11 / 30
11 隠された竜妃の記録
しおりを挟む
虹淳様のことを知っている人が一人増えた。しかも下っ端下女だったわたしよりもずっと頼りになる存在でもある。
(そう考えるとありがたいはずなんだけど、何となく釈然としないのは何でだろう)
「ともに竜妃様をお守りしましょう」と力強く宣言した弘徳様を思い出す。話は通じるし、三日後には新しい服も数着届いた。どうやら仕事も早いらしい。
それでも微妙な気持ちになるのは、虹淳様を見る情熱的すぎる目つきのせいだろうか。
(生きる目的とまで言い切るくらいだからな……)
あふれ出す熱意のせいか、ちょっと危ない人に見える。
(ま、変な意味で熱心なわけじゃなさそうだし、虹淳様のことをちゃんと考えてくれるならかまわないけどね)
もし変な気でも起こしたら「少女趣味の変態!」とでも叫べばいい。頭でっかちな学者たちは案外そういう言葉に弱いから、元は学者だという弘徳様にも効果があるはず。それで駄目なら実力行使だ。
(と言っても、殴るか蹴るかくらいしかできないけど)
念のために足腰でも鍛えておくか。
そんなことを考えながら台所を掃除していると「阿繰」と呼ぶ声が聞こえた。振り向くと、いままさに思い出していた弘徳様が立っている。あまりの偶然に思わず「ひゃっ!?」と飛び上がってしまった。
「何ですか、その反応は」
「な、何でもありません。ちょっと驚いただけで」
眼鏡の奥がじとっとした眼差しに変わる。うっかり変態呼ばわりしたことに冷や汗をかきながら「どうかしたんですか?」と無理やり笑いかけた。わたしの不審な様子に眉をひそめながらも「百年前のことが少しわかりましたので、一応知らせに来たのですよ」と話し始める。
「といっても、わずかな記述しか見つけられませんでしたが」
その記録は後宮の書庫の一番奥、しかも後宮に収められた反物や装飾品を記録した書物の間に挟まっていたらしい。「敢えてそこに置いたのか、偶然紛れ込んだのかはわかりませんが」と話す弘徳様の表情が硬くなる。
「阿繰は百年ほど前に帝都を襲った大災害のことを知っていますか?」
「大災害……って、合轟の竜巻のことですか?」
わたしの質問に弘徳様がゆっくりと頷いた。
「百年ほど前に起きたとされる合轟の竜巻では帝都の半分が破壊され、後宮も三分の一ほど消失したと言われています。その竜巻を起こしたのが、どうやら竜妃様だったようなのです」
「え……?」
「何かしらが逆鱗に触れ、怒り狂った竜妃様が帝都を破壊した……と明確に書かれていたわけではありませんが、そう解釈するのが妥当といった内容でした。あのとき発生した竜巻は大小合わせて五十ほどと記されています。当時の帝都はいまより大きかったですから、半分が吹き飛んだとすれば相当な範囲が被害にあったことになります」
「……竜妃様って、本当に竜になれたんですね」
「実際に竜の姿になったのかはわかりません。『竜妃の力により』と書かれているだけでしたからね。それでも実際に天候を操ることができたという証ではあります」
不意に桃の絵を描く虹淳様を思い出した。十八歳とは思えない幼い様子と子どものように熱心な眼差しを見ると、そんな恐ろしいことをするような存在には思えない。
(それに虹淳様は元は蛇だったって言うし)
蛇でも竜になれば竜の力が使えるようになるんだろうか。
「……本当に前の竜妃様が合轟の竜巻を起こしたんですか?」
「学者としても高名な宦官による記述ですから、まるきり嘘ということはないでしょう。それにもし嘘なら書き残す意味がありません。ああやって隠すように置いてあったということは、残すべき内容だと誰かが考えたからでしょうからね」
「おおっぴらには残せないけど、残しておかないといけない内容ってことですか」
わたしの言葉に弘徳様が「おそらくは」と答えた。
「しかし、そうなると一つ大きな疑問が出てきます。もし合轟の竜巻が本当に竜妃様が起こした天変地異だったとして、なぜその原因が記録に残っていないかということです。残さなければ後の世で同じ過ちを犯してしまうかもしれません。そのことを百年前の宦官たちが考えないはずがない。それなのに詳細な記録はどこにも見当たりません」
弘徳様が眼鏡を外し「ふぅ」とため息をついた。目頭を何度か揉むように押さえながら言葉を続ける。
「しかも再び竜妃様が地上に現れたというのに、誰もその存在を知らない。いえ、おそらく上層の一部は知っているのでしょう。そうでなければ隠し通せるはずがありませんからね。ということは、おそらく陛下もこのことをご存知のはず」
