204 / 682
本編
473 形勢逆転
しおりを挟む
「ルイスさん! ここは危険だから下がっていてください!」
一応そう返答するが、やはり怪しい。
こいつは一度怨嗟の鎖に囚われた。
さらに俺が出した浄水とか、一切口に含んでいない。
そこを加味して、絶対に何か裏があると踏んだ。
「馬鹿が、裏をかくならばもう少し上手くやることだ」
ドッ!
片手剣を握りしめると、ロイ様が跳躍してルイスの横っ面を大きくぶん殴った。
「もすっ!?」
血反吐を撒き散らしながらぶっ飛んでいくルイス。
俺と同じ様に警戒していたロイ様だが、様子を見る前に一発殴ることを選択した。
この容赦のなさ、さすがである。
「ロイ様、一応本当に心配してこっちに来た可能性も……」
「それはない。盗賊たちは王室の諸君らが全て殲滅した」
聞くに、死体も残らない様にイグニールが燃やし、キングスの中で消化。
その上で、こんな暴挙に出ると言うのならば、それは即ち敵である。
「そもそも、こいつがいきなり走り出したことなんぞ、お見通しだ」
「ああ、キングス同士で意思疎通ができてるからか」
「その通りだ」
裏をかいて、味方のふりをして攻撃を仕掛けようとした怨嗟の鎖。
その策はすでに見破られていたのである。
「潜伏してから、戦火に応じて漁夫の利を得るのならばともかく……なっとらんな」
フンと鼻を鳴らすロイ様。
確かに、後ろから回り込んで息を潜めていればまだ可能性はあった。
ロイ様が気づかない、なんてことは万に一つもないとは言えど。
どたばた走りにながら怪しさ満点で声をかけるよりもマシなはずだ。
「盟主よ、さっさと霧散の秘薬を使うのだ」
「うん」
さっさと首根っこを押さえて霧散の秘薬風呂に浸してやろう。
「避けろ! 主よ!」
「へっ? おわああああああああ!!」
キングさんの声がした方向を振り返ると、巨大な竜が降って来た。
隕石にも近いその勢いに、この場にいた俺たちは吹っ飛ばされる。
俺はロイ様がプルプルボディで助けてくれた。
けど、ルイスは……ワンチャン死んだかも知れん、やっちまった。
「なんだよ、まったく……」
どうやら、キングさんとワシタカくんが予定通り呪竜を地に落としたらしい。
一応、怨嗟の鎖の力によって巨体となり、力を増しているはずなのだが……。
「意外とあっけなかったな」
「当然だ」
呆れていると、キングさんが鼻を鳴らしながら言う。
「カースドラゴン? 元がデミドラゴン程度、造作もない」
「ギュアッ!」
「うむ、ワシタカもガチのドラゴンをカースにしてみろと言っておる」
「そ、そうっすか……」
さすが、図鑑の最大戦力。
二人は一度ガイアドラゴンの魂を得た竜と戦っている。
その言葉には、かなり説得力があった。
「ほら、バインド使われる前に早く剣で殴らんか!」
「はいっ! すいません!」
そうだそうだ、みんな揃っている状況でバインドが来たら一網打尽。
大ダメージを受けて動けないでいる今のうちに、ハッピーにしてやろう。
ルイスは一旦後回して、さっさとカースドラゴンを仕留めに行くと。
「──グ、グオオオオオオォォォォ……」
俺が剣を突き立てる前に、カースドラゴンの体から煙が出て小さくなっていった。
竜、乗り手ともに、赤く光って恐ろしかった目が色を失って行く。
「こ、これは……?」
「巨大な魔力が急速に小さくなって行くのを感じる……仕留めたか?」
「いやロイ、あいつは仕留めようと思って仕留めれる存在ではない」
「大王よ、では、この状況は?」
「恐らく逃してしまったのかも知れん。チッ、後少しのところだったのに……」
力を失い、弱り果てたデミドラゴンに舌打ちしながらトドメをさすキングさん。
あれだけ俺を殺すと豪語しておきながら、やっぱり逃げたか。
「でも、いいさ。一部は俺が捕獲してるからね」
どこへ逃げたとしても、一緒だ。
霧散の秘薬の中にいれば、逃げれなくなっているみたいだし。
結局怨嗟の鎖のモースさんは、狂い果てるまで俺が幸せにするよ。
何だか結婚宣言みたいだけど。
俺が死ぬまで、元の世界に戻るまで面倒見る、添い遂げるぞ。
「よし、戻るか」
と、ひと段落した瞬間だった。
「──カースバインド」
ズシャッ!
