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本編
537 ダンジョンリゾート
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さて、楽しい楽しい船旅もそろそろ終わりを迎える。
俺たちはギリスから海を越えてトガルからやや北西に位置する極彩諸島へとたどり着いた。
極彩諸島へ赴いたのはこれで2回目。
以前は極彩蝶見つけて、そこでロック鳥に出会い、ワシタカくんをゲットしたんだった。
極彩蝶か……サモンカードにはあるけども、今まで一度として出したことのないキャラ。
【サモンカード:極彩蝶】名前:ナンシィ
等級:エピック
特殊能力:与えた異常状態持続時間と効果を10%アップ
名前はちゃんと教えている。
なんとなく綺麗な見た目だからナンシィという名前をつけていたのだ。
だが、この蝶々は綺麗な見た目とは裏腹に、鱗粉にえげつない効果を持つ。
吸い込んだら持続ダメージが入るのだ。
さらに中毒状態となり、混乱。
個体としての能力が、特殊能力によって上昇。
うん、使い所はない。
気管を通して、肺にダメージを与える鱗粉だ。
出してるだけで人が死ぬ可能性すらある。
子供や赤子なんかが近場にいて見ろ、やばい。
そんなだから、まったくもって出すことができないでいた。
一応、攻撃性を含ませる、含ませない。
そう言った切り替えが可能なのだけど、蝶々は子供受けする。
何かの拍子にって可能性が無きにしも非ずなのはダメなのだ。
「とりあえず、故郷のやつは故郷だぞー」
朝から一人で船の甲板に立ち、正面の島々に目を向ける。
俺の目を通して、出番のないサモンモンスたちも懐かしんでくれると嬉しいのだ。
召喚制限は、図鑑穴埋めの難易度が極めて難しい分、きついだろう。
全員を交代で出すのもな、もうすでに100種類以上いるし。
そんなのは無理だった。
使える能力、使えない能力、出てきてしまうのは仕方ない。
だが、俺の目を通して景色が見えているのならば……。
いろんなところに行ってあげること、それが一番である。
くっ、おちおち彼女も作ることができないぜ。
俺の目を通して、全て見えていると言うのならな!
「いやー、それにしても朝日が綺麗だなー」
「アォン」
「クエッ」
ポチを抱っこしつつ、頭にコレクトを乗せながら海を眺める。
船の上から見えるオデッセイ島は、かなり大きな建物が連なっているようだった。
島に近づくにつれて、気温も暖かくなってくる。
北の島国ギリスとは大違いで、この暑さにダウンする生徒もいるのではないだろうか。
「とりあえず、着いたら何をしようか?」
「ォン」
「ん? 魚の市場に行きたいって?」
そうだな、頼まれごともしているし、空き時間を利用して見にいくのもいいだろう。
極彩マンボウ、いったいどんな味の魚なのか気になるところだ。
さらに、食べつくしてしまったカニの補充もしておきたいのだけど……。
オデッセイは俺がカニを乱獲した島から少し離れた場所に存在する。
シママネキいるかな?
久しぶりに食べたいよ、カニ雑炊。
「あー、海鮮食いたくなってきた……」
「アォン」
「お、作ってくれる感じ? 魚卵とかふんだんに使った海鮮丼とか食べたいな!」
「ォン……アォン!」
それこそ病気になってしまうぞ、というポチだが……たまにはいいのでは?
魚卵ではないが、うに、白子、牡蠣、あん肝を使った鍋も食べて見たい。
痛風鍋っていうんだっけ?