「となると、なかなか厳しい状況ではありますね」と言いながら眼鏡をかけ直した。
弘徳様の話を聞いても学のないわたしにはよくわからない。ただ、虹淳様は偉い人たちによっていないものとして扱われているのだということはわかった。そのくせ応竜宮に閉じ込めたままにしようとしている。
(いてほしくないなら閉じ込めたりしなければいいのに)
何も知らされず、食事をすることさえ妨げられていた虹淳様が不憫でならない。竜の化身ならどんな目に遭っても死んだりしないのかもしれないけれど、あまりにも酷い仕打ちだ。
「もしかして、前の竜妃様への罰をいまの虹淳様が受けてる、なんてことはありませんか?」
「それはどうでしょう。そんなことをして逆鱗に触れれば今度こそ帝都は消滅してしまうかもしれません。そんなことは誰も望んでいないでしょうし、そう考えれば別の意図があると考えるのが妥当です」
「何か理由があって閉じ込めているってことですか?」
「おそらくは。引き続き調べてみますが、もしかすると竜妃様の記録は禁書扱いになっているのかもしれません。あの書庫に入るには陛下のお許しが必要ですから、これ以上はわからないかもしれませんが……」
「そこまでして隠したいことがあるってことなんですね」
弘徳様がこくりと頷いた。
(これはそこそこ大変なことに巻き込まれたかもしれないなぁ)
下っ端下女だったわたしには想像もつかない世界の話になってきた。だからといって、いまさら虹淳様を放り出すのも嫌だ。
「この先も竜妃様のことは伏せておいたほうがよいでしょうね」
「わかりました。といってもわたしにできることはないような気もしますけど、いろいろ気をつけるようにします」
そう返事をしたわたしを、なぜか弘徳様がじっと見下ろしてきた。
「何ですか?」
「あなたはどうしてそこまでして竜妃様に仕えるのです?」
「どうしてって……」
そんなことを聞かれてもわからない。ただ、いまここで虹淳様を放り出すのが嫌なだけだ。それではわたしを捨てた姉と同じになってしまう。
「昔、近所の子どもたちの世話を焼いていたんです。虹淳様を見てるとあの子たちのことを思い出すからかもしれません」
「子どもですか」
「あ、竜妃様を子ども呼ばわりするのは不敬ですね。すみません、聞かなかったことにしてください」
とってつけたような言葉に弘徳様が小さく笑った。
「いえ、そういうあなただから竜妃様もそばに置いているのかもしれませんね」
「それはちが……ええと、そうだったらいいんですけど」
まさか「単に蛇を怖がらないからだと思いますけど」とは言えない。それでは余計におかしな奴だと思われそうだ。
(そういえば「食べて」の意味もわからないままだな)
それに皇帝陛下が竜を殺すという物騒な言葉の意味もわからない。そのあたりも調べてもらったほうがいいだろうかと口を開きかけたところで、やっぱりやめることにした。
(弘徳様を信じてないわけじゃないけど、あまり言わないほうがよさそうな内容だし)
それにいますぐ調べないといけないことでもない。調べる前に虹淳様が教えてくれる……ことはないような気もするけれど、やっぱり口にすることはできなかった。
「そういえば、あなたは竜妃様のことをその、名前で呼ぶんですね」
「はい?」
「いつも竜妃様ではなく名前で呼んでいるじゃないですか」
「あぁ、はい。教えてもらいましたので」
「……羨ましい」
顔を背けながらぼそっとつぶやかれた言葉に口元がひくっと引きつった。
(悪い人じゃないけど、やっぱり変な人のような気がする)
さすが竜妃様のことを調べるために宦官にまでなった人だ。わたしが男だったら書物を読むためにアレを捨てるなんて選択はしない。
(まぁ、それだけ竜妃様を思っている人なら大丈夫か)
きっとこれからも心強い味方でいてくれるだろう。そう思いながら夕餉に出そうと思っていたゆで卵を作るべく湯を沸かすことにした。
(そう考えるとありがたいはずなんだけど、何となく釈然としないのは何でだろう)
「ともに竜妃様をお守りしましょう」と力強く宣言した弘徳様を思い出す。話は通じるし、三日後には新しい服も数着届いた。どうやら仕事も早いらしい。
それでも微妙な気持ちになるのは、虹淳様を見る情熱的すぎる目つきのせいだろうか。
(生きる目的とまで言い切るくらいだからな……)
