装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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8巻

8-1

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 第一章 さよならトガル、お祭りのタコから


 ゴブリンネクロマンサーと化した小賢しょうけんウィンストと、アンデッドドラゴンとの戦いから数日。
 アンデッド災害が収束したことで、俺――秋野冬至あきのとうじは、ようやくサルトの街での待機状態からかれることになった。
 冒険者ギルドによる安全の確認が終わるまでそれなりに時間は掛かったが、無事に依頼完了という運びになって、何よりである。
 今回の一件を受けて、俺はソロのAランク冒険者となった。
 再会した冒険者イグニールとのランク差にヤキモキしていたが、これで俺も胸を張って彼女の隣に立つことができる。
 ここ数日、ずっとサルトの街にいた俺は、暇で暇で仕方なかったのだが、リフレッシュすることはできた。バカンスだと思えば悪くない。
 ペットのポチは、家事が終わると牛丼屋の手伝いに行き、俺は家にもって日課の装備製作やらポーション製作やらを続けた。
 時たまイグニール、ゴーレムのゴレオ、ダンジョンコアのジュノーに連れ出されては、みんなでショッピングを楽しんだりした。
 その際に偶然、芸術家ロガソー氏とデートする、メイド服を身にまとった美しいゴーレム、シャーロットに遭遇した。
 するとゴレオが対抗心からか、メイドゴレオ化して俺の腕を強く抱いたもんだから、俺の腕が変な方向に曲がってしまう、なんて事件もあった。
 うーん、平和だ。
 いつだってそうだ、壮絶な戦いの後には、こうした平和が待っている。
 以前のように、俺が事なかれ主義のままだったら、この何でもない日常の楽しさをみ締めることはできなかっただろうな。
 そうしたサルトでの日々も、今日で終わりを迎える。
 魔導国家ギリスに帰る時がやって来たのだ。
 サルトは俺が冒険者としてスタートを切った街であり、とても思い出深い。
 だが、ギリスに残して来た友人のマイヤーとストロング南蛮なんばんにも悪いので、さっさと帰ることにした。
 ペットのワシタカくんに乗れば、急いで三日。
 十分に長旅だが、最初にギリスに向かった際は、貿易船に乗って倍以上の時間を要したから、それに比べると断然早い。
 飛んでいる間は寝ているだけで大丈夫だしね。
 眠たくなくても、飛んでいる間なら寝ることができる俺は、睡眠のプロかもしれない。


       ◇ ◇ ◇


 出発の当日、サルトの西門付近にて。

「結局、またトウジに全部やらせてしまったな」
「まあ、たまたまだよ」

 やれやれといった面持おももちの冒険者ガレーに、適当に返しておく。

「あの……今回の依頼の報酬、等分にして本当に良かったんですか……? 僕たち何もしてないですよ?」

 同じく冒険者のノードは、一切戦闘に参加することなく今回の依頼が終わってしまったことを、気にしているようだった。

「当然。四人で受けた依頼だからね」

 報酬額は、パーティーに5000万ケテル。
 早期達成した上乗せ分も含まれているとはいえ破格だ。
 まあ、炭鉱街になりつつあった場所を壊滅かいめつさせた大災害の案件だから、妥当かもしれない。
 報酬を俺たち四人で均等に割ると、一人頭1250万ケテル。これだけの大金なのだから、多くもらう必要なんてない。

「ありがとうございます! この恩は忘れません!」
「いや、恩を売ったつもりはないんだけど……」

 興奮しながらブンブンと頭を下げるノードに、俺は少し後ろめたい気持ちになった。
 ぶっちゃけて言えば、小賢と戦う前のゴーレム戦のドロップによって、俺の懐はすこぶる温かい。
 ゴレオの等級上げで1億ケテルほど使ってしまったが、まだ3億ほど残っている。
 これはポチの等級上げに使用しようかな、なんて検討中だ。
 ポチがレジェンド等級になれば、さらにドロップしたケテルの獲得量が増えるので、5000万ケテルを分配しても何も問題ないのである。
 うふふ、うきうき。

「ノード、トウジは『ド』がつくほどのお人好しだから、大人しくもらっておけ」
「ガレーさん……少しはありがたがりましょうよ……」
「どうせ、受け取らないと言っても置いていくだろう。だったら素直にもらっておくべきだ」