黒い鎖が、地面から出現して俺たちを絡みとった。
「──!?」
驚く俺たちの前に、森の奥からルイスが現れる。
吹っ飛ばされた影響で、腕とか足が折れてしまっていた。
ゾンビの様な状況になりながら、赤い目が俺たちを射抜く。
「逃げた? 貴様を殺すと自らに制約を課した私が、逃げただと?」
怨嗟の鎖は言う。
「ありえんな。自分に課した恨みを晴らすまで、止まらないのだよ」
「……」
「まさかカースドラゴンまでをも倒すとは、恐れ入った」
さすがは天敵、とルイスの体を乗っ取った怨嗟の鎖は拍手する。
「だが、運が私に味方した様だ」
バインド中で喋れない俺たちを前に、怨嗟の鎖は語る。
「さすがにダメかと思ったが……貴様が殺し損ねたこの死に損ないに力を映して助かった。ふむ、元より浄化を持った小僧よりも、こいつの方が私との相性も良い、幸運なことにギリギリでカースデーモンに至ることができた」
何だよカースデーモンって、また新しいの出て来たぞ。
そう言うのは先になんか伏線とか貼っとけよ。
いきなり出て来てもついて行けないんだけど……。
まあ、物語の中じゃないからな。
そんなわがままなんか言ってらんないのである。
それにしても。
もうとっくにバインドの効果は解けていいはずなのだが……。
いつまでたっても俺たちを拘束する鎖の力は弱まらない。
「バインドが解けないと、さも不思議に思っているのだろう?」
そんな俺の心境を読んだのか、奴は言う。
「教えるわけないだろバーカ」
こ、こいつ!
「私が貴様にやられたことを、そっくりそのまま返してやろう」
ここぞとばかりに、自分の恨みを晴らそうとしてやがる。
だが、こうして長時間拘束され続ける意味はわかっていた。
バインドには、複数種類がある。
別のバインドスキルを用いることで、長時間の拘束が可能なのだ。
もともと、恨みを持つ魂を拘束し続けるのが趣味の野郎だ。
カースドラゴンが持っているバインドの他に、そう言う類のスキルを持っていても不思議ではない。
基本、バインド後と言うのは抵抗ができて、一定時間同じバインドにはかからなくなる仕様がある。
だから、何度も拘束したとて、いつかはきっとバインドも切れるはずなのだけど……。
魔力やINTによって魔法の威力が変わる異世界。
もしかすれば、バインドの拘束時間もそれに比例するのかも知れなかった。
「どうする? 先ずはナイフで貴様の目をえぐり取ってやろうか!」
「……」
「いや、その前にうざい舌を引きちぎってやろうか!」
「……」
「ふむ……いや、人間の男は自分の尊厳を亡き者にされるのが一番堪えるなと聞く」
お、おい、尊厳って何だ。
何のことだ!
「ここはあえて生かしておいて、2度と子作りできない体にしてやろう」
お、おいおいおいおいおい!
これはまずいぞ!
確かになかなか使う機会はないと言えど、困る!
ここ10年くらい使ってないけど、困る、困るって!
「…………ッッ! ッッ!」
何とか拘束を振りほどこうとするが、ダメだできない。
それを見た怨嗟の鎖は、さらに顔をにやけさせて高笑いを浮かべていた。
「それが嫌なんだな! よし、お前が一番嫌がることをしてやろう」
やめてー!
「狙いは玉だ!」
玉はダメだってー!
くそおおおお、なんて奴だ、こいつなんて野郎だ!
さっきから股間がずっとヒュンヒュンしっぱなし!
「フハハハハハハハ! どうだ恐れろ! 怖がれ! この未使用野郎め!」
未使用じゃねーよ! くそが!
ここは神の防御を誇るパンツに命運を委ねるしかない。
もし何とか俺の息子も無事に帰れたらだけど。
大人のお店に行こうかな……。
「貴様に恨みを晴らした後、残った私の一部も取り返す」
鎖が、ジョキンジョキンと鋭いハサミの状態に変わる。
そしてそれが俺の股間目掛けてゆっくりと。
ゆっくりとゆっくりと時間をかけて到達しようとした時。
『──グォオオオオオオオオオオ!』
上空で激しい咆哮が鳴り響いた。
『──セイジライト』
そして暗い森の中に、まばゆい光が降り注ぐ。
『チビ、私のセイジサークルに、ガイヤブレスだ』
『ギャオッ!』
一応そう返答するが、やはり怪しい。
こいつは一度怨嗟の鎖に囚われた。
さらに俺が出した浄水とか、一切口に含んでいない。
そこを加味して、絶対に何か裏があると踏んだ。
「馬鹿が、裏をかくならばもう少し上手くやることだ」
ドッ!
