
(ぼくも男だからね)
問題はぼくの体が小さすぎることだ。それに王様も獣人の中では体が大きい。体の大きさがあまりにも違うせいで、王様のアレは簡単にはぼくの中に入らない。
(聞いたときは絶対無理だと思ってたけど、指が二本も入ったなら大丈夫な気がしてきた)
きっと三本目もすぐに入るに違いない。三本入れば王様のアレだって……。そこまで考えて顔が熱くなった。「ぼくって実はエッチだったんだ」なんて思いながら手でパタパタ扇いでいると王様がやって来た。お風呂上がりの王様も相変わらずかっこいい。
「そろそろ寝よう」
「はい」
寝室に行く前に風呂場に向かった。寝る前にトイレを済ませるためだけれど、その後残り湯で下半身をもう一度綺麗にする。王様にお尻を触られるようになってから、寝る前にこうして洗うようになった。そうしないと落ち着かないからだ。でも、洗っているとまるで触られるのを期待しているような気がして恥ずかしくなる。
(やっぱりぼくってエッチなのかもしれない)
そう思うと王様の顔を見るのが恥ずかしい。俯いたまま寝室に入り、王様を見ないようにしながらベッドに寝転がる。ぼくが恥ずかしがるのはいつものことだからか、王様は気にすることなくぼくの服と下着を優しく剥ぎ取った。
「随分と柔らかくなったな」
ぼくをうつ伏せにした王様は、ヌルヌルしたものをつけてからお尻に指を入れた。そうして何か探すように指を動かす。
「それに……ここもよくわかるようになった」
「ひっ」
王様の指がお尻の中の何かをグッと押した。そこを押されるとお腹がビリビリして変な声が出てしまう。しかも押されるだけでアレがピンと勃つようにもなってしまった。
「お、さま、そこ、だめ、っ」
枕に顔を押しつけながら必死に声を出す。
「我慢しなくていい。気持ちがいいなら素直に感じていろ」
「そ、じゃなく、てっ。そこ、されると、ひぃっ!」
ビリビリするところをトントンと叩かれて腰から力が抜けた。それなのに引きつるくらい両足には力が入って、お腹の奥のビリビリもどんどんひどくなっていく。
「ここで感じられるのはいいことだ」
「んぅっ」
「中で感じられれば繋がったときも快感を得やすい」
「ぁうっ」
「そうすれば、それだけ気持ちよくしてもやれる」
「んんん……っ!」
お腹がゾワゾワした。触っていないのにアレがビリビリして出そうになる。それなのにあと一歩が足りなくて出すに出せない。
(出したい、出したい、出したい!)
気がつけばそんなことばかり考えていた。お腹が熱くてたまらない。気持ちがいいけれどその先にいけなくて苦しい。ぼくは半泣きになりながら「出したい」と訴えた。
「このまま出せばいい」
「むりっ。さわって、前、さわってっ」
「おまえならここだけで出せる」
“ここ”と言いながらビリビリするところをトントンと叩かれた。これ以上は耐えられないと、ぼくは何回も頭を振った。腰をヘコヘコ動かしてシーツにアレを擦りつけたけれど刺激が足りなくて出せない。それでも出したくて「さわってよぅ!」と声を上げた。
叫んだ瞬間、お尻の中がゾクゾクゾクッと震えた。ものすごい痺れを感じてパッと目が開く。背中までゾクゾクして目の前がチカチカした。
腰がブルッと震えた。まるでトイレに行ったときみたいな感覚がする。アレから何かが出ているのはわかるのに、何が出ているかわからない。それでも気持ちがよくて体がブルブル震えた。
「出せたな」
「……っ」
「あとはもう一本指が入れば十分だろう」
「ぁぅ……っ」
王様の声に耳が痺れる。首がゾワゾワして、またアレから何かがピュウッと出てしまった。そこでぼくの限界が来てしまった。気持ちがよくて、それなのにヘトヘトで、ぼくはそのまま気を失うように眠った。
次の日も王様はぼくのお尻の中を触った。ビリビリするところを何度もトントンと叩く。それだけで腰から力が抜けてしまった。うつ伏せになったぼくは「ハフッ、ハフッ」と牧羊犬みたいな息を吐きながら必死に枕を抱きしめた。
「そろそろよさそうだな」
王様の声が聞こえたあと、お尻の孔がググーッと広がるのがわかった。
(こ、壊れる……!)
そう思ったのは一瞬だった。お尻の孔がこれでもかと拡がっているはずなのに痛くない。苦しかったけれど我慢できる。ぼくは王様の手に支えられながらお尻をグッと上げた。
(これ、たぶん三本目、入れようとしてる)
指が三本入れば準備完了だ。王様もそう言っていた。三本目まで入れば、ぼくはいよいよ王様とそういうことができるようになる。
ヌグッ、グッ、ググッ。
三本の指がゆっくりと奥に入ってくる。いつもトントンされるところを過ぎて、もっと奥に入ってきた。腰が抜けていたはずなのに足やお尻にグーッと力が入る。
「そう力むな」
「ハフッ、フッ、んっ、ふぅっ、はふっ」
「そうだ、そのまま力を抜いていろ」
「ふぅっ、ふっ、んぅ、フッ、ハフッ、ふっ」
王様の指がぼくの中で動いている。ぼくの中を王様が触っている。今度はここに王様のアレが入ってくるんだ。そう思った途端にお腹の中がブルブル震えた。王様の指が動くたびにお腹が熱くなってキュンキュンする。
「あっ、あ、アッ、あぁっ、アァッ」
何かが体の奥からせり上がってくる。腰がカクカク動いて止まらなくなった。痛いくらい膨らんだアレの先がシーツやぼくのお腹にペチペチと当たっている。王様の指が動くたびに体の内側がゾワゾワした。
「やだっ、なにか、でるっ。でる、からっ。だめ、もぅっ、でちゃ、う……っ!」
ペチペチ動いていたアレから勢いよく何かが噴き出した。つられてお尻にぎゅううっと力が入る。グリグリ動いていた王様の指が少しだけ止まり、そのまま奥のほうをググッと押した。
「んんん~~……っ!」
ゾクゾクした何かが頭のてっぺんまで走り抜けた。瞼をギュッと閉じているのに目の前がチカチカ光っている。あまりの衝撃に、ぼくは感じたものが快感だとわからなかった。全身を鋭いものに貫かれたぼくは、訳がわからないまま意識を失った。
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