 俺はガレーの言葉にうなずいておく。
 みんなが知らないところで稼がせてもらっている身だからね、還元だよ還元。

「それに毎日、寝る前に白金貨に向かって礼拝を欠かさないようにしているから、問題ない」
「そ、そんなことしてるんですか……うわぁ……」

 ガレーのとんでもない一言に、顔を引きらせるノードだった。
 これには俺やイグニール、ポチたちも苦笑いである。
 ガレー本人の中では、感謝しているって意味合いなのかもしれないが、白金貨に向かって毎晩礼拝するなんて、さすがにおかしいだろう。
 ちなみに俺は、良い潜在能力のついた装備ができたら合掌がっしょうして感謝してるけどな。装備製作の神に対して。

「ともかく! これで装備も新調できますし、しばらく安泰あんたいです! で、でも……初めて持った大金に……周りの視線が怖いというか、なんというか……!」

 そう言いながら、ノードは白金貨十二枚と、金貨五十枚の入った革袋を大事そうに握りしめ、周りをキョロキョロと不安そうに見回した。

「ああ、俺も昔そんな感じになったよ」

 懐かしい。デプリから逃れる道中で、ドロップアイテムを全部売却した時のことだった。
 大金を奪われてしまわないか不安になってしまうのは、誰もが通る道である。

「トウジさん! どうやって対処したんですか!?」
「ん? 別に対処とかはしてないよ」

 ノードの見た目は金持ちではなく、ただのしがない冒険者。
 金の匂いをぎつけて襲ってくる奴なんているはずがない。
 舞い上がってから、誰も自分のことなんか見ちゃいないってことに気がついてへこむまでが、この突発成金状態のワンセットなのである。
 そう伝えると「ああ、確かに自分の思い上がりですね……」と、ノードは肩を落とした。

「それでトウジ、次はいつこっちに戻ってくるんだ?」

 ズーンとへこむノードを鼻で笑いながら、ガレーが話題を変えた。

「……次か、うーん」

 しばし考えるが、特にサルトに戻ってくる予定はない。
 今回はたまたま、アンデッド災害の一件があったから、仕方なくサルトに来た。
 冷淡かもしれないが、正直いちいち海を越えてここまで来るのは面倒くさいのだ。
 もともと出不精でぶしょうな性分だから仕方がない。
 まあ、旅行気分で新天地を目指すのは楽しいけどね?
 あれだ、ロールプレイングゲームをやっていて、どんどん攻略を進めていくけど、初期の村に立ち寄らなくなる感覚に似ている。

「あっ、年が明けたら戻ってくるかもしれない、ってところ」

 ふと、戻ってくる一つの理由が見つかった。
 ポチの料理の師匠、パインのおっさんの息子であるメッシに子供が生まれたら、顔を見せにこようと思っているのだ。
 ポチがお世話になったからね。
 出産予定日すらわからないのだけど、たぶん手紙でも寄越よこしてくるだろう。

「もっと頻繁ひんぱんに戻って来てもいいんだぞ」

 ガレーは、何だか少し寂しそうにしていた。

「いやー、サルトは遠過ぎるよ」
「だが、ロック鳥を使えば三日だろう?」
「簡単に言うなって……」

 空を飛ぶと言えば聞こえは良いが、ワシタカくんの脚に縛り付けられて、吹きさらしの中を耐えなければならないのだ。
 苦行だ、苦行。
 あれには心の準備が必要となる。
 そうだ。一つ、ガレーの希望を叶える方法があるとするならば、ギリスの友人、オスローと建設を予定している飛行船があった。
 空の旅が快適になれば、サルトにだっていつでも遊びに来れるようになる。
 完成がいつごろになるのかは、現状まったくわからないけどね。

「ふーむ、だったら次は俺たちが行く番か」
「え? どこに?」
「ギリスだ。基本的には、ここサルトでもう少し活動をして縁を築きたいのだが、たまにはギリスへ向かう護衛依頼を受けても良いだろう。山脈の魔石やら鉱石を、海の向こうに大量に運んでるって話はよく聞くからな、便乗させてもらい、顔を見に行く」
「なるほどねー」

 それならば、往復の旅費も雇う側が持ってくれそうだから、コスパが良い。
 実にガレーらしい考えだった。

「来たらもてなすよ。ポチが作る、ギリス名産のチーズ料理とか、絶品だぞ?」
「アォン!」

 ずっと隣で話を聞いていたポチが、誇らしげに鳴いた。
 伝説の料理人の弟子であり、珍味の探求者にも認められたポチ。
 小さな腕から作り出される料理は、繊細かつ表情豊か。
 俺たちが体験した味の冒険を、ガレーとノードにも味わって欲しいもんだ。

