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第二話 第四章
第九節
しおりを挟む「くらいやがれぇ!!」
しこたま打撃を叩き込み。次こそはと近づく大和。
アトラスはカウンターで土の塊を柱の形状に変え地面から撃ち出す。
超至近距離ゆえに躱すことも出来ず腹部に叩きつけられた大和。血を吐きながら吹き飛ぶ。
「どうした『龍王』!?この程度なのか!?」
「言ってくれるじゃあねぇの!?」
口元の血を拭い互いに笑みを浮かべる両名。すぐに大和は起き上がるとアトラスの元へと踏み込む。
「へへッ、俺も忘れてもらっちゃあ困るなぁ!」
ダイヤもそれに合わせる形で鎚を振るい跳びかかった。
だが他愛なく防いだアトラス。死角から投擲されていた鎚も弾き飛ばす。
弾かれた鎚を即座に拾ったダイヤ。ゴィンと打面を打ち合わせる。
するとアトラス正面で向かっていた大和は死角へと瞬間移動した。
そのまま打撃を撃ち込む。
「呉成!俺を信じてそのまま突き進め!!」
「オッケぇイー!」
【演目】『正義への疑問符 ユビキタス・ヒーロー』
瓦礫群内から演目を演るダイヤ。鎚にエネルギーを貯めつつ何度も打面を打ち鳴らし続ける。
その音と共に視覚外へと瞬間移動を続ける大和。ヒットアンドアウェイの形で死角から打撃を何度も叩き込み続ける。
「ふ…良いぞ!良いぞォ!!」
狂気を帯びた表情で笑ったアトラス。ダイヤに向かって土の矢を数本放つ。
大和の瞬間移動に意識を割いていたダイヤは動けずまともに受ける。
胴体に幾つかの矢が深々と突き刺さった。
「ダイヤ!?」
「ごボっ……気にするんじゃあねぇ!今とってもいい所ダロウが!!」
血に溺れかけながらも叫ぶダイヤ。その言葉に大和は気持ちを振り切り【演目】を演つ。
【演目】『龍桜 誅魔豪脚 春雷』
蹴りを叩き込む大和。この戦闘一番の精神の爆発であり最高の威力である。
「ッッッッッ!?まだ威力が上がるかッ!!」
【演目】『巨神 厄災への戒備』
『龍桜』の潜在性に思わず感嘆の声を上げるアトラス。【演目】により自らを中心として地層の様な壁を生み出し周囲に押し除ける。
体当たりの様な壁の動きに大和は勢いよく吹き飛ばされ瓦礫に叩きつけられた。
(ああ糞ッ、もう一手もう一歩欲しいなぁ!)
瓦礫の中から起き上がりつつそう思った大和。
今現在、何とか拮抗している戦況をこちら側に傾けるのには必須事項。
ダイヤが限界の中、そこに踏み出せるのは大和を置いて他になかった。
(アレを使ってみるか?イヤでもあれはまだ未完成…使うのはどうともなぁ…)
「まあ…しゃーねぇか……」
自らの内に響いた静止の声を振り切った大和。両腕を胸元まで掲げる。
そして集中…。
アレ…晴菜の『爆炎』や門司の『鬼震』に触れ、少し前から構想した新技。それを試すのであった。
(溜めが必要。チョイ歪…お披露目にゃあまだ先だと思っていたが…)
「そんな事言ってこんな絶好の機会を逃しちゃあ世話無ぇわな!」
こんなピンチに出せるなんてまさに千載一遇。
感情の栓を外す大和。一気に精神を昂らせる。
あふれ出る魂のエネルギー。それを身体操作で全身。特に両腕に重点的に行き渡らせる。
行き渡ったエネルギーを血流の増強や任意的なシバリングにより熱に変換。逃さないよう身体内に蓄積していく。
それにより両腕は高温を帯び始め真紅に輝き始めた。
「何だ…それは……?」
「呉成…」
「好奇心は猫を殺す…さっきの溜めの時間。それがこの新技唯一の弱点だったっていうのに…黙って見てくれてどうもありがとよ」
「なに…?」
「その礼と言っちゃあなんだが……世界初、予約待ち時間一切なし、新装開店一番最初に味合わせてやるよ!構想のみ実戦初の新技『龍桜 龍式炎龍』をッ!!」
そう言って真紅に輝く腕を振るい構えた大和。即座に姿が掻き消える。
見えない速度でアトラスの目の前に現れると拳を叩き込んだ。
「グガっ!?…ぐ……」
高温を纏う拳が大気と摩擦を起こす事で発火した炎が残滓の様に軌跡を描く。
先程とは比べ物にならない桁違いの威力にアトラスは思わず呻き声を漏らす。
「『龍王』ぉおッ!」
踏み鳴らしにより地面から伸びる無数の土の槍。足元からの完全な不意打ち。
だが大和はその知覚外からの攻撃を躱し、一瞬で距離を取る。
と思えば、今度は別方向から超高速でいつの間にか近づいており、アトラスに打撃を撃ち込んでいた。
