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本編
742 特になんともなかった。
しおりを挟むうーむ、大変なことが起こったのかもしれない。
とりあえずありのままを言うと。
俺は性欲を奪われてしまったらしい。
「別になくなっちゃった感ないんだけど……」
「プルァ」
「え、元から旺盛なタイプじゃなかったって?」
確かに、キングさんの言う通りだ!
いや人並み程度にはあるけど。
別にそれが全てではない、という人生観である。
ネトゲやってると、性欲のままに行動して。
ギルドとかクランを破壊する奴らがいる。
ネトゲの世界じゃ、ゲームの強さがヒエラルキー。
誰しもが、おこぼれ、そして玉の輿を狙い。
弱者が強者に群がって行くのである。
現実世界も仮想世界も、本質は変わらないのだ。
そんな中、俺は特に異性間トラブルなんてない。
古いネカマのフレンドよく連んでプレイしてたしね。
そいつは、可愛いキャラを作ることにかけてのみ。
無尽蔵に金をかける面白い奴だった。
端から見たら、俺は可愛い女キャラと毎日一緒にいる。
だから寄ってこなかったんだろうなあ……。
でも中身おっさんだって言ってたからなあ……。
まあ、そんな話はさておいて。
「プルァ?」
他に体に異変は存在するか、と俺を心配するキングさん。
「いや、特に?」
今でもイグイールのことを愛している。
みんなのことを家族同然で大切に思っている。
「何にも変わってないよ」
ただ一つ言えることは、セブンスがやられなくてよかった。
それだけである。
あいつはこれから思春期を迎えたり、色々な人生のイベントが待っている。
俺はすでに人生の折り返しにも近い状況だから、別になんだっていいのだ。
「それに、奪われたものは親玉が管理してるっぽいこと言ってたし」
別に希望がなくなったわけではない。
むしろ、骨の体を取り戻せる一つのきっかけになった。
やられたからやり返すの大義名分である。
「プルァ……?」
「心配しなくていい。何も変わってないよ」
さて、戻るか。
その前にドロップアイテムを確認しておく。
コレクトを入れ替えているからか。
そこまで良いドロップは存在しなかった。
やることなすこと、思考までもがカス。
その上でドロップもカスとか、マジでこの世にいらない存在だ。
八大迷宮は、何か大きな役割を持っている。
そんなことを怠惰のスローフは言っていたけど。
大迷宮の戦争ってその役目を放棄してるよな。
……まさかとは言わんが、ビシャスの狙いはそこ?
うーん。
考えても仕方ないから、一先ず話し合いだ。
「戻ろう、キングさん」
「プルァ」
とりあえず、ハネムーンは中止。
ウィンスト連れてギリス、そしてすぐに昔の賢者。
それから魔国へ向かって、決着だ。
何やったって邪魔が入りそうだし、先手を打つべきである。
=====
作中でのビシャスの行動おさらい。
いろんな自分をいろんな国に送っている。
勇者一行をそそのかす。
断崖凍土の邪竜の封印を解く。(トウジ巻き込まれる)
魔王召喚を煽り、混沌の魔物を召喚する。(トウジ巻き込まれる、トウジ左腕えんがちょ)
クロイツに魔国の魔王召喚魔法陣を渡す。(トウジ巻き込まれる、トウジ憎しみ増幅される)
ダンジョンコアに竜の骨とってこいと言う。(トウジ巻き込まれる)
グリードと結託して八大迷宮の一つに宣戦布告中←NEW(トウジ性欲無くす)
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