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姉の許嫁だった人4
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「…………え?」
修一朗さんの言葉が理解できなかった。僕以外を……とは、どういうことだろうか。
「もしかして、お父上から何も聞いていないのかな」
「何を、でしょうか」
そう答えると、修一朗さんが「はぁ」とため息をついた。その様子に、もしかして重要な約束事があったのではと思った。そのことを父に聞いていない僕は、何かよくないことをしてしまったに違いない。
こんなことなら家を出る朝きちんと父に挨拶をすべきだった。姉の死や修一朗さんのこと、βである自分のことで思い悩み、父の顔を見ることができずそのまま出てきてしまった。
父からもとくに呼ばれることはなかったから、ただ珠守家に行けばいいのだと思い込んでいた。しかし、そうじゃなかったということだ。
「前々から、お父上のきみに対する態度はいかがなものかと思っていたんだ。まさか何も伝えないまま寄越すとは思わなかったけどね」
やっぱり何か大事なことがあったに違いない。膝に載せていた両手を重ねてぎゅっと握りしめる。そうして何を言われても受け止めようと覚悟し、目を閉じた。
「千香彦くん、きみは僕の許嫁としてここにいる。僕としてはすぐにでも結婚したいところなんだけど、兄が“余裕のない男は嫌われるぞ”なんて脅すものだから二の足を踏んでしまっていた。それが千香彦くんを不安がらせていたなんて、まったく気づかなかった。これでは伴侶失格だな」
(……修一朗さんは、何を話しているんだろうか)
ゆっくりと目を開けた僕は、ぼんやりしたまま修一朗さんを見た。そこにはいつもどおりの優しい笑みを浮かべた修一朗さんの顔があった。
「……あの、いま、何て」
「千香彦くんは僕の大切な許嫁だ。もちろん僕の許嫁はきみだけだし、ほかに迎えるつもりも予定もない」
「で……も、僕はただのβで、αの許嫁、なんて、」
βである前に僕は男だから、同じ男に迎え入れられることはない。それなのにαの修一朗さんの許嫁なんてあり得ないことだ。
「信じられないって顔だね」
「だって……僕はβです。それに男です。修一朗さんの許嫁には、なれません」
「そんなことはない。現に僕は千香彦くんと結婚したいと思っている。ずっとそばにいてほしいし、末永く一緒にいたいと願っている」
修一朗さんの大きな手が、握り締めたままの僕の両手に触れた。まるで包み込むように重なる手の温もりに困惑する。
「僕はね、もう何年も前から千香彦くんのことをただの許嫁の可愛い弟だと思えなくなっていたんだ。このことは明香莉ちゃんにも話していた。というより、話す前に明香莉ちゃんのほうが気づいたんだけどね」
「え……?」
「きみを前にするとすっかりただの男になる僕を見て、何度明香莉ちゃんに笑われたことだろう。『修一朗さんのおもしろい姿が見られるから、訪ねてくれるのが待ち遠しいわ』なんて意地悪なことも言われたよ」
そんな……。それでは、姉が嬉しそうな顔で待っていたのは修一朗さんを好いていたからじゃなかったのだろうか。
(そんなはずはない)
いくら思い出しても、僕には好いた相手を待っているような姉の顔しか思い浮かばなかった。それが違っていたなんて信じられるはずがない。
「出会った頃は、屈託のない眩しい笑顔を向けてくれる千香彦くんを可愛い弟のように思っていたんだ。そのうち段々と笑わなくなっていくのが心配になった。気がつけば能面のような笑みしか浮かべなくなった姿が痛々しくて……どうしても放っておけなかった」
修一朗さんの言葉に驚いた。僕はそんな顔で笑っていたんだろうか。そんなことを指摘されたことは一度もない。学校でも家でもそつなく笑えていたはずで、姉にだって何か言われたことはなかった。
「千香彦くん、僕はきみに恋をしているんだ」
両手を包んでいた大きな右手が、今度は僕の頬に触れた。その温もりもいま聞いた言葉も信じられず、ただ修一朗さんを見ることしかできない。
「……でも、僕はβで、男です」
「もちろん検査結果は知っている。それでも僕は諦めきれなかった。たまたま恋をした相手がβという結果になっただけで、僕はそんなことくらいで諦めるような男じゃない」
「そんなことくらいって、大変なことじゃないですか。それにαはΩの香りに惹かれるんだって、そのくらい僕も知っています。でも、僕にはΩの香りはありません。それなのに僕なんかを……」
修一朗さんのような優秀なαが、ただのβでしかない僕を選ぶはずがない。このことは、αやΩといった第二次性の研究が進んだいまの世の中なら誰もが知っている常識だ。