名前を聞いただけで、なんとも病的に美味しそうな気がする。
実は鍋って食卓にそこまで出てこなかったから、冬の終わりをそれにて締めたいのだ。
もう春だけど、ギリスはまだ気温が低いから鍋は間に合う。
「よし、帰ったら鍋だな、たくさん魚買って帰ろうぜ」
「ォン」
「クエッ!」
コレクトがついてるんだから、お目当の食材も見つかるだろう。
深海に生息するような魚を取るには釣りが重要だが……。
ここは海のサモンモンスの出番だからな、ビリーがきっとなんとかしてくれる。
「トウジ、なに一人で黄昏てんのよ」
3人で海を眺めていると、後ろからイグニールとジュノーとゴレオがやってきた。
「黄昏てるっていうか、海の幸食べたいなって思いを馳せてただけ」
「海! やっぱりカニだし! 獲りにいくし!」
「オデッセイ島には綺麗な砂浜があるって聞いてるけど、やっぱり食なのね」
「まーね」
泳ぐ楽しみを見出すと、いちいち装備を外さなきゃいけなくなる。
学院のみんなはオデッセイを楽しみにしているのだが、海賊襲来もありえるのだ。
旅客船に乗っている最中に、海賊が襲ってくることも想定していた。
しかし、俺の予想に反して、海はやけに静かだった。
これはこの後、戦いが巻き起こる嵐の前の静けさなのかもしれない。
さすがに泳げないです。
そもそも、俺の貧弱な体とか晒したくない。
「イグニールとジュノー、ゴレオはマイヤーたちと一緒に海を楽しんできていいぞ」
「うん! せっかく水着作ってもらったんだから、楽しむし!」
「なんだか悪いけれど、そうさせてもらうわね、一応水着も強い装備なんでしょ?」
「まあね」
その辺な抜かりない。
イグニール、マイヤー、ジュノー、そんでもってゴレオ。
女性陣の水着は、旅行前に好きなものを買ってきてもらい。
がっちり強化した装備へとカナトコで見た目を写していた。
装備はVITを厳選合成した上でVIT潜在のユニーク品。
ラッキースケベ成分は皆無だな。
もっとも、学院のモブどもにマイヤーやイグニールの体を晒す訳にはいかん。
がっちりガチガチですよ、もう。
「武器も予備のを腕輪にしてるから、イグニールは必ずつけといてね」
「了解」
準備は万全。
俺は浜辺から双眼鏡を使って水着姿を拝ませていただこう。
水着のデザインは知っているけど、身につけた姿はまだだからね!
テンション上がるでしょ、これ。
あー、くそ! ちょっと悔やまれるぞ!
こんなことならオスローからカメラのアーティファクトを借りてくればよかった!
心のシャッターを何回切ればいい。
いったい何回切ればいいんだ!
おい、聞いてるかサモンモンスたちよ。
俺が今まで得てきたカードの中で、記憶系に作用する特殊な奴はおらんのか?
しっかり映像として記憶しておいて、あとで俺に見せてくれ!
まあ、そんなうまい話はないので、網膜に焼き付けておくことにしましょう。
さて、オデッセイだ!
俺たちはギリスから海を越えてトガルからやや北西に位置する極彩諸島へとたどり着いた。
極彩諸島へ赴いたのはこれで2回目。
以前は極彩蝶見つけて、そこでロック鳥に出会い、ワシタカくんをゲットしたんだった。
極彩蝶か……サモンカードにはあるけども、今まで一度として出したことのないキャラ。
【サモンカード:極彩蝶】名前:ナンシィ
等級:エピック
特殊能力:与えた異常状態持続時間と効果を10%アップ
名前はちゃんと教えている。
なんとなく綺麗な見た目だからナンシィという名前をつけていたのだ。
だが、この蝶々は綺麗な見た目とは裏腹に、鱗粉にえげつない効果を持つ。
吸い込んだら持続ダメージが入るのだ。
さらに中毒状態となり、混乱。
個体としての能力が、特殊能力によって上昇。
うん、使い所はない。
気管を通して、肺にダメージを与える鱗粉だ。
出してるだけで人が死ぬ可能性すらある。
子供や赤子なんかが近場にいて見ろ、やばい。
そんなだから、まったくもって出すことができないでいた。
一応、攻撃性を含ませる、含ませない。
そう言った切り替えが可能なのだけど、蝶々は子供受けする。
何かの拍子にって可能性が無きにしも非ずなのはダメなのだ。
「とりあえず、故郷のやつは故郷だぞー」
朝から一人で船の甲板に立ち、正面の島々に目を向ける。
俺の目を通して、出番のないサモンモンスたちも懐かしんでくれると嬉しいのだ。
召喚制限は、図鑑穴埋めの難易度が極めて難しい分、きついだろう。
全員を交代で出すのもな、もうすでに100種類以上いるし。
そんなのは無理だった。
使える能力、使えない能力、出てきてしまうのは仕方ない。
だが、俺の目を通して景色が見えているのならば……。
いろんなところに行ってあげること、それが一番である。
くっ、おちおち彼女も作ることができないぜ。
俺の目を通して、全て見えていると言うのならな!
