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後ろからのほうが楽だろうと優一に言われ、うつ伏せの状態で貫かれた。いままでのどの客よりも太い感覚にわずかな恐怖を感じた拓巳だが、あふれるほど濡れているからか痛みもなく思ったよりもすんなりと入る。
(これも、オメガってのだからって、こと……?)
ぼんやりした頭で、ふとそんなことを思った。そのおかげで受け入れやすくなっているのだとしたらオメガというものでよかった……拓巳の口元がほころぶ。拓巳は優一に買われただけなのに、なぜかうれしくてたまらない。
そんな拓巳の中を硬い切っ先がグリッと擦り上げた。その瞬間、これまで感じたことのない痺れとゾクゾクとした快楽が体を貫いた。急にせり上がってきた感覚に背中がクッとしなる。思わず尻たぶに力が入ってしまったが、その力に押し出されるように触れてもいないペニスからトプトプと精液が漏れ出した。
「え……ぅ……?」
擦ってもいないのに射精してしまったことに拓巳はひどく驚いた。「なんだこれ」と戸惑っているのに、優一の楔で緩やかに穿たれると思考が快楽のほうへと引きずられて何も考えられなくなる。戸惑いと快感でグズグズになった体をぐいっと引き起こされた。
「あぅっ」
繋がったまま動いた衝撃で一瞬息が詰まった。そのまま優一にもたれかかるように座らされる。もちろん後孔は楔に貫かれたままで、上に乗っているような状態だからか先ほどよりも深くに切っ先を感じた。
「あ……なん、で……」
奥深くに優一を感じた瞬間、またもや拓巳のペニスからトロトロと白濁が流れ落ちた。勢いはないものの明らかに吐精している状態で快感も感じている。
「αとΩの交わりは、男女のそれよりもずっと深い快楽を得られる。もちろんただの男同士よりもずっと強烈だ。挿れられただけで出してしまうのも不思議ではないよ」
「そん、……っ」
どういうことだと振り返ろうとした拓巳だが、身じろいだせいで体内を楔に擦られ再び白濁をこぼした。困惑しながらも快楽に息を漏らす拓巳のうなじに口づけ、優一がフッと笑みを浮かべる。
「恥ずかしがる必要はない。それだけわたしたちは相性がいいということだ。つがいになれば、もっと快楽が深くなる。とくに互いが発情した状態なら我を忘れて数日間交わり続けるのが普通でね……っと、言葉だけで想像したのかい?」
「ち、が……んっ」
違うと否定したかったが、拓巳の体は間違いなく興奮していた。数日間もセックスするのだと言われ、それを優一とできるのだと思うと楔を咥えた中がうごめき新たな快感が体を震わせる。
「きみは男性体だから吐精するが、それもそのうち必要なくなるだろう。体の奥だけで快感を得られるようになるのはすぐだ。そして……」
「ぁぅ……!」
「いま切っ先が触れているこの奥で、わたしの精をたっぷり飲み込めるようになる。もちろん掻き出す必要もなければ腹を下すこともない。むしろ奥にほしくて堪らなくなるだろう」
「ぁ……ぁ……」
「想像しただけでイってしまった? 快楽に従順なのはいい傾向だ。わたしたちは性欲が強くてね、つがった相手とは発情に関係なく一夜に何度も交わってしまう。共に楽しむには快楽に従順なほうがいい」
「ぁぅ……ん、んぁ……」
軽い絶頂をくり返す拓巳の体を、背後から優一がそっと抱きしめた。そうして真っ赤になった耳に唇を寄せ、睦言を語りかけるように言葉を続ける。
「それに強く快感を得られるほうが子も孕みやすい」
「ぁ、あ……あぁ……!」
優一の声が鼓膜を震わせただけで、拓巳は吐精したときよりも強い絶頂に襲われた。吐き出すたびに落ち着く快感ではなく、何度もたたみかけるように快楽の波が押し寄せてくる。体はガクガクと震え、ピンと勃ったペニスは透明な淫液を垂れ流しながら小刻みに跳ねた。
「なんてすばらしい香りだ……。あぁ、そろそろわたしも中に出したくなってきた」
「ふぁ、ぁ……」
「一度抜いて、こちらを向いてごらん」
