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第三話 第六章
第二節
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10日間のモラトリアム期間。
大和達と別れた門司はミコを連れてとある場所に向かった。
その場所は日本のとある山奥にある廃寺である。
管理しているものは居らず近辺に住む者達も今や訪れず、あるのは寂れ所々傷んできている建物と雨漏りと夜露によりくすんだ仏像が置かれるのみである。
「以前よりも荒れたな……」
獣も立ち入ったのか、記憶よりも更に崩れた内装を見て門司は呟く。
「それにしても門司さん。どうしてこのような場所を選んだのですか?」
尋ねるミコ。確かにこんな捨てられた寺院をこの重要な修行の場所に選んだのか?
だがこの場所は門司にとっては因縁浅からぬ場所だからであった。
「俺はこの場所で『鬼震』を開眼したんだ」
そこであるモノを指さした門司。それは寺院から見える崖である。
雨で崩れたのか不自然な形をしていた。
「あの崖が見えるか?この場所からあの崖を斬り崩した時に俺は『鬼震』という【演目】と『鬼神』という銘を得たんだ」
「…ッ!?この場所からですか!?」
驚愕の表情を見せるミコ。この寺院からあの崖まで目測でも数百メートル近くある。
それを斬り崩したというのだ、おそらく刀で……。
「ありえないと思うのは無理ない。俺の『鬼震』でそんな斬撃を出したところは魅せていないからな……」
飛ぶ斬撃は『鬼震』の中でも『五ノ太刀 天災』しかない。それでもこの距離はこれまでミコが見て来た中でもあり得ない。
「今の『鬼震』は威力を落とした結果だ。不本意な被害を出さず意図的に制御出来るようにな…本来の威力はこれぐらいある。『鈴鳴』も本来の威力を一部引き出せるようにしただけに過ぎない」
「では…門司さんがこの場所を選んだのは……」
「ああ、本来の『鬼震』に立ち返る為だ……兄弟や俺の様な連中が短時間で数段実力を向上させるとなれば、技術面でも肉体面でもなく精神面だ。深く沈めた己が力を引っ張り出す為、そしてその力を高める為、俺は因縁深いこの地を選んだんだ」
「成程、合点がいきました」
故に今、門司の手元には木刀しかないのだ。その理由と場所にミコはようやく納得した。
「兎にも角にもこの10日間が俺達のデッドラインだと考えて良い。ミコも気合を入れてかかれよ…」
「はいッ!私も【星】へ覚醒できるよう頑張ります!」
そうして10日間の修行を開始した門司とミコ。
ミコは背負う気絶するまで『月下の雫』を手にしての剣術修行。型や打ち込み、そして基礎鍛錬を気絶と覚醒を繰り返しながらひたすら行う。
『フツノミタマ』が開発した模擬戦闘用のダミーも繰り返し用いた。
生命力をエネルギーとして吸い取る『月下の雫』を御し、更に自らの体力や生命力を多少強引にでも引き上げる。
結果はわかってしまっているが、ミコは全力で行ったのだ。
そして羊司…。
羊司はひたすらに禅を行っていた。
「…………………………」
木刀を膝前に置き、胡坐を組む。静かに目を閉じ呼吸を意識する。
「…………………………」
様々な場所で行った。森、竹林、河川、岩場、あらゆる環境に身を置き精神を研ぎ澄ませた。
「……………ッ!」
そして何かを感じ取った瞬間、即座に剣を振るう。
たった今感じた気配による一刀は大岩を容易く斬り裂く。
「……フゥー……ダメか…」
二つに割れた大岩を見てそう呟いた門司。鋸で切り裂いたように大岩は斬られていた。
だが、ただそれだけなのだ…。到底門司の満足出来るものではなく、あの時の真の『鬼震』には程遠い。
「もう5日目。まだ掴めていない」
折り返しに少々焦りの色が見える門司。しかしここで気持ちが揺れ動いてはよけに遠のくだけ、気持ちをニュートラルに落ち着けようとする。
『今は美しいその銀色の刃。だがそれも直ぐに汚い血の錆びに汚れるだろう…その技は只々醜い。お前の剣は全てを傷つける。敵どころか守るべき者達も…。その悍ましい剣、それが何より如実に語っている……』
焦りの為か過去がフラッシュバックする門司。
大和と晴菜と共に在った幼き時、大和が晴菜を連れて方々を駆け巡っていた時。門司はこの廃寺にて、剣の鍛錬に励んだ。
三笠に稽古と数多くの実戦経て着実に実力を培っていく大和に対抗し何かしないといけないと思ったという気持ちであったのだ。
その時にこの廃寺にてとある僧侶に出会った。
何かの為に修行を行う僧侶であった。老年はとうに過ぎており顔には深い皺が刻まれていた。また手足も枯れ枝のように細くひどく痩せているそんな僧侶であった。
