孤独なΩはαの牙で目覚める

朏猫(ミカヅキネコ)

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 イケブクロで山手線に乗った拓巳は、誰かに見られているような視線を感じてそっと周囲を窺った。タカダノババを過ぎてからは不快な匂いまで漂っているような気がして、段々と目眩のようなものまでしてくる。
 ようやくシンジュクに到着し、人の流れに押されるようにホームに降りた。多少ふらつきながら中央改札口を出て、なんとか都庁のほうへと足を向ける。夕方になり多くの人たちが駅へと向かうなか、拓巳は人の波に逆らうように地下道を歩いていた。

(あのホテルなら、もう少しで着く……)

 拓巳は初めて優一に会ったホテルへと向かっていた。本当はシナガワで優一と待ち合わせをしているのだが、そこまでたどり着けそうにない。とにかくホテルへ行き、そこから優一に連絡しようと地下道を抜けたところでグラリと頭が揺れた。

(……なんだよ、これ……)

 激しい目眩に加えて手足が小刻みに震えている。まるで熱が出たときのように肌がピリピリし歩くこともままならなくなってきた。

(ホテル……道の反対側だけど……)

 地下道を抜け、地下鉄のホームに向かう階段を使ってホテル側に渡ろうと考えていた。ところがあまりの状態に階段を下りることすらできない。何か別の方法をと視線を上げたところで歩道橋が目に入った。しかし階段を上ることも難しい。

(そういえば、この辺りに中庭っぽい場所があったような……)

 いま立っている歩道側のビルとビルの間に中庭のようなスペースがあることを思い出した。以前、時間を潰すために何度かテラス風のそこを利用したことがある。大きなオフィスビルが建ち並び、周囲に飲食店やコンビニがあるからか適度に人がいて治安もいい。
 拓巳はふらつく足で歩道から中庭っぽいその場所に下り、階段のすぐそばにあるレンガ風のへりに腰を下ろした。後ろには人工池があり、そういえば夏は噴水が出ていたなと思い出す。ひとまずホッとした拓巳だったが、嫌な匂いが鼻に入ってきて顔をしかめた。

「さっきからなんだよ、この匂い……」

 そう口にしたところで背後に人の気配を感じパッと振り返る。

「あんたは……」
「やっぱりタクミくんだ。イケブクロで見かけてついて来たんだけど、やっと俺の匂いに反応してくれたね」

 人工池を挟んだ向かい側に見覚えのある男が立っていた。自分の名前を知っているということは客だった男だろう。ニコッと笑った男は二十代くらいで、優一ほどではないものの背もそこそこ高い。

(いつの客だ……?)

 拓巳の客はクズばっかりで、こんなふうに優しそうに笑う男はほとんどいなかった。そもそも会うのは夜だから顔なんて見えるわけもなく、ホテルに入ってもしっかり見ることがない。それでも見覚えがあるということは、夜ではなく昼間に会ったということだ。

「……あ」
「もしかして俺のこと忘れてた?」

 そう言いながら近づいて来る男に体がブルッと震えた。以前より髪が長くなり、色も黒から明るい茶色に変わっていたから気がつかなかった。

(こいつ、なんでここにいるんだよ)

 男と初めて会ったのはイケブクロだった。ちょうど先ほどまでいたチャイナストリートの奥にあるホテルで一度だけシたことがある。そのとき「俺、大体イケブクロにいるから」と言っていたような気がするが、今日もいたということだろうか。

(……そうだ、そのせいであのときも……)

 男と会った一カ月後、たまたまイケブクロにいたところで男と再会した。クズの中では珍しく優しい雰囲気だったことと夕飯を奢ってくれたことを思い出し、拓巳はすっかり油断していた。男に誘われるまま昼食を共にし、そこで一服盛られたのだ。
 目が覚めたら知らない部屋にいた。ラブホテルでないことはわかったが、部屋の雰囲気からシティホテルのような場所でもない。しかも窓らしい場所はすべて固く閉ざされていた。それを見た瞬間、背中を冷たいものが流れた。もしかしてクズ中のクズに捕まってしまったんじゃないだろうか。拓巳を監禁しようとした高校時代の先輩を思い出し青ざめる。
 どこからか水の音がしていた。シャワーを浴びているに違いないと思った拓巳は慌てて逃げ出した。細身でなかったらあんな小さい窓から抜け出すことはできなかっただろう。あらゆる窓や出入り口が施錠されていたということは、やはり男は監禁まがいのことをしようとしていたに違いない。
 その後、例のSNSに何度も書き込みをしてきた男と遭遇しないように注意した。イケブクロに行くときもSNSには書き込まないようにし、この半年ほどは男からのメッセージもが来なくなってホッとしていたところだ。