優一の声に促されるように拓巳の体が動き出す。動かそうと思っていないのに勝手に動いてしまうのは、初日にホテルで「おいで」と呼ばれたときに似ていた。あのときは困惑するばかりだったが、いまは自らそうしたいと思っていた。
「ん……んっ」
優一の足に手をつき、ゆっくりと腰を上げる。どれだけなんだと思うほどの長さに拓巳の口から何度も甘い息が漏れた。そうしてようやく亀頭まで抜けたところで膝をつき、ゆっくりと体を反転させた。
拓巳の目に映ったのはネクタイすら解いていない優一の姿だった。素っ裸で快感に肌を赤くしている自分とは真逆の様子にカッと血が上る。
(俺だけこんなに……みっともなくほしがってるなんて……)
羞恥を感じたのは一瞬だった。ふわっと漂う優一の香りに頭がくらりとし、すぐに交わることしか考えられなくなる。拓巳の頭も体も目の前の男に奥深くまで貫かれたいという気持ちでいっぱいだった。どうしてそうなるのか疑問に思うこともない。
「さぁ、自分で挿れるんだ」
言われて、そそり勃つ優一のものを見た。グロテスクにも見える長大な楔だが、いまの拓巳には涎が出そうなほど欲しいものにしか見えない。膝立ちで優一の腰を跨ぎ、後ろ手に熱く脈打つ楔に手を添えた。
「っ」
触れた根元付近がやけに大きい。先ほど見たときには気づかなかったが、いわゆる真珠のようなものでも入れているのだろうか。
「興奮しすぎて、挿れる前からコブが膨らんでしまったか」
「こぶ……?」
「α特有のものだよ。射精中、これが膨らむことでΩの中に精を留めることができる。確実に孕ませるための進化の証だ」
(確実に、孕ませる……)
優一の楔を受け入れ精液を吐き出され、さらにこんなコブで蓋をするような状態なら……。
(間違いなく、できそう……だな……)
そう思った途端に拓巳の後孔はヒクヒクと空気を食み、中からあふれた淫液が内ももをとろりと濡らした。腹部がますます熱くなり頭も体も期待と快楽でいっぱいになる。自分が男で孕むことなどあり得ないという認識は、もはや拓巳の中に存在していなかった。なぜかそうされたくて焦れるように腹の奥が熱くなる。
右手で楔を支えた拓巳は、逸る気持ちを抑えながら腰を下ろした。すっかり緩んだ後孔は簡単に亀頭を咥え、中は喜んで奥へと迎え入れる。ズブズブと侵入する楔が奥深くにぶつかると、拓巳の口から自然と満足げな溜め息がこぼれた。
「はぁ」
「いやらしい溜め息だ」
「ん……っ」
「少し突くだけで気持ちがよさそうだね」
「だ、って……」
「自分で動いてごらん」
先ほどよりも熱っぽい優一の声に拓巳は興奮していた。もし優一も自分と同じように快感を得ているのなら、もっと気持ちよくなってほしい。それを自分が与えたい。貪欲な気持ちが頭をもたげる。
拓巳は両手で優一の肩をつかむと、ゆっくりと腰を上げた。抜けていく感覚に排泄にも似た気持ちよさを感じながら、今度はゆっくりと腰を落とす。すると粘膜を押し上げる感触に抜けるときとは違った気持ちよさを感じた。
これまで何人もの男に挿れられてきたが、後孔で明確な快感を得たのは初めてだった。それはきっと相手が優一だからだ……そう確信する拓巳の唇が喜びに震える。
「ん、ん……っ、ん、」
気がつけば、熱心に腰を振りたくっていた。快感を確認するように、もっと気持ちよくなるように、本能のまま後孔で熱い楔を扱く。そんな淫らな行為に夢中になっている拓巳の鎖骨にフッと熱い息がかかった。
「ゆ、いち、さん?」
「そろそろ頃合いかと思ってね」
「な、に?」
「最初に会ったときには痩けていた頬も少しふっくらしてきた。肌つやもいいし貧血も改善されている。首は細いままだが……片手で折れそうなほど華奢な首というのも、わたしの好みではある」
「……っ」
冷たい指に急にうなじを撫でられ、拓巳は小さく息を呑んだ。ふるっと震えた肩や首に鳥肌が立つ。そうした反応に小さく笑った優一が首筋に唇を寄せた。
「……うん、熱くいやらしい香りに満ちている。極上の香りだ」
「あの、……っ、なに、」