片手剣を握りしめると、ロイ様が跳躍してルイスの横っ面を大きくぶん殴った。
「もすっ!?」
血反吐を撒き散らしながらぶっ飛んでいくルイス。
俺と同じ様に警戒していたロイ様だが、様子を見る前に一発殴ることを選択した。
この容赦のなさ、さすがである。
「ロイ様、一応本当に心配してこっちに来た可能性も……」
「それはない。盗賊たちは王室の諸君らが全て殲滅した」
聞くに、死体も残らない様にイグニールが燃やし、キングスの中で消化。
その上で、こんな暴挙に出ると言うのならば、それは即ち敵である。
「そもそも、こいつがいきなり走り出したことなんぞ、お見通しだ」
「ああ、キングス同士で意思疎通ができてるからか」
「その通りだ」
裏をかいて、味方のふりをして攻撃を仕掛けようとした怨嗟の鎖。
その策はすでに見破られていたのである。
「潜伏してから、戦火に応じて漁夫の利を得るのならばともかく……なっとらんな」
フンと鼻を鳴らすロイ様。
確かに、後ろから回り込んで息を潜めていればまだ可能性はあった。
ロイ様が気づかない、なんてことは万に一つもないとは言えど。
どたばた走りにながら怪しさ満点で声をかけるよりもマシなはずだ。
「盟主よ、さっさと霧散の秘薬を使うのだ」
「うん」
さっさと首根っこを押さえて霧散の秘薬風呂に浸してやろう。
「避けろ! 主よ!」
「へっ? おわああああああああ!!」
キングさんの声がした方向を振り返ると、巨大な竜が降って来た。
隕石にも近いその勢いに、この場にいた俺たちは吹っ飛ばされる。
俺はロイ様がプルプルボディで助けてくれた。
けど、ルイスは……ワンチャン死んだかも知れん、やっちまった。
「なんだよ、まったく……」
どうやら、キングさんとワシタカくんが予定通り呪竜を地に落としたらしい。
一応、怨嗟の鎖の力によって巨体となり、力を増しているはずなのだが……。
「意外とあっけなかったな」
「当然だ」
呆れていると、キングさんが鼻を鳴らしながら言う。
「カースドラゴン? 元がデミドラゴン程度、造作もない」
「ギュアッ!」
「うむ、ワシタカもガチのドラゴンをカースにしてみろと言っておる」
「そ、そうっすか……」
さすが、図鑑の最大戦力。
二人は一度ガイアドラゴンの魂を得た竜と戦っている。
その言葉には、かなり説得力があった。
「ほら、バインド使われる前に早く剣で殴らんか!」
「はいっ! すいません!」
そうだそうだ、みんな揃っている状況でバインドが来たら一網打尽。
大ダメージを受けて動けないでいる今のうちに、ハッピーにしてやろう。
ルイスは一旦後回して、さっさとカースドラゴンを仕留めに行くと。
「──グ、グオオオオオオォォォォ……」
俺が剣を突き立てる前に、カースドラゴンの体から煙が出て小さくなっていった。
竜、乗り手ともに、赤く光って恐ろしかった目が色を失って行く。
「こ、これは……?」
「巨大な魔力が急速に小さくなって行くのを感じる……仕留めたか?」
「いやロイ、あいつは仕留めようと思って仕留めれる存在ではない」
「大王よ、では、この状況は?」
「恐らく逃してしまったのかも知れん。チッ、後少しのところだったのに……」
力を失い、弱り果てたデミドラゴンに舌打ちしながらトドメをさすキングさん。
あれだけ俺を殺すと豪語しておきながら、やっぱり逃げたか。
「でも、いいさ。一部は俺が捕獲してるからね」
どこへ逃げたとしても、一緒だ。
霧散の秘薬の中にいれば、逃げれなくなっているみたいだし。
結局怨嗟の鎖のモースさんは、狂い果てるまで俺が幸せにするよ。
何だか結婚宣言みたいだけど。
俺が死ぬまで、元の世界に戻るまで面倒見る、添い遂げるぞ。
「よし、戻るか」
と、ひと段落した瞬間だった。
「──カースバインド」
ズシャッ!