「イグニールさん、これからポチくんの料理を毎日食べられるなんて……うらやましいなあ」

 へこんでいたノードも、ポチの料理を想像して、じゅるりとほうけた表情になっている。
 その気持ちはわからんでもない。
 ポチのチーズ料理を食べた日は、ずっと脳がとろけた感覚になるんだ。

「ちょっと、その言い方だと、私が料理目当てでパーティーに入ったみたいじゃないの」
「でも相当大きいですよ、そのメリット!」
「まあそうだけど……ポチ、いつも美味おいしいご飯ありがとうね?」

 ポチの料理が目当てじゃない、なんて言うとポチに失礼だと思ったのか、イグニールは肯定しながらポチを抱っこし、頭をなでなでする。

「フンス!」

 なでなでされながら誇らしそうに鼻を鳴らすポチだった。
 ま、胃袋をつかまれるのも当然だ。
 俺だってもう、ポチがいないと生活が成り立たないレベルにおちいっている。
 このパーティーのかなめは、家事炊事全てをこなせるゴッドコボルトなのだ。

「よし、とりあえず行こうか」

 いつまでも別れの挨拶を続けていても仕方ない。時間が経てば経つほどに、別れるのは惜しくなってくる。
 すっぱりと旅立つことも重要だった。

「トウジ、また会おう。そして昨日の送別会以上の会を開こう」
「うん、ギリスに来たらお前たちの歓迎会だな」

 その時はうんと豪勢にやろう。

「期待している。後で要望をまとめた手紙を送っておくから、目を通しておいてくれ」
「お、おう……」

 なんだこいつ、急に図々ずうずうしいな。
 ガレーはやっぱりどこまでいっても、ガレーなのか。

「もう、ガレーさん! もてなされる側はそういうこと言っちゃいけないんですよ! サプライズの意味が無くなっちゃいますから!」
「おっとそうだった……さっきの言葉は忘れて、普通に歓迎会をしてくれても良いぞ? 変にサプライズされるかもって状況だと、逆にソワソワして気が気じゃないからな?」

 すごくわくわくとした表情をしながら、そんなことを言うガレー。
 いや、サプライズなんてする気はないんだけど?
 普通にみんなで集まって、ご飯を食べながら酒を飲み、語り明かす。
 それが一番良いんじゃないか。
 下手へたに楽しみにされても、誰かにサプライズした経験なんて皆無なので、上手うまくできる自信がないぞ。

「と、とりあえずなんか考えておくよ……」

 良いとしこいたおっさんが、あまりにも少年みたいなキラキラした目をしていたから、俺はできるかもわからないのに、そう言ってしまった。
 何か適当に、プレゼントでも考えておけば良いだろう。
 腕輪を渡した時なんか、かなり喜んでいたからね。
 もしくは逆に、何もサプライズしないのがサプライズ、なんてどうだろうか?
 こんなサプライズ、誰も考え付かないすごいってならないかな?
 そんな俺の思考を見透かしたように、ガレーは言う。

「言っておくが、適当に済ますなよ? 本気でやれよ? 面倒くさがってサプライズがないのがサプライズとか言い出したら……ノードと一緒に玄関先で泣き叫んでやる」
「お、おう……」

 えげつないほどにはた迷惑なことを、真顔で告げられた。
 付き合わされるノードのことも考えろよ。

「トウジさんのサプライズ、楽しみですね! なかったら僕も泣き叫びますから!」
「な、なんか頑張って考えとく!」

 俺は適当に言い残すと、さっさと西門から外に出ることにした。
 この場にいると、サプライズのハードルがとんでもないことになりかねない。

「まったくあいつらと来たら……」

 溜息をついていると、隣を歩くイグニールがくすりと笑いながら言った。

「でも、私たちがすんなり帰れるように、ふざけてくれてたのかもしれないわね」
「そうかもね」

 後ろを振り返ると、門から出て手を振る二人の表情は、やはり少し寂しそうだった。
 俺だって寂しいさ。
 でも、生きていればまた会える。

「トウジさーん! また……また会えますよねー!」

 もう豆粒みたいになったノードの声が届く。
 俺も手を振り返して、大きく叫んだ。

「会えるさ! ギリスで待ってる!」

 久しぶりのサルトでは、みんなが俺のために、以前できなかった送別会と再会を祝う会を開いてくれた。
 次は、俺がみんなのために会を開こう。うんとサプライズを盛り込んでね。