首筋に口づけられ、舌で舐められたのは感触でわかった。客にこういうことをされたことはなかったが行為の一環であることも知っている。それでも優一の雰囲気が急に変わった気がした拓巳は、どうしたのだろうかと肩に置いた手を伸ばし顔を窺おうとした。しかし拓巳が動くより先に優一が動いた。
「ぃ……っ」
まるで吸いつくように首筋に口づけられた直後、そこに何かが刺さったような感覚に襲われた。はじめは小さな痛みだったが、すぐにグッと深いところまで刺されているような痛みに変わる。
拓巳は痛みと恐怖に体を振るわせた。何が起きているのかわからないのが恐ろしくてたまらない。自分の首に何が刺さっているのか知りたくて優一から体を離そうとするものの、今度は優一のほうが力強く抱きしめてきて離れることができなかった。拓巳のほうも痛みと恐怖に加え、優一と離れたくない気持ちが混じり中途半端に動くことしかできない。
そうしてしばらく身じろいでいた拓巳の上半身が、急に反り返るようにピンと伸びた。優一の肩をつかむ両手の指は関節が目立つほど力が入り、頭は仰け反りのど仏がくっきりと浮かび上がる。口は薄く開いているが声も吐息も漏れていない。
その口が、はく、と小さく動いた。次の瞬間「ひ……っ」と掠れるような高い声が上がった。
「ひぃ……っ」
拓巳自身は自分が声を出していることに気づいていなかった。漏れた声が悲鳴のようになっただけで、悲鳴を上げようと思ったわけでもない。ただ体内を駆け巡る強烈な快感に反射的に声が漏れてしまったのだ。
「ひっ、やぁ……!」
声が漏れるたびに首筋付近をゾクゾクとしたものが這い回った。体の中がむず痒くなるような、それでいてくすぐったいような何とも表現しがたい感覚に襲われる。首筋を掻きむしりたくなるほどの強烈な感覚から逃れたくて、肩をわずかに動かしたときだった。
「い、あ――――!」
首筋に刺さっていた何かが、さらにズブリと深く入り込んだ。何が起きているのかわからない恐怖を覚えたのはわずかで、すぐに背中を仰け反らせるほどの快感に背中や腰が震え出す。同時に後孔がぐわっと拡がったことで優一が吐精したのだということがわかった。
(奥に……たくさん出て……すごい……)
スキンをしない客の相手をしたこともあったが、中に出される感覚を拓巳がはっきり感じたのはこれが初めてだった。脈打つ動きも熱も、先端から噴き出す精液の勢いさえもはっきりわかる。
右手で触ったときに感じたコブが後孔の縁を押し拡げていることもわかった。この勢いで射精しながらコブで塞がれてしまえば奥まで優一の精液であふれかえるだろう。それがうれしくて、快感に震えながら拓巳の口元に笑みが浮かぶ。
「……ふぅ。思わず本気で咬んでしまったな」
「ゆ……、ち、さん……」
「コブも膨らんでいるから、しばらくはこのままだ」
「この、まま……?」
「わたしたちの射精は長くてね。発情しているときほどではないが人よりはずっと長い」
このままずっと中に出されるんだ……そう思っただけで拓巳の腹部にきゅうっと力が入る。まるで奥に飲み込もうとするような体内の動きに、拓巳はなぜか喜びを感じていた。
「初めて牙を受けて精を受け入れているということが、そんなにうれしいかい?」
「きば……?」
「そう、牙だ。わたしたちの存在の証でありプライドであり、つがいへの求愛に必要なこれだよ」
少しだけ顔を離し横目で優一を見ると、ニッと開いた唇の端に白く尖ったものが見えた。
「きば……」
「そう、牙だ。食事をし、快楽を与え、つがいを作るために必要なものだ」
「俺、それにかまれたって、こと……?」
「つがいへの求愛には必要だからね」
「……じゃあ、つがいになった……?」
「半分はそうだ。あとはわたしが発情したとき、きみも同じように咬めばいい」
「かむ、って……んっ……」
優一に首筋をべろりと舐められ、掠れたいやらしい声が出てしまった。長い射精には素直に喜べたのに、自分じゃないような高い声を聞かれるのはなんだか恥ずかしい。拓巳は声を聞かれたくなくて優一の首に顔を埋めた。