「あんなに愛し合ったのに忘れるなんて、タクミくんは薄情だなぁ」
「……ただの客と売りの関係だろ」
「違うよ。あのとき俺、何度も好きだって言ったじゃないか」

 そんな言葉はただのリップサービスだ。それに拓巳から好きだと言うことも絶対にない。そもそもただの客相手に拓巳が本気になることはなかった。

「あれからちょっと野暮用でトウキョウを離れていたんだけど、まさか戻ってきてすぐにタクミくんに会えるなんて思ってもみなかったよ。うれしいなぁ。……でも、勝手に逃げ出したことについては、ちゃんとお仕置きしないとな」

 ニコッと笑った男が目の前に立った。本当はすぐにでも逃げ出したいのになぜか体が動かない。それどころか目眩がひどくなり立ち上がることすらできなかった。そんな拓巳の状態を知ってか知らずか、男が再びニコッと笑う。

「こうして会えたのはうれしいけど……うん、やっぱり不愉快な匂いがする」
「……っ」

 男がグッと上半身を屈め、顔を近づけてきた。そのまま拓巳の頭の辺りをクンクンと嗅ぎ始める。

「俺が先に見つけたのに、まさかあっさり横取りされるとは思わなかったな。せっかく見つけた珍しい人間のΩだったのに」
「え……?」

 いま、オメガと言っただろうか。優一の話では、人はαやΩといった存在を知らないはずだ。それなのに男の口からは当然のようにΩという言葉が出てきた。

「いま、オメガって……」
「やっぱり目覚めたんだ。以前と雰囲気が変わってたからなんとなくそうじゃないかとは思ってたけど。……それにしては、匂いがあまりわからないな」

 今度は頬や耳のあたりを嗅がれた。何度も触れる男の息だけで鳥肌が立つ。

「俺たち狼の嗅覚でも判別できないってことは……それは、つがいができたってことだ」
「お、おかみ、」

 吸血鬼以外に狼や夢魔がいることは聞いた。それでも実感していたわけじゃなかった。ついさっきメイが夢魔だと聞かされたが、それだって心から納得しているわけじゃない。人とは違う不思議な力でも見せられれば別だろうが、どこかで「本当に?」と疑う気持ちが残っていた。それなのに目の前の男は自分は狼だと言う。
 しかも男は、以前から自分をΩだと気づいていたようなことまで言っている。まさか、そういう意味であのとき監禁まがいのことをしようとしたということだろうか。

(……冗談じゃない)

 拓巳は激しい目眩に襲われながらも憤っていた。この男はただの客で、過去の行いを思い出せば好意を抱く要素は微塵もない。それに自分にはもう優一という唯一のつがいがいる。つがいは絶対で、とくに運命は一人しかいないのだから男とどうこうなるはずがない。

「……おまえには、関係ないだろ」
「いいや、大アリだね。狼は獲物を横取りされるのが何より嫌いなんだ。俺はハーフウルフだからか、狼の本能もあべこべになってるっぽいんだけどさ。それでも獲物への執着は狼以上だと思っている」

 男が何か話しているが、頬に伸ばされた手が気持ち悪くて耳に入ってこなかった。「前よりスベスベになってる」と言いながら頬を撫でられ、ゾワッとした悪寒が背筋を這い上がる。

「匂いからして相手は吸血鬼っぽいけど、そんなことぐらいで俺は引き下がったりしないよ? ま、普通の狼なら尻尾を巻いて逃げるんだろうけど、俺はそんな腰抜けじゃない」
「や、めろ、」

