プライベート・スペクタル

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第二話 第四章

第三節

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「ワッツ!?」
リィン♪と鳴り始めた音に戸惑いを覚えるジャック。
『ふむ、鈴鳴まで入りましたか…随分と久しぶりですね……』
一方懐かしむ様子の睦美。鈴の音色は単発から連続へ…そして断続的へと変わっていく。
「いくぞ」
言葉と同時に力強く踏み込む門司。ジャックへと一気に近づく。
下段より振るわれた刃。斬り上げるように振るわれる。
防ごうと剣で受けにかかるジャック。振動により斬断力が増している刃に真正面から向かわず側面からやや逸らす形で刃を合わせようとする。
「…ッツ!!?」
だがその瞬間、得体の知れない恐怖感を感じるジャック。即座に防御ではなく回避へと変え体を反らす形で躱す。
鈴の音が身体の傍を掠めていく。
続き連続で斬撃を振るう門司。ジャックはそれらも受ける事無く回避の一辺倒である。
「ふん躱すか……」
(馬鹿ヤロウ!躱すそれしか出来ないからに決まっているカラダロウガ!!)
門司の言葉に内心そう毒吐くジャック。
防ごうとすれば防ぐことは出来るだろう。
だが、先程よりも明らかに質の異なる門司特有の剣気により直感で理解出来る。
防いだら確実に剣がへし折られるッ!
それが心の底から理解出来る!
「どうした?先の余裕が消えているぞ?」
「ッツ!!?」

【演目】『死神鎌 MTチョッパー』

門司の言葉に瞬間的に熱し【演目】を演つジャック。付近にあった家屋数件を斬り刻み瓦礫を門司へと蹴り放つ。
木材に混じって放たれた鉄骨の壁や支柱。それらを門司はまるで熱せられたナイフでバターを切ったように何の手応えも無さそうに斬り払う。
だが、その僅かな隙をつき落ちてきた瓦礫に紛れる様にジャックは姿を消した。
「………………」
辺りを見渡す門司。
すると足元に急に痛みが走る。
見ると地面から伸びた腕が握っていた五寸釘が足首に突き刺さっていた。
そこからジャックが顔を出す。
「ヒャアッ!俺は剣士っチャア剣士だガ!そこまで固執するタチじゃあねぇからヨォ!正々堂々は手前の刀は怖いカラ、こうさせてもらうゼェ!!」
「チッ!」
「ヒャッハ!」
舌打ちをし刀を振り下ろす門司。だがジャックはそれよりも早く地中へと潜り躱した。
そこから地中内から攻めるジャック。高速で地上に現れ斬撃を叩き込み。そして地中へ消える。
その攻撃の大半を捌く門司。だが、捌き切れない部分もあり多くの傷を作る。
「ハッハー!どうしたドウシタァ!?防戦一方じゃあネェか!折角その何とかって言うノヲ出したんだから反撃して来いヨォ!…刻むのは地球になるがナァ!!」
「『領域』内だから地球ではないし、生憎だがそんなつまらないモノを斬る趣味はない……だが少々面倒だな……」
そう言って構えを作る門司。刀の切っ先を下げやや脱力したような独特の形である。

【演目】『鬼震 小噺 三太刀 時蕎麦』

「おいおいおいおいオイオイオイオイ!降参の意思表示カァ!?そんなのは認めネェゼ!」
門司の構えにそう揶揄うジャック。【演目】を演つ。

【演目】『死神鎌 UGカッター』

更に上げた速度で斬撃を叩き込むジャック。残像が生まれるほどの速度で門司に斬りかかる。
それを防御することなく受ける門司。致命傷となりうるモノだけは避けつつ防御も回避も最小限に抑える。
門司の肉体にはいくつも傷が出来ていた。
(この程度カァ『鬼神』。刀が鳴いている今も恐ろしい程の剣気は感じてはいるガ…防御も無しに手も足も出ていない…チョイとがっかりダゼ……まあ)
「コレで終わりニしてやるヨォ!」
死角から門司に向かって高速で飛び出したジャック。抉り込むように剣を振るう。

【演目】『鬼震 小噺 三太刀 時蕎麦 勘定』

【演目】『死神鎌 STチョ//……』

「ワッ!?…ッザ!!?」
「ああ、でも地球よりもはるかにつまらないモノを今斬ったな…」
それを迎撃した門司。予知したような美しいカウンターの斬撃はジャックの剣のみならず両腕すらも斬り飛ばした。

※次週は休筆致します。次回は11/19予定です。
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