しこたま打撃を叩き込み。次こそはと近づく大和。
アトラスはカウンターで土の塊を柱の形状に変え地面から撃ち出す。
超至近距離ゆえに躱すことも出来ず腹部に叩きつけられた大和。血を吐きながら吹き飛ぶ。
「どうした『龍王』!?この程度なのか!?」
「言ってくれるじゃあねぇの!?」
口元の血を拭い互いに笑みを浮かべる両名。すぐに大和は起き上がるとアトラスの元へと踏み込む。
「へへッ、俺も忘れてもらっちゃあ困るなぁ!」
ダイヤもそれに合わせる形で鎚を振るい跳びかかった。
だが他愛なく防いだアトラス。死角から投擲されていた鎚も弾き飛ばす。
弾かれた鎚を即座に拾ったダイヤ。ゴィンと打面を打ち合わせる。
するとアトラス正面で向かっていた大和は死角へと瞬間移動した。
そのまま打撃を撃ち込む。
「呉成!俺を信じてそのまま突き進め!!」
「オッケぇイー!」
【演目】『正義への疑問符 ユビキタス・ヒーロー』
瓦礫群内から演目を演るダイヤ。鎚にエネルギーを貯めつつ何度も打面を打ち鳴らし続ける。
その音と共に視覚外へと瞬間移動を続ける大和。ヒットアンドアウェイの形で死角から打撃を何度も叩き込み続ける。
「ふ…良いぞ!良いぞォ!!」
狂気を帯びた表情で笑ったアトラス。ダイヤに向かって土の矢を数本放つ。
大和の瞬間移動に意識を割いていたダイヤは動けずまともに受ける。
胴体に幾つかの矢が深々と突き刺さった。
「ダイヤ!?」
「ごボっ……気にするんじゃあねぇ!今とってもいい所ダロウが!!」
血に溺れかけながらも叫ぶダイヤ。その言葉に大和は気持ちを振り切り【演目】を演つ。
【演目】『龍桜 誅魔豪脚 春雷』
蹴りを叩き込む大和。この戦闘一番の精神の爆発であり最高の威力である。
「ッッッッッ!?まだ威力が上がるかッ!!」
【演目】『巨神 厄災への戒備』
『龍桜』の潜在性に思わず感嘆の声を上げるアトラス。【演目】により自らを中心として地層の様な壁を生み出し周囲に押し除ける。
体当たりの様な壁の動きに大和は勢いよく吹き飛ばされ瓦礫に叩きつけられた。
(ああ糞ッ、もう一手もう一歩欲しいなぁ!)
瓦礫の中から起き上がりつつそう思った大和。
今現在、何とか拮抗している戦況をこちら側に傾けるのには必須事項。
ダイヤが限界の中、そこに踏み出せるのは大和を置いて他になかった。
(アレを使ってみるか?イヤでもあれはまだ未完成…使うのはどうともなぁ…)
「まあ…しゃーねぇか……」
自らの内に響いた静止の声を振り切った大和。両腕を胸元まで掲げる。
そして集中…。
アレ…晴菜の『爆炎』や門司の『鬼震』に触れ、少し前から構想した新技。それを試すのであった。
(溜めが必要。チョイ歪…お披露目にゃあまだ先だと思っていたが…)
「そんな事言ってこんな絶好の機会を逃しちゃあ世話無ぇわな!」
こんなピンチに出せるなんてまさに千載一遇。
感情の栓を外す大和。一気に精神を昂らせる。
あふれ出る魂のエネルギー。それを身体操作で全身。特に両腕に重点的に行き渡らせる。
行き渡ったエネルギーを血流の増強や任意的なシバリングにより熱に変換。逃さないよう身体内に蓄積していく。
それにより両腕は高温を帯び始め真紅に輝き始めた。
「何だ…それは……?」
「呉成…」
「好奇心は猫を殺す…さっきの溜めの時間。それがこの新技唯一の弱点だったっていうのに…黙って見てくれてどうもありがとよ」
「なに…?」
「その礼と言っちゃあなんだが……世界初、予約待ち時間一切なし、新装開店一番最初に味合わせてやるよ!構想のみ実戦初の新技『龍桜 龍式炎龍』をッ!!」
そう言って真紅に輝く腕を振るい構えた大和。即座に姿が掻き消える。
見えない速度でアトラスの目の前に現れると拳を叩き込んだ。
「グガっ!?…ぐ……」
高温を纏う拳が大気と摩擦を起こす事で発火した炎が残滓の様に軌跡を描く。
先程とは比べ物にならない桁違いの威力にアトラスは思わず呻き声を漏らす。
「『龍王』ぉおッ!」
踏み鳴らしにより地面から伸びる無数の土の槍。足元からの完全な不意打ち。
だが大和はその知覚外からの攻撃を躱し、一瞬で距離を取る。
と思えば、今度は別方向から超高速でいつの間にか近づいており、アトラスに打撃を撃ち込んでいた。
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