プライベート・スペクタル

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第二話 終章

終幕

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「…起きて…起~きて……」
「ん…?」
暗闇が多くを支配するとある【領域】
ドロップの声に促されるようにアトラスは目を開けた。
「…ここは?」
「ここ?な~にって俺達の【星団】その【領域】の中だ~よ。君等~が俺のプランに乗ってく~れて、『フツノミタマ』をある程~度崩してくれたか~らこうも労力無~しに包囲網を抜け出せたんだ~ぜ。そ~こで気絶し~た君も連れ~て来たってわ~けさ」
「…………………」
「んん~御礼は良い~よ。そういう約束だっ~たし、破~棄して寝覚~めが悪くなるのも嫌だったしね~……で~も助けれたのは君だ~けだ…ジャァ~ックや他のみんな、アレはダメだ~……ほとんどが再起不~能。今後は使えな~いだろうね~」
「…それはお前の…いやお前の主人の今後にって事だろ?」
「……うわぉ、想像以上にタフネスだったんだ。てっきり気絶していたと思っていたのに…」
間延びした口調が消え驚いたような声色を見せるドロップ。だがすぐに元に戻る。
「何が目的だ?」
「いやそこまでの事は求めてい~ないよ。ただ働いてもらおうと思って、俺~達の為に…」

「いや私の為ですよ」

ドロップの声を遮るようにして聞こえた女性の声。
それと同時に暗闇の中から一名の女性の【星】が現れる。
闇が深く。その容貌までは詳しく伺うことが出来ない。
「この計画は私による私の為の計画だとそう言ったはずですよドロップ」
「あ~らいっけね…忘れて~た」
「全くどうしようもないドロップですね本当に…」
ぶりっこの様に自らの頭を小突いたドロップ。女性の【星】は溜息を吐く。
「いいからお前は邪魔ですよ…消えてください」
「はいは~い」
そう言いドロップは【領域】の奥へと引っ込んだ。
「お前が御法川・トワか…?」
「そうですよアトラス。ですが多くの方は私をこうとも言います『時極の魔女』と…」
「お前によるお前の計画というのは一体なんだ?」
「そうですね、快く協力していただくのは必要不可欠でしょう…嘘偽りなくお話いたしましょう」
そう言って自身の計画を語るトワ。
内容を聞いたアトラスは驚愕し…呆然し…。
そして大笑いした。
「くっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははハハハッ!昔から【星】の間で伝わる話。馬鹿馬鹿しい話を実現させようとする奴が存在しているとはなァ!」
荒唐無稽な笑い話として伝わっている内容である。
括りで言えばこの世界に存在するカミ。そいつに直接会おうと考えているようなものである。
分別のわからない子供なら兎も角、大人それも良い歳した者がそれを実行しようとしていることに笑いが止まらなかった。
「それもその話が本当なら利があるのはそれこそお前だけじゃあないかッ!」
「そうですよ。だからこそ私による私の為の計画だと…」
仲間全てを振り回すと豪語する。まさにエゴイストである。
だがその潔さが荒唐無稽な話を聞きイカレ具合から上機嫌なアトラスの興をさらに乗らせた。
「良いぞ!お前の計画に乗ってやる!!先の戦いで敗れた身、一度死んだ身としてお前のその馬鹿げた虚妄ゆめに浸るのも悪くない!」
「良いお返事をありがとうございます。ついでと言えばなんですが…貴方を破った方々との再戦の機会も用意いたしましょう…彼らの欲しいモノ。それを我々は有しておりますから…」

そう言ってトワが掲げたのは全部で3つの【星具】『無にして全』であった。

※第三話仕込みと新作構想の為2週間ほど休筆致します。次回は2/25予定です。
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