それに、僕にはαの香りがわからない。Ωを誘うと言われているαの香りがわからないβの僕が、αの隣にいていいはずがなかった。
「僕には香りがありません。修一朗さんの、αの香りもわかりません」
「香りは互いを知る方法の一つでしかない。すべてが香りで決まるわけじゃない」
「でも……でも、僕には修……αを惹きつける香りがありません。何も持っていない僕をそばに置きたいだなんて、αである修一朗さんがそんなことを思うはずがありません」
そうだ、惹きつける香りすら持っていない僕がαを、修一朗さんを惹きつけられるはずがない。そのうち飽きて捨てられるに決まっている。そんなことになるくらいなら、最初から修一朗さんのそばにいないほうがいいし何も期待しないほうがいい。
「千香彦くん、お願いだから泣かないで」
修一朗さんの親指が目尻を撫でるだけで胸がひどく痛んだ。想っていた相手に想われているとわかっても胸は苦しくなる一方で、自然と涙があふれてしまう。修一朗さんの言葉を信じたいと思っても、ただのβでしかない僕にはどうしても信じることができなかった。
αとΩのことがわからないβの僕でも、αとβの関係性ははっきり理解している。何がどう転んでも、αとβの男が結ばれるなんてことはあり得ないのだ。
「ある意味、お父上が何も言わずに送り出してくれてよかったのかもしれないね。話を聞いていたら屋敷にすら来てもらえなかったかもしれない」
修一朗さんの指が何度も目尻を撫でた。僕を落ち着かせようと、もう片方の手で肩を優しく撫でてもくれている。それでも僕の涙は止まらず、αとβに未来はないのだと悲しくてたまらなかった。
「まいったな」
修一朗さんの言葉にドキッとした。拒んでいるのは僕のほうなのに、嫌われたんじゃないかと思うとますます胸が痛くなる。
こんな矛盾した気持ちを抱くなんて、僕はなんて浅ましいんだろう。ただのβの僕がαの修一朗さんに嫌われたくないなんて厚かましいにも程がある。それなのに受け入れることはもっとできなくて、どうしていいのかわからなかった。
そんな僕の頬を、修一朗さんの手がひと撫でした。
「よし、こうしよう。今夜、夕食を食べ終えたら僕の部屋に来てほしい。そこで今後のことを話し合おう」
僕に話し合うことは何もない。βの僕が修一朗さんのそばに居続けるのは間違っている。そう思っているのに、しぶとく心に居座る修一朗さんへの未練が僕を頷かせてしまっていた。
修一朗さんの言葉が理解できなかった。僕以外を……とは、どういうことだろうか。
「もしかして、お父上から何も聞いていないのかな」
「何を、でしょうか」
そう答えると、修一朗さんが「はぁ」とため息をついた。その様子に、もしかして重要な約束事があったのではと思った。そのことを父に聞いていない僕は、何かよくないことをしてしまったに違いない。
こんなことなら家を出る朝きちんと父に挨拶をすべきだった。姉の死や修一朗さんのこと、βである自分のことで思い悩み、父の顔を見ることができずそのまま出てきてしまった。
父からもとくに呼ばれることはなかったから、ただ珠守家に行けばいいのだと思い込んでいた。しかし、そうじゃなかったということだ。
「前々から、お父上のきみに対する態度はいかがなものかと思っていたんだ。まさか何も伝えないまま寄越すとは思わなかったけどね」
やっぱり何か大事なことがあったに違いない。膝に載せていた両手を重ねてぎゅっと握りしめる。そうして何を言われても受け止めようと覚悟し、目を閉じた。
「千香彦くん、きみは僕の許嫁としてここにいる。僕としてはすぐにでも結婚したいところなんだけど、兄が“余裕のない男は嫌われるぞ”なんて脅すものだから二の足を踏んでしまっていた。それが千香彦くんを不安がらせていたなんて、まったく気づかなかった。これでは伴侶失格だな」
(……修一朗さんは、何を話しているんだろうか)
ゆっくりと目を開けた僕は、ぼんやりしたまま修一朗さんを見た。そこにはいつもどおりの優しい笑みを浮かべた修一朗さんの顔があった。
「……あの、いま、何て」
「千香彦くんは僕の大切な許嫁だ。もちろん僕の許嫁はきみだけだし、ほかに迎えるつもりも予定もない」
「で……も、僕はただのβで、αの許嫁、なんて、」
βである前に僕は男だから、同じ男に迎え入れられることはない。それなのにαの修一朗さんの許嫁なんてあり得ないことだ。
「信じられないって顔だね」
「だって……僕はβです。それに男です。修一朗さんの許嫁には、なれません」
「そんなことはない。現に僕は千香彦くんと結婚したいと思っている。ずっとそばにいてほしいし、末永く一緒にいたいと願っている」
修一朗さんの大きな手が、握り締めたままの僕の両手に触れた。まるで包み込むように重なる手の温もりに困惑する。
