393 / 682
本編
662 はちゃめちゃ遊戯、ダンジョンすごろく・6
しおりを挟む「はい、全滅終了~、みんな1000ケテルずつ徴収ね~」
終了を告げるジュニアの声。
ゴレオがホクホクとした表情で喜んでいた。
「全然HP削れなかった……」
元のすごろくエリアに戻り、参加賞であるジュースを飲みながら一息吐く。
鈍化沼の後は、吹き飛ばし床など行動を阻害するギミックが多々現れた。
ただでさえギリギリの状況なのに、めちゃくちゃ難しいミニゲームである。
対策を講じて全員が力を合わせれば、絶対にクリアできないなんてことはない。
「まあ、こう言うミニゲームは何度かあるから、攻略法見つけろよ~」
次があるなら、絶対に勝ちたい。
そう思った。
「くそー! なんだしジュニアー!」
1000ケテルを徴収されて憤慨しながらドタバタするジュノーである。
しかし全員が力を合わせれば、絶対にクリアできないなんてことはないのだ。
負けて悔しいのはわかるが、親になれば勝ちやすいゲームだ。
要は、俺たちで親有利のミニゲームを当てれば良いのだよ。
「今のは親有利だったけど、親が不利なのもあるのかしら?」
「不利ではないけど、有利ではないバトルだって存在するぞ」
「なるほどね」
「ただ、参加報酬親の総取りの時点で、基本的に不利はない」
そして、親とその他が行うバトル以外にも、色んなバトルがあるそうだ。
2チームに分かれて行うゲーム、完全にソロで戦うゲーム。
ゲームの内容も、今は明かされることはないが、色々と多種多様とのこと。
「さっ、とりあえずサクサク進行していくぞ~」
「ゴレオ殿の次は私ですね」
話もさておき、リクール、骨、ジュノー、俺、とすごろくは進んでいった。
リクールは馬を使用して馬レーンを爆走、みんなに大きな距離をつける。
骨は「刺激的なマスが良いですぞ」と言いながら、ケテルマス。
ジュノーは最下位から、アイテムゲットマスでサイコロを当てて次に期待。
俺も2マス進むマスを引き当て、5位のマイヤーに接近だ。
ちなみに、1位はポチとピーちゃんコンビ。
2位はリクールで、馬レーンにて追い越しそう。
3位はイグニール、4位はゴレオ。
5位にマイヤーで、6位俺。
7位が骨、8位がジュノーである。
「さて、私の番ね」
順当にサイコロが回っていき、イグニールの番となった。
「とりあえずリクールに差をつけられると後に響きそうだから、サイコロ2個追加券を使うわね」
「サイコロ2個追加券だな? よし、今回のイグニールはサイコロ三つ!」
最高18マス、最低でも3マス。
この他にも、サイコロの出目が偶数、奇数で固定。
もしくは1と6のみになるもの等が存在する。
コロコロ、コロン。
コロコロ、コロン。
コロコロ、コロン。
「出た! 最高値の18! 強いな、まさかすべてゾロ目の6が揃うなんて」
「よしっ!」
思わずガッツポーズをするイグニールに、ジュニアが言葉を続ける。
「ゾロ目の場合、ボーナスとしてサイコロ1個追加券を贈呈だ」
「キてるわね、この調子で爆速で行くわよ」
一気に18マスという爆進を遂げたイグニールが、チビコンビを抜いてトップに立つ。
しかし、そこで事件が起こった。
ブーーーーーーーーーッ!