だが出会ったところで特に何ともない。特に言の葉を交わさず、互いに各々の修行に没頭した。6年の歳月にて【演目】の形だけは思い描いていた門司は1月の修行をもって自らが修めていた剣術より『鬼震』を生み出した。
抜き放った一振りがはるか遠くの崖を切り崩したのを見て完成したと喜んだ門司。
そこに僧侶がやって来て先程の一言を言ったのだ。
先程の熱はどんどんと退いて行く。気にすることは無いと心に言い聞かせるが、言葉が棘のように心に刺さり抜き取れない。
何故なら、『鬼震』が完成した時、脳裏に浮かんでいたのだ。共に在った大和や晴菜がその門司の凶刃にその身を両断された姿を…。
「……………………っ…」
そうして会得した『鬼震』その全力はただの一度だけ、その後は今後お世話になって行くことになる。これまでの威力を抑えた『鬼震』であった。
「…確かにあの頃の俺じゃあ眼前の敵どころか隣に立つ仲間まで斬り伏せる様になっていた…でも今は違うだろう!」
『否、お前は何も変わっていない…』
「黙れ…式典での敗戦。あの時にほど問い願った事は無い「何本来の『鬼震』を出来ないのか?しないのか?…と、もう良いだろう…?」
『否、今振るえば同じ道を辿るだろう。絆を育んだ仲間のその骸の姿を積み上げてな…』
「黙れ、お前は一体何なんだ?俺の事を全く知らないクセに……」
その時、何かがカチリとかみ合った。
「…ッ!?」
フラッシュバックしているとばかり思っていた。だが違う…。
自分はいったい誰と話している?
腑に落ちたように何かが繋がった時、門司は駆けていた。夢中で向かった先、そこは寺院の中であった。
雨漏りをし所々朽ちているが、大きな堂がある。中央には大きな座像が鎮座している。
その仏像の前に門司は立った。
「……先に一言謝罪させてもらいます。すみません」
仏像へ頭を下げた門司。
そして次の瞬間、木刀を振るった。
外にまで響く巨大な破砕音。土煙が巻き起こる。
「…確かに、アンタの言った通りだ。俺の剣は只々傷つけるだけだ、敵も味方も……何故ならそこに無かった…足りなかったからだ…俺自身の心が……」
治まる土煙。そこでよく見ると仏像が無事であった。門司は仏像手前の台座の部分に刀を振り下ろしたからだ。
「剣一本でどこまで斬れるか試してみたい。心の奥底に芽生えてしまったこの想いもキチンと抱えて行かないと…そりゃあ出来ないよな……」
『御見事…』
崩れた台座。そこより現れたのはガリガリに痩せこけた僧侶の遺体であった。
大和達と別れた門司はミコを連れてとある場所に向かった。
その場所は日本のとある山奥にある廃寺である。
管理しているものは居らず近辺に住む者達も今や訪れず、あるのは寂れ所々傷んできている建物と雨漏りと夜露によりくすんだ仏像が置かれるのみである。
「以前よりも荒れたな……」
獣も立ち入ったのか、記憶よりも更に崩れた内装を見て門司は呟く。
「それにしても門司さん。どうしてこのような場所を選んだのですか?」
尋ねるミコ。確かにこんな捨てられた寺院をこの重要な修行の場所に選んだのか?
だがこの場所は門司にとっては因縁浅からぬ場所だからであった。
「俺はこの場所で『鬼震』を開眼したんだ」
そこであるモノを指さした門司。それは寺院から見える崖である。
雨で崩れたのか不自然な形をしていた。
「あの崖が見えるか?この場所からあの崖を斬り崩した時に俺は『鬼震』という【演目】と『鬼神』という銘を得たんだ」
「…ッ!?この場所からですか!?」
驚愕の表情を見せるミコ。この寺院からあの崖まで目測でも数百メートル近くある。
それを斬り崩したというのだ、おそらく刀で……。
「ありえないと思うのは無理ない。俺の『鬼震』でそんな斬撃を出したところは魅せていないからな……」
飛ぶ斬撃は『鬼震』の中でも『五ノ太刀 天災』しかない。それでもこの距離はこれまでミコが見て来た中でもあり得ない。
「今の『鬼震』は威力を落とした結果だ。不本意な被害を出さず意図的に制御出来るようにな…本来の威力はこれぐらいある。『鈴鳴』も本来の威力を一部引き出せるようにしただけに過ぎない」
「では…門司さんがこの場所を選んだのは……」
「ああ、本来の『鬼震』に立ち返る為だ……兄弟や俺の様な連中が短時間で数段実力を向上させるとなれば、技術面でも肉体面でもなく精神面だ。深く沈めた己が力を引っ張り出す為、そしてその力を高める為、俺は因縁深いこの地を選んだんだ」
「成程、合点がいきました」
故に今、門司の手元には木刀しかないのだ。その理由と場所にミコはようやく納得した。
「兎にも角にもこの10日間が俺達のデッドラインだと考えて良い。ミコも気合を入れてかかれよ…」
「はいッ!私も【星】へ覚醒できるよう頑張ります!」