「ただ歯を当てるだけでかまわないよ。これはあくまでも儀式だからね。それでもわたしたちにとっては儀式を行うことが重要なんだ」
低く落ち着いた声で説明されたからか、牙だとか儀式だとかに恐れはなかった。それよりも、いつもと変わらない様子の優一が気になって仕方がない。
(俺はこんななのに……優一さんは冷静だ)
いまも射精している最中だというのに、まったくそんな気配を感じない。自分は答えることにも必死なのにどうして冷静でいられるのだろう。繋がっているのが気持ちよくて、こんなにいい香りがして、それを嗅ぐだけでまたゾクゾクしてくるのに……。
(俺ばっかり興奮してるみたいだ)
みたいではなく、どう考えてもそのとおりだ。そもそも優一はネクタイすらまだ解いていない。拓巳がそうさせなかったからだが、スラックスの前を開いただけで交わっている状態だ。
(優一さんも、もっと興奮してくれればいいのに……)
自分みたいになればいいのに……自分のように、発情すればいいのに。そうすれば何日もセックスできるし、噛んで儀式とやらをすることもできる。
(そうすれば、俺だけの優一さんになる……ってことだよな)
キスをした唇も冷たい手も、自分だけに触れてくれるということだ。碧色にも灰色にも見える目は自分だけを映し、薔薇のような甘い香りも自分だけのものになる。いま後孔を押し拡げているものも体内を濡らしているものも、永遠に自分だけのものにできる。
(優一さんの全部が、俺だけのものに……)
どうしてそこまで執着するのか考える隙もないほどそう思った。「俺だけの……」とつぶやいた拓巳の体からふわりと香りが広がる。優一とは違う澄んだ若い薔薇を思わせる香りが繋がったままの二人を包み込んだ。
漂う香りにすぐさま気づいたのは優一だった。濃くなった拓巳の香りにハッとし、同時に深く打ち込んだままだった楔がグッと力を増す。あと少しで終わりそうだった吐精も勢いを取り戻した。
「……きみは目覚めたばかりだというのに、もうΩらしい力を使おうとするのか」
「だって……、ゆういちさん、いつもと、おんなじ、だ、から……んっ」
「どこが同じだと言うんだい? こうしてコブまで膨らんできみを求めているというのに。それにつがいとして本気で咬みもしただろう?」
「だって……俺みたいに、ぜんぜん、こうふんしてな、……ぁぅっ!」
拓巳が言い終わる前に優しくベッドに押し倒された。後孔は吐精する楔に貫かれたままで、脈打つ熱塊に体内を擦られ気持ちよさに腰が震える。すると拓巳のペニスからまたもやピュルッと精液がこぼれ落ちた。
「ぁ……んっ、ゆ、いちさ、」
「まったく、目覚めたばかりだというのにαを本気にさせようなんて悪い子だ」
「ゆう、ぃ、……っ」
首筋を舐められたせいで優一の名前を呼ぶことができなかった。噛み痕に舌が触れるたびに首筋が粟立ち、ゾクゾクとしたものが体を何度も駆け巡る。後孔の縁がコブに絡みつき、腹部の奥がねだるように楔を舐め回し始めた。すでに通常では考えられないほどの精液を受け止めているはずのそこは、まだ足りないとばかりにきゅうきゅうと鳴いていた。
「これほどのΩだ、覚醒していなくとも人を惹きつけただろうね。いや、αを求めて無自覚に体を投げ出していたというところか」
「ゆうぃち、さん……」
「これまで満たされなかったものはすべて、わたしが満たしてやろう。それがわたしのすべきことであり、きみが受けるべきものだ」
酩酊したような拓巳の頭でも、優一の言葉はなぜかはっきりと聞こえた。何も考えられない状態のはずなのに胸が締めつけられて涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「Ωはαにとって最愛の存在だ。きみはわたしだけのΩ、わたしに愛されるために存在していることを覚えておきなさい」
そう告げた優一に再び噛み痕を舐められた拓巳は、「あぁ……」と艶やかな吐息を漏らしながら自らの足を逞しい腰に絡みつけた。
(これも、オメガってのだからって、こと……?)
