装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

文字の大きさ
上 下
394 / 682
本編

663 はちゃめちゃ遊戯、ダンジョンすごろく・7

しおりを挟む

「罰ゲーム! ポチとピー! 内容は、激苦ドリンク~」

「アォン……」

「ぷぴぃ……」

 何巡か回って、ポチとピーちゃんが罰ゲームマスに止まる。
 二人揃って出てきた激苦ドリンクの一気飲みだった。

 んく、んく、んく。
 顔をしかめて頑張って飲む姿は、激しく可愛い。
 ポチ達には罰ゲームだが、俺にはご褒美か?

「相変わらず可愛いですぞぉ」

「でもちょっと可哀想よね、あんなに幼気なのに」

 どっちかと言えば、可哀想な部類に入るのは全身タイツのイグニールである。
 すでに慣れてしまったのは彼女は平気そうな顔をしていた。

「なによ」

 彼女を見ていると、目が合う。

「いや、なんでもないけど……うん、見てるだけ」

「恥ずかしいからあんまり見ないでよね」

「そんなこと言ったって下着姿は平気じゃん……」

「……それは、トウジが……なんでもない」

「え? なんて?」

「なんでもない! 次私の番だから、絶対負けないわよ!」

 イグニールはプリプリと怒りながらサイコロを振ってさっさと先に進んでしまった。

「罪な男ですぞ~」

 そんな様子を見ていた骨が、そう言う。

「なにがだよ。大方、パーティーだから気にするなって感じなんだろ」

「いや、普通のパーティーでも男女が肌を見せ合うことはしませんって」

「……」

 そうなの?
 でも普通のパーティーじゃないからなあ、うちは。

「つーか、過労が祟って風邪引いて、汗を拭いてもらう時、パーティーだからって全部脱がされて見られたぞ、俺」

「おおう、そんなことがあったんですか……」

「骨の理論でいくと、イグニールが下着を見て欲しい、俺の息子を見たいという意味になるけど……」

「そうなんじゃないですか?」

 さすがにそれは変態過ぎるとは思いませんかね……。
 冗談っぽく言ってみたんだが、真顔で返されるとは思わなかった。

「乙女は興味ないふりしていても、実はめちゃくちゃ興味あるんですからね」

「へー」

「恥じらいの中に、むっつり本能を隠し持つのです。ちょっと私も見て良いですか?」

「見せるわけないだろ。そんで、むっつりなのはお前だけだ……」

「なにを言っていますか! 私は純潔を未だに守り通してますですぞ!」

「そ、そんな情報いらねえ……」

 どうやら、日本にいた時から鉄壁と言われていたらしい。
 そして、異世界に来てからは言わずもがな。
 避妊具がないから、迂闊にそんなことはできんのだそうだ。
 今は誰かが広めてくれているが、骨のいた時代はそう。

「そして、私は散らす前に、膜というか皮膜全てを根こそぎ散らしたんですけどね。中身も」

「おおう……あんまり生々しい話は、今はやめておこうぜ……」

「どうですかトウジ様、試しに」

「試さない。試せない。試したくない」

 お断り三原則を行使して、骨の下ネタをバッサリと振り切ることに成功した。

「あとさ、そうやって自分を卑下にするもんじゃないって」

「別にそんなことはないんですが」

「お前の体をなんとかする方法も地道に探すよ」

「えっ、どう言うことですぞ?」

「心の底で帰りたい、そう思ってるなら、勇者と一緒にお前も返すって言ってんの」

 そしてそのためには、元の体に戻れる方法を探さなきゃいけない。
 本当に干からびてしまった結果が骨ならば、肉をつけるしかない。
 変身の秘薬は、骨の体液がない限り使えないから、どうしようか。

 ま、気長に探していけば良いだろう。
 砂漠で全てを失って魂と骨だけ残った。
 なんとなく、そこから導き出される結果は存在する。

 いずれは行かないといけないな。
 魂枯砂漠のグリードの元へ。

「俺にカルマカルマと言うけど、お前の方がカルマっぽいぞ」

「そんなことはないですぞ~」

「いーや、どう考えても何かの業によってそんな体になった」

 この世界は運命による強い結びつきが存在する。
 何かがあって、どうなった、こうなった。
 物事には、しっかりとした要因ある。
 どんな些細なきっかけでも、大ごとにつながることは多々だ。

 今、骨が生きているという謎状況。
 それを紐解いていけば、いずれは答えに結びつくだろう。

「俺のカルマなんて、もう禊きれんくらいあるんだろう?」

「ええ、まあ」

「だったらお前の分があったとしても、なんらいつもと変わらんよ」

 カルマ。
 信じるか信じないかで言えば、未だ漠然としたもの。
 俺が一時期禊だなんだと言っていたことは、ただの自己満足。
 心の平穏を保つためのものだ。

 しかし、あるのならなんとかなるだろう。
 カルマがあるなら禊もある。
 この世界には、対比的な存在が必ずあるのだからね。

「さ、お前の番だぞ、骨」

「人生これからだ、良いことあると良いな」

「いや別にずっと不幸だったと言う訳じゃないんですけど……まあ、良いですぞ」

 骨はサイコロを転がしながら言う。

「トウジ様、ありがとうございます。例え仮初めのものだとしても、今は寂しくないです」

「ま、なんとでも言え」

 骨の部屋もジュノーが作ってくれてるから、彼女の中ではもう家族である。
 そう、ここのメンツは一緒に暮らす家族と同じ存在。
 歴が長い短い、そんなの関係ないね。
 イグニールの言葉を借りるとするならば、フィーリングだ。

「骨、ご褒美マス! 初めてのご褒美ますだ!」

 サイコロの目は、ご褒美マスへと彼女を誘った。
 な、良いことあっただろ。
 あると思えば、なんでも良いことなんだ。

「ご褒美は、マイヤーより酒一気飲み券! 浴びるように飲めい!」

「うちのやー! そら、飲みや! 好きなだけ飲んでやー!」

「……え、一気強制なんですか?」

「うん、ご褒美の内容を書いてもらったメモにはそう書いてあった。秘蔵の酒を浴びるほど一気飲みしていいよって」

「ば、罰ゲームですぞ……」

 そもそも飲めるのか、という問題があるのだが……。
 自分の魔力へと食物を蓄積させる手段で摂取することができる。
 スッと消えていくような形だが、不思議なことに味もわかるらしい。

 さて、と。
 話がそれたが、俺とイグニールの関係性は、まだ進める気は無い。
 それだけは断言しておく。
 全てが終わってから、終わってからなんだ。








=====
ポチぬいぐるみが欲しい。
しおりを挟む
感想 9,834

あなたにおすすめの小説

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)

屯神 焔
ファンタジー
 魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』  この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。  そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。  それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。  しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。  正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。  そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。  スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。  迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。  父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。  一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。  そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。  毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。  そんなある日。  『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』  「・・・・・・え?」  祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。  「祠が消えた?」  彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。  「ま、いっか。」  この日から、彼の生活は一変する。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。 よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!! ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。 目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。 なぜか、その子が気になり世話をすることに。 神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。 邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。 PS 2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。 とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。 伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。 2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。        以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、 1章最後は戦闘を長めに書いてみました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。