あふれ出す熱意のせいか、ちょっと危ない人に見える。
(ま、変な意味で熱心なわけじゃなさそうだし、虹淳様のことをちゃんと考えてくれるならかまわないけどね)
もし変な気でも起こしたら「少女趣味の変態!」とでも叫べばいい。頭でっかちな学者たちは案外そういう言葉に弱いから、元は学者だという弘徳様にも効果があるはず。それで駄目なら実力行使だ。
(と言っても、殴るか蹴るかくらいしかできないけど)
念のために足腰でも鍛えておくか。
そんなことを考えながら台所を掃除していると「阿繰」と呼ぶ声が聞こえた。振り向くと、いままさに思い出していた弘徳様が立っている。あまりの偶然に思わず「ひゃっ!?」と飛び上がってしまった。
「何ですか、その反応は」
「な、何でもありません。ちょっと驚いただけで」
眼鏡の奥がじとっとした眼差しに変わる。うっかり変態呼ばわりしたことに冷や汗をかきながら「どうかしたんですか?」と無理やり笑いかけた。わたしの不審な様子に眉をひそめながらも「百年前のことが少しわかりましたので、一応知らせに来たのですよ」と話し始める。
「といっても、わずかな記述しか見つけられませんでしたが」
その記録は後宮の書庫の一番奥、しかも後宮に収められた反物や装飾品を記録した書物の間に挟まっていたらしい。「敢えてそこに置いたのか、偶然紛れ込んだのかはわかりませんが」と話す弘徳様の表情が硬くなる。
「阿繰は百年ほど前に帝都を襲った大災害のことを知っていますか?」
「大災害……って、合轟の竜巻のことですか?」
わたしの質問に弘徳様がゆっくりと頷いた。
「百年ほど前に起きたとされる合轟の竜巻では帝都の半分が破壊され、後宮も三分の一ほど消失したと言われています。その竜巻を起こしたのが、どうやら竜妃様だったようなのです」
「え……?」
「何かしらが逆鱗に触れ、怒り狂った竜妃様が帝都を破壊した……と明確に書かれていたわけではありませんが、そう解釈するのが妥当といった内容でした。あのとき発生した竜巻は大小合わせて五十ほどと記されています。当時の帝都はいまより大きかったですから、半分が吹き飛んだとすれば相当な範囲が被害にあったことになります」
「……竜妃様って、本当に竜になれたんですね」
「実際に竜の姿になったのかはわかりません。『竜妃の力により』と書かれているだけでしたからね。それでも実際に天候を操ることができたという証ではあります」
不意に桃の絵を描く虹淳様を思い出した。十八歳とは思えない幼い様子と子どものように熱心な眼差しを見ると、そんな恐ろしいことをするような存在には思えない。
(それに虹淳様は元は蛇だったって言うし)
蛇でも竜になれば竜の力が使えるようになるんだろうか。
「……本当に前の竜妃様が合轟の竜巻を起こしたんですか?」
「学者としても高名な宦官による記述ですから、まるきり嘘ということはないでしょう。それにもし嘘なら書き残す意味がありません。ああやって隠すように置いてあったということは、残すべき内容だと誰かが考えたからでしょうからね」
「おおっぴらには残せないけど、残しておかないといけない内容ってことですか」
わたしの言葉に弘徳様が「おそらくは」と答えた。
「しかし、そうなると一つ大きな疑問が出てきます。もし合轟の竜巻が本当に竜妃様が起こした天変地異だったとして、なぜその原因が記録に残っていないかということです。残さなければ後の世で同じ過ちを犯してしまうかもしれません。そのことを百年前の宦官たちが考えないはずがない。それなのに詳細な記録はどこにも見当たりません」
弘徳様が眼鏡を外し「ふぅ」とため息をついた。目頭を何度か揉むように押さえながら言葉を続ける。
「しかも再び竜妃様が地上に現れたというのに、誰もその存在を知らない。いえ、おそらく上層の一部は知っているのでしょう。そうでなければ隠し通せるはずがありませんからね。ということは、おそらく陛下もこのことをご存知のはず」
「となると、なかなか厳しい状況ではありますね」と言いながら眼鏡をかけ直した。
弘徳様の話を聞いても学のないわたしにはよくわからない。ただ、虹淳様は偉い人たちによっていないものとして扱われているのだということはわかった。そのくせ応竜宮に閉じ込めたままにしようとしている。
(いてほしくないなら閉じ込めたりしなければいいのに)
何も知らされず、食事をすることさえ妨げられていた虹淳様が不憫でならない。竜の化身ならどんな目に遭っても死んだりしないのかもしれないけれど、あまりにも酷い仕打ちだ。