黒い鎖が、地面から出現して俺たちを絡みとった。
「──!?」
驚く俺たちの前に、森の奥からルイスが現れる。
吹っ飛ばされた影響で、腕とか足が折れてしまっていた。
ゾンビの様な状況になりながら、赤い目が俺たちを射抜く。
「逃げた? 貴様を殺すと自らに制約を課した私が、逃げただと?」
怨嗟の鎖は言う。
「ありえんな。自分に課した恨みを晴らすまで、止まらないのだよ」
「……」
「まさかカースドラゴンまでをも倒すとは、恐れ入った」
さすがは天敵、とルイスの体を乗っ取った怨嗟の鎖は拍手する。
「だが、運が私に味方した様だ」
バインド中で喋れない俺たちを前に、怨嗟の鎖は語る。
「さすがにダメかと思ったが……貴様が殺し損ねたこの死に損ないに力を映して助かった。ふむ、元より浄化を持った小僧よりも、こいつの方が私との相性も良い、幸運なことにギリギリでカースデーモンに至ることができた」
何だよカースデーモンって、また新しいの出て来たぞ。
そう言うのは先になんか伏線とか貼っとけよ。
いきなり出て来てもついて行けないんだけど……。
まあ、物語の中じゃないからな。
そんなわがままなんか言ってらんないのである。
それにしても。
もうとっくにバインドの効果は解けていいはずなのだが……。
いつまでたっても俺たちを拘束する鎖の力は弱まらない。
「バインドが解けないと、さも不思議に思っているのだろう?」
そんな俺の心境を読んだのか、奴は言う。
「教えるわけないだろバーカ」
こ、こいつ!
「私が貴様にやられたことを、そっくりそのまま返してやろう」
ここぞとばかりに、自分の恨みを晴らそうとしてやがる。
だが、こうして長時間拘束され続ける意味はわかっていた。
バインドには、複数種類がある。
別のバインドスキルを用いることで、長時間の拘束が可能なのだ。
もともと、恨みを持つ魂を拘束し続けるのが趣味の野郎だ。
カースドラゴンが持っているバインドの他に、そう言う類のスキルを持っていても不思議ではない。
基本、バインド後と言うのは抵抗ができて、一定時間同じバインドにはかからなくなる仕様がある。
だから、何度も拘束したとて、いつかはきっとバインドも切れるはずなのだけど……。
魔力やINTによって魔法の威力が変わる異世界。
もしかすれば、バインドの拘束時間もそれに比例するのかも知れなかった。
「どうする? 先ずはナイフで貴様の目をえぐり取ってやろうか!」
「……」
「いや、その前にうざい舌を引きちぎってやろうか!」
「……」
「ふむ……いや、人間の男は自分の尊厳を亡き者にされるのが一番堪えるなと聞く」
お、おい、尊厳って何だ。
何のことだ!
「ここはあえて生かしておいて、2度と子作りできない体にしてやろう」
お、おいおいおいおいおい!
これはまずいぞ!
確かになかなか使う機会はないと言えど、困る!
ここ10年くらい使ってないけど、困る、困るって!
「…………ッッ! ッッ!」
何とか拘束を振りほどこうとするが、ダメだできない。
それを見た怨嗟の鎖は、さらに顔をにやけさせて高笑いを浮かべていた。
「それが嫌なんだな! よし、お前が一番嫌がることをしてやろう」
やめてー!
「狙いは玉だ!」
玉はダメだってー!
くそおおおお、なんて奴だ、こいつなんて野郎だ!
さっきから股間がずっとヒュンヒュンしっぱなし!
「フハハハハハハハ! どうだ恐れろ! 怖がれ! この未使用野郎め!」
未使用じゃねーよ! くそが!
ここは神の防御を誇るパンツに命運を委ねるしかない。
もし何とか俺の息子も無事に帰れたらだけど。
大人のお店に行こうかな……。
「貴様に恨みを晴らした後、残った私の一部も取り返す」
鎖が、ジョキンジョキンと鋭いハサミの状態に変わる。
そしてそれが俺の股間目掛けてゆっくりと。
ゆっくりとゆっくりと時間をかけて到達しようとした時。
『──グォオオオオオオオオオオ!』
上空で激しい咆哮が鳴り響いた。
『──セイジライト』
そして暗い森の中に、まばゆい光が降り注ぐ。
『チビ、私のセイジサークルに、ガイヤブレスだ』
『ギャオッ!』
94
お気に入りに追加
30,171
あなたにおすすめの小説
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)
屯神 焔
ファンタジー
魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』
この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。
そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。
それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。
しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。
正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。
そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。
スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。
迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。
父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。
一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。
そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。
毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。
そんなある日。
『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』
「・・・・・・え?」
祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。
「祠が消えた?」
彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。
「ま、いっか。」
この日から、彼の生活は一変する。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。

ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~
まぁ
ファンタジー
事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。
よし、神様からチートの力をもらって、無双だ!!!
ではなく、神様の世界で厳しい修行の末に力を手に入れやっとのことで異世界転移。
目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。
なぜか、その子が気になり世話をすることに。
神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。
邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。
PS
2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。
とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。
伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。
2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。
以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、
1章最後は戦闘を長めに書いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。