ぼんやりした頭で、ふとそんなことを思った。そのおかげで受け入れやすくなっているのだとしたらオメガというものでよかった……拓巳の口元がほころぶ。拓巳は優一に買われただけなのに、なぜかうれしくてたまらない。
そんな拓巳の中を硬い切っ先がグリッと擦り上げた。その瞬間、これまで感じたことのない痺れとゾクゾクとした快楽が体を貫いた。急にせり上がってきた感覚に背中がクッとしなる。思わず尻たぶに力が入ってしまったが、その力に押し出されるように触れてもいないペニスからトプトプと精液が漏れ出した。
「え……ぅ……?」
擦ってもいないのに射精してしまったことに拓巳はひどく驚いた。「なんだこれ」と戸惑っているのに、優一の楔で緩やかに穿たれると思考が快楽のほうへと引きずられて何も考えられなくなる。戸惑いと快感でグズグズになった体をぐいっと引き起こされた。
「あぅっ」
繋がったまま動いた衝撃で一瞬息が詰まった。そのまま優一にもたれかかるように座らされる。もちろん後孔は楔に貫かれたままで、上に乗っているような状態だからか先ほどよりも深くに切っ先を感じた。
「あ……なん、で……」
奥深くに優一を感じた瞬間、またもや拓巳のペニスからトロトロと白濁が流れ落ちた。勢いはないものの明らかに吐精している状態で快感も感じている。
「αとΩの交わりは、男女のそれよりもずっと深い快楽を得られる。もちろんただの男同士よりもずっと強烈だ。挿れられただけで出してしまうのも不思議ではないよ」
「そん、……っ」
どういうことだと振り返ろうとした拓巳だが、身じろいだせいで体内を楔に擦られ再び白濁をこぼした。困惑しながらも快楽に息を漏らす拓巳のうなじに口づけ、優一がフッと笑みを浮かべる。
「恥ずかしがる必要はない。それだけわたしたちは相性がいいということだ。つがいになれば、もっと快楽が深くなる。とくに互いが発情した状態なら我を忘れて数日間交わり続けるのが普通でね……っと、言葉だけで想像したのかい?」
「ち、が……んっ」
違うと否定したかったが、拓巳の体は間違いなく興奮していた。数日間もセックスするのだと言われ、それを優一とできるのだと思うと楔を咥えた中がうごめき新たな快感が体を震わせる。
「きみは男性体だから吐精するが、それもそのうち必要なくなるだろう。体の奥だけで快感を得られるようになるのはすぐだ。そして……」
「ぁぅ……!」
「いま切っ先が触れているこの奥で、わたしの精をたっぷり飲み込めるようになる。もちろん掻き出す必要もなければ腹を下すこともない。むしろ奥にほしくて堪らなくなるだろう」
「ぁ……ぁ……」
「想像しただけでイってしまった? 快楽に従順なのはいい傾向だ。わたしたちは性欲が強くてね、つがった相手とは発情に関係なく一夜に何度も交わってしまう。共に楽しむには快楽に従順なほうがいい」
「ぁぅ……ん、んぁ……」
軽い絶頂をくり返す拓巳の体を、背後から優一がそっと抱きしめた。そうして真っ赤になった耳に唇を寄せ、睦言を語りかけるように言葉を続ける。
「それに強く快感を得られるほうが子も孕みやすい」
「ぁ、あ……あぁ……!」
優一の声が鼓膜を震わせただけで、拓巳は吐精したときよりも強い絶頂に襲われた。吐き出すたびに落ち着く快感ではなく、何度もたたみかけるように快楽の波が押し寄せてくる。体はガクガクと震え、ピンと勃ったペニスは透明な淫液を垂れ流しながら小刻みに跳ねた。
「なんてすばらしい香りだ……。あぁ、そろそろわたしも中に出したくなってきた」
「ふぁ、ぁ……」
「一度抜いて、こちらを向いてごらん」
優一の声に促されるように拓巳の体が動き出す。動かそうと思っていないのに勝手に動いてしまうのは、初日にホテルで「おいで」と呼ばれたときに似ていた。あのときは困惑するばかりだったが、いまは自らそうしたいと思っていた。
「ん……んっ」