「もしかして、前の竜妃様への罰をいまの虹淳様が受けてる、なんてことはありませんか?」
「それはどうでしょう。そんなことをして逆鱗に触れれば今度こそ帝都は消滅してしまうかもしれません。そんなことは誰も望んでいないでしょうし、そう考えれば別の意図があると考えるのが妥当です」
「何か理由があって閉じ込めているってことですか?」
「おそらくは。引き続き調べてみますが、もしかすると竜妃様の記録は禁書扱いになっているのかもしれません。あの書庫に入るには陛下のお許しが必要ですから、これ以上はわからないかもしれませんが……」
「そこまでして隠したいことがあるってことなんですね」
弘徳様がこくりと頷いた。
(これはそこそこ大変なことに巻き込まれたかもしれないなぁ)
下っ端下女だったわたしには想像もつかない世界の話になってきた。だからといって、いまさら虹淳様を放り出すのも嫌だ。
「この先も竜妃様のことは伏せておいたほうがよいでしょうね」
「わかりました。といってもわたしにできることはないような気もしますけど、いろいろ気をつけるようにします」
そう返事をしたわたしを、なぜか弘徳様がじっと見下ろしてきた。
「何ですか?」
「あなたはどうしてそこまでして竜妃様に仕えるのです?」
「どうしてって……」
そんなことを聞かれてもわからない。ただ、いまここで虹淳様を放り出すのが嫌なだけだ。それではわたしを捨てた姉と同じになってしまう。
「昔、近所の子どもたちの世話を焼いていたんです。虹淳様を見てるとあの子たちのことを思い出すからかもしれません」
「子どもですか」
「あ、竜妃様を子ども呼ばわりするのは不敬ですね。すみません、聞かなかったことにしてください」
とってつけたような言葉に弘徳様が小さく笑った。
「いえ、そういうあなただから竜妃様もそばに置いているのかもしれませんね」
「それはちが……ええと、そうだったらいいんですけど」
まさか「単に蛇を怖がらないからだと思いますけど」とは言えない。それでは余計におかしな奴だと思われそうだ。
(そういえば「食べて」の意味もわからないままだな)
それに皇帝陛下が竜を殺すという物騒な言葉の意味もわからない。そのあたりも調べてもらったほうがいいだろうかと口を開きかけたところで、やっぱりやめることにした。
(弘徳様を信じてないわけじゃないけど、あまり言わないほうがよさそうな内容だし)
それにいますぐ調べないといけないことでもない。調べる前に虹淳様が教えてくれる……ことはないような気もするけれど、やっぱり口にすることはできなかった。
「そういえば、あなたは竜妃様のことをその、名前で呼ぶんですね」
「はい?」
「いつも竜妃様ではなく名前で呼んでいるじゃないですか」
「あぁ、はい。教えてもらいましたので」
「……羨ましい」
顔を背けながらぼそっとつぶやかれた言葉に口元がひくっと引きつった。
(悪い人じゃないけど、やっぱり変な人のような気がする)
さすが竜妃様のことを調べるために宦官にまでなった人だ。わたしが男だったら書物を読むためにアレを捨てるなんて選択はしない。
(まぁ、それだけ竜妃様を思っている人なら大丈夫か)
きっとこれからも心強い味方でいてくれるだろう。そう思いながら夕餉に出そうと思っていたゆで卵を作るべく湯を沸かすことにした。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
炎華繚乱 ~偽妃は後宮に咲く~
悠井すみれ
キャラ文芸
昊耀国は、天より賜った《力》を持つ者たちが統べる国。後宮である天遊林では名家から選りすぐった姫たちが競い合い、皇子に選ばれるのを待っている。
強い《遠見》の力を持つ朱華は、とある家の姫の身代わりとして天遊林に入る。そしてめでたく第四皇子・炎俊の妃に選ばれるが、皇子は彼女が偽物だと見抜いていた。しかし炎俊は咎めることなく、自身の秘密を打ち明けてきた。「皇子」を名乗って帝位を狙う「彼」は、実は「女」なのだと。
お互いに秘密を握り合う仮初の「夫婦」は、次第に信頼を深めながら陰謀渦巻く後宮を生き抜いていく。
表紙は同人誌表紙メーカーで作成しました。
第6回キャラ文芸大賞応募作品です。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる