装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

820 様変わりしたアルバート商会

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「うわぁ~、なんかすごいし! すごい人だし!」

「そうだな、すごいな」

 思ったよりも人が多かったので、ゴレオとコレクトには戻ってもらう。
 ゴレオは図体が大きく、コレクトを飛び回らせるのは忍びないからだ。

「じゃ、行くか」

 とりあえずそう意気込んてみたは良いものの……。
 いったいどこに向かえばいいのやら……。

「トウジ、うろうろしてるけど、どこに行くつもりだし?」

 右往左往しているとジュノーが俺のフードを引っ張った。
 彼女自身はとにかく中を見て回りたくて仕方ないらしく。
 そわそわしている。

「いや、マイヤーの場所なんだけど……」

 顔見知りの店員を探せない。
 店員に聞こうとしても、他の客の対応をしている。
 そんな状況で二進も三進も行かなかった。

「いつもだったら顔パスで通してもらってたんだけどなあ」

 ふらっと店に行けば店員が裏に通してくれていた。
 待っていたらセバスかマイヤーが来てくれる。
 こうして振り返るとかなり特別な対応だったな……。
 ありがたや。

「だったらさ、とりあえず海鮮丼食べるし」

「お前さっきの家族の話聞いて食べたくなっただけだろ」

「そうだけど、何もせずうろうろするよりずっとマシだし」

「それもそうね」

 突っ立ったままでいるのも邪魔だろうしってことで、その屋台街とやらにさっそく行くことになった。
 このアルバート商会サルト支店は、元々の立地が通り2本に面するほどの規模で縦長である。

 今までは店舗の奥に、店員たちの居住スペースなどがあった。
 そんな奥の間取りが向こうの通りまでぶち抜かれた状態となっている。

 屋台街、と言われていた所以。
 一階部分の奥半分に、所狭しと出店が立ち並んでいるからだった。

 なんとなくだが、仲見世通りという言葉が頭に浮かんだ。
 勝手に想像していたフードコートとはまったく違う場所である。

「すげぇな……これ全部アルバート商会でやってんのか……」

 大通りにも店は立ち並んでいるけど、それをぐっと中に押し固めた形。
 この狭さが良いんだろうか?
 確かにぎゅうぎゅうにいろんなものが詰め込まれた状況ってわくわくするしな。
 ドンキ○ーテとか、そんな感じだろ。

「なんか暗くて夜みたい。明かりがピカピカしてるし」

「天井があるからそりゃそうだろ」

「店頭の席が空いてなかったら持ち帰り選んで上の階に食べれる休憩スペースがあるみたいね」

 イートイン採用ですか。
 2階だったら山肌に作られた街であるサルトの景色も味わえる。

「ほな、うちが提供行ってくるわあ!! 2階の5番席やっけ!?」

「お嬢! お子様セットのホットサンドランチだから、おもちゃも持って行って!」

「えーっ! そんなんもつけてんの!? あーほんま忙しい! なんなんこれ!」

 店舗前の席が空いてないので、持ち帰りの海鮮丼を頼む列に並んでいると、聞き慣れた声が聞こえてきた。

「聞いてへんのやけど! いきなりうちの目の前についたと思ったら、間髪入れずに手伝わされるし!」

 マイヤーだった。
 赤いシャツに黒いスカート姿のマイヤーが、ジュースとホットサンドとおもちゃを載せたトレーを両手にパタパタと人混みを縫ってかけて行くところである。

「トウジ、いたわね」

「うん、いたね」

 マイヤーの姿を無事に確認できたことは何よりだ。

「けど、めっちゃ忙しそうだな」

「そうね」

 忙しい忙しい言いながらも、なんだかんだ楽しそうに仕事をする。
 そんなマイヤーがちょっとイラついているようだった。

「どうやって話しかけようかな……」

「ねえ、あたしに良い案があるし」

「ほう、どんな案?」

「あたしらもお子様セットのホットサンドランチ頼むし!」

「ええ……」

「マイヤーが持ってきてくれるから、会えるし!」

 食べたいだけだろ。
 忙しそうにしてる状況で、さらにそれを加速させるって迷惑極まりなくないか?
 俺がバイトしてた時も、バイト仲間は友達が店に来るのは嫌だって言ってたぞ。

 え、なんで俺じゃなくてバイト仲間の話かって?
 俺はほら、あれだ。
 ネットの世界にしか友達いなかったから……。
 そんなことを思ったことはない。

「あと、おもちゃもらえるんだし!」

「狙いそれだったか……」

「ダンジョンコアの収集癖舐めんなし! トウジだって欲しいでしょ!」

「いや俺はおもちゃは別に……」

 子供の頃は欲しかったけど。
 大人になってみれば、なぜ欲しかったのかわからない。
 不思議なもんだ。

「まあ、ゆっくり彼女が休憩に入るのを待ちましょ?」

「そうだね」

 イグニールの言葉に頷いて、お子様セットをジュノーに買ってやることにした。








=====
すいません、ここから再び仕切り直しをさせてください。
今まで更新できずにすいませんでした。
この場を借りて、読んでくださる皆様にお詫び申し上げます。

継続は力なり。
しがないウェブ作家の私にできることは毎日コツコツ投稿する。
それを忘れてしまった数ヶ月だったこと。
深く反省し、これからは装備製作系チート、そして皆様に。
真摯に向き合って書いて行く所存であります。

これからも、応援よろしくお願いします。
毎日更新は生活に張りもできますので、続けていきたいです。

長らくお待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
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