優一の足に手をつき、ゆっくりと腰を上げる。どれだけなんだと思うほどの長さに拓巳の口から何度も甘い息が漏れた。そうしてようやく亀頭まで抜けたところで膝をつき、ゆっくりと体を反転させた。
拓巳の目に映ったのはネクタイすら解いていない優一の姿だった。素っ裸で快感に肌を赤くしている自分とは真逆の様子にカッと血が上る。
(俺だけこんなに……みっともなくほしがってるなんて……)
羞恥を感じたのは一瞬だった。ふわっと漂う優一の香りに頭がくらりとし、すぐに交わることしか考えられなくなる。拓巳の頭も体も目の前の男に奥深くまで貫かれたいという気持ちでいっぱいだった。どうしてそうなるのか疑問に思うこともない。
「さぁ、自分で挿れるんだ」
言われて、そそり勃つ優一のものを見た。グロテスクにも見える長大な楔だが、いまの拓巳には涎が出そうなほど欲しいものにしか見えない。膝立ちで優一の腰を跨ぎ、後ろ手に熱く脈打つ楔に手を添えた。
「っ」
触れた根元付近がやけに大きい。先ほど見たときには気づかなかったが、いわゆる真珠のようなものでも入れているのだろうか。
「興奮しすぎて、挿れる前からコブが膨らんでしまったか」
「こぶ……?」
「α特有のものだよ。射精中、これが膨らむことでΩの中に精を留めることができる。確実に孕ませるための進化の証だ」
(確実に、孕ませる……)
優一の楔を受け入れ精液を吐き出され、さらにこんなコブで蓋をするような状態なら……。
(間違いなく、できそう……だな……)
そう思った途端に拓巳の後孔はヒクヒクと空気を食み、中からあふれた淫液が内ももをとろりと濡らした。腹部がますます熱くなり頭も体も期待と快楽でいっぱいになる。自分が男で孕むことなどあり得ないという認識は、もはや拓巳の中に存在していなかった。なぜかそうされたくて焦れるように腹の奥が熱くなる。
右手で楔を支えた拓巳は、逸る気持ちを抑えながら腰を下ろした。すっかり緩んだ後孔は簡単に亀頭を咥え、中は喜んで奥へと迎え入れる。ズブズブと侵入する楔が奥深くにぶつかると、拓巳の口から自然と満足げな溜め息がこぼれた。
「はぁ」
「いやらしい溜め息だ」
「ん……っ」
「少し突くだけで気持ちがよさそうだね」
「だ、って……」
「自分で動いてごらん」
先ほどよりも熱っぽい優一の声に拓巳は興奮していた。もし優一も自分と同じように快感を得ているのなら、もっと気持ちよくなってほしい。それを自分が与えたい。貪欲な気持ちが頭をもたげる。
拓巳は両手で優一の肩をつかむと、ゆっくりと腰を上げた。抜けていく感覚に排泄にも似た気持ちよさを感じながら、今度はゆっくりと腰を落とす。すると粘膜を押し上げる感触に抜けるときとは違った気持ちよさを感じた。
これまで何人もの男に挿れられてきたが、後孔で明確な快感を得たのは初めてだった。それはきっと相手が優一だからだ……そう確信する拓巳の唇が喜びに震える。
「ん、ん……っ、ん、」
気がつけば、熱心に腰を振りたくっていた。快感を確認するように、もっと気持ちよくなるように、本能のまま後孔で熱い楔を扱く。そんな淫らな行為に夢中になっている拓巳の鎖骨にフッと熱い息がかかった。
「ゆ、いち、さん?」
「そろそろ頃合いかと思ってね」
「な、に?」
「最初に会ったときには痩けていた頬も少しふっくらしてきた。肌つやもいいし貧血も改善されている。首は細いままだが……片手で折れそうなほど華奢な首というのも、わたしの好みではある」
「……っ」
冷たい指に急にうなじを撫でられ、拓巳は小さく息を呑んだ。ふるっと震えた肩や首に鳥肌が立つ。そうした反応に小さく笑った優一が首筋に唇を寄せた。
「……うん、熱くいやらしい香りに満ちている。極上の香りだ」
「あの、……っ、なに、」
首筋に口づけられ、舌で舐められたのは感触でわかった。客にこういうことをされたことはなかったが行為の一環であることも知っている。それでも優一の雰囲気が急に変わった気がした拓巳は、どうしたのだろうかと肩に置いた手を伸ばし顔を窺おうとした。しかし拓巳が動くより先に優一が動いた。