「僕はね、もう何年も前から千香彦くんのことをただの許嫁の可愛い弟だと思えなくなっていたんだ。このことは明香莉ちゃんにも話していた。というより、話す前に明香莉ちゃんのほうが気づいたんだけどね」
「え……?」
「きみを前にするとすっかりただの男になる僕を見て、何度明香莉ちゃんに笑われたことだろう。『修一朗さんのおもしろい姿が見られるから、訪ねてくれるのが待ち遠しいわ』なんて意地悪なことも言われたよ」
そんな……。それでは、姉が嬉しそうな顔で待っていたのは修一朗さんを好いていたからじゃなかったのだろうか。
(そんなはずはない)
いくら思い出しても、僕には好いた相手を待っているような姉の顔しか思い浮かばなかった。それが違っていたなんて信じられるはずがない。
「出会った頃は、屈託のない眩しい笑顔を向けてくれる千香彦くんを可愛い弟のように思っていたんだ。そのうち段々と笑わなくなっていくのが心配になった。気がつけば能面のような笑みしか浮かべなくなった姿が痛々しくて……どうしても放っておけなかった」
修一朗さんの言葉に驚いた。僕はそんな顔で笑っていたんだろうか。そんなことを指摘されたことは一度もない。学校でも家でもそつなく笑えていたはずで、姉にだって何か言われたことはなかった。
「千香彦くん、僕はきみに恋をしているんだ」
両手を包んでいた大きな右手が、今度は僕の頬に触れた。その温もりもいま聞いた言葉も信じられず、ただ修一朗さんを見ることしかできない。
「……でも、僕はβで、男です」
「もちろん検査結果は知っている。それでも僕は諦めきれなかった。たまたま恋をした相手がβという結果になっただけで、僕はそんなことくらいで諦めるような男じゃない」
「そんなことくらいって、大変なことじゃないですか。それにαはΩの香りに惹かれるんだって、そのくらい僕も知っています。でも、僕にはΩの香りはありません。それなのに僕なんかを……」
修一朗さんのような優秀なαが、ただのβでしかない僕を選ぶはずがない。このことは、αやΩといった第二次性の研究が進んだいまの世の中なら誰もが知っている常識だ。
それに、僕にはαの香りがわからない。Ωを誘うと言われているαの香りがわからないβの僕が、αの隣にいていいはずがなかった。
「僕には香りがありません。修一朗さんの、αの香りもわかりません」
「香りは互いを知る方法の一つでしかない。すべてが香りで決まるわけじゃない」
「でも……でも、僕には修……αを惹きつける香りがありません。何も持っていない僕をそばに置きたいだなんて、αである修一朗さんがそんなことを思うはずがありません」
そうだ、惹きつける香りすら持っていない僕がαを、修一朗さんを惹きつけられるはずがない。そのうち飽きて捨てられるに決まっている。そんなことになるくらいなら、最初から修一朗さんのそばにいないほうがいいし何も期待しないほうがいい。
「千香彦くん、お願いだから泣かないで」
修一朗さんの親指が目尻を撫でるだけで胸がひどく痛んだ。想っていた相手に想われているとわかっても胸は苦しくなる一方で、自然と涙があふれてしまう。修一朗さんの言葉を信じたいと思っても、ただのβでしかない僕にはどうしても信じることができなかった。
αとΩのことがわからないβの僕でも、αとβの関係性ははっきり理解している。何がどう転んでも、αとβの男が結ばれるなんてことはあり得ないのだ。
「ある意味、お父上が何も言わずに送り出してくれてよかったのかもしれないね。話を聞いていたら屋敷にすら来てもらえなかったかもしれない」
修一朗さんの指が何度も目尻を撫でた。僕を落ち着かせようと、もう片方の手で肩を優しく撫でてもくれている。それでも僕の涙は止まらず、αとβに未来はないのだと悲しくてたまらなかった。
「まいったな」
修一朗さんの言葉にドキッとした。拒んでいるのは僕のほうなのに、嫌われたんじゃないかと思うとますます胸が痛くなる。
こんな矛盾した気持ちを抱くなんて、僕はなんて浅ましいんだろう。ただのβの僕がαの修一朗さんに嫌われたくないなんて厚かましいにも程がある。それなのに受け入れることはもっとできなくて、どうしていいのかわからなかった。
そんな僕の頬を、修一朗さんの手がひと撫でした。
「よし、こうしよう。今夜、夕食を食べ終えたら僕の部屋に来てほしい。そこで今後のことを話し合おう」
僕に話し合うことは何もない。βの僕が修一朗さんのそばに居続けるのは間違っている。そう思っているのに、しぶとく心に居座る修一朗さんへの未練が僕を頷かせてしまっていた。
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