「えっ」
ライトが赤く光り輝き、ブザーが鳴ったのである。
罰マスだ。
「おおお、豪運からのそのまま罰を踏み抜くとは、持ってるなイグニール」
「ど、どんな罰なのかしら……タイキックだけは勘弁して欲しいのだけど……」
「えっと、そのマスは……おお! ようやく出たぞ、プレイヤー罰マス!」
プレイヤー罰マスと聞いて、周りから声が上がる。
画面に映されたイグニールに、みんなの視線が集中していた。
「おほ~、いったい誰の用意した罰ですぞ~?」
「それはサイコロの出目によって決まる。イグニール、サイコロを振るんだ」
「……私、みんなを信用してるから、そこまでキツい罰はないって」
画面越しのイグニールの視線。
そして、サイコロによって罰ゲームが決まった。
「トウジの罰ゲーム!」
「おっ、俺だ」
確か用意したのって、スク水、ミニスカメイド、全身タイツだったな。
誰の罰ゲームか決まったら、そこからサイコロで内容が決まる。
「ばーん! イグニールの罰ゲームは、終了、もしくは衣装チェンジまで全身タイツ~!」
スク水こい、と思ったけど。
全身タイツの方だったか。
「全身、タイツ……?」
「それじゃ、お着替えいってらっしゃーい」
「わっ! ちょっと! なによこれ!」
イグニールの周りに囲いが出現して、ガーディアン達がなだれ込んでいく。
そしてすったもんだの声が聞こえたのち、イグニールが出てきた。
「………………」
赤いぴっちりの全身タイツで!
ごめん、笑いそう。
いや、スカートがあるタイプじゃないから、すげぇエロい。
しかしながら、エロ要素よりも、笑い要素の方が強い。
「にゃははははは! イグ姉、悲惨やん! わははあ!」
「お嬢様、笑ってはいけませんぞ。でも良い罰ですね」
「うわ~! イグニールなにその服! なんかすごいし!」
「これぞ、ザ・罰ゲームですぞ~」
ぴっちり全身タイツを身につけたイグニールを見たみんなの反応。
アル中コンビはすっかり出来上がっている。
「……トウジ、わかってるわね?」
「え? なんのこっちゃ?」
イグニールの視線をモニター越しに感じる。
しかし、罰マスに止まっちゃったら仕方ないよね?
後で火球とかは勘弁願いたい。
俺だって罰マス踏んだら、スク水着る羽目になるかもしれんのだから。
「くう……ねえ、これターン制じゃないの? ずっとこのままなのかしら?」
「うん。衣装チェンジマスとかあるけど、そっちがターン制だよ」
「…………絶対優勝してやるんだから! 見てなさい! 私の罰も楽しみね!」
真っ赤な全身タイツを身につけたイグニールは、勝利を誓っていた。
でも全身タイツだから、なにやっても笑えてくる。
さて、スク水、ミニスカメイド、一体誰にあたるんでしょうかね!
=====
ジュニア罰、プレイヤー罰、ミニゲーム、ご褒美、などなど。
一応一人ずつ触れていく所存です。
3巻書影の方、今日明日あたりにのっけておきます。
31
お気に入りに追加
30,141
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
パーティ追放が進化の条件?! チートジョブ『道化師』からの成り上がり。
荒井竜馬
ファンタジー
『第16回ファンタジー小説大賞』奨励賞受賞作品
あらすじ
勢いが凄いと話題のS級パーティ『黒龍の牙』。そのパーティに所属していた『道化師見習い』のアイクは突然パーティを追放されてしまう。
しかし、『道化師見習い』の進化条件がパーティから独立をすることだったアイクは、『道化師見習い』から『道化師』に進化する。
道化師としてのジョブを手に入れたアイクは、高いステータスと新たなスキルも手に入れた。
そして、見習いから独立したアイクの元には助手という女の子が現れたり、使い魔と契約をしたりして多くのクエストをこなしていくことに。
追放されて良かった。思わずそう思ってしまうような世界がアイクを待っていた。
成り上がりとざまぁ、後は異世界で少しゆっくりと。そんなファンタジー小説。
ヒロインは6話から登場します。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
卒業パーティーで魅了されている連中がいたから、助けてやった。えっ、どうやって?帝国真拳奥義を使ってな
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーに呼ばれた俺はピンク頭に魅了された連中に気づく
しかも、魅了された連中は令嬢に向かって婚約破棄をするだの色々と暴言を吐いたのだ
おそらく本意ではないのだろうと思った俺はそいつらを助けることにしたのだ
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。