「ぃ……っ」
まるで吸いつくように首筋に口づけられた直後、そこに何かが刺さったような感覚に襲われた。はじめは小さな痛みだったが、すぐにグッと深いところまで刺されているような痛みに変わる。
拓巳は痛みと恐怖に体を振るわせた。何が起きているのかわからないのが恐ろしくてたまらない。自分の首に何が刺さっているのか知りたくて優一から体を離そうとするものの、今度は優一のほうが力強く抱きしめてきて離れることができなかった。拓巳のほうも痛みと恐怖に加え、優一と離れたくない気持ちが混じり中途半端に動くことしかできない。
そうしてしばらく身じろいでいた拓巳の上半身が、急に反り返るようにピンと伸びた。優一の肩をつかむ両手の指は関節が目立つほど力が入り、頭は仰け反りのど仏がくっきりと浮かび上がる。口は薄く開いているが声も吐息も漏れていない。
その口が、はく、と小さく動いた。次の瞬間「ひ……っ」と掠れるような高い声が上がった。
「ひぃ……っ」
拓巳自身は自分が声を出していることに気づいていなかった。漏れた声が悲鳴のようになっただけで、悲鳴を上げようと思ったわけでもない。ただ体内を駆け巡る強烈な快感に反射的に声が漏れてしまったのだ。
「ひっ、やぁ……!」
声が漏れるたびに首筋付近をゾクゾクとしたものが這い回った。体の中がむず痒くなるような、それでいてくすぐったいような何とも表現しがたい感覚に襲われる。首筋を掻きむしりたくなるほどの強烈な感覚から逃れたくて、肩をわずかに動かしたときだった。
「い、あ――――!」
首筋に刺さっていた何かが、さらにズブリと深く入り込んだ。何が起きているのかわからない恐怖を覚えたのはわずかで、すぐに背中を仰け反らせるほどの快感に背中や腰が震え出す。同時に後孔がぐわっと拡がったことで優一が吐精したのだということがわかった。
(奥に……たくさん出て……すごい……)
スキンをしない客の相手をしたこともあったが、中に出される感覚を拓巳がはっきり感じたのはこれが初めてだった。脈打つ動きも熱も、先端から噴き出す精液の勢いさえもはっきりわかる。
右手で触ったときに感じたコブが後孔の縁を押し拡げていることもわかった。この勢いで射精しながらコブで塞がれてしまえば奥まで優一の精液であふれかえるだろう。それがうれしくて、快感に震えながら拓巳の口元に笑みが浮かぶ。
「……ふぅ。思わず本気で咬んでしまったな」
「ゆ……、ち、さん……」
「コブも膨らんでいるから、しばらくはこのままだ」
「この、まま……?」
「わたしたちの射精は長くてね。発情しているときほどではないが人よりはずっと長い」
このままずっと中に出されるんだ……そう思っただけで拓巳の腹部にきゅうっと力が入る。まるで奥に飲み込もうとするような体内の動きに、拓巳はなぜか喜びを感じていた。
「初めて牙を受けて精を受け入れているということが、そんなにうれしいかい?」
「きば……?」
「そう、牙だ。わたしたちの存在の証でありプライドであり、つがいへの求愛に必要なこれだよ」
少しだけ顔を離し横目で優一を見ると、ニッと開いた唇の端に白く尖ったものが見えた。
「きば……」
「そう、牙だ。食事をし、快楽を与え、つがいを作るために必要なものだ」
「俺、それにかまれたって、こと……?」
「つがいへの求愛には必要だからね」
「……じゃあ、つがいになった……?」
「半分はそうだ。あとはわたしが発情したとき、きみも同じように咬めばいい」
「かむ、って……んっ……」
優一に首筋をべろりと舐められ、掠れたいやらしい声が出てしまった。長い射精には素直に喜べたのに、自分じゃないような高い声を聞かれるのはなんだか恥ずかしい。拓巳は声を聞かれたくなくて優一の首に顔を埋めた。
「ただ歯を当てるだけでかまわないよ。これはあくまでも儀式だからね。それでもわたしたちにとっては儀式を行うことが重要なんだ」
