18 / 29
17ー朝の日差し、海が見えるアパートですの
しおりを挟む
「カトレアさん、朝ですよ」
「朝ですの?」
トレイザがカーテンを開けて、淡い日差しが舞い込みます。
時刻は早朝、5時くらいでしょうか。
まだ眠たいですが、今日は早起きした理由があるのです。
カニ騒動の後です。
私とトレイザは部屋を探しました。
宿屋でも良かったのですけど。
長期滞在予定ですしアパートを借りた方が安上がりということで、三階建ての海の見える部屋を借りることにしました。
どっちにしろ、部屋の後片付けなどはトレイザがやってくれるのですけど。
これを機に私も家事を覚えませんとね。
マルタですら料理をするというのに……私も料理がしたくなりました。
部屋の間取りは1LDK。
屋敷に比べたらかなり狭い部屋になりますが、十分でした。
うふ、いいですわね。
こういうのも。
ベッドは別々ですけど、姉と同じくらい長い時を過ごした人と、一緒の部屋で寝るなんていつぶりでしょう。
ちなみに家賃の支払いは、私のこっそり溜めていたお小遣いから出してますの。
お母様から仕送りはあるみたいですが、トレイザに貯めてもらっています。
やはり、自立というものをしてみたいですの。
まずはこういう身の回りのやりくりから進めて行くのが重要でしょうし。
そうなれば……働かなければなりませんね。
もっとも、私の役目はエルトン様の後ろから補佐をするような役目。
基本的にこうして街で過ごすのも仕事のうちのようにも思えるのですが、一度街で働いてみたいと思ってましたので、このままこの街で仕事を見つけてみることにしましょう。
「でもまずは朝市ですの」
早起きした理由はそれです。
マルタから聞いたのですが、そんなに魚が見たかったら朝市に行けとのこと。
はて、朝市とはなんでしょうか?
聞けば、漁師の仕事は早朝からだとか。
大抵の人は日に何度か船を出し、決まった時刻に市場に降ろされるようです。
日持ちがしないものなので、加工しないで食べられる魚はそんなものだと。
やはり、肉も野菜も魚も。
冷やせばそれなりに保つようなのですが、そういった魔道具の類はお金持ちくらいしか持ちません。
なので、基本的に売り出す時刻を決めて、それに合わせて漁が行われるのだとか。
肉は降ろしたてよりも少しだけ日が経った方が熟されるといいますが、魚はその限りでは無いようですね。
適切な加工なしに半日以上持たないと、マルタは言っていました。
そんな訳で起き上がって服を着替えます。
トレイザはもうすでに着替えて、簡単な食事を準備してくれていました。
そういうのはもう良いですよ、と私は言うんですが。
長年奉仕してきたんだから、これからもさせてほしいと言われてしまいました。
私も覚悟したんだから、カトレアさんも奉仕される覚悟してくださいと。
トレイザが男だったら引く手数多ですね。
そんなことを思いながら外の風景を見ます。
まるで窓が絵画のよう。
やっぱり海辺の街とは良いものですね。
こうした水平線を一望できる部屋が、かなり安いですの。
観光名所になったらこう言う場所は一気に地価があがりそう。
さてと、準備はあらかたすみましたし。
「では朝市へとゴー、ですの」
「朝ですの?」
トレイザがカーテンを開けて、淡い日差しが舞い込みます。
時刻は早朝、5時くらいでしょうか。
まだ眠たいですが、今日は早起きした理由があるのです。
カニ騒動の後です。
私とトレイザは部屋を探しました。
宿屋でも良かったのですけど。
長期滞在予定ですしアパートを借りた方が安上がりということで、三階建ての海の見える部屋を借りることにしました。
どっちにしろ、部屋の後片付けなどはトレイザがやってくれるのですけど。
これを機に私も家事を覚えませんとね。
マルタですら料理をするというのに……私も料理がしたくなりました。
部屋の間取りは1LDK。
屋敷に比べたらかなり狭い部屋になりますが、十分でした。
うふ、いいですわね。
こういうのも。
ベッドは別々ですけど、姉と同じくらい長い時を過ごした人と、一緒の部屋で寝るなんていつぶりでしょう。
ちなみに家賃の支払いは、私のこっそり溜めていたお小遣いから出してますの。
お母様から仕送りはあるみたいですが、トレイザに貯めてもらっています。
やはり、自立というものをしてみたいですの。
まずはこういう身の回りのやりくりから進めて行くのが重要でしょうし。
そうなれば……働かなければなりませんね。
もっとも、私の役目はエルトン様の後ろから補佐をするような役目。
基本的にこうして街で過ごすのも仕事のうちのようにも思えるのですが、一度街で働いてみたいと思ってましたので、このままこの街で仕事を見つけてみることにしましょう。
「でもまずは朝市ですの」
早起きした理由はそれです。
マルタから聞いたのですが、そんなに魚が見たかったら朝市に行けとのこと。
はて、朝市とはなんでしょうか?
聞けば、漁師の仕事は早朝からだとか。
大抵の人は日に何度か船を出し、決まった時刻に市場に降ろされるようです。
日持ちがしないものなので、加工しないで食べられる魚はそんなものだと。
やはり、肉も野菜も魚も。
冷やせばそれなりに保つようなのですが、そういった魔道具の類はお金持ちくらいしか持ちません。
なので、基本的に売り出す時刻を決めて、それに合わせて漁が行われるのだとか。
肉は降ろしたてよりも少しだけ日が経った方が熟されるといいますが、魚はその限りでは無いようですね。
適切な加工なしに半日以上持たないと、マルタは言っていました。
そんな訳で起き上がって服を着替えます。
トレイザはもうすでに着替えて、簡単な食事を準備してくれていました。
そういうのはもう良いですよ、と私は言うんですが。
長年奉仕してきたんだから、これからもさせてほしいと言われてしまいました。
私も覚悟したんだから、カトレアさんも奉仕される覚悟してくださいと。
トレイザが男だったら引く手数多ですね。
そんなことを思いながら外の風景を見ます。
まるで窓が絵画のよう。
やっぱり海辺の街とは良いものですね。
こうした水平線を一望できる部屋が、かなり安いですの。
観光名所になったらこう言う場所は一気に地価があがりそう。
さてと、準備はあらかたすみましたし。
「では朝市へとゴー、ですの」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,900
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる