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本編
762 アタッチメントツインテール
しおりを挟む「だから言ったじゃないか、一撃で仕留めたって! アハハハハハハハハ!」
心に確かな動揺が走る。
髪に触れて確認したら、しっかりラブの髪だと出ていた。
「トウジ、まじでそれ本人のなのかよ?」
「あ、ああ……」
パッと浮かぶ仮想画面には、龍人ラブの右髪だと書かれている。
……ん? 龍人? 右髪?
髪に左右なんてあんの?
どういうことだと思ったら、仮想画面がやけに縦長である。
【龍人ラブの右髪】
必要レベル:140
STR:500
DEX:500
VIT:500
INT:500
AGI:500
UG回数:30
特殊強化:◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇
限界の槌:2
装備効果:龍人ツインテールセット 全属性耐性
【ツインテールセット】
・対象装備
龍人ラブの右髪
龍人ラブの左髪
・2セット効果
全てのステータス:+1000
攻撃力・魔力:+100
HP・MP:+2000
「ッ!?」
さらっと見てみると、まさかの装備アイテムだっただった。
おい、おいおいおい。
ラブのツインテールってアタッチメントだったのかよ。
しかも無駄に強いやんけ……。
「アハハハハハハ! 騙されていたのはどうやら君たちの方だったみたいだね!」
「テメェ……」
「そう怒るな小さいダンジョンコアよ。君たちが勝手に勘違いしただけだよね?」
そんな俺の心境はさておき、なんとも熱い展開を繰り広げる二人。
んー、この話の流れどうしよう……。
これって、本当にラブがやられたみたいな感じで考えていいのか?
なんか、めちゃくちゃ普通に生き残ってる説が浮上してきたぞ……。
つーか、こういう小ネタみたいな部分ってさ。
普通本編で語られない部分だと思うんだけど。
まさかのまさか。
普通に存在してしまっているという状況。
しまんねえなぁ……おい……。
「ハハハハハ! 勘違い! 勘違い! バーカバーカ!」
「なんだと! バカって言った奴がバカなんだぞ!」
こうして側からジュニアとアンダンテの戦いを見てると。
命の削り合いとはまったく思えなくなってくる。
「この様に、私は代理権限持ちすらも殺せる力を持つ!」
「まだ、決まったわけじゃないだろうが!」
「いいや、その証拠にお前の攻撃をあれだけ受けてもこうしてピンピンしてるだろう!」
「……チッ、どんどんこれからギアあげてくんだよ。俺は尻上がりタイプだからな!」
「では私もギアをあげよう! 今までの倍の速さで動く」
「俺は3倍だ!」
「4倍」
「子供みたいなこと言いやがって! クソガキめ!」
「ガキはお前の見た目だろ! ガーキガーキ!」
……なんかもう、面倒臭くなって来ちゃったな。
とりあえずクイック使ってジュニアにバフ。
そして引力と斥力、さらにイフリート召喚すっか。
「盟主よ」
「ん? なんだスライムキング」
「王室の主より、伝言だ」
俺の隣で黙って言い争いを見続けるスライムキングの言葉に耳を傾ける。
「代理権限持ちの守護者を発見した」
「お、おう……」
やっぱり生きてたみたい。
ほらな。
「どこにいたかわかるか?」
「自室だ」
「何してたんだ? まあ、わかるけど……」
「ツインテールの予備を探していたとのこと」
「あっそう……」
「あと、シャーベットを食べたあとだったからトイレに少しこもっていたらしい」
「へ、へえ……」
相変わらずお腹ゆるゆるなんだな。
「ちなみに、一時退却した理由はお腹が痛かったからだそうだ。それで不意打ちを受けたらしい」
「……も、もういいよ」
ラブを無事に見つけたということで、あいつらにも教えておくか。
「おーいアルデンテ」
「アンダンテ!」
「なんだって良いけど、管理権限持ちの守護者は無事に見つかったぞ」
「な、なにいいいいいいい!? こ、殺したはずだが!!」
今日一番の愕然とした顔を作るアンダンテ。
こいつの言ったことは、まあ基本的に嘘ではない。
だが、単純に勘違いが多かったってだけ。
最初から思っていたのだが、単純にアホなんだ。
俺たちはどうやらアホの妄言をブラフだとか思っちゃっていた。
ただ、それだけなのである。
「はあ、なんか精神的に疲れてくる結果だ。でも、安心はできた」
「戦いながら話聞いてたけど、うんこかよ。心配して損したぜ」
「ま、まあ良いんじゃない? とりあえず攻勢に出よう。さっさと倒して帰るぞもう」
=====
バカ→意外と狡猾?→やっぱりただのバカ
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