低く落ち着いた声で説明されたからか、牙だとか儀式だとかに恐れはなかった。それよりも、いつもと変わらない様子の優一が気になって仕方がない。
(俺はこんななのに……優一さんは冷静だ)
いまも射精している最中だというのに、まったくそんな気配を感じない。自分は答えることにも必死なのにどうして冷静でいられるのだろう。繋がっているのが気持ちよくて、こんなにいい香りがして、それを嗅ぐだけでまたゾクゾクしてくるのに……。
(俺ばっかり興奮してるみたいだ)
みたいではなく、どう考えてもそのとおりだ。そもそも優一はネクタイすらまだ解いていない。拓巳がそうさせなかったからだが、スラックスの前を開いただけで交わっている状態だ。
(優一さんも、もっと興奮してくれればいいのに……)
自分みたいになればいいのに……自分のように、発情すればいいのに。そうすれば何日もセックスできるし、噛んで儀式とやらをすることもできる。
(そうすれば、俺だけの優一さんになる……ってことだよな)
キスをした唇も冷たい手も、自分だけに触れてくれるということだ。碧色にも灰色にも見える目は自分だけを映し、薔薇のような甘い香りも自分だけのものになる。いま後孔を押し拡げているものも体内を濡らしているものも、永遠に自分だけのものにできる。
(優一さんの全部が、俺だけのものに……)
どうしてそこまで執着するのか考える隙もないほどそう思った。「俺だけの……」とつぶやいた拓巳の体からふわりと香りが広がる。優一とは違う澄んだ若い薔薇を思わせる香りが繋がったままの二人を包み込んだ。
漂う香りにすぐさま気づいたのは優一だった。濃くなった拓巳の香りにハッとし、同時に深く打ち込んだままだった楔がグッと力を増す。あと少しで終わりそうだった吐精も勢いを取り戻した。
「……きみは目覚めたばかりだというのに、もうΩらしい力を使おうとするのか」
「だって……、ゆういちさん、いつもと、おんなじ、だ、から……んっ」
「どこが同じだと言うんだい? こうしてコブまで膨らんできみを求めているというのに。それにつがいとして本気で咬みもしただろう?」
「だって……俺みたいに、ぜんぜん、こうふんしてな、……ぁぅっ!」
拓巳が言い終わる前に優しくベッドに押し倒された。後孔は吐精する楔に貫かれたままで、脈打つ熱塊に体内を擦られ気持ちよさに腰が震える。すると拓巳のペニスからまたもやピュルッと精液がこぼれ落ちた。
「ぁ……んっ、ゆ、いちさ、」
「まったく、目覚めたばかりだというのにαを本気にさせようなんて悪い子だ」
「ゆう、ぃ、……っ」
首筋を舐められたせいで優一の名前を呼ぶことができなかった。噛み痕に舌が触れるたびに首筋が粟立ち、ゾクゾクとしたものが体を何度も駆け巡る。後孔の縁がコブに絡みつき、腹部の奥がねだるように楔を舐め回し始めた。すでに通常では考えられないほどの精液を受け止めているはずのそこは、まだ足りないとばかりにきゅうきゅうと鳴いていた。
「これほどのΩだ、覚醒していなくとも人を惹きつけただろうね。いや、αを求めて無自覚に体を投げ出していたというところか」
「ゆうぃち、さん……」
「これまで満たされなかったものはすべて、わたしが満たしてやろう。それがわたしのすべきことであり、きみが受けるべきものだ」
酩酊したような拓巳の頭でも、優一の言葉はなぜかはっきりと聞こえた。何も考えられない状態のはずなのに胸が締めつけられて涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「Ωはαにとって最愛の存在だ。きみはわたしだけのΩ、わたしに愛されるために存在していることを覚えておきなさい」
そう告げた優一に再び噛み痕を舐められた拓巳は、「あぁ……」と艶やかな吐息を漏らしながら自らの足を逞しい腰に絡みつけた。
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