「それまで死ぬなよ……二人とも……」

 サルトの東に連なる山脈に目を向けながら、そう独りちた。


       ◇ ◇ ◇


「……ねえ、本当にこんな方法で移動して来たの?」

 イグニールが口元をやや引き攣らせながら、俺に尋ねた。

「うん」

 俺とイグニールは今、ワシタカくんの脚に固定されている真っ最中だ。
 かちゃかちゃ、ぎゅっ。
 ベルトを装着される音が、これから迫る恐怖への序曲にも思えてくる。

「別に急いでないから、ゆっくり移動しても良いのよ? グリフィーは?」
「ワシタカくんの方が十倍速いし、そもそもグリフィーは海を越えられないんだよ」

 船に乗るのも金がかかるし、色々面倒くさいことが起こりかねない。
 経験者の俺が断言する。
 だから問答無用で、イグニールもワシタカくんの脚にくくり付けることになった。

「パーティーを組んだら、長距離移動は基本こうだよ」
「……はあ、組む相手を間違えたなんて、口が裂けても言うつもりはないけど」

 イグニールは大きな溜息をつきながら続ける。

「今から起きることへのほんの少しの後悔と、十分な心の準備くらいはさせてもらうわよ?」
「どうぞ」

 思い残すことなく、後悔してくれ。
 俺も通った道なので、それくらい許容範囲だ。
 後悔してるところを見るギャラリーがいないだけ、イグニールはまだ恵まれている。

「ねえ、このベルトって、いくつもつける必要あるのかしら?」

 腰、足につけられた固定用のベルトを見ながら表情を固くするイグニール。
 車のシートベルトみたいに袈裟けさ掛けにもつけるぞ。

「落ちたら怖いから」
「……でも、胸がちょっと苦しいわよ」

 袈裟掛けベルトで胸の形がやや浮き彫りになっていた。
 けしからん。
 しかし胸が苦しくとも、そのベルトが一番重要なのだ。

「安全のためだから仕方ないよ」

 むしろ腰だけだと上体が安定しないので、そっちの方が怖いのである。

「心配性よねぇ……確かに大事だけど……」

 安全への取り組みは過剰にやってこそなんぼ。
 着脱が面倒という難点もあるが、致し方ない。

「って……トウジにつけられたベルト、明らかに私のよりも多いわね」
「ああ、俺は足とか腰のベルト数を倍にして、動かないようにギチギチに固定してるよ。ベルトが何らかの不備によって破損した場合の保険みたいなもん。イグニールも必要なら、まだまだ予備があるから好きなだけつけて良いよ」
「……またこすれそうだからやめとく……」

 さながらパラシュートベルトのような形になった俺のベルト姿を見ながら、イグニールはあきれた表情で言葉を締めた。
 それから、ポチも俺のおなかのあたりで固定される。
 今回はイグニールが初めてで心配だと言うことで、ジュノーが彼女の服の中に入ってえりから顔を出していた。

「えへへ、もにもにだし」
「こらっ! そういうこと言わないの! や、こら、あんまり動くな!」


 もにもにだと?
 こっちはもふもふだぞ、負けてねえ。
 俺も負けじと、ポチをもふもふぎゅうぎゅうしながら対抗意識を燃やす。

「……アォン」

 よし、もふもふの補給も済んだことだし、行くか。

「ワシタカくん、頼むね」

 ベルトの装着をしてくれていたゴレオをサモニング図鑑に戻すと、ワシタカくんにお願いする。

「ギュアッ!」

 ワシタカくんの馬鹿デカい翼で太陽が隠れる。
 ご飯も食べた、トイレも行った、飛行準備はバッチリだ。
 アテンションプリーズ、アテンションプリーズ。
 これより、ワシタカ航空ワシタカ便は、サルトよりギリスへのフライトを行います。
 機内食もトイレも、機内を快適にするアメニティは何一つありません。
 そもそも機内ですらなく、吹き曝しとなっております。
 それでは、ただひたすら耐え忍ぶ空の旅を楽しんで。

「――ギュアッ!」

 大きく羽ばたかれる衝撃とともに、とんでもない浮遊感に襲われる。

「わひっ!?」

 イグニールの短い悲鳴が聞こえた。
 離陸の瞬間は怖いよね、でも、高高度を飛ぶようになってからがさらに地獄である。
 決して落ちた時の想像はしないように。
 ちなみに俺は離陸後すぐに寝てしまうから、かなり平気になった。
 まったく眠たくなくても勝手に寝てしまうんだから、不思議だなあ……?
 これがフライト慣れってやつなの――


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