 男の手が頬から顎に移り、首筋に触れた。感触も体温も気持ちが悪くて吐き気がする。

「それにつがい持ちのΩだとしても、より強いαなら上書きすることができる。そうやってαは優秀なΩを手に入れてきたんだ。まぁ、Ωのほうは少ししんどいかもしれないけど、そのうち最初のαのことなんて綺麗さっぱり忘れてしまうから大丈夫だよ」
「……っ!」

 シャツの襟元から侵入した男の指がつがいの印に触れる。その瞬間、拓巳の額に脂汗が滲んだ。胸のあたりがグッと重くなりムカムカとした吐き気が強くなる。慌てて唇を噛んだものの、胃液のようなものが喉の奥からせり上がってきて口の中が酸っぱくなった。顔が熱いような寒いようなおかしな感じになっているのは、嘔吐に加えて目眩や頭痛がひどくなっているからに違いない。
 拓巳は男の手から逃れようと必死に体を動かした。ところが実際は頭をわずかに動かすことしかできない。目眩と嘔吐、それに不快感や恐怖といった様々な感覚が入り混じり体がブルブルと震え出す。かすかだった嫌な匂いも強くなり、ますます拓巳を追い詰めた。

「は、なせ」
「へぇ。まだそんなことが言えるなんて、さすが吸血鬼が目をつけたΩだけのことはある。普通、αに威嚇されたら声すら出せなくなるっていうのに」
「やめ……」
「もう諦めたら? きみはΩでαには勝てない。このまま俺が新しいつがいになって飼ってあげるって言うんだから、少しは可愛げを見せたほうがいいんじゃないかな」

 首筋に触れていた指に顎をつかまれた。乱暴な仕草で上向きにされた拓巳の顔に、ニコッと笑った男の顔が近づいてくる。

「ひ……っ」

 強い恐怖と不快感に、思わず悲鳴を漏らし目を閉じた。近づく男の気配に目の前が真っ赤になり、閉じた瞼の裏の血管まで見える。鼓動が激しくなり、こめかみまでドクドクとし始める。こんなにひどい状態になったのは初めてで体がさらに大きく震えた。

「いまの匂いがわからないのは残念だけど、すぐに俺好みのタクミくんにしてあげるからね」

 うっとりとした男の声に、ますます不快感が増した。ただただ気持ちが悪くて恐ろしくてたまらない。負の感覚が強すぎるからか、閉じた拓巳の目尻からポロポロと涙がこぼれ落ちた。

「……へぇ。突っ込んだときも涙一つ見せなかったのに、ちゃんと泣くんだ。タクミくんの涙、ものすごくそそるね」

 目尻付近に生ぬるい何かが触れたのがわかった。そうして生ぬるいそれがゆっくりと頬に移動し、そのまま唇のほうへ動こうとしているのを感じる。

(いや、だ……っ)

 そう思っているのに体のどこも動いてくれない。絶望感に拓巳の目から新たな涙がこぼれ落ちたとき、不意に甘い香りが漂ってきた。

「……!」

 息を呑むような気配がしたのと同時に男の気配が遠のいた。代わりに毎日嗅いでいる甘く濃厚な香りに全身が包まれる。

「わたしのΩに触れるとは、恐れを知らない狼だ」
「…………ゆういち、さん」

 目を開けると、傍らに優一の姿があった。ピシッとしたスーツ姿に緩く撫でつけた黒髪は朝と同じで、涼やかな雰囲気までもが朝とまったく変わらない。しかしその表情は見たことがないほど硬く、碧色にも灰色にも見える目は少し離れたところにいる男をジッと見据えていた。

「……おまえがタクミくんのつがいか」

 やや掠れた声に、拓巳の視線が優一から男へと移る。視界に入った男の口からは、なぜか血のような赤いものが垂れていた。男はペッと血の混じった唾液を吐き出すと、睨みつけるように優一を見た。