「いやー、それにしても朝日が綺麗だなー」
「アォン」
「クエッ」
ポチを抱っこしつつ、頭にコレクトを乗せながら海を眺める。
船の上から見えるオデッセイ島は、かなり大きな建物が連なっているようだった。
島に近づくにつれて、気温も暖かくなってくる。
北の島国ギリスとは大違いで、この暑さにダウンする生徒もいるのではないだろうか。
「とりあえず、着いたら何をしようか?」
「ォン」
「ん? 魚の市場に行きたいって?」
そうだな、頼まれごともしているし、空き時間を利用して見にいくのもいいだろう。
極彩マンボウ、いったいどんな味の魚なのか気になるところだ。
さらに、食べつくしてしまったカニの補充もしておきたいのだけど……。
オデッセイは俺がカニを乱獲した島から少し離れた場所に存在する。
シママネキいるかな?
久しぶりに食べたいよ、カニ雑炊。
「あー、海鮮食いたくなってきた……」
「アォン」
「お、作ってくれる感じ? 魚卵とかふんだんに使った海鮮丼とか食べたいな!」
「ォン……アォン!」
それこそ病気になってしまうぞ、というポチだが……たまにはいいのでは?
魚卵ではないが、うに、白子、牡蠣、あん肝を使った鍋も食べて見たい。
痛風鍋っていうんだっけ?
名前を聞いただけで、なんとも病的に美味しそうな気がする。
実は鍋って食卓にそこまで出てこなかったから、冬の終わりをそれにて締めたいのだ。
もう春だけど、ギリスはまだ気温が低いから鍋は間に合う。
「よし、帰ったら鍋だな、たくさん魚買って帰ろうぜ」
「ォン」
「クエッ!」
コレクトがついてるんだから、お目当の食材も見つかるだろう。
深海に生息するような魚を取るには釣りが重要だが……。
ここは海のサモンモンスの出番だからな、ビリーがきっとなんとかしてくれる。
「トウジ、なに一人で黄昏てんのよ」
3人で海を眺めていると、後ろからイグニールとジュノーとゴレオがやってきた。
「黄昏てるっていうか、海の幸食べたいなって思いを馳せてただけ」
「海! やっぱりカニだし! 獲りにいくし!」
「オデッセイ島には綺麗な砂浜があるって聞いてるけど、やっぱり食なのね」
「まーね」
泳ぐ楽しみを見出すと、いちいち装備を外さなきゃいけなくなる。
学院のみんなはオデッセイを楽しみにしているのだが、海賊襲来もありえるのだ。
旅客船に乗っている最中に、海賊が襲ってくることも想定していた。
しかし、俺の予想に反して、海はやけに静かだった。
これはこの後、戦いが巻き起こる嵐の前の静けさなのかもしれない。
さすがに泳げないです。
そもそも、俺の貧弱な体とか晒したくない。
「イグニールとジュノー、ゴレオはマイヤーたちと一緒に海を楽しんできていいぞ」
「うん! せっかく水着作ってもらったんだから、楽しむし!」
「なんだか悪いけれど、そうさせてもらうわね、一応水着も強い装備なんでしょ?」
「まあね」
その辺な抜かりない。
イグニール、マイヤー、ジュノー、そんでもってゴレオ。
女性陣の水着は、旅行前に好きなものを買ってきてもらい。
がっちり強化した装備へとカナトコで見た目を写していた。
装備はVITを厳選合成した上でVIT潜在のユニーク品。
ラッキースケベ成分は皆無だな。
もっとも、学院のモブどもにマイヤーやイグニールの体を晒す訳にはいかん。
がっちりガチガチですよ、もう。
「武器も予備のを腕輪にしてるから、イグニールは必ずつけといてね」
「了解」
準備は万全。
俺は浜辺から双眼鏡を使って水着姿を拝ませていただこう。
水着のデザインは知っているけど、身につけた姿はまだだからね!
テンション上がるでしょ、これ。
あー、くそ! ちょっと悔やまれるぞ!
こんなことならオスローからカメラのアーティファクトを借りてくればよかった!
心のシャッターを何回切ればいい。
いったい何回切ればいいんだ!
おい、聞いてるかサモンモンスたちよ。
俺が今まで得てきたカードの中で、記憶系に作用する特殊な奴はおらんのか?
しっかり映像として記憶しておいて、あとで俺に見せてくれ!
まあ、そんなうまい話はないので、網膜に焼き付けておくことにしましょう。
さて、オデッセイだ!
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