プライベート・スペクタル

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第三話 第三章

第八節

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「貴方は以前、大和さんと『巨神』と戦った」
「へへッ…こんな可愛い娘に覚えてもらえたとは光栄だ」
「合衆国の【星】部隊ですか……増援感謝いたします……ぐッ…」
「礼には及ばねぇさ…それよりもアンタは下がっておきな……」
「…そうさせてもらいます」
そう言って随伴してきた合衆国の【星】に指示を出したダイヤ。彼等の肩を借りて信楽はこの場を撤退した。
「さてと、嬢ちゃんは俺と一緒にもう一働きだ…出来るかい?」
「はいッ!よろしくお願いします!!」
白雪の返しに「良い返事だ」と笑みを浮かべたダイヤ。タークスに向き直る。
「何だ負傷者の救護は終わったか?」
「ああッ…待たせたな……選手交代。次は俺だ……」
「良いとも…このタークスを存分に楽しませてくれ!」
「ヘヘッ…言われなくとも………合衆国エージェント【銘付き】『国鳴り』オルド・ダイヤモンド…悪いが少々付き合ってもらおうか!!」
そう名乗りを上げて駆け出したダイヤ。片手鎚をそれぞれ両手に携え突っ込んでいく。
打撃を叩き込むダイヤ。続いて二撃三撃と打撃を撃ち込む。
「ん?想像以上に大したことが無いな!先程の投擲の方がまだ威力があったぞ!!」
そう笑ったタークス。それに「だろうな」とダイヤは笑う。

【演目】『正義への疑問符 アースパイル』

そこで演ったダイヤの【演目】『正義への疑問符』。運動エネルギーを操ることが出来るこの【演目】により放出されず鎚に溜められたエネルギーを一気に解き放つ。
「ッツ!!?」
解放され強力な衝撃力と化したエネルギーがこの戦いで初めてタークスの肉体を仰け反らせた。
「今だ嬢ちゃん!同じ場所!!」
「ッ!?…はいッ!?」
『三重』
隙を突き『御雷』を放った白雪。ダイヤの言葉を即座に理解しダイヤの打撃と同じ場所に撃ち込む。
それにより初めてタークスの肉体に傷がついた。
「ぐぅオォ!!」
即座に反撃の打撃を放つタークス。だが、鎚の投擲により僅かに逸らされる。
空振った蹴りは軌道上にあった瓦礫の山を一瞬にして消し飛ばした。
その隙を活かして白雪はダイヤの近くまで距離を取った。
「久々ですよ痛みを感じたのは……ダイヤと名乗りましたか、先程の割り込みといい、その図体にしては中々に魅力的な事をする」
「へへッ…そうかい。言われるのは嬉しいが、それを一番安い駒に言われるのは少々複雑だねぇ」
「………どういう意味だ?」
目を細めたタークス。ダイヤの言った言葉の内容から先程までとは違い少し怒気が含んでいる。
だが、そんな状況であるがダイヤは気にせず「そのままの意味さ…」と続ける。
「この場に日本の連中が居るのも丁度いい……この戦いは大和達が先におっ始めたから総体的にはこの戦いは二戦目…つまるところ日本的に言やぁ次鋒戦という事になる」
「それが何だ」
「そして次鋒戦っていうのは、一番全体的な勝敗に影響しない戦いって言われている……要するにアンタは一番安い駒って訳だ……」
「……ダイヤさん。その例えには少し語弊が……」
小声でそう伝えた白雪に「知っている」とウィンクで応じたダイヤ。敢えて挑発の為に伝えたのだと悟る。
「き、貴様ぁああアアアアアァああああああああ!!?」
だが、異国であろう出身故に効果はテキメンであったタークス。先程の態度とは全く違う激昂した表情を見せて突っ込んで来た。
「このタークスが!我が君にとって一番安い駒だとッ!!?よくもそのような事をッ!!?」
ダイヤに打撃を加えるタークス。異常な身体能力で放たれる拳や蹴りは大気を爆ぜさせ地面を穿ち軌道上のあらゆる物質を粉砕する。
だが、ダイヤはそれらを全て躱していた。
「へへッ!事実を言っただけなのに何をそこまでキレ散らかしていやがるんだ?そんな事すら理解出来ないから、その我が君とやらもそうしたんだろうなぁ~いやはやよくわかっているよその御方♪」
「きぃいいいいいいいい!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺してやるぅううウ!!」
「その意気は良いが、だがアンタ…」

【演目】『正義への疑問符 テイスティ・スイーティ』

「がッ!?」
「怒りに任せて動きが、だいぶ単純になっているぜ」
溜められた運動エネルギーはタークスの顔面で炸裂した。

※来週は休筆致します、次回更新予定は9/30予定です。
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