「たしかに吸血鬼は最上位種かもしれないけど、俺はそんなこと気にしない。それにタクミくんを見つけたのは俺が先だ。横取りされたままなんて冗談じゃない」

 男が口元を歪めながらそんなことを口にした。不敵な表情の男に、優一がフッと笑みを浮かべる。

「イケブクロに変わった狼がいると聞いてはいたが、なるほど変わったハーフウルフだ。わたしたちに喧嘩を売る狼は、まずいないんだがね」
「そんなこと関係ない。そもそも狼たちの考えは古臭いんだ。一族がなんだ、血統がなんだとうるさくてかなわない。いったい何百年前の話をしてるんだって思ったよ」
「それで群れから離れているのか」
「群れなんてどうでもいい。勝手にあてがわれたつがいにも興味はない。これ以上うるさく言われるのも面倒だから、種を仕込みに帰りはしたけどね」

 男が「そのせいでタクミくんを横取りされるなんて、まったくもって最悪だ」と言いながら拓巳に視線を向けた。それを遮るように拓巳の前に立った優一が「横取りとは聞き捨てならないな」と答える。

「彼はわたしの運命だよ。運命は種族関係なく惹かれ合い、何人たりとも引き離すことはできない」
「ハッ! そんなおとぎ話を信じてるなんて、吸血鬼っていうのは案外ロマンチストなんだな」
「運命がわからないのは、きみがハーフウルフだからかな」

 優一の言葉に男の顔が一瞬歪んだように見えたが、すぐに笑みを浮かべ余裕の表情を見せる。

「運命なんてどうでもいい。俺は自分で見つけたΩをつがいにするだけだ」
「残念だが、彼はすでにわたしのつがいだ。狼の嗅覚ならすぐにわかっただろう」
「たとえそうだとしても、より強いαなら上書きすることができる」
「たしかにそうだ。だが、きみに上書きができるとは思えないがね」
「やってみないとわからないだろ?」

 男の言葉に、再び優一が口元に笑みを浮かべた。

「やはりハーフウルフの嗅覚では、すぐにはわからないか」
「……なんだと」
「わたしたちは狼ほど血統を重んじていない。そもそも数が少なく、ほとんどが祖を同じくするものだからだ。しかし、その中でも特別な血というものが存在する。きみも耳にしたことくらいはあるだろう?」

 優一を見ていた男の顔が、わずかに強張った。二人の会話を聞いてもよくわからない拓巳だったが、優一の言葉で男の表情が変わったことはわかった。

「きみに、わたしの印を上書きすることはできない。そもそもわたしの運命とつがえると思うこと自体、あまりに滑稽すぎる」
「おまえ……まさか……」
「きみが黒狼の血を引いていたとしても、わたしには遠く及ばないよ」
「おまえ、始祖の……」
「残念だが、きみは触れてはいけない存在に触れた。それは万死に値する行為だ」

 男の顔から一切の余裕が消えた。代わりに引きつったような表情になり、明らかに動揺しているのがわかる。
 一体どうしたのだろうと拓巳が思った次の瞬間、突然男が咳き込み始めた。手で口元を押さえるだけでは耐えられないのか、体をくの字に曲げてゲホゲホと激しく咳き込む。そうして腹部を片手で押さえながら一際大きく「ゲホッ」と咳をした男の口から、ゴボッと真っ赤な塊が吐き出された。

「わたしのΩの涙は甘かっただろう? 一舐めでも口にできたのだからはなむけとしては十分だ」

 優一をキッと睨んだ男は、腹部を押さえたまま中庭から出て行った。途端にザワザワとした喧噪が耳に入り、ここが大都会の中だったことを思い出す。

「大丈夫かい?」
「……あの、」
「怪我は? 気持ち悪いところは?」
「……大丈夫、です」

 気がつけば目眩も吐き気も治まっていた。きっと優一がきてくれたから……この甘い香りが包み込んでくれているからだと拓巳は思った。

「じゃあ、行こうか」
「あの……っ」

 急に抱き上げられて驚いた。しかもこれは、いわゆるお姫様抱っこという状態だ。それをこんな大勢がいる場所で……慌てて降りようとしたが、優一は気にすることなくスタスタと歩き出した。そうなると拓巳は腕の中でおとなしくするしかない。
 それでも気になってそっと周囲に視線を巡らせたが、誰も自分たちを見てはいなかった。それを不思議に思いながらもホッとした拓巳は、優しくも逞しい優一の腕に身を任せることにした。
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