そうして10日間の修行を開始した門司とミコ。
ミコは背負う気絶するまで『月下の雫』を手にしての剣術修行。型や打ち込み、そして基礎鍛錬を気絶と覚醒を繰り返しながらひたすら行う。
『フツノミタマ』が開発した模擬戦闘用のダミーも繰り返し用いた。
生命力をエネルギーとして吸い取る『月下の雫』を御し、更に自らの体力や生命力を多少強引にでも引き上げる。
結果はわかってしまっているが、ミコは全力で行ったのだ。
そして羊司…。
羊司はひたすらに禅を行っていた。
「…………………………」
木刀を膝前に置き、胡坐を組む。静かに目を閉じ呼吸を意識する。
「…………………………」
様々な場所で行った。森、竹林、河川、岩場、あらゆる環境に身を置き精神を研ぎ澄ませた。
「……………ッ!」
そして何かを感じ取った瞬間、即座に剣を振るう。
たった今感じた気配による一刀は大岩を容易く斬り裂く。
「……フゥー……ダメか…」
二つに割れた大岩を見てそう呟いた門司。鋸で切り裂いたように大岩は斬られていた。
だが、ただそれだけなのだ…。到底門司の満足出来るものではなく、あの時の真の『鬼震』には程遠い。
「もう5日目。まだ掴めていない」
折り返しに少々焦りの色が見える門司。しかしここで気持ちが揺れ動いてはよけに遠のくだけ、気持ちをニュートラルに落ち着けようとする。
『今は美しいその銀色の刃。だがそれも直ぐに汚い血の錆びに汚れるだろう…その技は只々醜い。お前の剣は全てを傷つける。敵どころか守るべき者達も…。その悍ましい剣、それが何より如実に語っている……』
焦りの為か過去がフラッシュバックする門司。
大和と晴菜と共に在った幼き時、大和が晴菜を連れて方々を駆け巡っていた時。門司はこの廃寺にて、剣の鍛錬に励んだ。
三笠に稽古と数多くの実戦経て着実に実力を培っていく大和に対抗し何かしないといけないと思ったという気持ちであったのだ。
その時にこの廃寺にてとある僧侶に出会った。
何かの為に修行を行う僧侶であった。老年はとうに過ぎており顔には深い皺が刻まれていた。また手足も枯れ枝のように細くひどく痩せているそんな僧侶であった。
だが出会ったところで特に何ともない。特に言の葉を交わさず、互いに各々の修行に没頭した。6年の歳月にて【演目】の形だけは思い描いていた門司は1月の修行をもって自らが修めていた剣術より『鬼震』を生み出した。
抜き放った一振りがはるか遠くの崖を切り崩したのを見て完成したと喜んだ門司。
そこに僧侶がやって来て先程の一言を言ったのだ。
先程の熱はどんどんと退いて行く。気にすることは無いと心に言い聞かせるが、言葉が棘のように心に刺さり抜き取れない。
何故なら、『鬼震』が完成した時、脳裏に浮かんでいたのだ。共に在った大和や晴菜がその門司の凶刃にその身を両断された姿を…。
「……………………っ…」
そうして会得した『鬼震』その全力はただの一度だけ、その後は今後お世話になって行くことになる。これまでの威力を抑えた『鬼震』であった。
「…確かにあの頃の俺じゃあ眼前の敵どころか隣に立つ仲間まで斬り伏せる様になっていた…でも今は違うだろう!」
『否、お前は何も変わっていない…』
「黙れ…式典での敗戦。あの時にほど問い願った事は無い「何本来の『鬼震』を出来ないのか?しないのか?…と、もう良いだろう…?」
『否、今振るえば同じ道を辿るだろう。絆を育んだ仲間のその骸の姿を積み上げてな…』
「黙れ、お前は一体何なんだ?俺の事を全く知らないクセに……」
その時、何かがカチリとかみ合った。
「…ッ!?」
フラッシュバックしているとばかり思っていた。だが違う…。
自分はいったい誰と話している?
腑に落ちたように何かが繋がった時、門司は駆けていた。夢中で向かった先、そこは寺院の中であった。
雨漏りをし所々朽ちているが、大きな堂がある。中央には大きな座像が鎮座している。
その仏像の前に門司は立った。
「……先に一言謝罪させてもらいます。すみません」
仏像へ頭を下げた門司。
そして次の瞬間、木刀を振るった。
外にまで響く巨大な破砕音。土煙が巻き起こる。
「…確かに、アンタの言った通りだ。俺の剣は只々傷つけるだけだ、敵も味方も……何故ならそこに無かった…足りなかったからだ…俺自身の心が……」
治まる土煙。そこでよく見ると仏像が無事であった。門司は仏像手前の台座の部分に刀を振り下ろしたからだ。
「剣一本でどこまで斬れるか試してみたい。心の奥底に芽生えてしまったこの想いもキチンと抱えて行かないと…そりゃあ出来ないよな……」
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